○佐賀市中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例

平成17年10月1日

条例第180号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 建築主等の配慮等(第7条―第10条)

第3章 建築計画の周知(第11条―第14条)

第4章 調整(第15条―第17条)

第5章 調停(第18条―第25条)

第6章 雑則(第26条―第28条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、中高層建築物等の建築に関し建築主等が配慮すべき事項、建築計画の周知の手続、紛争の調整及び調停の手続その他必要な事項を定めることにより、建築に伴う紛争の予防及び調整を図るとともに、良好な近隣関係を保持することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例における用語の意義は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)の例による。

2 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 中高層建築物等 次に掲げる建築物等をいう。

 地階を除く階数が4以上の建築物又は高さが15メートルを超える建築物

 高さが15メートルを超える携帯電話の電波塔

(2) 建築主等 中高層建築物等の建築主、設計者、工事監理者及び工事施工者をいう。

(3) 近隣住民 次に掲げる範囲内にある建築物(その敷地の一部が当該範囲内にあるものを含む。)の所有者、管理者又は居住者及び土地の所有者又は管理者(その土地に建築物が存しない場合に限る。)をいう。

 第1号アに規定する建築物の敷地境界線からの水平距離が当該建築物の高さに相当する距離の範囲(真北方向にあっては、当該建築物の高さの1.5倍に相当する距離の範囲)

 第1号イに規定する電波塔の敷地境界線からの水平距離が当該電波塔の高さの1.5倍に相当する距離の範囲

(4) 周辺住民 次に掲げる者をいう。

 中高層建築物等の建築によりテレビジョン放送の電波の受信障害(以下「テレビ電波受信障害」という。)が著しく生ずると予測される者

 中高層建築物等の建築により居住環境に影響を受ける者であって、市長が必要と認めるもの

(5) 近隣関係住民 近隣住民及び周辺住民をいう。

(6) 紛争 中高層建築物等の建築が居住環境に及ぼす影響に関する建築主等及び近隣関係住民(以下「紛争当事者」という。)の間の紛争をいう。

(適用除外)

第3条 この条例は、次に掲げる中高層建築物等については適用しない。

(1) 法第18条第3項の規定による確認済証を受けて建築するもの

(2) 法第85条の適用を受けるもの

(3) 敷地及び周囲の状況等により、紛争が生ずるおそれがないと市長が認めるもの

(市長の責務)

第4条 市長は、紛争の予防に努めるとともに、紛争が生じたときは、適切に調整及び調停を行うよう努めるものとする。

(建築主等の責務)

第5条 建築主等は、中高層建築物等の建築に際し、周辺の居住環境に十分に配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。

(紛争当事者の責務)

第6条 紛争当事者は、紛争が生じたときは、双方の立場を尊重し自主的に解決するよう努めなければならない。

第2章 建築主等の配慮等

(建築計画上の配慮)

第7条 建築主等は、中高層建築物等の建築の計画に際し、日照その他の周辺の居住環境に及ぼす影響に配慮するよう努めなければならない。

(教育施設等への日照)

第8条 中高層建築物等の建築主は、当該中高層建築物等の建築により、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において、保育所(規則で定めるものに限る。)、幼稚園、小学校、中学校その他規則で定める施設(以下「教育施設等」という。)の敷地に日影となる部分を生じさせるときは、日影の影響について配慮した計画を行うよう努めるとともに、当該中高層建築物等の計画について、当該教育施設等の設置者と協議しなければならない。

2 中高層建築物等の建築主は、前項の規定により教育施設等の設置者と協議したときは、規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。

(工事に関する措置)

第9条 建築主等は、中高層建築物等の工事の実施により周辺の居住環境に及ぼす影響を最小限にとどめるため、当該工事により発生する騒音及び振動の低減、ほこり等の飛散防止その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 建築主等は、工事用車両が教育施設等の通学路(児童及び生徒が教育施設等へ通う経路として専ら通行している道路をいう。以下同じ。)を通行することにより、当該通学路を利用する児童及び生徒の安全に支障が生ずると予測されるときは、適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

(電波障害対策)

第10条 建築主等は、中高層建築物等の建築によりテレビ電波受信障害が生じ、又は生ずると予測されるときは、当該テレビ電波受信障害を防止し、又は解消するために必要な措置を講じなければならない。

第3章 建築計画の周知

(標識の設置)

第11条 中高層建築物等の建築主は、近隣関係住民にその建築計画の周知を図るため、規則で定めるところにより、当該建築計画の概要を記載した標識を設置しなければならない。

2 前項の標識は、当該標識に係る中高層建築物等の工事に着手する日まで設置しなければならない。

3 中高層建築物等の建築主は、第1項の標識を設置したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に報告しなければならない。

(建築計画の説明)

第12条 中高層建築物等の建築主は、建築計画に係る規則で定める事項について近隣住民に対する説明(以下「事前説明」という。)をしなければならない。

2 中高層建築物等の建築主は、周辺住民の求めがあるときは、前項の規則で定める事項について当該周辺住民に対する説明をしなければならない。

3 前2項の事前説明及び説明について、説明会の開催を求められたときは、これに応じるよう努めなければならない。

4 中高層建築物等の建築主は、近隣住民の長期不在その他の当該建築主の責めに帰すことができない理由により、事前説明をすることができないときは、規則で定めるところにより近隣住民に対する周知をしなければならない。

5 中高層建築物等の建築主は、中高層建築物等の設計者、工事監理者、工事施工者その他当該中高層建築物等の建築計画について十分な知識を有する者に第1項の事前説明、第2項の説明及び前項の周知を行わせることができる。

(報告)

第13条 中高層建築物等の建築主は、前条に規定する事前説明、説明及び周知の状況を市長に報告しなければならない。

2 前項の報告は、第11条第1項の標識を設置した日から起算して15日を経過した日以降で、かつ、法第6条第1項又は法第6条の2第1項に規定する確認の申請(以下「確認申請」という。)をしようとする日の30日前までに提出しなければならない。

(建築計画等の変更の手続)

第14条 中高層建築物等の建築主は、第11条第1項の規定による標識の設置の日から当該中高層建築物等に係る確認申請をしようとする日までの間に、当該中高層建築物等の建築計画の変更をしたときは、当該変更の内容について、同条から前条までの規定による標識の設置、事前説明その他の手続を経なければならない。この場合において、第12条第2項に規定する求めの有無にかかわらず、同項に規定する説明を受けた周辺住民に対し、当該変更の内容について説明しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する変更により周辺の居住環境に及ぼす影響が当該変更前と比較して改善され、又は当該変更の内容が周辺の居住環境に影響を及ぼさないと認められるときは、同項の手続を経ることを要しない。

第4章 調整

(調整の申出)

第15条 紛争当事者は、紛争が生じた場合において、第6条の規定に基づく自主的な解決の努力を尽くしてもなお紛争の解決に至らないときは、当該紛争の調整(以下「調整」という。)を市長に申し出ることができる。

2 前項の規定による調整の申出は、当該紛争に係る中高層建築物等の工事の着手前に行わなければならない。

3 市長は、第1項の規定による調整の申出があったときは、紛争当事者間に合意が成立するよう調整を行うものとする。

4 市長は、紛争の調整のため必要があると認めるときは、関係者に対し、その意見又は説明を聴くための調整の場への出席及び必要な資料の提出を求めることができる。

(調整の打切り)

第16条 市長は、調整に係る紛争について、紛争当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調整を打ち切ることができる。

(調整の非公開)

第17条 調整の手続は、公開しない。

第5章 調停

(佐賀市建築紛争調停委員会)

第18条 市長は、この条例の規定による調停を行うため、佐賀市建築紛争調停委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、前項の規定による調停のほか、市長の諮問に応じ紛争に関する重要事項について調査し、及び審議する。

3 委員会は、委員5人以内をもって組織する。

4 委員は、法律、建築、行政等の分野に関し経験及び知識を有する者その他市長が適当と認める者のうちから市長が委嘱する。

5 委員の任期は、2年とし、再任は妨げない。ただし、委員が欠けたときの補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

7 この条例に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(調停の申出)

第19条 紛争当事者は、前章の規定による調整によっても紛争の解決に至らないときは、当該紛争の調停を市長に申し出ることができる。

2 前項の規定による申出は、当該紛争に係る中高層建築物等の工事の着手前に行わなければならない。

3 市長は、紛争当事者の一方から調停の申出があった場合において、必要があると認めるときは、他の紛争当事者に対し、相当の期限を定めて調停に付することを受諾するよう勧告することができる。

(委員会への付託)

第20条 市長は、紛争当事者の双方が紛争の調停を申し出たとき、又は紛争当事者の一方から調停の申出がなされた紛争について他の紛争当事者が調停に付することを受諾したときは、委員会に当該紛争の調停を付託するものとする。

(調停前の措置)

第21条 委員会は、調停前に紛争当事者に対し、調停の内容となる事項の実現を著しく困難にする行為を行わないことその他調停のために必要と認める措置を講ずることを要請することができる。

(調停)

第22条 委員会は、第20条の規定による調停の付託があったときは、紛争当事者間に合意が成立するよう調停を行うものとする。

2 委員会は、紛争の調停のため必要があると認めるときは、関係者に対し、その意見又は説明を聴くための委員会の会議への出席及び必要な資料の提出を求めることができる。

3 委員会は、紛争当事者の主張その他紛争に係る事情を考慮した上で調停案を作成し、これを当該紛争当事者に提示するものとする。

4 紛争当事者は、前項の規定により提示を受けた調停案(以下「調停案」という。)について、委員会が定める期限内に、これに同意するか否かを回答しなければならない。

(調停の打切り)

第23条 委員会は、調停に係る紛争について、次の各号のいずれかに該当するときは、調停を打ち切ることができる。

(1) 紛争当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるとき。

(2) 紛争当事者の双方又は一方が調停案について同意しないとき。

2 前項の規定により調停が打ち切られたときは、紛争当事者は、当該調停に係る紛争について再度の調停を申し出ることはできない。

(報告)

第24条 委員会は、調停が終了したときは、速やかにその旨を市長に報告しなければならない。

(調停の非公開)

第25条 調停の手続は、公開しない。

第6章 雑則

(指導又は勧告)

第26条 市長は、中高層建築物等の建築主が次の各号のいずれかに該当するときは、当該建築主に対し、期限を定めて必要な措置を講ずるよう指導し、又は勧告することができる。

(1) 第11条第1項の規定による標識を設置しないとき。

(2) 第13条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

(公表)

第27条 市長は、第19条第3項の規定による勧告を受けた紛争当事者がこれに従わないとき、又は前条の規定による指導若しくは勧告を受けた中高層建築物等の建築主が正当な理由がなくこれに従わないときは、その旨を公表することができる。

(委任)

第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の佐賀市中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(平成12年佐賀市条例第33号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 第1項の規定にかかわらず、合併前の諸富町、大和町、富士町及び三瀬村の区域については、第3章の規定は、平成17年12月1日以後に確認申請を行う中高層建築物等の建築について適用する。この場合において、施行日前に当該中高層建築物等の建築に係る第3章に規定する建築計画の周知に相当する行為がなされたときは、当該相当する行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(川副町、東与賀町及び久保田町の編入に伴う経過措置)

4 川副町、東与賀町及び久保田町の編入の日の前日までに、編入前の川副町、東与賀町及び久保田町の区域(以下「編入前の区域」という。)における中高層建築物等の建築に係る第3章に規定する建築計画の周知に相当する行為がなされたときは、当該相当する行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(平19条例129・追加)

5 編入前の区域における中高層建築物等で、平成19年11月30日以前に確認申請が行われたものについては、第3章の規定は適用しない。

(平19条例129・追加)

附 則(平成19年9月25日条例第129号)

この条例は、平成19年10月1日から施行する。

佐賀市中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例

平成17年10月1日 条例第180号

(平成19年10月1日施行)

体系情報
第11編 設/第3章
沿革情報
平成17年10月1日 条例第180号
平成19年9月25日 条例第129号