○大津市手話言語条例
平成30年10月2日
条例第46号
手話は、障害者の権利に関する条約及び障害者基本法(昭和45年法律第84号)において明らかにされているように、手指や体の動き、表情等を使って視覚的に表現する言語である。しかしながら、手話が言語であることはいまだ社会で十分に認識されておらず、それゆえ、手話への理解や手話の普及は十分に進んでいるとはいいがたい。
本市では、国際障害者年(昭和56年)に滋賀県で全国身体障害者スポーツ大会が開催されたことを契機として多くの手話サークルが結成されてきた。また、これまで、手話通訳者・要約筆記者の派遣や聴覚障害者相談員の設置といった先進的な取組を進めてきた。
国際的に手話が言語であると認められた今こそ、私たちは、これまでにも増して手話への理解を深め、手話を普及させるとともに、手話を必要とする者が安心して暮らすことのできるまちづくりのため、更なる取組を進めていかなければならない。
ここに、手話への理解の促進及び手話の普及についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、手話に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、手話への理解の促進及び手話の普及に関し、基本理念を定め、並びに市の責務並びに市民等及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、手話に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) ろう者 手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。
(2) 市民等 本市の区域内に居住し、通勤し、又は通学する者をいう。
(基本理念)
第3条 手話への理解の促進及び手話の普及は、手話が言語であること及びろう者が手話により意思疎通を図る権利を有することを前提として、ろう者の人格と個性を尊重することを基本として行わなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、ろう者が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるよう、手話に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
(市民等の役割)
第5条 市民等は、基本理念に対する理解を深め、手話に関する市の施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、基本理念に対する理解を深め、手話に関する市の施策に協力するよう努めるとともに、ろう者が利用しやすいサービスを提供し、及びろう者が働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。
(施策の実施)
第7条 市は、第4条の規定に基づき、次に掲げる施策を実施するものとする。
(1) 手話により情報を取得する機会の拡大に関する施策
(2) 手話の習得の支援及び意思疎通の手段として手話を選択しやすい環境の整備に関する施策
(3) 手話通訳者の養成その他の手話による意思疎通の支援に関する施策
(4) 手話を学ぶ機会の提供に関する施策
(5) 前各号に掲げるもののほか、この条例の目的を達成するために必要な施策
(学校における取組による理解の促進)
第8条 市は、学校における手話に接する機会の提供その他の手話に親しむための取組を通じて、幼児、児童及び生徒の手話への理解の促進に努めるものとする。
(大津市手話施策推進協議会)
第9条 手話に関する施策の推進に関し必要な事項について調査審議するため、大津市手話施策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2 協議会は、委員7人以内をもって組織する。
3 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) ろう者の福祉に関し知見を有する者
(2) ろう者が組織する団体から選出された者
4 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成31年1月1日から施行する。