○永平寺町議会基本条例
平成24年8月3日
条例第23号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)
第3章 町民と議会の関係(第4条)
第4章 議会と町長等の関係(第5条―第8条)
第5章 議会の機能強化(第9条―第16条)
第6章 政治倫理及び定数(第17条―第19条)
第7章 議会改革の推進(第20条―第23条)
附則
(前文)
永平寺町議会は、住民から直接選ばれた議員で構成される議事機関として、永平寺町の政策について審議し、議決する役割を担っている。また、地方分権が進む中、自治体の自主的な決定と責任の範囲が拡大した今日、議会は政策立案・行政監視・論点の開示等の役割や責任も大きくなってきている。
議会は、このような役割、責任を果たすために、二元代表制の趣旨を踏まえ、首長と相互に競い合い、かつ協力し合いながら、自治体の自立に対応できる議会へと自らを改革しなければならない。
すなわち、議会の絶えざる自己変革である。同時に議員一人ひとりが鮮明なる自覚を持って行動する議会を目指すものである。
議会はその実現のために、これまで以上に公平・公正・透明な開かれた議会づくりに努め、町民への情報提供と共有化を図り、まちづくりへ積極的な町民参加を求めていくことが必要である。
同時に議会は、町民と活発な意見交換を行い、広く得られた意見を基に、自由な論議を交わし、意見を整理・集約していくことで、町民本位の政策提言を積極的に行う提案する議会を目指すものである。
永平寺町議会は、町民の多様な意見を反映するため、個人を尊重し合う民主的な議会活動を通じて、町民の負託に応えていくことを決意し、ここに「永平寺町議会基本条例」を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、永平寺町議会(以下「議会」という。)及び議員の活動原則等の議会の運営に関する基本的事項を定めることにより、情報公開と町民参加を基本とする開かれた議会を実現し、町民の負託に的確に応え、もって町民福祉の向上と公正で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 町民を代表する議事機関であることを常に自覚し、公平性及び透明性を確保するとともに、町民に信頼される開かれた議会運営を目指すこと。
(2) 町民の多様な意見を的確に把握し、政策形成に反映できるよう町民参加の推進に努めること。
(3) 適正な町政運営が行われているかを監視し、批評・判定すること。
(4) 議会運営は、町民の傍聴意欲が高まるよう、分かりやすい視点及び方法等で行うこと。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会が言論の府であり、合議制の機関であることを十分認識し、議員間の自由な討議を重んじること。
(2) 町政の課題全般について、町民の意見等を的確に把握し、これを政策形成に反映できるよう自己研鑽や資質向上に努め、町民の代表としてふさわしい活動を行うこと。
(3) 議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとどまらず、町民全体の福祉の向上を目指して活動すること。
(4) 自らの議会活動について、町民に対する説明責任を果たすこと。
第3章 町民と議会の関係
(町民参加及び町民との連携)
第4条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底し、町民に対する説明責任を十分果たすとともに、町民に分かりやすい議会運営に努めなければならない。
2 議会は、本会議、委員会及び全員協議会(以下「本会議等」という。)を原則公開とし、透明性を確保するものとする。
3 議会は、必要に応じて参考人制度及び公聴会制度を活用し、町民や学識経験者等の専門的又は政策的な識見等を議会の討議に反映させるものとする。
4 議会は、町民との意見交換や懇談等交流の場を設けるものとする。
5 議会は、議会報告会を年1回以上(ただし、特別な事情がある場合は、この限りでない。)開催し、議会の説明責任を果たすとともに、町民の意見を聴き、議会審議に反映させるものとする。
6 議会は、町民から議会運営等に関する要望、提言その他の意見を聴取し、議会運営に反映させる機会を設けるものとする。
第4章 議会と町長等の関係
(町長等と議会及び議員の関係)
第5条 議会審議における議員と町長その他執行機関(以下「町長等」という。)とは、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めるものとする。
(1) 本会議等における質疑及び質問(以下「質疑等」という。)は、論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行う。
(2) 議長から本会議等への出席を要請された町長等は、議員の質疑等に対して論点・争点を明確にするため、議長又は委員長の許可を得て反問することができる。
(町長による政策等の形成過程の説明)
第6条 町長は、議会に計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)を提案するときは、政策等の水準を高めるため、その都度、次に掲げる項目を説明するよう努めなければならない。
(1) 必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 検討した他の政策案等の内容や、他の自治体の類似する政策との比較検討
(4) 町民参画の実施の有無と内容
(5) 総合振興計画等の整合性
(6) 政策等の財源措置及び将来にわたるコスト計算
(7) その他議会が必要とする情報
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するにあたっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後の政策評価に資する審議に努めるものとする。
(町長等の予算・決算における政策説明責任)
第7条 町長等は、予算編成方針を定めたときは、当該予算編成方針及び町政運営に関する方針等について、議会に速やかに説明しなければならない。
2 町長等は、予算案及び決算を議会に提出し議会の審議に付すにあたっては、分かりやすい施策別又は事業別の説明及び資料の提出に努めるものとする。
(地方自治法第96条第2項の議決事項)
第8条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件は、次に掲げるとおりとする。
(1) 永平寺町における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及び基本計画(永平寺町総合振興計画)の策定、変更又は廃止に関すること。
2 議会及び町長等は、前項に掲げるもののほか、町行政の各分野における基本的な計画の制定並びに提携及び協定の締結等にあたって、その都度議会に提示し、必要があると認めるときは議決事件の拡大について協議するものとする。
第5章 議会の機能強化
(政策立案、政策提案及び政策提言)
第9条 議会は、町の政策水準の向上を図るため政策立案機能の強化に努め、もって条例の提案、議案の修正、決議等の政策提案を行うとともに、町長等に対し政策提言を行う。
2 町長等は、議会又は議員の政策形成等の活動を支援するため、財政措置、情報提供その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(自由討議による合意形成)
第10条 議会は、言論の府であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を中心に運営されなければならない。
2 議会は、本会議及び委員会等において、議案の審議及び審査にあたり結論を出す場合にあっては、合意形成に向けて議員相互間の議論を尽くすよう努める。
(委員会等の適切な運営及び研究会の設置)
第11条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、常任委員会、特別委員会等の適切な運営により機動力を高めなければならない。
2 議会は、町政の諸課題に柔軟に対処するため、研究会を設置することができる。
(調査機関の設置)
第12条 議会は、町政の課題に関する調査のために必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置することができる。
2 議会は、必要があると認めるときは、前項の調査機関に議員を構成員として加えることができる。
3 第1項の調査機関に関し必要な事項は、議長が別に定める。
(議員研修の充実強化)
第13条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めなければならない。
2 議会は、議員研修の充実強化にあたり、広く、各分野の専門家及び町民等との研修会を開催することができる。
(議会広報の充実)
第14条 議会は、多様な広報手段を活用し、町民に議案の審議内容等を伝えることで、多くの町民が議会に関心を持ち、監視できるよう広報活動の充実に努めなければならない。
(議会図書室)
第15条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるものとする。
(議会事務局の体制整備)
第16条 議会は、議員の政策形成及び立案能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るものとする。
2 議長は、前項の充実強化のため、専門的な知識経験を有する職員の配置に努めるとともに、職員の専門的な能力の養成を行うものとする。
第6章 政治倫理及び定数
(議員の政治倫理)
第17条 議員は、高い倫理的義務が課せられていることを深く自覚し「永平寺町兼業禁止及び政治倫理条例」(平成18年永平寺町条例第168号)を遵守し、品位の保持に努めなければならない。
(議員定数)
第18条 議員定数は、別に条例で定める。
2 議員定数の改正にあたっては、行財政改革の視点はもとより、町政の現状及び課題並びに将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、町民の意見等総合的な観点から決定するものとする。
3 議員定数の条例改正議案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して委員会又は議員が提出するものとする。
(議員報酬)
第19条 議員報酬は、別に条例で定める。
2 議員報酬の改正にあたっては、行財政改革の視点はもとより、町政の現状及び課題並びに将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、町民の意見等総合的な観点から決定するものとする。
3 議員報酬の条例改正議案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して委員会又は議員が提出するものとする。
第7章 議会改革の推進
(議会改革の推進)
第20条 議会は、議会運営に係る不断の評価と改善を行い、議会改革に継続的に取り組まなければならない。
(他の条例との関係)
第21条 この条例は、議会に関する基本的事項を定めるものであり、議会に関する他の条例等の運用及びこれらを制定し、又は改廃する場合においては、この条例との整合を図るものとする。
2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例の研修を行わなければならない。
(予算の確保)
第22条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営を実現するため、必要な予算の確保に努めるものとする。
(見直し手続)
第23条 議会は、常に町民の意見及び社会情勢の変化等を勘案し、この条例の目的が達成されているか評価及び検討を行い、必要に応じて適切な措置を講ずるものとする。
2 議会は、この条例を改正するにあたっては、議員全員が賛同する場合であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和3年12月20日条例第28号)
この条例は、公布の日から施行する。