○多久市環境基本条例

平成24年3月31日

条例第14号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 基本方針(第7条―第16条)

第3章 環境基本計画(第17条・第18条)

第4章 環境審議会(第19条)

第5章 雑則(第20条)

附則

多久市は、佐賀県の中央に位置し、北側に天山、東側に両子山、西側に八幡岳、船山、南側に鬼の鼻山と、周囲を山に囲まれた盆地で、豊かな自然と、県南の気候と県北の気候を有した四季の変化が豊かなところにある。高度成長期の日本を支えた石炭産業の隆盛期には、人口数も最大となり、大いに賑わっていたが、エネルギー政策の変化に伴い、いにしえの文化を今に伝える孔子の里として、特色ある伝統文化を育みつつ、緑あふれる豊かな自然に囲まれ、落ち着いたたたずまいの街となっている。

しかしながら、今日の私たちの生活は、世の中の情勢の変化や進歩にともない、資源やエネルギーを大量に消費し、廃棄物を大量に排出するようになり、私たちに豊かな生活の変化をもたらした反面、環境への負荷を著しく増大させ、その結果、地域の環境のみならず、全ての生物の生存基盤である地球環境をも、脅かすようになってきている。

私たちは、健康で文化的な生活を確保しながら、健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受する権利を有しているが、その良好な環境を保ち、将来の世代に引き継いでいく責務もまた負っている。健全で恵み豊かなふるさと多久の環境を維持していくため、自らの日常生活や経済活動の在り方を見つめ直し、市、市民及び事業者がそれぞれの役割を担い、地球環境への負荷を少なくして、持続的な発展が可能な社会の構築をするため、私たちもまた地球に住む生命体の一員であることを認識して、自然と共生し、地球環境の保全に貢献することにより、豊かなふるさとを次世代に引き継ぐことを願い、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに、市民の福祉に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は、市民が健康で快適な生活を営む上で必要となる良好な環境を確保し、これを将来の世代へ継承し、維持されるよう適切に行われなければならない。

2 市民一人ひとりが環境を守ることの大切さを学び、生態系及び市域の自然的条件に配慮し、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を目的として、市、市民及び事業者のそれぞれの責務に応じた役割のもとに、自主的かつ積極的に環境の保全を行わなければならない。

3 地球環境の保全は、市、市民及び事業者が自らの課題であることを認識し、その事業活動及び日常生活において、積極的に行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、これを実施する。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、廃棄物の排出抑制及び再生利用を図るなど、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に積極的に取り組み、協力をするものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たり、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物の処理その他の公害を発生させないために、自らの責任において適切な措置を講じなければならない。

2 事業者は、資源及びエネルギーの有効利用を図り、廃棄物の排出抑制及び再生利用を図るなど、環境への負荷の低減、その他の環境の保全に自ら積極的に努めなければならない。

3 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に積極的に取り組み協力をするものとする。

第2章 基本方針

(施策の策定等に係る指針)

第7条 環境の保全に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行われなければならない。

(1) 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるように、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

(3) 資源及びエネルギーの合理的かつ循環的な利用等により、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を図ること。

(4) 地域の個性を生かした歴史的、文化的遺産の保全と、良好な都市景観及び居住環境の形成等により、潤いと安らぎのある快適な環境を創造すること。

(5) 地球温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境の保全を図ること。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第8条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。

(環境の保全上の助言等)

第9条 市長は、環境の保全上の支障の防止のため必要な助言、指導又は勧告(以下「助言等」という。)を行うことができる。

2 市長は、助言等を行ったときは、関係者に対し必要な報告を求めることができる。

(市民等の活動への支援)

第10条 市は、市民及び事業者(以下「市民等」という。)が行う環境への負荷の低減、その他の環境の保全等に関する活動が促進されるように、必要な支援の措置を講ずるものとする。

(環境の保全に関する教育、学習等)

第11条 市は、市民等が環境の保全についての理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境の保全に関する教育及び学習の振興、環境の保全に関する広報活動の充実等必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第12条 市は、市民等が自発的に行う環境の保全等に関する活動の促進、並びに環境の保全に関する教育及び学習の振興に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を、適切に提供するように努めるものとする。

(調査の実施)

第13条 市は、環境の状況の把握、その他の環境の保全に関する施策の策定に必要な調査を実施するものとする。

(必要な措置)

第14条 市長は、環境の保全に支障を及ぼすおそれのある行為に対し、必要な措置を講じることができるものとする。

2 市民等は、市長に対し、環境の保全に支障を及ぼすおそれのある行為に対し、必要な措置を講ずるように求めることができる。

(施策の推進体制の整備等)

第15条 市は、各関係機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための体制を整備するものとする。

2 市は、市民等と協力し、環境の保全に関する施策を効果的に推進するための体制を整備するものとする。

(国、県及び他の地方公共団体との協力)

第16条 市は、地球環境の保全その他広域的な取組を必要とする施策の実施に当たっては、国、県及び他の地方公共団体と協力して、その推進を図るものとする。

第3章 環境基本計画

(環境基本計画等)

第17条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、多久市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(実施計画等)

第18条 市長は、前条の環境基本計画に基づき、市及び市民等がそれぞれの責務に応じて環境の保全を協働して実践するため、必要な事項を定めるものとする。

第4章 環境審議会

(環境審議会)

第19条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、環境の保全等に関する基本的事項を調査審議するため、多久市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する基本的事項及び重要事項に関すること。

(3) その他市長が必要と認めること。

3 審議会は、委員10人以内をもって組織する。

4 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱又は任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 関係行政機関の職員

(3) 関係団体の代表

(4) 前号に掲げるもののほか、市長が必要と認める者

5 委員の任期は、2年とする。ただし、欠員補充による委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員の再任は、妨げない。

7 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第5章 雑則

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

この条例は、平成24年4月1日から施行する。

多久市環境基本条例

平成24年3月31日 条例第14号

(平成24年4月1日施行)