○佐賀市みどりあふれるまちづくり条例

平成20年3月27日

条例第6号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 みどりの創出(第10条―第16条)

第3章 みどりの保全(第17条―第34条)

第4章 みどりの啓発(第35条・第36条)

第5章 補則(第37条・第38条)

附則

みどりは、地球温暖化の防止、大気の浄化、水資源のかん養、多様な生き物の生息環境の維持など、地球環境の保全に欠かすことができないものであるとともに、土砂流出等の自然災害の抑制・緩和に寄与し、私たちにレクリエーションの場を提供し、四季折々の美しい景観を醸し出して、まちに活力と潤いをもたらすなど多様な役割を担っている。

佐賀市は、これまで北部の山々やその麓にたたずむ里山、南北を貫く嘉瀬川水系等に広がる田園空間を保全するとともに、四季の移ろいを感じる公園や街路樹等のみどりの空間づくり、市内を縦横に走る水網を活かした水辺空間の創出など、水とみどりが調和したまちづくりに取り組んできた。しかしながら、市街地の発展、社会経済情勢の変化に伴って、田園やクリークと共にあった樹木が減少し、自然的環境の衰退は著しいものとなっており、さらに、水源の保全にとって極めて重要な森林の育成と活用が新たな課題となっている。

今こそ、私たち一人ひとりが自然への畏敬と親しみの念を抱き、みどりの重要性を再認識し、積極的にみどりの創出と保全を図る行動を始めるときである。

私たちは、みどりが市民共有の財産であることを自覚し、かけがえのないみどりを将来の世代へと引き継いでいかなければならない。

このような共通認識のもと、みどりあふれるまちづくりの実現を目指して、市、市民及び事業者が協働し、みどりを創り、育て、守り、共に行動することを決意し、ここにこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、緑化の推進及びみどりの保全等(以下「緑化推進等」という。)に関し必要な事項を定めることにより、市、市民及び事業者が相互に手を携えながら本市のみどりを豊かなものにし、もって将来にわたって健康で安全、快適な市民生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 緑地 樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地が、単独で若しくは一体となって、又はこれらに隣接している土地が、これらと一体となって、良好な自然的環境を形成しているものをいう。

(2) 緑化 土地又は建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)に樹木、草花、芝生等(以下「樹木等」という。)を計画的に植栽し、育成するとともに、樹木等の愛護及び保存を図ることをいう。

(3) みどり 緑地及び土地又は建築物等の壁面、屋上等に植栽されている樹木等で、良好な都市環境又は自然的環境の形成に寄与しているものをいう。

(基本理念)

第3条 市、市民及び事業者は、次に掲げる基本理念にのっとり、協働して、みどりあふれるまちづくりを行わなければならない。

(1) 市民一人ひとりが生きているみどりの果たす役割を感じ取り、大切にしようと思い、その思いをもってみどりを育て広げていくこと。

(2) みどりを導入することにより、ほっとしてやすらぐ雰囲気を感じる景観づくりを行っていくこと。

(3) 古人が残した古木や巨木をはじめ今あるみどりを大切にして、未来における古木や巨木を育てていくこと。

(市の責務)

第4条 市は、緑化推進等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、市民及び事業者の緑化推進等に係る活動を支えていかなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、自ら緑化推進等に努めるとともに、市が実施する緑化推進等に関する施策に協力し、かつ、相互に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動の実施に当たって、緑化推進等について必要な措置を講じるとともに、市が実施する緑化推進等に関する施策に協力しなければならない。

(財産権等の尊重)

第7条 この条例の運用に当たっては、関係者の財産権その他の権利を尊重しなければならない。

(基本計画)

第8条 市長は、都市緑地法(昭和48年法律第72号)第4条第1項に規定する緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。

2 市長は、基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、市民の意見を反映させるために必要な措置を講じるとともに、佐賀市景観条例(平成23年佐賀市条例第10号)第23条第1項の規定により設置する佐賀市景観審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

3 市長は、基本計画の実施の状況について、規則で定めるところにより市民に公表しなければならない。

4 第2項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(平23条例10・一部改正)

(市民意識の調査)

第9条 市長は、規則で定めるところにより市民のみどりに関する意識の調査を定期的に実施しなければならない。

第2章 みどりの創出

(接道部の緑化)

第10条 市、市民及び事業者は、その所有し、管理し、又は占有する土地の緑化を行う場合は、不特定の者が通行の用に供する場所に面する土地(以下「接道部」という。)及び通行人から見える場所の緑化を優先して行うよう努めなければならない。

(公共施設の緑化)

第11条 市長は、市が設置し、又は管理する公共施設について、規則で定めるところにより緑化推進等に努めなければならない。

2 市長は、国、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成15年法律第112号)第2条第1項に規定する国立大学法人(以下「国等」という。)及び他の地方公共団体に対し、これらの者が設置し、又は管理する公共施設について、規則で定めるところにより緑化推進等を図るよう求めることができる。

(民間施設の緑化)

第12条 次に掲げる行為を行おうとする者(国等及び地方公共団体を除く。)は、規則で定めるところにより作成した緑化計画を市長に提出しなければならない。

(1) 高さが15メートルを超える建築物若しくは地上の階数が4以上の建築物又は延べ面積が1,000平方メートルを超える建築物の建築

(2) 1,000平方メートル以上の敷地における都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為

(3) 1,000平方メートル以上の敷地における建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項又は第6条の2第1項の確認を受けて行う建築物の建築

(4) 1,000平方メートルを超える敷地における農地法(昭和27年法律第229号)第4条第1項又は第5条第1項の許可を受けて行う行為又は届出に係る行為

2 前項の規定は、次に掲げる行為については適用しない。

(1) 工場立地法(昭和34年法律第24号)第6条第1項の規定による届出に係る行為

(2) 風致地区内における建築等の規制に関する条例(昭和45年佐賀県条例第19号)第2条第1項又は佐賀市風致地区内における建築等の規制に関する条例(平成17年佐賀市条例第184号)第2条第1項の許可に係る行為

3 市長は、必要があると認めるときは、第1項の規定により緑化計画の提出を行った者に当該緑化計画の変更等を勧告することができる。

4 第1項の規定により緑化計画の提出を行った者は、当該緑化計画の実施を完了したときは、規則で定めるところにより市長にその旨を報告しなければならない。

(重点地区の指定)

第13条 市長は、良好な都市環境を創り出すために緑化を重点的に推進することが必要であると認める区域を、みどり重点地区(以下「重点地区」という。)として指定することができる。

2 市長は、重点地区を指定しようとするときは、あらかじめ、当該重点地区に係る緑化推進計画を定めなければならない。

3 市長は、緑化推進計画を定めるときは、あらかじめ、当該緑化推進計画に係る区域の土地又は建築物等の所有者、管理者又は占有者(以下「所有者等」という。)及び審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、重点地区を指定したときは、規則で定めるところによりその旨を告示しなければならない。

5 前3項の規定は重点地区に指定した区域の変更及び重点地区の指定の解除について、第3項の規定は緑化推進計画の変更について、それぞれ準用する。

(重点地区の緑化推進等)

第14条 市長は、緑化推進計画に基づき、重点地区における緑化推進等に関し必要な措置を講じなければならない。

2 重点地区に指定した区域内の土地又は建築物等の所有者等は、緑化推進計画に基づき、緑化推進等に努めなければならない。

(緑化協定)

第15条 市長は、一定の区域における土地又は建築物等の所有者等がその区域内の土地における接道部の緑化推進等について合意をした場合は、これらの者と緑化推進等に関する協定(以下「緑化協定」という。)を締結することができる。

2 市長は、一定の区域における土地又は建築物等の所有者等に緑化協定の締結の申入れをすることができる。この場合において、これらの者は、緑化協定を締結するよう努めなければならない。

3 緑化協定を締結した所有者等は、緑化協定の定めるところに従って、区域内の土地における接道部の緑化推進等に努めなければならない。

(緑化協定締結者への支援)

第16条 市長は、緑化協定を締結した者に対し、必要な措置を講じることができる。

第3章 みどりの保全

(保全地区の指定)

第17条 市長は、市民の保健休養又は良好な都市環境形成のために保全することが必要であると認める緑地をみどり保全地区(以下「保全地区」という。)として指定することができる。

2 市長は、保全地区を指定しようとするときは、あらかじめ、当該指定に係る土地の所有者等の同意を得るとともに、審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、保全地区を指定したときは、規則で定めるところによりその旨を告示するとともに、当該保全地区内に保全地区であることを示す標識を設置しなければならない。

4 第2項及び前項(告示に係る部分に限る。)の規定は、保全地区に指定した土地の変更及び保全地区の指定の解除について準用する。

(保全地区への支援)

第18条 市長は、保全地区に指定した土地の所有者等に対し、必要な措置を講じることができる。

(保全地区内の行為の届出)

第19条 保全地区に指定した土地において、次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ、市長にその旨を届け出なければならない。

(1) 建築物等の新築、改築又は増築

(2) 宅地の造成、土地の開墾、土砂の採取、鉱物の採掘その他土地の形質の変更

(3) 木竹の伐採

(4) 水面の埋立て又は干拓

(5) 前各号に掲げるもののほか、保全地区における緑地の保全に影響を及ぼすおそれのある行為で規則で定めるもの

2 前項の規定は、保全地区を指定した際に既に行っていた行為、非常災害のため必要な応急措置として行う行為その他規則で定める行為については、適用しない。

(行為の着手の制限等)

第20条 前条第1項の規定による届出をした者(次条において「届出者」という。)は、その届出をした日から起算して30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

2 市長は、前条第1項の規定による届出に係る行為が規則で定める保全基準(以下「保全基準」という。)に適合し、かつ、保全地区における緑地の保全に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。

(保全地区に係る協議及び勧告)

第21条 市長は、第19条第1項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が保全基準に適合しないと認めるときは、届出者に対し、協議を求めなければならない。

2 市長は、前項の協議を行った場合において、当該協議を要した行為が保全基準に適合する見込みがないと認めるときは、保全基準に適合するよう必要な措置を講ずべきことを届出者に勧告することができる。

(保全地区に係る措置命令等)

第22条 市長は、保全地区において第19条第1項の規定による届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、保全地区の保全のために必要があると認めるときは、その必要な限度において、保全基準に従い、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命じることができる。

(みどりの保全協定の締結)

第23条 市長は、保全地区に指定した土地の所有者等と、みどりの保全協定を締結することができる。

2 みどりの保全協定には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) みどりの保全協定の目的となる土地の区域(以下「協定区域」という。)

(2) 協定区域内における行為の制限その他協定区域内の緑地の保全に関する事項

(3) みどりの保全協定の有効期間

(4) みどりの保全協定に違反した場合の措置

(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

3 みどりの保全協定を締結した所有者等は、当該みどりの保全協定を遵守し、協定区域内の緑地の保全に努めなければならない。

(協定区域への支援)

第24条 市長は、協定区域内の緑地が適切に維持管理されるために必要な措置を講じることができる。

(保存樹等の指定)

第25条 市長は、良好なみどりの環境を確保し、かつ、美観風致を維持するために必要があると認めるときは、規則で定める基準に該当する樹木又は樹木の集団を保存樹又は保存樹林(以下「保存樹等」という。)として指定することができる。

2 市長は、保存樹等を指定しようとするときは、あらかじめ、当該指定に係る樹木又は樹木の集団の所有者等の同意を得るとともに、審議会の意見を聴かなければならない。

3 第1項の規定は、次に掲げる樹木又は樹木の集団については適用しない。

(1) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第109条第1項、第110条第1項又は第182条第2項の規定により指定され、若しくは仮指定された樹木又は樹木の集団

(2) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条又は第25条の2の規定により指定された保安林に係る樹木の集団

(3) 前2号に掲げるもののほか、保存、保護、育成及び景観の保全等の目的で、法令等により指定された樹木又は樹木の集団

(4) 国等又は地方公共団体が所有し、又は管理する樹木又は樹木の集団

4 市長は、保存樹等を指定したときは、保存樹等の所有者等にその旨を通知するとともに、規則で定めるところにより保存樹等であることを示す標識を設置しなければならない。

(保存樹等への支援)

第26条 市長は、保存樹等が適切に維持管理されるために必要な措置を講じることができる。

(所有者等の責務)

第27条 保存樹等の所有者等は、当該保存樹等が郷土にとって貴重なものであることを自覚し、枯損の防止等その保存に努めなければならない。

(保存樹等に係る行為の届出)

第28条 次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ、市長にその旨を届け出なければならない。

(1) 保存樹等の伐採、掘取等当該保存樹等が第25条第1項の規則で定める基準に該当しなくなる行為

(2) 保存樹の樹冠の投影面の土地又は保存樹林内への移動が容易でない物件の設置又は堆積

(3) 保存樹等への広告物の掲出又は広告物を掲出する物件の設置

(4) 前3号に掲げるもののほか、著しく保存樹等の生育を妨げる行為

2 前項の規定は、次に掲げる行為については適用しない。

(1) 保存樹等に対する通常の管理行為又は軽易な行為

(2) 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

(3) 危険を防止するために行う行為その他の行為で市長が特別な理由があると認めるもの

(行為の着手の制限)

第29条 前条第1項の規定による届出をした者(次条において「届出者」という。)は、その届出をした日から起算して30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

(保存樹等に係る協議及び勧告)

第30条 市長は、第28条第1項の規定による届出があった場合において、保存樹等の保存のために必要があると認めるときは、届出者に対し、協議を求めなければならない。

2 市長は、前項の協議を行った場合において、当該協議を要した行為について保存樹等の保存のために必要な変更が行われる見込みがないと認めるときは、必要な措置を講ずべきことを届出者に勧告することができる。

(保存樹等に係る措置命令等)

第31条 市長は、第28条第1項の規定による届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、当該行為が保存樹等の保存に重大な支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命じることができる。

(報告)

第32条 市長は、必要があると認めるときは、保存樹等の所有者等に対し、保存樹等の状況について報告を求めることができる。

2 保存樹等の所有者等は、保存樹等について事故があったときは、遅滞なく市長にその旨を報告しなければならない。

(所有者等の変更届)

第33条 保存樹等の所有者等に変更があったときは、新たな所有者等は、遅滞なく市長にその旨を届け出なければならない。

(指定の解除)

第34条 市長は、保存樹等が第25条第3項各号のいずれかに該当するに至ったとき、又は所有者等の責めに帰することができない理由により保存樹等の指定の理由が消滅したときは、その指定を解除しなければならない。

2 市長は、公益上の理由その他適当と認める理由があるときは、保存樹等の指定を解除することができる。

3 保存樹等の所有者等は、市長に対し、前項の規定による指定の解除を申請することができる。

4 市長は、保存樹等の指定を解除したときは、保存樹等の所有者等にその旨を通知しなければならない。

第4章 みどりの啓発

(市民参加の促進等)

第35条 市長は、市民及び市民団体によるみどりを通じた地域の交流及び活性化を図るための施策の充実に努めなければならない。

2 市は、学校におけるみどりを通じた環境教育及び体験学習の充実に努めるものとする。

(市民団体の育成)

第36条 市長は、市民による自主的なみどりあふれるまちづくりに関する活動を推進する団体の育成に努めなければならない。

第5章 補則

(公表)

第37条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者について、その事実が重大と認める場合は、その者の氏名、住所その他規則で定める事項を公表することができる。

(1) 第19条第1項及び第28条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(2) 第21条第2項及び第30条第2項の規定による勧告に従わなかった者

(3) 第22条及び第31条の規定による命令に違反する行為をした者

(委任)

第38条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成20年6月1日から施行する。

(佐賀市みどりあふれるまちづくり条例の廃止)

2 佐賀市みどりあふれるまちづくり条例(平成17年佐賀市条例第19号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例の施行の日の前日までに、旧条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(佐賀市都市景観条例の一部改正)

4 佐賀市都市景観条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成23年10月6日条例第10号)

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

佐賀市みどりあふれるまちづくり条例

平成20年3月27日 条例第6号

(平成24年4月1日施行)

体系情報
第11編 設/第4章 都市計画
沿革情報
平成20年3月27日 条例第6号
平成23年10月6日 条例第10号