○佐賀市未来を託す子どもを育むための大人の役割に関する条例

平成19年9月25日

条例第38号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 子どもの育成に関する大人の役割(第4条―第7条)

第3章 市の責務(第8条)

第4章 市民総参加子ども育成運動(第9条―第11条)

第5章 雑則(第12条)

附則

子どもの健やかな成長は、すべての大人の願いです。子どもを育むことは、未来の大人、つまり、明日の佐賀市、ひいては明日の日本を支える大人を育てることでもあります。

子どもが心身ともに健やかに成長していくためには、大人をはじめとする多くの他者とのかかわりが重要です。その中で、子どもは、他者との意思疎通を図りながら、多様な人間関係を学び、社会的に自立した大人へと成長していきます。

そのためには、佐賀市の大人一人ひとりが、子どもとのかかわりの中ではいつの時代にあっても大切にしたい「命」、「自立」、「他者とのかかわり」、「子どもを取り巻く環境」という視点を意識しつつ、子どもを育む場としての「家庭」、「地域」、「企業等」、「学校等」の役割を再認識し、社会全体で子どもを育んでいく必要があります。

佐賀市は、未来を託す子どもを育むため、すべての大人が子どもの育成に関心を持ち、主体的に子どもの育成にかかわる社会「子どもへのまなざし“100%”のまち」の実現をここに決意し、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、子どもを健やかに育むための基本理念、大人の役割等を明らかにすることにより、すべての大人が子どもの育成に関心を持ち、かつ、主体的にかかわる社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 子ども おおむね18歳未満の者をいう。

(2) 大人 子どもを除くすべての者をいう。

(3) 地域 市民、各種団体及びNPOその他の市民活動団体をいう。

(4) 企業等 事業活動を営むすべてのものをいう。

(5) 学校等 学校、幼稚園、保育所その他これらに類するものをいう。

(基本理念)

第3条 子どもの育成は、次に掲げる基本理念により行われなければならない。

(1) 大人は、子どもの育成に対する家庭、地域、企業等及び学校等の役割と責任を自覚するとともに、これらの相互の又は全体としての連携及び協働を図り、その役割と責任を果たすよう努めること。

(2) 大人は、子どもの人格を尊重し、子どもが社会において保障されるべき様々な権利を有していることを認識するとともに、子どもの声に耳を傾け、子どもにとっての最善の利益を考慮し、当該権利の尊重に努めること。

(3) 大人は、日常生活における自身の言動が子どもに大きな影響を与えることを認識し、自らの言動を省み、自らを律すること。

第2章 子どもの育成に関する大人の役割

(家庭の役割)

第4条 家庭は、子どもに対するすべての教育が家庭教育の上に成り立ち、かつ、子どもの育成の原点が家庭にあることを認識し、子どもを社会的に自立した大人へと育てるために、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとする。

(1) 家族のきずなを大切にし、人間の命は祖先から受け継がれ、かつ、未来へとつながる尊いものであることを子どもに伝えること。

(2) 家庭での生活リズムを確立し、子どもに基本的な生活習慣及び社会の規範を身に付けさせること。

(3) 常に子どもへの愛情を注ぎ、成長段階に応じた子どもとのふれあいを大切にし、子どもの心身のよりどころとなるような家庭環境づくりを図ること。

(4) 子どもを取り巻く環境を考慮し、子どもの健全な育成を阻害するおそれのある有害な情報及び環境から子どもを守ること。

(地域の役割)

第5条 地域は、子どもが地域社会で多様な人間関係を学び、様々な体験及び経験を重ねて成長していくことを認識し、子どもに地域社会の一員としての自覚を促すために、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとする。

(1) 子どもへの気配り及び目配りを心掛け、子どもの安全を守ること。

(2) 地域社会で行われる行事等への子どもの参画を促し、活躍の場を与え、かつ、その行動を称するとともに、多くの他者とかかわり合える機会を提供すること。

(3) 地域社会で行われる行事等を通じて子どもと顔見知りになり、お互いにあいさつを交わせる関係づくりを行うなど、子どもとのふれあいを深めること。

(4) 子どもの健全な育成を阻害するおそれのある有害な情報及び環境が身近に存在することを認識し、その改善を図ること。

(企業等の役割)

第6条 企業等は、子どもの育成に対して社会的責任を有すること及び将来の経済や社会を支える担い手の育成という観点からも重要な役割を担っていることを認識し、企業等で働く者の仕事と家庭生活との両立を支援するとともに、働くことに対する子どもの理解が深まるように、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとする。

(1) 大人が働く姿を見ることができる機会を子どもに提供すること。

(2) 地域及び学校等が行う職場見学、就業体験その他の子どもの育成に関する活動に協力すること。

(3) 子どもの保護者が安心して子育てにかかわることができる職場の環境づくりを図ること。

(4) 事業活動を行う際には、子どもを取り巻く環境に配慮し、子どもの健全な育成に寄与すること。

(学校等の役割)

第7条 学校等は、子どもに生きる力を身に付けさせるとともに、子どもの学ぶ意欲及び学ぶ喜びを育むために、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとする。

(1) 心の教育の充実を図り、子どもの倫理観を育むこと。

(2) 子どもへの指導方法を改善し、子どもに自ら学ぶ力及び仲間と共に学び合う姿勢を身に付けさせること。

(3) 集団生活及び集団活動を通して、子どもに社会性及び協調性を身に付けさせること。

(4) 子ども自身が身近な危険から身を守ることができるように、情報教育及び健康教育の充実を図り、子どもに情報及び健康に対する正しい知識を身に付けさせること。

第3章 市の責務

(市の責務)

第8条 市は、家庭、地域、企業等及び学校等における子どもの育成に関する取組について必要な支援を行うとともに、これらが子どもを育成するために、相互に又は全体として連携し、及び協働して取り組む活動の促進に資する総合的な調整を行うものとする。

2 市は、この条例の目的や内容について、周知及び啓発に努めるものとする。

第4章 市民総参加子ども育成運動

(市民総参加子ども育成運動)

第9条 すべての大人は、この条例に掲げる目的を達成するため、この条例の基本理念にのっとり社会全体で取り組む子どもを育む運動(以下「市民総参加子ども育成運動」という。)に主体的にかかわるものとする。

(佐賀市市民総参加子ども育成運動推進委員会)

第10条 市は、市民総参加子ども育成運動を推進するため、佐賀市市民総参加子ども育成運動推進委員会(以下「推進委員会」という。)を置く。

2 推進委員会は、市民総参加子ども育成運動に関する事項等について審議するとともに、この条例に基づく取組を総合的に推進するために必要な事項について協議する。

(組織等)

第11条 推進委員会は、委員長及び委員40人以内で組織する。

2 委員長は、市長をもって充てる。

3 推進委員会に副委員長を1人置き、委員の互選によって定める。

4 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 市議会議員

(2) 関係行政機関の職員

(3) 子どもの育成に関し識見を有する者

(4) 学識経験のある者

5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員が生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員長は、会務を総理し、推進委員会を代表する。

7 委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

第5章 雑則

(委任)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(佐賀市報酬及び費用弁償支給条例の一部改正)

2 佐賀市報酬及び費用弁償支給条例(平成17年佐賀市条例第42号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(検討)

3 市は、この条例の施行後5年を目途として、この条例の施行の状況及び社会情勢の変化を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

佐賀市未来を託す子どもを育むための大人の役割に関する条例

平成19年9月25日 条例第38号

(平成20年4月1日施行)