○大田区墓地等の経営の許可等に関する条例

平成24年3月16日

条例第20号

(目的)

第1条 この条例は、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。以下「法」という。)第10条の規定による墓地、納骨堂又は火葬場(以下「墓地等」という。)の経営の許可等に関し必要な事項を定めることにより、墓地等の経営の適正化及び墓地等と周辺環境との調和を図り、もって公衆衛生その他公共の福祉の確保に寄与することを目的とする。

(用語)

第2条 この条例で使用する用語の意義は、法で使用する用語の例による。

(墓地等の経営主体)

第3条 墓地等を経営しようとする者は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。ただし、特別の理由がある場合であって、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。

(1) 地方公共団体

(2) 宗教法人法(昭和26年法律第126号)第4条第2項の法人で、同法の規定により登記された事務所を区内に有するもの

(3) 墓地等の経営を行うことを目的とする公益社団法人又は公益財団法人(以下「公益法人」という。)

(墓地等の経営の許可等)

第4条 墓地等を経営しようとする者は、規則で定めるところにより、区長に申請し、許可を受けなければならない。

2 墓地の区域、墳墓を設ける区域若しくは納骨堂若しくは火葬場の施設を変更し、又は墓地等を廃止しようとする者は、規則で定めるところにより、区長に申請し、許可を受けなければならない。

3 区長は、前2項の規定による許可をするに当たっては、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要な条件を付することができる。

(みなし許可に係る届出)

第5条 法第11条第1項又は第2項の規定により墓地又は火葬場の新設、変更又は廃止の許可があったものとみなされる場合にあっては、その墓地又は火葬場の経営者は、速やかにその旨を区長に届け出なければならない。

(墓地の設置場所)

第6条 墓地の設置場所は、次に定めるところによらなければならない。

(1) 当該墓地を経営しようとする者が原則として所有し、かつ、所有権以外の権利が存しない土地であること(地方公共団体が経営しようとする場合を除く。)

(2) 河川、海又は湖沼から墓地までの距離は、おおむね20メートル以上であること。

(3) 住宅、学校、保育所、病院、事務所、店舗等及びこれらの敷地(以下「住宅等」という。)から墓地までの距離は、おおむね100メートル以上であること。

(4) 高燥で、かつ、飲料水を汚染するおそれのない土地であること。

2 専ら焼骨のみを埋蔵する墓地であって、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるものについては、前項第2号及び第3号の規定は、適用しない。

(墓地の構造設備基準)

第7条 墓地の構造設備は、次に掲げる基準に適合しなければならない。

(1) 境界には、障壁又は密植した低木の垣根を設けること。

(2) アスファルト、コンクリート、石等堅固な材料で築造され、その幅員が1メートル以上である通路を設けること。

(3) 雨水又は汚水が滞留しないように適当な排水路を設け、下水道又は河川等に適切に排水すること。

(4) ごみ集積設備、給水設備、便所、管理事務所及び駐車場を設けること。ただし、これらの施設の全部又は一部について、当該墓地を経営しようとする者が当該墓地の近隣の場所に墓地の利用者が使用できる施設を所有する場合において、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、当該施設に関しては、この限りでない。

(5) 墓地の区域内に規則で定める基準に従い緑地を設けること。ただし、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。

2 墳墓を設ける区域を変更しようとする場合の構造設備基準は、墓地の構造設備基準に準ずる。

(納骨堂の設置場所)

第8条 納骨堂の設置場所は、次に定めるところによらなければならない。

(1) 当該納骨堂を経営しようとする者が原則として所有し、かつ、所有権以外の権利が存しない土地であること(地方公共団体が経営しようとする場合を除く。)

(2) 寺院、教会等の礼拝の施設又は火葬場の敷地内であること(地方公共団体又は公益法人が経営しようとする場合を除く。)

(納骨堂の構造設備基準等)

第9条 納骨堂の構造設備等は、次に掲げる基準に適合しなければならない。

(1) 壁、柱、はりその他の主要な部分は、耐火構造にすること。

(2) 床面は、コンクリート、タイル、石等堅固な材料で築造すること。

(3) 納骨堂の設備は、不燃材料を用いること。ただし、納骨堂内で火気を使用しない場合は、この限りでない。

(4) 必要な換気設備を設けること。

(5) 出入口及び窓には、防火戸を設けること。

(6) 出入口及び納骨装置は、施錠ができる構造であること。ただし、納骨装置の存する場所への立入りが納骨堂の管理者に限られている納骨堂の納骨装置については、この限りでない。

(7) 納骨堂のある敷地内に駐車場を設けること。ただし、当該納骨堂を経営しようとする者が当該納骨堂のある敷地の近隣の場所に納骨堂の利用者が使用できる駐車場を所有する場合において、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。

(火葬場の設置場所)

第10条 火葬場の設置場所は、住宅等からおおむね250メートル以上離れていなければならない。

2 火葬場内において当該火葬場の施設を増築し、又は改築する場合その他特別の理由がある場合で、区長が公衆衛生上支障がないと認めるときは、前項の規定は、適用しない。

(火葬場の構造設備基準)

第11条 火葬場の構造設備は、次に掲げる基準に適合しなければならない。

(1) 境界には、障壁又は密植した低木の垣根を設けること。

(2) 出入口には、門扉を設けること。

(3) 火葬炉は、5基以上設けること。ただし、地方公共団体が設ける火葬場については、この限りでない。

(4) 火葬炉には、防じん及び防臭の十分な能力を有する装置を設けること。

(5) 収骨室及び遺体保管室を設けること。

(6) 収骨容器等を保管する施設を設けること。

(7) 残灰庫を設けること。

(8) 管理事務所、待合室、便所及び駐車場を設けること。

(管理者の講ずべき措置)

第12条 墓地等の管理者は、次に定める措置を講じなければならない。

(1) 墓石が倒壊し、又はそのおそれがあるときは、速やかに安全措置を講ずるか、又は墓石の所有者に同様の措置を講ずることを求めること。

(2) 納骨堂又は火葬場の施設の点検を行い、施設が老朽化し、又は破損したときは、速やかに修復等を行うこと。

(3) 墓地等を常に清潔に保つこと。

(4) 墓地等においては、何人に対しても、死者又はその遺族に対して礼を失する行為をさせないこと。

(墓穴の深さ)

第13条 土葬(死体(妊娠4か月以上の死胎を含む。)を土中に葬ることをいう。以下同じ。)を行う場合の墓穴の深さは、2メートル以上としなければならない。

(土葬禁止地域)

第14条 区長は、公衆衛生その他公共の福祉を維持するために土葬を禁止する地域(以下「土葬禁止地域」という。)を指定することができる。

2 墓地の経営者は、土葬禁止地域においては、焼骨のほかは埋蔵させてはならない。ただし、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めて許可した場合は、この限りでない。

(無縁の焼骨等の保管等)

第15条 墓地又は納骨堂の管理者は、無縁の焼骨等を次に定めるところにより保管し、又は埋葬しなければならない。

(1) 無縁の焼骨を発掘し、又は収容したときは、1体ごとに陶器等不朽性の容器に納め、その容器には、死亡者の氏名、死亡年月日及び改葬年月日その他必要な事項を記載しておくこと。

(2) 無縁の遺体又は遺骨(焼骨を除く。)を発掘したときは、無縁墳墓に埋葬するか、又は火葬に付した後、前号に定めるところにより保管すること。

(標識の設置等)

第16条 第4条第1項又は第2項の許可を受けて墓地等を経営しようとする者又は墓地の区域若しくは墳墓を設ける区域を拡張しようとする者(以下「申請予定者」という。)は、当該許可の申請に先立って、墓地等の建設等の計画について周知を図るため、規則で定めるところにより、当該建設予定地の見やすい場所に標識を設置しなければならない。

2 申請予定者は、前項の標識を設置するときは、規則で定めるところにより、あらかじめ区長に届け出なければならない。

3 区長は、申請予定者が第1項の標識を設置しないときは、当該標識を設置するよう指導することができる。

(説明会の開催等)

第17条 申請予定者は、当該許可の申請に先立って、当該墓地等の建設等の計画について、規則で定めるところにより、当該墓地等の建設予定地に隣接する土地(隣接する土地と同等の影響を受けると認められる土地を含む。)又はその土地の上の建築物の所有者及び使用者(以下「隣接住民等」という。)に説明し、その経過の概要等を区長に報告しなければならない。

2 申請予定者は、規則で定める墓地等の建設等を計画した場合は、隣接住民等を除く墓地等の建設予定地の境界から100メートルの範囲内の土地に居住する住民又は当該土地で事業を営む者(以下「周辺住民等」という。)に対し、当該墓地等の建設等の計画について、規則で定めるところにより、説明会を開催し、その経過の概要等を区長に報告しなければならない。

3 区長は、申請予定者が前2項の規定による説明を行わないときは、当該説明を行うよう指導することができる。

(住民との協議の指導)

第18条 区長は、隣接住民等及び前条第2項の説明会に出席した周辺住民等から第16条の標識を設置した日以後規則で定める期間内に、当該墓地等の建設等の計画について、次に掲げる意見の申出があった場合において、正当な理由があると認めるときは、当該墓地等に係る申請予定者に対し、隣接住民等及び前条第2項の説明会に出席した周辺住民等との協議を行うよう指導することができる。

(1) 公衆衛生その他公共の福祉の観点から考慮すべき意見

(2) 墓地等の構造設備と周辺環境との調和に対する意見

(3) 墓地等の建設工事の方法等についての意見

2 申請予定者は、規則で定めるところにより、前項の規定による指導に基づき実施した隣接住民等及び前条第2項の説明会に出席した周辺住民等との協議の結果を区長に報告しなければならない。

(公表)

第19条 区長は、第16条第3項又は第17条第3項の規定による指導を受けた者にあっては当該指導に従わなかったことに正当な理由がないと、前条第1項の規定による指導を受けた者にあっては当該指導に従わなかったことが同項の意見の申出の状況及びその内容に照らして著しく不当であると区長が認めるときは、その旨を公表することができる。

(工事の完了の届出)

第20条 墓地等を経営しようとする者又は墓地の区域、墳墓を設ける区域若しくは納骨堂若しくは火葬場の施設を変更しようとする者は、当該墓地等の新設又は変更に係る工事が完了したときは、速やかにその旨を区長に届け出なければならない。

(申請事項変更の届出)

第21条 墓地等の経営者は、墓地の区域、墳墓を設ける区域又は納骨堂若しくは火葬場の施設を変更する場合を除き、第4条の規定により区長に申請した事項を変更しようとする場合は、規則で定めるところにより、区長に届け出なければならない。

(委任)

第22条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に存する墓地等及びこの条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第105号)第24条の規定による改正前の法第10条の規定の施行に必要な事項を定める東京都の条例(以下「都条例」という。)により標識設置の届出がなされた墓地等(以下これらを「既存墓地等」という。)については、次に掲げる既存墓地等を除き、この条例の規定にかかわらず、平成24年3月31日現在の都条例の定めの例による。

(1) 既存墓地(既存墓地等のうち墓地に係るものをいう。以下同じ。)の区域を拡張しようとするため、施行日以後に標識設置の届出がなされるもの

(2) 平成13年1月1日以後に拡張した既存墓地の区域内において墳墓を設ける区域を拡張しようとするため、施行日以後に標識設置の届出がなされるもの

(3) 納骨堂の施設を拡張しようとするため、施行日以後に当該施設変更の許可の申請がなされるもの

(令和4年6月30日条例第24号)

この条例は、令和4年9月1日から施行する。

大田区墓地等の経営の許可等に関する条例

平成24年3月16日 条例第20号

(令和4年9月1日施行)