○嬉野市政治倫理条例
平成21年6月22日
条例第15号
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであり、その受託者としての市長、副市長及び教育長(以下「市長等」という。)並びに市議会議員(以下「議員」という。)は、市民全体の奉仕者たる自覚と清く貴い志を堅持すべきであるが、その権限及び地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることがあった場合に必要な措置等を定めることにより、市政に対する市民の信頼にこたえるとともに、市民も市政に対する正しい認識と自覚の下に公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(市長等及び議員の責務)
第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する高い倫理観及び品位の保持に努め、常に政治倫理に関する高潔性を示すことができるように努めなければならない。
2 市長等及び議員は、政治倫理に反する事実があると疑惑を持たれた場合には、自ら率先して、真摯かつ誠実に事実を明らかにし、その責任を明確にしなければならない。
(市民の役割)
第3条 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益を実現する責任を有することの自覚を持ち、市長等及び議員の活動に注目するものとする。
(政治倫理基準)
第4条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その権限及び地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(3) 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第92条の2、第142条、第166条第2項及び第180条の5第6項の趣旨に従い、市長等及び議員の親族が役員をしている企業、団体又は市長等及び議員の親族が経営に携わっている個人商店と市(市が設立した公社、市が資本金その他これらに準ずるものを出資し、又は拠出している公益法人、株式会社等を含む。以下「市等」という。)との契約等に関し、一切の関与をしないこと。
(4) 市等が行う工事(下請工事を含む。)の請負契約、業務委託契約、物品納入契約その他の契約及び法第244条の2第3項に規定する指定管理者の指定に関し、特定の個人、企業、団体等のために有利な取り計らいをしないこと。
(5) 市職員(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員及び同法第22条の3第4項の規定により臨時的に任用される職員を含む。)の公正な職務執行を妨げ、その権限又はその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
(6) 市職員の採用に関して推薦又は紹介をしないこと。
(7) 議員は、市職員の昇格及び異動に関して推薦又は紹介をしないこと。
(8) 政治活動に関して企業、団体等から寄附等を受けないものとし、その後援団体についても政治的又は道義的な批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。
2 市長等及び議員は、市が交付する補助金等を受給する団体の役員となっている場合、その役員を辞退するように努めなければならない。
3 市長等及び議員は、嬉野市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)の事務に対し、不当な関与をしてはならない。
4 市長等及び議員は、審査期間中における審査会の委員に対し、審査会の会議等以外での非公式な接触をしてはならない。
(就業等の報告義務及び閲覧)
第5条 市長等及び議員は、毎年4月1日現在において、報酬を得て行う自らの就業及び団体の役員就任状況について、4月末日までに、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に届け出なければならない。
2 報告書の保存年限は、報告期限の翌日から起算して5年を経過する日までとし、この期間であれば、市民は、市長又は議長に対し、報告書の閲覧を請求することができる。
(政治倫理審査会の設置)
第6条 市長等及び議員の政治倫理に関する事項を審査するため、法第138条の4第3項の規定に基づき、審査会を置く。
2 審査会の委員は、9人以内とし、政治倫理の審査に関して専門的知識を有する者及び法第18条に定める選挙権を有する市民(以下「有権者」という。)のうちから、公正を期するため市長と議長が協議の上、市長が委嘱する。
3 審査会の委員の任期は、2年とし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、任期が満了した場合においては、後任の委員が委嘱されるまでは、その職務を行う。
4 前項の規定にかかわらず、委員の任期が満了する日において、審査未了の事件があるときの委員の任期は、その事件に限り、審査完了まで延長されるものとする。
5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の者の同意を必要とする。
(守秘義務等)
第7条 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
2 審査会の委員は、その職務を政治的目的のために利用してはならない。
3 審査会の委員は、公正かつ適正にその職務を遂行しなければならない。
2 前項の規定により調査の請求がなされたときは、議長は、議員に係る調査請求書及び添付書面の写しを市長に送付し、市長は、市長等又は議員に係る調査請求書及び添付書面の写しを直ちに審査会に提出し、審査を付託しなければならない。
(1) 市長又は市議会議員の任期満了による選挙 任期満了の日前180日から当該選挙期日後30日を経過する日まで
(2) 市長又は市議会議員の任期満了以外の選挙 当該選挙を行うべき事由の告示があった日の翌日から当該選挙期日後30日を経過する日まで
(3) 前2号に掲げる選挙以外の選挙 当該選挙の選挙期日前30日から当該選挙期日まで
(審査会の審査等)
第9条 審査会は、前条の規定により審査が付託されたときは、調査請求の要旨及び審査開始日を公表しなければならない。
2 審査会は、審査をするに当たり、関係人から事情聴取及び資料提供など必要な調査を行うことができる。
3 審査会は、前条の規定により審査を付託された日から60日以内に必要な審査を行い、審査結果回答書を作成して市長に提出するとともに、その審査結果を調査請求代表者に対して、文書で送付しなければならない。
4 市長は、前項の規定により提出された審査結果回答書のうち、議員に係るものについては、その写しを議長に送付しなければならない。
5 市長又は議長は、第3項に規定する審査会の調査請求代表者に対する送付があったときは、遅滞なく、審査結果回答書の要旨を公表しなければならない。
(審査結果後の措置)
第10条 市長等又は議員は、審査結果回答書を尊重し、政治倫理基準に違反したと認められるときは、市民の信頼を回復するため必要な措置を講ずるものとする。
(説明会開催請求権)
第11条 市民は、市長等又は議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪並びに公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条に定めるあっせん利得罪の容疑で起訴された後、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、有権者の200分の1以上の者の連署をもってその代表者(以下「説明会開催請求代表者」という。)から、市長等又は議員に対し、審査会を通じて説明会の開催を請求することができる。
2 前項の規定による説明会開催請求は、起訴された日から50日以内に行わなければならない。
3 審査会は、第1項の規定による説明会開催請求において審査会が必要と認める場合は、説明会開催請求代表者に措置を勧告することができる。
4 審査会は、説明会請求書の適否の審査を行い、当該市長等又は当該議員並びに説明会開催請求代表者にその結果を報告する。
6 市民は、前項の説明会において、当該市長等又は当該議員に質問することができる。
(請負等に関する遵守事項)
第12条 市長等及び議員は、自らが実質的に経営に関与する企業と市との間で締結する請負契約等に関して、法第92条の2、第142条、第166条及び第180条の5の規定の趣旨を尊重し、市民の疑惑を招くことがないよう努めなければならない。
(規則への委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成21年7月1日から施行する。
附則(平成27年2月16日条例第1号)抄
(施行期日)
第1条 この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成27年12月18日条例第38号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和元年12月24日条例第29号)
この条例は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和2年6月25日条例第30号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和6年1月24日条例第2号)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。