○田原市文化財保護条例
昭和52年10月1日
条例第19号
田原町文化財保護条例(昭和37年田原町条例第27号)の全部を改正する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、市の区域内に存する文化財のうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第6号までに掲げるもののうち、市の区域内にあり、かつ、法又は愛知県文化財保護条例(昭和30年愛知県条例第6号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けていないものをいう。
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 田原市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 市指定文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、文化財のうち市にとって重要なものを市長と協議のうえ、次に掲げる指定区分により、田原市指定文化財(以下「市指定文化財」という。)に指定することができる。
(1) 田原市指定有形文化財(以下「市指定有形文化財」という。)
(2) 田原市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)
(3) 田原市指定有形民俗文化財(以下「市指定有形民俗文化財」という。)
(4) 田原市指定無形民俗文化財(以下「市指定無形民俗文化財」という。)
(5) 田原市指定史跡、名勝、天然記念物(以下「市指定史跡名勝天然記念物」という。)
2 教育委員会は、前項の規定により市指定文化財の指定をしようとするときは、あらかじめ、次に掲げる区分に基づき、指定又は認定の同意を得なければならない。
(1) 市指定有形文化財、市指定有形民俗文化財及び市指定史跡名勝天然記念物(以下「有形の市指定文化財」という。)の指定に当たっては、当該文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、当該文化財の所有者又は権原に基づく占有者(以下「占有者」という。)が判明しない場合は、この限りでない。
(2) 市指定無形文化財及び市指定無形民俗文化財(以下「無形の市指定文化財」という。)の認定に当たっては、当該文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めがあるものをいう。以下同じ。)の長の同意を得なければならない。ただし、当該文化財の保持者又は保持団体が判明しない場合は、この限りでない。
3 教育委員会は、第1項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、田原市文化財保護審議会の意見を聴くものとする。
4 教育委員会は、第1項の規定による指定をするときは、その旨を告示するとともに、有形の市指定文化財にあっては、所有者及び占有者に通知して指定書を交付し、無形の市指定文化財にあっては、保持者又は保持団体として認定しようとする者(保持団体にあっては、その代表者)に通知し、認定書を交付する。ただし、当該文化財の所有者、占有者、保持者又は保持団体が判明しない場合は、この限りでない。
6 教育委員会は、第1項の規定による無形の市指定文化財の指定をした後においても、当該保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第5条 教育委員会は、市指定文化財が市指定文化財としての価値を失ったと認められる場合、その他特殊の理由があるときは、市長と協議のうえ、その指定を解除することができる。
2 市指定文化財が、法又は県条例の規定による指定を受けたときは、当該市指定文化財の指定は、解除されたものとする。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第6条 有形の市指定文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、当該市指定文化財を管理しなければならない。
2 有形の市指定文化財の所有者は、特別の事情があるときは、もっぱら自己に代わり、当該市指定文化財の管理の責めに任ずべき管理責任者を選任することができる。
3 有形の市指定文化財の所有者は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合及び管理責任者の氏名若しくは名称又は住所を変更した場合も、同様とする。
4 管理責任者については、第1項の規定を準用する。
(所有者等の変更等)
第7条 市指定文化財の所有者、占有者、保持者又は保持団体が変更し、又は氏名、名称、住所、所在地又は代表者に変更があったときは、指定書又は認定書を添えて速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第8条 有形の市指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更等)
第9条 有形の市指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめ、指定書を添えてその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則で定める場合には、所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りるものとする。
2 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者若しくは占有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理の補助)
第10条 有形の市指定文化財の管理又は修理に要する経費若しくは無形の市指定文化財の維持に要する経費は、所有者、占有者、保持者又は保持団体(以下この条において「所有者等」という。)の負担とする。ただし、多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示することができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第11条 有形の市指定文化財の管理が適当でないため、当該市指定文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるとき、若しくはき損している場合は、教育委員会は、所有者又は占有者(管理責任者がある場合は、その者)に対し管理方法の改善、保存施設の設置その他管理又は修理に関し必要な措置(以下「修理」という。)を勧告することができる。
2 前項の規定による勧告に基づく措置又は修理のために要する費用は、市の予算の範囲内でその全部又は一部を負担することができる。
2 補助金又は負担金に係る修理が行われた後、当該市指定文化財を市に譲渡した場合、その他特別の事情があると認められる場合には、市は、前項の規定により納付すべき金額の全部又は一部を免除することができる。
(現状変更等の制限)
第13条 有形の市指定文化財(市指定有形民俗文化財を除く。)の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、所有者及び占有者は、教育委員会の許可を受けるものとし、市指定有形民俗文化財については、教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則で定める範囲の維持の措置をする場合は、この限りでない。
2 有形の市指定文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言をすることができる。
(公開)
第15条 教育委員会は、有形の市指定文化財の所有者に対し、6か月以内の期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため、当該市指定文化財を出品することを勧告することができる。
2 教育委員会は、有形の市指定文化財の所有者に対し、3か月以内の期間を限って当該市指定文化財の公開を勧告することができる。
4 教育委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る市指定文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について、指揮監督することができる。
5 教育委員会は、無形の市指定文化財の保持者又は保持団体に対し当該市指定文化財の公開を、無形の市指定文化財の記録の所有者に対してはその記録の公開を勧告することができる。
6 市は、前項の規定による無形の市指定文化財及びその記録の公開に要する経費の全部又は一部を予算の範囲内で負担することができる。
(調査)
第16条 教育委員会は、必要があると認めるときは、有形の市指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況を調査し、又は所有者、占有者若しくは管理責任者に対し報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第17条 有形の市指定文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市指定文化財に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該市指定文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第3章 市選定保存技術
(選定等)
第18条 教育委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法及び県条例の規定により選定されたものを除く。)のうち、市として保存の措置を講ずる必要があるものを市長と協議のうえ田原市選定保存技術(以下「市選定保存技術」という。)として選定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による選定をするに当たっては、市選定保存技術の保持者又は保持団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
(解除)
第19条 市選定保存技術の選定の解除については、第5条の規定を準用する。
(保持者の変更等)
第20条 市選定保存技術の保持者及び保持団体の変更等については、第7条の規定を準用する。
(保存)
第21条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市選定保存技術について、自ら記録を作成し、又は伝承者の養成その他保存のために必要と認められるものについて適当な措置をとることができる。
(保存に関する援助)
第22条 教育委員会は、市選定保存技術の保持者又は保持団体に対して指導、助言その他必要と認められる援助をすることができる。
2 市選定保存技術に対する補助金の交付については、第10条の規定を準用する。
第4章 田原市文化財保護審議会
(設置)
第23条 教育委員会に田原市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第24条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて文化財の保護及び活用に関する重要事項について調査審議し、その結果を教育委員会に答申するほか、教育委員会に意見を具申するため必要な調査研究を行う。
(組織)
第25条 審議会は、文化財に関し学識経験を有するもののうちから教育委員会が任命する10人以内の委員で組織する。
2 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
3 委員に欠員を生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 教育委員会は、特別の理由がある場合には、委員の任期中でも解任することができる。
(会長)
第26条 審議会に会長を置き、委員の互選により定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめ、会長の指名する委員がその職務を代理する。
(会議)
第27条 審議会は、会長が招集する。
2 会長が会議を招集する場合は、あらかじめ、教育委員会に連絡しなければならない。
3 審議会は、半数以上の委員が出席しなければ会議を開くことができない。
4 審議会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
5 審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
第5章 補則
(委任)
第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、昭和52年10月1日から施行する。
(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和36年田原町条例第17条)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成15年8月20日条例第68号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成17年3月29日条例第11号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成17年9月22日条例第104号)
この条例は、平成17年10月1日から施行する。