○相馬市水道水源保護条例
平成十六年三月二十五日
条例第一号
(目的)
第一条 この条例は、水道法(昭和三十二年法律第百七十七号。以下「法」という。)第二条第一項の規定に基づき、市民の水道に係る水質の汚濁を防止し、安全で良質な水を確保するため、その水源を保護するとともに、きれいな水を市民が享受する権利を守り、もって現在及び将来にわたって市民の生命及び健康を守ることを目的とする。
一 水源地域 法第三条第八項に規定する取水施設及び貯水施設に係る周辺の地域で、水道事業及び簡易水道事業の用に供する水道の原水の取水口並びにこれに類似する施設の上流区域をいう。
二 水源保護地域 水源地域のうち、水源の水質の保全に影響があると認められる地域で、市長が指定する区域をいう。
三 対象事業場 次に掲げる事業場をいう。
ア ゴルフ場
イ 一般廃棄物処理施設 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「廃掃法施行令」という。)第五条に規定する一般廃棄物の処理施設をいう。
ウ 産業廃棄物処理施設 廃掃法施行令第七条に規定する産業廃棄物の処理施設をいう。
四 規制対象事業場 対象事業場のうち、事業場の設置により水源保護地域に係る水質を汚濁するおそれがあり、水源保護地域の保全に支障があると認められるもので、規則で定める認定基準に基づき、第八条第一項の規定により規制対象事業場と認定されたものをいう。
五 対象事業者 水源保護地域内において、対象事業場(設置に着手しているものを含む。)の管理運営を行う者をいう。
六 排出水等 対象事業場から公共用水域(水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する公共用水域をいう。)に排出される排出水及び対象事業場から地下に浸透する水をいう。
七 閉鎖 ゴルフ場にあっては営業をやめたとき、一般廃棄物及び産業廃棄物処理施設にあっては廃棄物の搬入をやめたときをいう。
(市の責務)
第三条 市は、水源地域の保護に係る施策の実施に努めなければならない。
2 市は、市民及び事業者の水道水源の保護に関する知識の普及及び意識の高揚を図るため、啓発その他必要な措置を講ずるとともに、市民及び事業者が行う清掃活動その他の水源保護に係る自主的活動の助長に努めなければならない。
(市民の責務)
第四条 市民は、水道水源の保護に関する理解を深め、それぞれの立場から水道水源の保護に寄与するよう努めるとともに、市が実施する水源地域の保護に係る施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第五条 事業者は、水道水源の保護に関する理解を深め、それぞれの立場から水道水源の保護に寄与するよう努めるとともに、市が実施する水源地域の保護に係る施策に協力しなければならない。
2 対象事業者は、その事業活動を行うに当たり、水道水源の保護に必要な措置を講じなければならない。
(水源保護地域の指定)
第六条 市長は、きれいな水を市民が享受する権利を守り、水源地域の水質を保全するため、水源保護地域を指定することができる。
2 市長は、水源保護地域を指定しようとするときは、あらかじめ、相馬市水道水源保護審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
3 事業者、土地の所有者その他の水源保護地域の指定に関し利害関係を有する者(以下「利害関係者」という。)は、審議会において関係資料を提出し、意見を述べることができる。
4 審議会は、利害関係者が多数の場合は、意見陳述に代えて書面の提出を求めることができる。
5 市長は、水源保護地域を指定しようとするときは、あらかじめ、二十日以上の期間を定め、水源保護地域を示す図書を縦覧に供しなければならない。
6 市長は、縦覧の場所及び前項に規定する期間を告示しなければならない。
8 市長は、第一項の規定により、水源保護地域を指定したときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。
9 水源保護地域の指定は、前項の規定による告示があった日の翌日からその効力を生ずる。
(事前協議及び措置)
第七条 事業者(国の機関及び地方公共団体を除く。以下同じ。)は、水源保護地域内において対象事業場を設置しようとするときは、次に掲げる事項について記載した事前協議書を提出し、市長と協議を行うとともに、関係地域の市民に対し、当該対象事業場の計画及び内容を周知させるため、説明会の開催その他の必要な措置をとらなければならない。
一 氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 対象事業場の名称及び所在地
三 業種及び営業内容
四 敷地及び建物並びに施設の状況
五 その他規則で定める図書
2 市長は、事業者が前項の協議をせず、又は措置をとらず、若しくはとる見込みがないと認めるときは、事業者に対し、期間を定めて協議をし、又は措置をとるよう勧告するものとする。
3 国の機関又は地方公共団体が水源保護地域内において対象事業場を設置しようとするときは、市長にその旨を通知し、協議しなければならない。
2 市長は、前項に規定する決定をしたときは、事業者に対し、当該決定の内容を速やかに通知するものとする。
3 第一項の規定により規制対象事業場と認定されなかったときは、市と公害防止協定を締結しなければならない。
(事業者の意見陳述等)
第九条 第七条第一項の事前協議書を提出した事業者は、審議会において関係資料を提出し、意見を述べることができる。
2 審議会は、第七条第一項の事前協議書を提出した事業者に対し、関係資料の提出及び意見を求めることができる。
(計画の公開)
第十条 市長は、第七条第一項の事前協議書を受理したときは、その事前協議書及び添付図書を二十日以上の期間を定め、縦覧に供しなければならない。ただし、当該事前協議書及び添付図書の中で、公開することによって著しく事業者に不利益を与えると認められる部分は、これを公開しないことができる。
2 市長は、縦覧の場所及び前項に規定する期間を告示しなければならない。
4 市長は、事業者に対し、前項に規定する意見に対する見解書の提出を求めることができる。
(事前協議終了前の着工禁止)
第十一条 事業者は、第八条第二項に規定する規制対象事業場と認定しない旨の通知があるまで、水源保護地域において対象事業場の設置に着手してはならない。
(規制対象事業場の設置の禁止)
第十二条 水源保護地域において、何人も、規制対象事業場を設置してはならない。
2 市長は、前項の規定による中止命令と併せて、又はこれに代えて、当該事業者に対し、相当の期限を定めて原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合にこれに代わるべき措置を命ずることができる。
(措置要請)
第十五条 市長は、市の区域外において対象事業場を設置しようとするものがあり、その対象事業場が水源保護地域に係る水質を汚濁するおそれがあり、水源保護地域の保全に支障があると認められるときは、関係地方公共団体に対し、適当な措置をとることを要請するものとする。
(審議会の設置)
第十六条 水道水源の保護を図るため、市長の諮問に応じ、本市の水道水源の保護に関する重要事項について調査審議するため審議会を置く。
2 審議会は、委員十人以内で組織する。
3 委員は、市民及び学識経験のある者のうちから、市長が委嘱する。
4 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 審議会は、必要があるときは、学識経験のある者その他関係者の意見を求め、又は必要な調査を行うことができる。
6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第十七条 第十三条の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第七条第一項の事前協議書に虚偽の記載をした者
二 第十四条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(両罰規定)
第十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
(委任)
第二十条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成一六年条例第三七号)
この条例は、公布の日から施行する。