○大津市太陽光発電設備の設置の規制等に関する条例
平成29年12月22日
条例第53号
(目的)
第1条 この条例は、太陽光発電設備の設置が防災上並びに自然環境、生活環境及び景観(以下「自然環境等」という。)に及ぼす影響に鑑み、その設置に関して必要な規制等を行うことにより、市民の生命及び財産の保護を図るとともに、良好な自然環境等を保全し、もって公共の福祉に寄与することを目的とする。
(1) 太陽光発電設備 太陽光を電気に変換する設備及びその附属設備(送電に係る鉄柱等を除く。)をいう。
(2) 特定事業 太陽光発電設備を設置(太陽光発電設備の設置に伴う木竹の伐採及び切土、盛土、埋土等の造成工事を含む。以下同じ。)する事業(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根又は屋上に太陽光発電設備を設置するものを除く。以下「事業」という。)のうち、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 事業の用に供する土地の区域(以下「事業区域」という。)の面積が1,000平方メートルを超えるもの
イ 事業区域内における高低差が13メートルを超えるもの
ウ 発電出力が50キロワット以上の太陽光発電設備を設置するもの
エ 支柱型太陽光発電設備を設置するもの
(3) 事業者 設置者(事業を自ら行う者又は事業の発注者をいう。以下同じ。)及び事業施行者(設置者との契約により事業の施行を請け負う全ての者をいう。)をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、事業の実施に当たり、関係法令を遵守するとともに、災害の防止及び自然環境等の保全のために必要な措置を講じなければならない。
(禁止区域)
第5条 何人も、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和41年法律第1号)第6条第1項の歴史的風土特別保存地区においては、太陽光発電設備(道路標識等と一体となっているものであって、国又は地方公共団体が設置するものを除く。)を設置してはならない。
(抑制区域)
第6条 市長は、次に掲げる区域のうち、災害の防止又は良好な自然環境等の保全のため、特定事業の実施について特に配慮が必要と認められる区域を抑制区域として指定することができる。
(1) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定により指定された土地の区域
(2) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第143条第1項又は第2項の伝統的建造物群保存地区の区域
(3) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第3号の国定公園及び同条第4号の都道府県立自然公園の区域
(4) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の地すべり防止区域及びこれに準ずる区域
(5) 宅地造成等規制法の一部を改正する法律(令和4年法律第55号。以下「令和4年宅地造成等規制法改正法」という。)附則第2条第1項に規定する旧宅地造成工事規制区域
(6) 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法第4条第1項の歴史的風土保存区域(同法第6条第1項の歴史的風土特別保存地区の区域を除く。)
(7) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第7号の風致地区の区域
(8) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の急傾斜地崩壊危険区域及びこれに準ずる区域
(9) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項の土砂災害特別警戒区域及びこれに準ずる区域
(10) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第28条第1項の鳥獣保護区の区域
2 市長は、前項の規定による指定をするときは、規則で定めるところにより、その旨を告示しなければならない。
4 市長は、抑制区域の指定の要件となった事実の変更により必要が生じたときは、当該抑制区域の区域を変更し、又は指定を解除するものとする。
(令5条例24・一部改正)
(特定事業の許可)
第7条 第5条の規定により設置を禁止される場合を除くほか、特定事業を実施しようとする者は、当該特定事業に係る工事(以下「設置工事」という。)に着手する前に、当該特定事業に係る計画(以下「事業計画」という。)を定め、市長の許可を受けなければならない。
2 事業計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
(1) 事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)
(2) 現場管理者の氏名及び住所
(3) 設置工事の着手予定日及び完了予定日
(4) 事業区域(事業区域を複数の工区に分けたときは、事業区域及び工区)の所在地及び面積
(5) 設置工事の設計
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
(事前協議)
第8条 第11条の規定による申請をしようとする者(以下「申請予定者」という。)は、当該申請をする前に、規則で定めるところにより、事業計画について市長と協議しなければならない。
2 申請予定者(抑制区域内において特定事業を実施しようとする者に限る。以下「抑制区域内申請予定者」という。)は、事業計画を定める前に、規則で定めるところにより、当該特定事業の実施方針について市長と協議しなければならない。
(令3条例31・一部改正)
(事前周知)
第9条 申請予定者は、規則で定めるところにより、事業計画の内容について、当該特定事業の事業区域の周辺住民等(以下「周辺住民等」という。)に対しあらかじめ説明会を開催するなど当該事業計画に関する周知について必要な措置を講じ、その結果を市長に報告しなければならない。
2 抑制区域内申請予定者は、周辺住民等から事業計画に対する災害の防止又は良好な自然環境等の保全上の見地からの意見の申出を受け付ける期間、受付場所その他規則で定める事項を定め、前項の周知の際にこれを周知しなければならない。
4 抑制区域内申請予定者は、第2項の意見の申出があったときは、速やかに、規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。見解書を交付したときも、同様とする。
5 抑制区域内申請予定者は、第3項の協議を行ったときは、速やかに、規則で定めるところにより、その結果を市長に報告しなければならない。
(令3条例31・一部改正)
(意見の調整)
第9条の2 市長は、事業区域及びその周辺地域(以下「関係地域」という。)の災害の防止又は良好な自然環境等の保全上の見地から必要があると認めるときは、事業計画について周辺住民等と抑制区域内申請予定者との間の意見の調整を行うことができる。
(令3条例31・追加)
(協定)
第10条 抑制区域内申請予定者は、関係地域の災害の防止及び良好な自然環境等の保全に係る事項等について、周辺住民等で構成される地縁団体の長その他規則で定める者と協定を締結するよう努めなければならない。
2 抑制区域内申請予定者は、前項の協定を締結したときは、速やかに当該協定に係る書面の写しを市長に提出しなければならない。
(令3条例31・一部改正)
(令3条例31・追加)
(あっせん)
第10条の3 周辺住民等又は申請予定者は、紛争が自主的な解決に至らなかったときは、市長にあっせんの申請をすることができる。
2 市長は、前項の申請があった場合は、あっせんを行うものとする。ただし、この条例に規定する手続を誠実に履行していない者からの申請であるときその他その性質上市長があっせんを行うことが適当でないと認めるときは、この限りでない。
3 市長は、前項の規定によりあっせんを行うときは、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めるものとし、必要に応じて、大津市太陽光発電設備の設置に係る紛争調整委員会の意見を聴くものとする。
(令3条例31・追加)
(あっせんの打切り)
第10条の4 市長は、あっせんに係る紛争について当事者があっせんに応じないとき、又は紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。
2 市長は、あっせんを打ち切ったときは、その旨を当事者に通知するものとする。
(令3条例31・追加)
(1) 事業者及び現場管理者が次のいずれにも該当しないこと。
ア 特定事業を実施するために必要な資力及び信用があると認められない者
イ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
ウ 第16条第1項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合にあっては、当該取消しの処分に係る大津市行政手続条例(平成8年条例第30号)第15条第1項の規定による通知があった日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、当該法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下同じ。)であった者で、当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)
オ 特定事業の実施に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
ク 法人でイに規定する者がその事業活動を支配するもの
(2) 事業計画が、次に掲げる事項について規則で定める基準に適合するものであること。
ア 太陽光発電設備の設置に係る防災上の措置に関する事項
イ 関係地域における良好な自然環境等の保全に関する事項
ウ 太陽光発電設備の設計の安全性の確保に関する事項
エ その他市長が必要と認める事項
2 市長は、第7条第1項の許可に、災害の防止又は良好な自然環境等の保全のため必要な条件を付すことができる。
(令3条例31・一部改正)
(変更の許可等)
第13条 第7条第1項の許可を受けた者(以下「許可事業者」という。)は、当該許可に係る事業計画を変更しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
2 許可事業者は、前項ただし書の軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。
(令3条例31・一部改正)
(着手の届出)
第14条 許可事業者は、設置工事(事業区域を工区に分けたときは、工区に係る設置工事。次条において同じ。)に着手するときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
(工事完了の検査)
第15条 許可事業者は、設置工事を完了したときは、規則で定めるところにより、その設置工事が当該許可の内容に適合しているかどうかについて、市長の検査を受けなければならない。
2 市長は、前項の検査の結果、設置工事が当該許可の内容に適合していると認めたときは、規則で定めるところにより、その旨を許可事業者に通知しなければならない。
(監督処分)
第16条 市長は、許可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。
(3) 第7条第1項の許可を受けた日から起算して1年を経過した日までに設置工事に着手しなかったとき。
(4) 1年以上引き続き設置工事を施行していないとき。
(5) 第12条第1項第1号に掲げる要件を満たさないと認められるに至ったとき。
(保全義務)
第17条 特定事業に係る太陽光発電設備(以下この条及び次条において「特定太陽光発電設備」という。)の設置者、所有者又は管理者(以下「設置者等」という。)は、災害又は自然環境等の保全上の支障が生じないよう、特定太陽光発電設備及び事業区域を常時安全かつ良好な状態に維持しなければならない。
(改善命令)
第18条 市長は、特定太陽光発電設備又は事業区域の維持管理が適切になされておらず、又は極めて不完全であるために、災害が発生し、又は自然環境等に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、必要な限度において、当該特定太陽光発電設備の設置者等又は当該事業区域の土地の所有者等に対し、相当の期限を定めて、災害の防止又は良好な自然環境等の保全のために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
(報告の徴収及び立入調査)
第19条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、太陽光発電設備の設置者等又は事業区域の土地の所有者等に対して報告若しくは資料の提出を求め、又はその命じた者若しくは委任した者に事業区域に立ち入らせて必要な調査をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定による立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(勧告)
第20条 市長は、必要に応じ、次の各号に該当する者に対し、期限を定めて必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
(4) 前条第1項の規定による報告若しくは資料の提出を正当な理由なく拒み、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
(5) 前条第1項の規定による立入調査を正当な理由なく拒み、妨げ、又は忌避した者
(公表)
第21条 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を公表することができる。
(2) 前条の規定による勧告に従わないとき。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、公表の対象となる者に対して意見を述べる機会を与えなければならない。
(1) 第7条第1項の許可の申請に対する審査 1件につき 次に掲げる額を合算した額
ア 事業区域の面積に応じ、次に定める額
事業区域の面積 | 金額 |
500平方メートル以下のとき | 4,800円 |
500平方メートルを超え1,000平方メートル以下のとき | 8,400円 |
1,000平方メートルを超え2,000平方メートル以下のとき | 12,400円 |
2,000平方メートルを超え5,000平方メートル以下のとき | 18,800円 |
5,000平方メートルを超え10,000平方メートル以下のとき | 26,800円 |
10,000平方メートルを超え20,000平方メートル以下のとき | 44,000円 |
20,000平方メートルを超え40,000平方メートル以下のとき | 68,000円 |
40,000平方メートルを超え70,000平方メートル以下のとき | 100,000円 |
70,000平方メートルを超え100,000平方メートル以下のとき | 136,000円 |
100,000平方メートルを超えるとき | 168,000円 |
イ 事業区域のうちに加算対象区域(都市計画法第29条第1項若しくは第2項、令和4年宅地造成等規制法改正法附則第2条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる令和4年宅地造成等規制法改正法による改正前の宅地造成等規制法(昭和36年法律第191号)第8条第1項本文又は森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2第1項の許可に係る区域以外の区域をいう。以下同じ。)がある場合にあっては、加算対象区域の面積に応じ、次に定める額
加算対象区域の面積 | 金額 |
500平方メートル以下のとき | 7,200円 |
500平方メートルを超え1,000平方メートル以下のとき | 12,600円 |
1,000平方メートルを超え2,000平方メートル以下のとき | 18,600円 |
2,000平方メートルを超え5,000平方メートル以下のとき | 28,200円 |
5,000平方メートルを超え10,000平方メートル以下のとき | 40,200円 |
10,000平方メートルを超え20,000平方メートル以下のとき | 66,000円 |
20,000平方メートルを超え40,000平方メートル以下のとき | 102,000円 |
40,000平方メートルを超え70,000平方メートル以下のとき | 150,000円 |
70,000平方メートルを超え100,000平方メートル以下のとき | 204,000円 |
100,000平方メートルを超えるとき | 252,000円 |
(2) 第13条第1項の許可の申請に対する審査 1件につき 次に掲げる額を合算した額。ただし、その額が420,000円を超えるときは、420,000円とする。
イ 事業区域への新たな土地の編入に係る事業計画の変更については、新たに編入される土地の面積について前号の規定により算定した額
ウ その他の変更については、10,000円
2 既納の手数料は、還付しない。ただし、市長が特別の理由があると認めるときは、その全部又は一部を還付することができる。
(令5条例24・一部改正)
(大津市太陽光発電設備の設置に係る紛争調整委員会)
第22条の2 紛争の自主的な解決を図るために必要な事項を調査審議するため、本市に大津市太陽光発電設備の設置に係る紛争調整委員会(以下「委員会」という。)を置く。
3 委員会は、委員7人以内をもって組織する。
4 委員は、学識経験を有する者のうちから、市長が委嘱する。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることができる。
7 前各項に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(令3条例31・追加)
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。
2 この条例の施行の際現に設置工事に着手している者については、当該設置工事に係る第7条第1項の許可を受けることを要しない。
附則(令和3年3月26日条例第31号)
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。
2 この条例の施行の日前に改正前の大津市太陽光発電設備の設置の規制等に関する条例第8条第1項(同条例第13条第3項において準用する場合を含む。)の規定による協議が開始されている特定事業については、なお従前の例による。
附則(令和5年3月24日条例第24号)
この条例は、令和5年5月26日から施行する。