○伊達市環境基本条例

平成10年12月18日

条例第31号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

第1節 施策の基本方針(第9条・第10条)

第2節 環境基本計画(第11条)

第3節 市が講ずる環境の保全及び創造を推進するための施策(第12条―第26条)

第4節 市民等による環境の保全及び創造のための行動を促進する施策(第27条―第32条)

第5節 地球環境保全のための施策(第33条・第34条)

第3章 環境審議会(第35条―第37条)

附則

私たちのまち伊達は、北は徳舜瞥山連山を屏風に、南は内浦湾に面し、北西には噴煙たなびく有珠山を配し、長流川がまちを南北に貫き清流をたたえています。内浦湾沿いの南の地域は、東山山麓を水源とする肥沃な大地がつづき、四季を通じて温暖な気候に恵まれ豊かな農作物を育て、北に位置する大滝区は、豊富な湯量に恵まれた温泉郷を擁し、まちを包む豊かな森林は多くの生命を育み、雄大な自然は四季折々の厳しくも鮮やかな彩りを見せるなど、私たちの暮らしに潤いと安らぎを与えています。

私たちの生活は、生産の向上と便利さの追求の結果飛躍的に豊かになりました。しかし、このことが私たちの身近な環境に様々な影響を及ぼすとともに、地球規模での環境を脅かすものになってきました。それは、大量生産、大量消費、大量廃棄がもたらす廃棄物の処理、資源やエネルギーの大量消費による地球温暖化、都市化の進展に伴う緑の減少、生活排水の処理等々の問題です。

私たち人類が生存するための基盤となる環境は、けっして無限ではなく、また、自然の生態系の微妙な均衡のもとに成り立っています。いまこの環境が、主として私たちの日常生活や通常の事業活動によって脅かされているのです。

私たちは、健康で文化的な生活を営むために、良好で快適な環境の恵みを受ける権利を有しています。そして、私たちが誇れる、宝ともいうべきこの美しい自然環境をはじめとする限りある環境を良好で快適なものとして未来の世代に引き継いでいかなければなりません。

そのため私たちは、私たちの生活が環境へ影響を与えていることを自覚し、環境が有限であることを認識し、更に歴史的、文化的遺産を通じて、先住民の生活の知恵に学びながら、自然との共生を基本として、環境への負荷の少ない循環型社会を築いていかなければなりません。

このような認識のもと、私たちは、互いに協力し合い、学び合い、自ら参加して伊達市の良好な環境の保全と、快適な環境の維持、創造に積極的に努めることを総意として、ここに伊達市環境基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、良好な環境の保全並びに快適な環境の維持及び創造(以下「環境の保全及び創造」という。)について、市民の権利と義務を宣言し、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活を営むことができる良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

3 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(良好で快適な環境の恵みを享受する権利と将来に引き継ぐ義務)

第3条 市民は、健康で文化的な生活を営むため、環境に関する情報を知ること及び施策の策定等に当たって参加することを通じ、良好で快適な環境の恵みを享受する権利を有するとともに、現在と将来の世代が共有する限りある環境を良好で快適なものとして将来に引き継ぐ義務を有する。

(基本理念)

第4条 環境の保全及び創造は、人類の存続基盤である限りある環境が、人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ、市民の良好で快適な環境の恵みを享受する権利の実現と、良好で快適な環境を将来に引き継ぐことを目的に行われなければならない。

2 環境の保全及び創造は、人と自然との共生を基本として、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築に向けて、すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的な取組によって行われなければならない。

3 地球環境保全は、地域の環境が地球全体の環境と深く関わっていることにかんがみ、地域での取組として進められなければならない。

(市の責務)

第5条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(事業者の責務)

第7条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害の防止又は自然環境の適正な保全のために、その責任において必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるよう必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するよう製品の開発、廃棄物の減量等に努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するよう努めなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に関し、環境の保全及び創造に資するよう自ら積極的に努め、及びその事業活動に係る環境の保全及び創造に関する情報の自主的な提供に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(環境の状況等に関する報告書)

第8条 市長は、環境の状況並びに環境の保全及び創造に関して講じた施策に関する報告書(以下「報告書」という。)を毎年作成し、これを公表しなければならない。

2 市民及び事業者は、報告書について市長に意見書を提出することができる。

3 市長は、報告書及び前項に定める意見書について伊達市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、伊達市環境審議会から意見があった場合は、その趣旨を尊重し、必要な措置を講ずるものとする。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

第1節 施策の基本方針

(基本方針)

第9条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に基づき総合的かつ計画的に推進するものとする。

(1) 人の健康の保護及び生活環境の保全が図られ、健康で安全に生活できる社会を実現するため、大気、水、土壌等を良好な状態に保持すること。

(2) 人と自然が共生する豊かな環境を実現するため、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保を図るとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境を保全すること。

(3) 潤い、安らぎ、ゆとり等の心の豊かさが感じられる社会を実現するため、良好な環境の保全を図りつつ、ゆとりある都市空間づくり、身近な緑や水辺との触れ合いづくり、自然と調和した良好な景観の形成、歴史的文化遺産の保存及び活用等を推進すること。

(4) 環境への負荷の少ない循環型社会を構築し、地球環境保全に資する社会を実現するために、廃棄物の処理の適正化を推進するとともに、廃棄物の減量化、資源の循環的な利用及びエネルギーの適正かつ有効な利用を推進すること。

(環境への配慮)

第10条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、基本理念にのっとり、前条に定める基本方針に基づき良好な環境の保全を図る見地から、環境への負荷が低減されるよう十分配慮するものとする。

第2節 環境基本計画

(環境基本計画)

第11条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、環境の保全及び創造に関する長期的な目標及び施策の基本的な事項について定めるものとする。

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、市民及び事業者並びに伊達市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

第3節 市が講ずる環境の保全及び創造を推進するための施策

(環境影響評価の推進)

第12条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行おうとする者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る良好な環境の保全について適正に配慮することを効果的に推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(規制等の措置)

第13条 市は、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。

2 前項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するため、指導、助言その他の必要な措置を講ずるものとする。

(経済的措置)

第14条 市は、市民及び事業者が自ら環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとるよう誘導するため、市民及び事業者に対し必要かつ適正な経済的な助成を行うために、必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、市民及び事業者が自ら環境への負荷の低減に努めるよう誘導するため、市民及び事業者に対し適正かつ公平な経済的な負担を求めるために、必要な措置を講ずるものとする。

(良好な環境の保全に関する施設の整備)

第15条 市は、緩衝地帯その他の環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備及び下水道、廃棄物の処理施設その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の整備を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(廃棄物の減量の促進等)

第16条 市は、環境への負荷の低減を図るため、廃棄物の処理の適正化を推進するとともに、事業者及び市民による廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの適切かつ有効な利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの適切かつ有効な利用に努めるものとする。

(環境の保全と調和した農業及び漁業の促進)

第17条 市は、環境への負荷の低減と安全な食料の生産を図るため、肥料及び農薬の適正な使用並びに水質の保全に配慮した適正な養殖その他の措置により、環境の保全と調和した農業及び漁業が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、農業及び漁業から生ずる廃棄物が適正に処理され、並びに循環的に利用されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(野生生物の保護管理)

第18条 市は、野生生物の多様性を損なうことなく適正に保護管理するため、その生息環境の保全その他の必要な措置を講ずるものとする。

(森林及び緑地の保全等)

第19条 市は、人と自然とが共生できる基盤としての緑豊かな環境を形成するため、森林および緑地の保全、緑化の推進その他の必要な措置を講ずるものとする。

(良好な水環境の保全等)

第20条 市は、河川、海域等における良好な水環境の適正な保全に努めるとともに、健全な水循環及び安全な水の確保のために必要な措置を講ずるものとする。

(ゆとりある都市空間づくり等)

第21条 市は、伊達市の風土にふさわしい快適な環境を維持し、及び創造するため、ゆとりある都市空間づくり、身近な緑や水辺との触れ合いづくり、自然と調和した良好な景観の形成、歴史的文化遺産の保存及び活用その他の必要な措置を講ずるものとする。

(化学物質等に係る情報の収集等)

第22条 市は、環境の保全上の支障を防止するため、人の健康を損なうおそれがある化学物質等について情報の収集、提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(調査の実施等)

第23条 市は、環境の状況の把握に関する調査並びに環境の保全及び創造に関する施策の策定に必要な調査を実施するとともに、監視、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第24条 市は、環境の保全及び創造に関する施策について、国及び他の地方公共団体と緊密な連携のもとに協力して、その推進に努めるものとする。

(財政上の措置)

第25条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(推進体制の整備)

第26条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、市の機関及び部局相互の緊密な連携並びに調整を図るための体制の整備、職員の研修その他の必要な措置を講じなければならない。

第4節 市民等による環境の保全及び創造のための行動を促進する施策

(環境教育及び環境学習の推進)

第27条 市は、市民及び事業者が環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、市民及び事業者の環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう、環境の保全及び創造に関する教育及び学習(以下「環境教育」という。)を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 前項の場合において、市は、特に児童及び生徒の環境教育を積極的に推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(市民団体等の自発的な活動の促進)

第28条 市は、市民、事業者又は市民及び事業者の組織する民間の団体(以下「市民団体等」という。)が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動を促進するため、資金及び情報の提供その他の必要な支援の措置を講ずるものとする。

(情報の収集、提供及び公開)

第29条 市は、環境の状況並びに環境の保全及び創造に関する情報の収集に努めるとともに、第27条に定める環境学習の推進及び前条に定める市民団体等の自発的な活動の促進に資するため、必要な情報を提供するよう努めるものとする。

2 市は、環境の状況並びに環境の保全及び創造に関する情報を公開するため、必要な措置を講ずるものとする。

(事業者の環境管理の促進)

第30条 市は、事業者が、その事業活動を行うに当たり、その事業活動が環境に配慮したものとなるよう自主的な管理を行うことを促進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(事業者との協定の締結)

第31条 市長は、事業活動に伴う環境の保全上の支障を防止するため特に必要があるときは、事業者との間で環境への負荷の低減に関する協定を締結するものとする。

(市民等の施策への参加)

第32条 市は、第8条第11条及び第12条に定める場合を除き、環境の保全及び創造に関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、あらかじめ、市民及び事業者が意見を述べることができるよう必要な措置を講じなければならない。

2 前項の場合において、市は、児童及び生徒の意見についても配慮するものとする。

第5節 地球環境保全のための施策

(地球環境保全のための行動の促進)

第33条 市は、市、市民及び事業者がそれぞれの役割に応じて地球環境保全に資するよう行動するための指針を定め、その普及に努めるとともに、これに基づくそれぞれの行動を促進するものとする。

(地球環境保全のための国際協力)

第34条 市は、地球環境保全に資するため、国等と連携し、国際協力の推進に努めるものとする。

第3章 環境審議会

(設置)

第35条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の定めるところにより、伊達市環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

(所掌事項)

第36条 審議会は、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 市長の諮問に応じ、環境の保全及び創造に関する基本的事項

(2) 前号に掲げるもののほか、法令又は他の条例の規定によりその権限に属された事項

2 前項に定めるもののほか、審議会は、環境の保全及び創造に関する基本的事について市長に意見を述べることができる。

(組織等)

第37条 審議会は、委員15人以内で組織し、環境に関し識見を有する者のうちから市長が委嘱する。

2 委員の任期は、2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任は妨げない。

3 審議会に、特別な事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時の委員を置くことができる。

4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成11年4月1日から施行する。

(既存の環境基本計画)

2 この条例の施行の際に既に定められている環境基本計画は、この条例第11条第1項第2項及び第3項の規定に基づき定められたものとみなす。

(伊達市環境審議会条例の廃止)

3 伊達市環境審議会条例(平成10年条例第1号)は、廃止する。

附 則(平成24年3月21日条例第5号)

この条例は、公布の日から施行する。

伊達市環境基本条例

平成10年12月18日 条例第31号

(平成24年3月21日施行)

体系情報
第8編 市民生活/第4章
沿革情報
平成10年12月18日 条例第31号
平成24年3月21日 条例第5号