○宍粟市職員の懲戒処分の基準等に関する規程
平成18年11月30日
訓令第24号
(目的)
第1条 この規程は、本市職員に対する地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第29条第1項の規定に基づく懲戒処分及びその他の処分(以下「懲戒処分等」という。)を厳正かつ公正に行うため、代表的な事例についての標準的な処分の量定に関する基準及び懲戒事由の審査等に関する事項を定めるものとする。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果
(2) 故意、過失その他非違行為実行時における当該非違行為を行った職員の責任の度合い
(3) 非違行為を行った職員の職責及び職責と非違行為との関係
(4) 他の職員及び社会に与える影響
(5) 過去における非違行為の有無
(6) 日常の勤務態度及び非違行為の前後における勤務態度
(所属長の責務)
第3条 所属長は、常に所属職員の行為の把握に務め、所属職員が非違行為を現に行い、又は行ったことが明らかであると判断した場合は、遅滞なく、その旨を人事主管課長に報告するものとする。
(監督者の懲戒)
第4条 任命権者は、懲戒処分等を行う場合において、懲戒処分等の対象となる職員(以下「対象職員」という。)を指揮監督する者(以下「監督者」という。)が次の各号のいずれかに該当するときは、当該監督者に対しても懲戒処分等を行うものとする。
(1) 対象職員の非違行為を了知していたにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又はこれを黙認した場合
(2) 対象職員が懲戒を受けることに関し、指揮監督に適正を欠いていた場合
(他の職員の懲戒)
第5条 任命権者は、懲戒処分等を行った場合において、対象職員以外の職員が次の各号のいずれかに該当するときは、当該該当職員以外の職員に対しても懲戒処分等を行うものとする。
(1) 対象職員に対し、非違行為に係る事項を教唆し、又は当該非違行為をほう助したと認められる場合
(2) 対象職員の非違行為を了知していたにもかかわらず、これを黙認した場合
(報告義務)
第6条 職員は、交通事故又は交通法規違反(以下「交通事故等」という。)を起こした場合は、直ちに交通事故等発生報告書(以下「報告書」という。)を所属長を経由のうえ任命権者に提出しなければならない。ただし、交通事故等を起こした職員が報告書を提出できない場合は、当該所属長が提出するものとする。
(懲戒処分の手続き)
第7条 任命権者が懲戒処分を行うに当たっては、次条に規定する懲戒処分審査会の意見を聴かなければならない。
(職員懲戒処分審査会)
第8条 任命権者の適正な懲戒処分にあたり意見を述べさせるため、宍粟市職員懲戒処分審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、任命権者の命により懲戒処分の対象となるべき事由の存否等について調査し、第2条に規定する基準に従い処分の可否及び程度について審査を行うものとする。
3 審査会は、職員の行為が懲戒事由に該当する場合であっても、その情状によっては、第2条に規定する基準にかかわらず、当該基準に規定する処分を加重し、又は行わず若しくはその程度を減ずるべき旨の意見を述べることができる。
(審査会の組織)
第9条 審査会は、委員若干人をもって組織する。
2 委員は任命権者が常勤の特別職及び職員のうちから任命し、うち1人を委員長とする。
(委員長)
第10条 委員長は、審査会の事務を総理し、会議の議長となり会議を掌理する。
2 委員長に事故あるとき、又は委員長が欠けたときは、あらかじめ委員長の指名した委員がその職務を代理する。
(会議)
第11条 審査会は、委員長が招集する。
2 審査会は、委員4分の3以上の出席がなければ、会議を開くことができない。ただし、第4項の規定により4分の3に達しないときはこの限りでない。
3 審査会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
4 委員は、自己若しくは配偶者又は4親等以内の親族に関する審査については、その議事に参与することができない。
(関係者からの意見聴取)
第12条 審査会は、必要があると認めたときは、懲戒処分の対象となっている職員及び関係者から意見若しくは説明を聴き、又は審査に必要な資料の提出を求めることができる。
(委員の服務)
第13条 審査会の委員は、審査に関する秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また同様とする。
(庶務)
第14条 審査会の庶務は、総務課において処理する。
(その他)
第15条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成18年11月30日から施行する。
(宍粟市職員の交通事故等に係る処分規程の廃止)
2 宍粟市職員の交通事故等に係る処分規程(平成17年宍粟市訓令第7号)は、廃止する。
附則(平成24年7月9日訓令第11号)
この訓令は、平成24年7月9日から施行する。
附則(平成27年5月26日訓令第11号)
この訓令は、平成27年5月26日から施行する。
附則(令和元年7月1日訓令第1号)
この訓令は、公布の日から施行する。
別表(第2条関係)
項目 | 非違行為 | 懲戒処分等の種類 | |
1 一般服務関係 | (1) 欠勤 | ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員 | 減給又は戒告 |
イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員 | 停職又は減給 | ||
ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員 | 免職又は停職 | ||
(2) 遅刻・早退 | 勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員 | 戒告 | |
(3) 休暇の虚偽申請 | 病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした職員 | 減給又は戒告 | |
(4) 勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員 | 減給又は戒告 | |
(5) 職場内秩序を乱す行為 | ア 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した職員 | 停職又は減給 | |
イ 他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した職員 | 減給又は戒告 | ||
(6) 虚偽報告 | 事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員 | 減給又は戒告 | |
(7) 違法な職員団体活動 | ア 法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は市の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員 | 減給又は戒告 | |
イ 法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員 | 免職又は停職 | ||
(8) 秘密漏えい | ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員 | 免職又は停職 | |
イ 上記アの場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員 | 免職 | ||
ウ 具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員 | 停職、減給又は戒告 | ||
(9) 政治的目的を有する文書の配布 | 政治的目的を有する文書を配布した職員 | 戒告 | |
(10) 兼業の承認等を得る手続のけ怠 | 営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った職員 | 減給又は戒告 | |
(11) 入札談合等に関与する行為 | 市が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員 | 免職又は停職 | |
(12) 個人の秘密情報の目的外収集 | その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員 | 減給又は戒告 | |
(13) 公文書の不適正な取扱い | ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員 | 免職又は停職 | |
イ 決裁文書を改ざんした職員 | 免職又は停職 | ||
ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員 | 停職、減給又は戒告 | ||
(14) セクシャルハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動) | ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員 | 免職又は停職 | |
イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、手紙、メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員 | 停職又は減給 | ||
ウ 上記イの場合において、わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したとき | 免職又は停職 | ||
エ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員 | 減給又は戒告 | ||
(15) パワーハラスメント(権力関係による嫌がらせ) | 職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用い、本来の業務の範ちゅうを超えて継続的に心的ストレスの重積につながる行為を行った職員 | 免職、停職、減給又は戒告 | |
(16) その他のハラスメント(モラルハラスメント等) | 言葉、態度、身振り、文書等により、働く人間の人格や尊厳を傷つけ、肉体的、精神的に傷を負わせて、相手が職場を辞めざるを得ない状況に追い込み、又は労働環境を悪化させる行為を行った職員 | 免職、停職、減給又は戒告 | |
2 公金公共物等取扱い関係 | (1) 横領 | 公金又は公共物を横領した職員 | 免職 |
(2) 窃取 | 公金又は公共物を窃取した職員 | 免職 | |
(3) 詐取 | 人を欺いて公金又は公共物を交付させた職員 | 免職 | |
(4) 紛失 | 公金又は公共物を紛失した職員 | 戒告 | |
(5) 盗難 | 重大な過失により公金又は公共物の盗難に遭った職員 | 戒告 | |
(6) 公共物損壊 | 故意に職場において公共物を損壊した職員 | 減給又は戒告 | |
(7) 失火 | 過失により職場において公共物の出火を引き起こした職員 | 戒告 | |
(8) 諸給与の違法支払・不適正受給 | 故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した職員 | 減給又は戒告 | |
(9) 公金公共物処理不適正 | 自己保管中の公金の流用等公金又は公共物の不適正な処理をした職員 | 減給又は戒告 | |
(10) コンピュータの不適正使用 | 職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた職員 | 減給又は戒告 | |
3 公務外非行関係 | (1) 放火 | 放火をした職員 | 免職 |
(2) 殺人 | 人を殺した職員 | 免職 | |
(3) 傷害 | 人の身体を傷害した職員 | 停職又は減給 | |
(4) 暴力・けんか | 暴行を加え、又はけんかをした職員(人を傷害するに至らなかった場合に限る。) | 減給又は戒告 | |
(5) 器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した職員 | 減給又は戒告 | |
(6) 横領 | ア 自己の占有する他人の物を横領した職員 | 免職又は停職 | |
イ 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した職員 | 減給又は戒告 | ||
(7) 窃盗・強盗 | ア 他人の財物を窃盗した職員 | 免職又は停職 | |
イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員 | 免職 | ||
(8) 詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員 | 免職又は停職 | |
(9) 賭博 | ア 賭博をした職員 | 減給又は戒告 | |
イ 常習として賭博をした職員 | 停職 | ||
(10) 麻薬等の所持等 | 麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員 | 免職 | |
(11) 酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員 | 減給又は戒告 | |
(12) 淫行 | 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員 | 免職又は停職 | |
(13) 痴漢行為 | 公共の場所又は乗物において痴漢行為をした職員 | 停職又は減給 | |
(14) 盗撮行為 | 公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員 | 停職又は減給 | |
4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係 | (1) 飲酒運転 | ア 酒酔い運転をした職員 | 免職又は停職 |
イ 酒酔い運転で人を死亡させ、又は人に障害を負わせた職員 | 免職 | ||
ウ 酒気帯び運転をした職員 | 免職、停職又は減給 | ||
エ 酒気帯び運転で人を死亡させ、又は人に障害を負わせた職員 | 免職又は停職 | ||
オ 上記エの場合において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員 | 免職 | ||
カ 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同上した職員 | 飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告 | ||
(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの) | ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員 | 免職、停職又は減給 | |
イ 上記アの場合において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員 | 免職又は停職 | ||
ウ 人に傷害を負わせた職員(職員の過失割合が50パーセント以上であるものに限る。) | 減給、戒告又は訓告 | ||
エ 上記ウの場合において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員 | 停職又は減給 | ||
(3) 飲酒運転以外の交通法規違反 | ア 著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員 | 停職、減給又は戒告 | |
イ 上記アの場合において、物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員 | 停職又は減給 | ||
5 監督責任関係 | (1) 指揮監督不適正 | 部下職員が懲戒処分等を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員 | 減給又は戒告、訓告、厳重注意 |
(2) 非行の隠ぺい・黙認 | 部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員 | 停職又は減給 | |
6 他の関連職員関係 | (1) 非行の教唆、ほう助 | 非違行為に係る事項を教唆し、又は当該非違行為をほう助した職員 | 停職又は減給、戒告 |
(2) 非行の黙認 | 非違行為を了知していたにもかかわらず、これを黙認した職員 | 減給又は戒告、訓告、厳重注意 |
※ この表に明記されていない地方公務員法違反等の非違行為についても、類似のものを参考に判断するものとする。
※ 懲戒処分等の種類については、当該非違行為の状況により過重又は軽減することができるものとする。