○垂水市環境基本条例

平成25年12月20日

条例第26号

私たちのまち垂水市は、大隅半島の玄関口に位置し、恵み豊かな錦江湾及び優美な桜島を目の前に望み、背景には四季の移ろいを伝える高隈山などの山々が連なり、山麓から平野部まで点在する温泉など、多彩で美しい自然環境に恵まれている。

しかしながら、生活の便利さや物質的な豊かさは、大量生産、大量消費及び大量廃棄といった環境負荷の多い社会を生み出し、身近な自然の減少、水質汚濁及び悪臭等の環境問題を発生させ、地域の環境のみならず、地球温暖化問題に象徴されるように地球規模の環境を脅かすまでに至っている。

全ての市民は、健康で文化的な生活を営むことができる良好な環境を享受する権利を有するとともに、全国に誇れる垂水市のすばらしい自然環境の恵沢を将来の世代に継承していく責務を担っていくことを認識し、健全で恵みある豊かな自然との共生及び環境の保全・形成の推進を求められている。

ここに、私たちはかけがえのない地域の自然環境及び社会経済活動との調和を図り、これまで以上にそれぞれの役割及び責任の下に協働して、環境負荷の少ない、持続的発展が可能なまちづくりを推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本市の健全で恵み豊かな環境の保全について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境の保全 環境を保護及び整備することにより、現在の環境を良好な状態に保つことをいう。

(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境を保全する上で支障を招くおそれのあるものをいう。

(3) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(4) 公害 事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

(5) 生活環境 人の生活に関する環境をいい、人の生活に密接な関係のある財産及び動植物並びにその生育環境を含むものとする。

(基本理念)

第3条 市は、健全で恵み豊かな環境の保全について、次に掲げる事項を基本理念として定め、推進するものとする。

(1) 市民の健康で文化的な生活の基盤となる地域の良好な環境を確保し、健やかで快適な暮らしを実現すること。

(2) 市、事業者及び市民が自らの活動と環境との関わりを認識し、環境への負荷の少ない循環型地域社会を構築すること。

(3) 自主的かつ積極的に自然とのふれあいを深め、河川をはじめとする水環境の保全及び自然との共生を確保し、自然的構成要素を良好な状態に保つこと。

(4) 地球環境の保全は、全ての者が自らの課題であることを認識し、あらゆる事業活動や日常生活において積極的な活動により推進すること。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのっとり、環境の保全に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、基本理念にのっとり、事務事業の執行に伴う環境への負荷の低減等の環境の保全に努めなければならない。

3 市は、環境の保全に関する教育及び情報の提供その他広報活動を通じて、市民及び事業者(以下「市民等」という。)の環境に対する意識の高揚に努めるとともに、市民等が行う環境保全活動に協働してその活動を支援するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、環境を損なうことがないように、自らの責任と負担において、これに伴って生ずる公害等を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、基本理念にのっとり、自ら行う事業の実施に当たっては、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の発生抑制等により環境への負荷の低減に努めなければならない。

3 事業者は、基本理念にのっとり、地域の構成員として、地域の環境の保全に関する活動への参加に努めなければならない。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、住みよい環境を築くため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 市民は、基本理念にのっとり、地域の環境の保全に関する活動への参加に努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(市民団体の役割)

第7条 市民団体は、基本理念を踏まえ、社会的責任を自覚し、情報の提供又は活動機会の充実等を図り、市及び市民等と協働して環境保全活動に努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力するように努めるものとする。

(施策の策定等に係る基本方針)

第8条 市は、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として、各種の施策相互の連携を図りつつ総合的かつ計画的に行うものとする。

(1) 人の健康が保護され、生活環境が適正に保全されるよう、緑化の推進及び安全で安心な住環境の確保が図られること。

(2) 生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、河川又は海岸等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて保全されること。

(3) 人と自然との豊かなふれあいが保たれるとともに、身近な水環境等の保全が図られること。

(4) 廃棄物又はエネルギー等の適正な循環的利用を図るとともに、環境への負荷ができる限り低減される社会が構築されること。

(5) 地球温暖化の防止その他の地球環境の保全が図られること。

(6) 環境教育及び環境学習の推進により環境に対する市民意識の高揚が図られること。

(環境基本計画)

第9条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、環境の保全に関する総合的かつ長期的な目標、施策の基本的方向その他必要な事項について定めるものとする。

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民等の意見を反映するよう努めるとともに、あらかじめ、第21条の垂水市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 市は、自らの施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図り、環境への負荷が低減されるよう配慮するものとする。

(自然環境の保全等)

第11条 市は、森林、河川又は海岸等における絶滅危惧種等多様な生物の環境に配慮し、自然環境の保全に必要な措置を講ずるものとする。

(快適な住環境の保全等)

第12条 市は、快適な安らぎのある住環境を確保するため、緑化の推進及び歴史文化的資源の保全等を通じて、自然環境と調和のとれた魅力ある景観の確保に必要な措置を講ずるものとする。

(水環境の保全)

第13条 市は、河川及び地下水等における水環境の適正な保全に努めるとともに、水質に対する汚濁の負荷の低減のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(環境への負荷の低減に資する物品等の利用促進)

第14条 市及び市民等は、自ら環境への負荷の低減に資する物品等の積極的な利用を図るよう努めるものとする。

(環境の保全に関する教育及び学習等)

第15条 市は、環境の保全についての市民等の関心及び理解を深めるとともに、環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境教育及び環境学習を充実し、地域、職場及び家庭等において連携して必要な施策を推進するように努めるものとする。

(市民等の自発的な活動の促進)

第16条 市は、市民等が協働して行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第17条 市は、市民等の環境の保全に関する活動の促進に資するため、必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(監視等の推進)

第18条 市は、市民等が環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な調査、監視及び測定の体制の推進に努めるものとする。

(地球環境の保全の推進)

第19条 市は、地球環境の保全に関する施策の推進に努めるとともに、市民等との協働又は他の地方公共団体等との協力によりその推進に努めるものとする。

(規制の措置)

第20条 市は、快適な環境を保全する上で規制の必要があると認めるときは、具体的な措置を講ずるように努めるものとする。

(垂水市環境審議会)

第21条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定により、垂水市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じて、環境の保全に関する事項を調査審議する。

3 審議会は、委員20人以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。

(1) 学識経験者

(2) 公募により選任された者

(3) 関係行政機関の職員

(4) 関係団体の代表者等

(5) 地域住民の代表者

(6) その他市長が適当と認める者

4 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

5 委員が欠けた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 審議会に会長及び副会長を1人ずつ置き、それぞれ委員の互選により定める。

7 会長は、第2項に係る審議が取りまとめられたときは、速やかに市長に答申するものとする。

(委任)

第22条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 垂水市報酬及び費用弁償条例(昭和44年条例第9号)の一部を次のように改正する。

別表さわやか環境づくり懇話会委員の項の次に次のように加える。

環境審議会委員

〃 4,000円

垂水市環境基本条例

平成25年12月20日 条例第26号

(平成25年12月20日施行)