○高松市職員の倫理及び公正な職務の執行の確保に関する条例
平成24年12月26日
条例第82号
注 令和4年3月から改正経過を注記した。
高松市職員の倫理及び公正な職務の執行の確保に関する条例
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 内部公益通報(第7条―第13条)
第3章 不当要求行為等(第14条・第15条)
第4章 不利益な取扱いの禁止等(第16条―第18条)
第5章 高松市公正職務推進委員会及び高松市公正職務審査会(第19条―第21条)
第6章 雑則(第22条・第23条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、職員の倫理及び公正な職務の執行の確保のために必要な事項を定めることにより、市民の疑惑や不信を招くような行為の防止と信頼される市政の確立を図り、もって市民の利益の増進を図ることを目的とする。
(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員並びに同条第3項に規定する特別職に属する職員のうち市長、副市長、地方公営企業の管理者、教育長、常勤の監査委員及び非常勤の嘱託員をいう。
(2) 職員等 次に掲げる者をいう。
ア 職員又は内部公益通報(第4号に規定する内部公益通報をいう。以下この号において同じ。)の日前1年以内に職員であった者
イ 本市以外の者との請負契約その他の契約に基づいて本市の事務又は事業を本市以外の者に行わせ、又は行わせていた場合、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定に基づき公の施設の管理を指定管理者に行わせ、又は行わせていた場合その他法令の規定に基づき本市の事務又は事業を本市以外のものに行わせ、又は行わせていた場合における当該事務又は事業を行うものの役員(公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第2条第1項に規定する役員をいう。)で当該事務又は事業に従事する者並びに従業員及び従業員であった者で当該事務又は事業に従事し、又は内部公益通報の日前1年以内に従事していたもの
ウ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者及び派遣労働者であった者で、本市を当該派遣労働者に係る労働者派遣(同条第1号に規定する労働者派遣をいう。)の役務の提供先とし、又は内部公益通報の日前1年以内に提供先としていたもの
(3) 法令等 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び規則(規程を含む。)並びに市の機関がその職務を執行するために定める基準その他の内規をいう。
(5) 通報対象事実 職員等の職務の執行における事実であって、法令等に違反するものをいう。
(6) 不当要求行為 次に掲げる行為をいう。
ア 職員の職務に関し、その地位を利用し、又はその権限に基づく影響力を行使して、次に掲げることを求める行為であって、職員の公正な職務の執行を妨げるもの
(ア) 許認可その他の行政処分に関し、正当な理由がなく、特定の法人その他の団体又は個人のために有利な又は不利な取扱いをすること。
(イ) 入札の公正を害すること又は公正な契約事務の執行を妨げること。
(ウ) 人事(職員の採用、昇任、降任、転任等をいう。)の公正を害すること。
(エ) 職務上知り得た秘密を漏らすこと。
イ 暴力、乱暴な言動その他の社会常識を逸脱した手段により要求の実現を図る行為
(令4条例5・一部改正)
(職員の責務)
第3条 職員は、市民全体の奉仕者であって、市民の一部に対しての奉仕者ではないことを深く自覚し、公共の利益の増進を目指して、誠実かつ公正に職務を執行しなければならない。
2 職員は、自らの行動が市政の信用に影響を及ぼすことを認識し、常に法令等を遵守するとともに、市民から信頼される職員であるよう、行政の執行に関する法令等及び自らの職務に関連する法令等に精通するよう努めるほか、公務員としての資質の向上及び倫理の高揚に努めなければならない。
(職員の職務の執行に係る倫理原則)
第4条 職員は、職務の執行に当たっては、次に掲げる倫理原則を遵守しなければならない。
(1) 職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしないこと。
(2) その職務の執行に関し十分な説明責任を果たすことにより、市政の透明性を高めるよう努めるとともに、不当要求行為があったときは、これを拒否すること。
(3) その職務や地位を自らや自らの所属する組織のための私的利益のために用いないこと。
(4) 常に公私の別を明らかにし、本市職員としての職の信用を傷つけ、又は職全体の不名誉となるような行為をしないこと。
(5) 職員の職務に利害関係を有する者との接触に当たっては、せん別、祝儀、謝礼等いかなる名目においても、贈答、会食、遊技その他規則で定める市民の疑惑又は不信を招くおそれのある行為をしないこと。
(管理監督者の責務)
第5条 職員を管理し、又は監督する地位にある職員は、その管理し、又は監督する職員の誠実かつ公正な職務の執行について適切な指導を行い、自ら職員の模範となるよう行動するとともに、風通しの良い職場づくりに努めなければならない。
(任命権者の責務)
第6条 任命権者は、公正な職務の執行及び公務員倫理の確立に資するよう、研修の実施その他の必要な措置を講じなければならない。
2 任命権者は、不当要求行為に適切な対応ができる体制の整備、内部公益通報をした者、不当要求行為に係る記録の提出をした者又は通報対象事実若しくは不当要求行為に係る調査に協力した者(以下「内部公益通報者等」という。)の保護その他この条例の目的を達成するために必要な措置を講じなければならない。
第2章 内部公益通報
(内部公益通報)
第7条 職員等は、通報対象事実が生じ、又は生じるおそれがあると思料するときは、規則で定めるところにより、内部公益通報をすることができる。
2 内部公益通報は、氏名を明らかにして行わなければならない。ただし、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当な根拠を示したときは、この限りでない。
(1) 不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正な目的でなされた通報であることが明らかな場合
(2) 内部公益通報による通報内容(以下「通報内容」という。)が通報対象事実に該当しないことが明らかな場合
(3) 通報内容が極めて不明確であり、内部公益通報をした者に説明を求めたにもかかわらず当該事実の内容が把握できない場合
2 前項の調査の対象となる者は、当該調査に協力するよう努めなければならない。ただし、職員については、正当な理由がある場合を除き、当該調査を拒んではならない。
3 第1項の調査は、内部公益通報をした者及び調査に協力した者の秘密を保持し、これらの者の保護を図るよう留意しつつ、必要かつ相当と認められる方法により実施されなければならない。
(推進委員会からの報告による是正措置等)
第9条 推進委員会は、前条第1項の調査の結果、通報対象事実があると認めるときは、その旨及び調査の内容を市長等及び審査会に報告しなければならない。
2 市長等は、前項の規定による報告を受けたときは、直ちに当該通報対象事実の中止その他是正のために必要な措置、法令等に基づく措置、再発防止のために必要な措置その他の適切な措置(以下「是正措置等」という。)を講ずるものとする。
3 市長等は、前項の規定により是正措置等を講じたときは、速やかに、当該是正措置等の内容を審査会に報告しなければならない。
4 推進委員会は、前条第1項の調査の結果、通報対象事実がないと認めるときは、速やかに、その旨及び当該調査の内容を市長等及び審査会に報告しなければならない。
(審査会からの勧告に基づく是正措置等)
第11条 審査会は、前条第1項の調査の結果、通報対象事実があると認めるときは、直ちに、市長等に対し、是正措置等を講ずるよう勧告しなければならない。
(1) 第8条第1項の調査を実施しないことが不適当であると認めるとき。
2 市長等は、前項の規定に基づく勧告を受けたときは、当該勧告を尊重し、直ちに是正措置等を講ずるものとする。
3 市長等は、前項の規定により是正措置等を講じたときは、速やかに、当該是正措置等の内容を審査会に報告しなければならない。
(内部公益通報をした者に対する報告)
第13条 推進委員会又は審査会は、次の各号に掲げる場合においては、その旨を内部公益通報をした者に通知しなければならない。ただし、当該内部公益通報が匿名によりなされたものであるときは、この限りでない。
第3章 不当要求行為等
(不当要求行為の報告)
第14条 職員は、不当要求行為があったと思料するときは、規則で定めるところにより、その内容を記録し、当該記録を上司(市長等にあっては、審査会)に提出するものとする。
2 前項の規定にかかわらず、職員は、他の職員から不当要求行為があったと思料するときその他正当な理由があるときは、当該記録を推進委員会又は審査会に提出することができる。
3 前2項の規定による記録の提出は、氏名を明らかにして行わなければならない。ただし、不当要求行為があったと信ずるに足りる相当な根拠を示したときは、この限りでない。
4 第1項の規定により記録の提出を受けた上司は、当該記録の内容が明らかに不当要求行為に該当しない場合を除き、直ちに当該記録を推進委員会に提出しなければならない。
(不当要求行為の調査等に係る内部公益通報の規定の準用)
第15条 第8条から第13条までの規定は、不当要求行為に係る記録が推進委員会又は審査会に提出された場合について準用する。この場合において、第8条第1項及び第10条第1項の規定中「内部公益通報を受けた」とあるのは「記録の提出を受けた」と、第8条第1項第1号中「なされた通報」とあるのは「なされた記録の提出」と、同項第2号中「内部公益通報による通報内容(以下「通報内容」という。)」とあり、同項第3号、同条第4項から第6項まで並びに第10条第3項及び第4項の規定中「通報内容」とあるのは「記録の内容」と、第8条第1項第2号、第9条第1項、第2項及び第4項(これらの規定を第11条第2項において準用する場合を含む。)並びに第11条第1項及び第2項の規定中「通報対象事実」とあるのは「不当要求行為」と、第8条第1項第3号及び同条第3項(第10条第2項において準用する場合を含む。)並びに第13条の規定中「内部公益通報をした者」とあるのは「記録の提出をした者」と、同条の規定中「当該内部公益通報が」とあるのは「当該記録の提出が」と読み替えるものとする。
第4章 不利益な取扱いの禁止等
(不利益な取扱いの禁止)
第16条 市長等及び職員は、内部公益通報者等に対し、内部公益通報を行い、若しくは不当要求行為に係る記録を提出し、又は当該通報対象事実若しくは不当要求行為に係る調査に協力したことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。
(不利益な取扱いに係る是正の申立て)
第17条 内部公益通報者等は、内部公益通報を行い、若しくは不当要求行為に係る記録を提出し、又は当該通報対象事実若しくは不当要求行為に係る調査に協力したことを理由として不利益な取扱いを受けたと思料するときは、規則で定めるところにより、推進委員会又は審査会に対し、その是正を申し立てることができる。
(不利益な取扱いに対する調査等に係る内部公益通報の規定の準用)
第18条 第8条から第13条までの規定は、不利益な取扱いに係る申立てが推進委員会又は審査会になされた場合について準用する。この場合において、第8条第1項及び第10条第1項の規定中「内部公益通報を受けた」とあるのは「申立てを受けた」と、第8条第1項第1号中「なされた通報」とあるのは「なされた申立て」と、同項第2号中「内部公益通報による通報内容(以下「通報内容」という。)」とあり、同項第3号、同条第4項から第6項まで並びに第10条第3項及び第4項の規定中「通報内容」とあるのは「申立ての内容」と、第8条第1項第2号、第9条第1項、第2項及び第4項(これらの規定を第11条第2項において準用する場合を含む。)並びに第11条第1項及び第2項の規定中「通報対象事実」とあるのは「不利益な取扱い」と、第8条第1項第3号及び同条第3項(第10条第2項において準用する場合を含む。)並びに第13条の規定中「内部公益通報をした者」とあるのは「申立てをした者」と読み替えるものとする。
第5章 高松市公正職務推進委員会及び高松市公正職務審査会
(高松市公正職務推進委員会)
第19条 内部公益通報に係る調査等を行うため、高松市公正職務推進委員会(以下「推進委員会」という。)を置く。
2 推進委員会は、この条例の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、職員の倫理及び公正な職務の執行の確保に関し必要な事項について審議し、市長等に報告する。
3 推進委員会は、委員若干人で組織する。
4 委員は、職員のうちから市長が任命し、又は委嘱する。
(高松市公正職務審査会)
第20条 職員の倫理及び公正な職務の執行に関し審査等を行うため、高松市公正職務審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会の所掌事項は、次のとおりとする。
(1) この条例の規定によりその権限に属させられた事項を処理すること。
(2) 市長等の諮問に応じ、職員の倫理及び公正な職務の執行の確保に関する事項について審議し、及び当該事項について市長等に建議すること。
3 審査会は、委員5人以内で組織する。
4 委員は、人格が高潔で、法令等に関し高い識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることができる。
7 委員は、職員と兼ねることができない。
(規則への委任)
第21条 この章に定めるもののほか、推進委員会及び審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第6章 雑則
(運用状況の公表)
第22条 市長は、毎年度、この条例の運用状況を取りまとめ、その概要を公表しなければならない。
(委任)
第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
(高松市特別職の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 高松市特別職の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年高松市条例第20号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)
附則(平成26年9月29日条例第40号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成27年3月26日条例第16号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第76号。以下「改正法」という。)による改正前の地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第16条第1項に規定する教育長が改正法附則第2条第1項の規定によりなお従前の例により在職する間(以下「在職特例期間」という。)においては、第1条の規定による改正後の高松市長等の給料その他給与支給条例第1条、第2条、第4条及び別表の規定は適用せず、第1条の規定による改正前の高松市長等の給料その他給与支給条例第1条、第2条、第4条及び別表の規定は、なおその効力を有する。
7 在職特例期間においては、第8条の規定による改正後の高松市職員の倫理及び公正な職務の執行の確保に関する条例第2条の規定は適用せず、第8条の規定による改正前の高松市職員の倫理及び公正な職務の執行の確保に関する条例第2条の規定は、なおその効力を有する。
附則(令和4年3月29日条例第5号)
この条例は、令和4年6月1日から施行する。