○恵庭市公害防止条例
昭和48年12月26日
条例第38号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 公害の防止に関する施策(第6条―第17条)
第3章 公害発生源の規制(第18条―第42条)
第4章 削除
第5章 雑則(第50条―第53条)
第6章 罰則(第54条―第57条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市民の健康で文化的な生活を阻害している公害をすみやかに除去し、及び公害を未然に防止するため、事業者、市民及び市長の公害の防止に関する責務を明らかにし、並びに公害を防止するうえにおいて必要な施策の基本となる事項を定めることにより、公害対策の総合的推進を図り、もって市民の健康を保護するとともに、快適な生活環境を保全することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は快適な生活環境が阻害されることをいう。
2 この条例にいう「生活環境」には、人の生活に密接な関係のある財産及び人の生活に密接な関係のある動植物、その生育環境その他の自然環境を含むものとする。
3 この条例において「特定施設」とは、工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される施設のうち、ばい煙、粉じん、汚水・廃液(以下「汚水等」という。)、振動、騒音又は悪臭(以下「ばい煙等」という。)を発生し、排出し、又は飛散させる施設であって規則で定めるものをいう。
4 この条例において「規制基準」とは、特定施設を設置する工場等から発生し、排出し、又は飛散するばい煙等の量、濃度又は大きさの許容限度をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、その事業活動に伴って発生する公害を防止するためその責任と負担において必要な措置を講ずるとともに、市その他の行政機関が実施する公害の防止に関する施策に協力しなければならない。
2 事業者は、自己の施設に係る公害の発生源を厳重に管理するとともに、公害の発生状況等を常時監視しなければならない。
3 事業者は、物の製造、加工等に際して、その製造、加工等に係る製品が使用されることによる公害の発生についてこれを防止するように努めなければならない。
4 事業者は、その事業活動による公害を防止するために市長が実施する事業について、当該事業に要する費用の全部又は一部を負担するものとする。
5 事業者は、法令、北海道公害防止条例(昭和46年北海道条例第38号。以下「道条例」という。)及びこの条例に違反しない場合においても、公害を防止するため最大限の努力をしなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、自らの日常活動において公害の発生を防止するように努めるとともに、市その他の行政機関が実施する公害の防止に関する施策に寄与するよう努めなければならない。
(市長の責務)
第5条 市長は、第1条の目的を達成するために、国、北海道、その他の行政機関の施策にあわせ、本市の自然的、社会的条件に応じた公害の防止に関する計画及び必要な規制の措置等の施策を策定し、これを実施しなければならない。
2 市長は、前項に規定する施策の策定及び実施にあたっては、市政全般にわたり特に配慮するとともに、長期的、計画的かつ総合的に推進するものとする。
第2章 公害の防止に関する施策
(環境保全基準)
第6条 市長は、市民の健康で快適な生活環境を確保するうえにおいて維持されることが必要な大気の汚染、水質の汚濁、騒音に係る環境保全上の基準を定めるものとする。
2 市長は、前項に規定する環境保全基準を確保し、及びこれを維持するために必要な公害の防止に関する計画を策定しなければならない。
3 市長は、第1項に規定する基準を定めるにあたっては、恵庭市環境審議会(以下「審議会」という。)の意見をきかなければならない。
(土地利用における公害防止の措置)
第7条 市長は、市街地の開発等の土地利用に関する施策の策定及び実施にあたっては、公害の防止に関し必要な措置を講じなければならない。
(都市環境の整備等)
第8条 市長は、公害防止のために必要な下水道等都市施設の整備事業その他都市計画事業の整備を推進するとともに、その事業の策定及び実施にあたっては、公害の防止と良好な生活環境の確保に努めなければならない。
(調査、測定等の体制)
第9条 市長は、公害を防止するために必要な調査、研究を行なうとともに公害の発生状況を把握するための監視及び測定の体制の整備に努めなければならない。
(知識の普及等)
第10条 市長は、公害に関する知識の普及及び公害の防止に関する思想の高揚に努めなければならない。
(他の地方公共団体との協力)
第11条 市長は、他の地方公共団体と協力して、広域的な公害の防止を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
(苦情等の処理体制)
第12条 市長は、公害に関する苦情の処理の体制を整備し、道その他の関係行政機関と協力して、公害に関する苦情の適切な処理に努めなければならない。
(被害者の救済)
第13条 公害の被害を受けた者は、その公害を発生させた事業者に対し、被害に係る措置を希望するときは、その旨を市長に申立てることができる。
2 市長は、前項に規定する申立ての内容が適正であると認めるときは、当該事業者に対し、講ずべき措置を勧告することができる。
3 市長は、前項に規定する勧告をするときは、審議会の意見をきかなければならない。
(公害監視員の設置等)
第14条 市長は、公害対策の効果的な推進を図るため、公害監視員の設置等の必要な措置を講じなければならない。
(自然環境の保全)
第15条 市長は、公害の防止に関する施策と相まって、公害の防止に資するよう緑地の保護その他自然環境の保全に努めなければならない。
(公害防止協定)
第16条 市長は、公害防止を推進するため必要があると認めるときは、事業者との間に公害防止及び被害の補償等に関する協定を締結するようにしなければならない。
2 事業者は、前項に規定する協定の締結について、市長から要請があった場合は、誠意をもってその交渉に応じなければならない。
3 第1項に規定する公害防止協定を締結した当該事業者は、協定に定められた事項を遵守しなければならない。
4 第1項の規定において、協定を締結する対象となる者は、新たに工場を設置する者又は既に工場を設置している者のうち、ばい煙等の排出により著しい公害を発生する者若しくは生じるおそれのある者とする。
(資金の援助等)
第17条 市長は、事業者が公害の防止のために行なう施設の設置又は改善につき、必要な資金のあっせん、技術的な助言その他の援助に努めなければならない。
2 前項の援助を行なうにあたっては、特に小規模事業者に対し、十分に配慮しなければならない。
第3章 公害発生源の規制
(規制基準の設定)
第18条 規制基準は、法令及び道条例で定めのあるものを除き、規則で定めるものとする。
2 市長は、前項の規定により規制基準を定めようとするときは、審議会の意見をきかなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。
(規制基準等の遵守義務)
第19条 工場等に特定施設を設置している者は、当該特定施設に係る規制基準(規制基準の定めのないものについては、人の健康又は生活環境に障害を及ぼすおそれのない程度)をこえて、ばい煙等を発生し、排出し、又は飛散させてはならない。
(特定施設の設置の届出)
第20条 工場等に新たに特定施設を設置しようとする者は、あらかじめ規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び所在地並びに法人にあっては、その代表者の氏名
(2) 工場等の名称及び所在地
(3) 特定施設の種類と数量
(4) 特定施設の構造
(5) 特定施設の使用の方法
(6) ばい煙等の処理の方法
(7) その他規則で定める事項
(経過措置)
第21条 1の施設が特定施設となった際現に工場等にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、当該施設が特定施設となった日から30日以内に、規則で定めるところにより、前条の各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(受理)
第23条 市長は、前3条の規定による届出があった場合は、届け出をした者に対し、規則で定めるところにより、受理した旨を通知しなければならない。
(改善命令等)
第28条 市長は、ばい煙等を発生し、排出する者が、ばい煙等に係る規則基準に適合しないばい煙等を発生し、排出するおそれがあると認めるときは、その者に対し期限を定めて当該特定施設の構造若しくは使用の方法若しくはばい煙等の処理の方法の改善を命ずることができる。
2 市長は、前項の規定による命令を受けた者が、その命令に従わないときは、当該特定施設の使用の一時停止を命ずることができる。
(地盤の沈下の防止)
第29条 工場等に揚水設備(動力を用いて地下水を採取するための設備をいう。以下同じ。)を設置して地下水を採取する者は、地下水の採取に伴う地盤の沈下を防止するように努めなければならない。
2 前項に規定する揚水設備であって規則で定める規模以上のものを設置している者は、規則で定める揚水設備に係る構造等の基準を遵守しなければならない。
(産業廃棄物の処理)
第31条 工場等を設置している者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において、適正に処理しなければならない。
(土壌の汚染の防止)
第32条 ばい煙、粉じん又は汚水等であって、人の健康に係る被害を生ずるおそれのある有害物質(カドミウムその他の物質で規則で定めるもの。)を含むものを工場等から排出し、又は飛散させる者は、当該工場等から排出し、又は飛散するばい煙、粉じん又は汚水等に起因する土壌の汚染を生じさせないようにしなければならない。
(事故時の措置)
第33条 工場等の設置者は、故障、破損その他の事故の発生により当該工場等から著しいばい煙等を発生し若しくは排出し、又は発生し若しくは排出するおそれが生じたときは、直ちに操業を縮少又は停止し、その事故の拡大又は再発を防止するため必要な措置を講ずると共にその旨を市長に報告しなければならない。
(拡声機の使用の制限)
第34条 何人も、病院(診療所を含む。)又は学校の周辺その他の騒音を防止することにより、市民の生活環境を保全する必要がある地域であって規則で定める区域においては、規則で定める場合を除き、商業宣伝(移動するものを含む。)を目的として拡声機を使用してはならない。
2 何人も、拡声機を使用するときは、拡声機の使用時間及び場所並びに音量等について規則で定める事項を遵守しなければならない。
(夜間の静穏の保持)
第35条 何人も、夜間(午後10時から翌日午前6時までをいう。以下同じ。)においては、道路その他公共の場所において、みだりに附近の静穏を害する行為をしてはならない。
2 飲食店、ボーリング場、ガソリンスタンドその他夜間にわたる営業を営む者は、夜間においては、当該営業を営む場所において、音響機器音、楽器音、人声等による騒音を発生させることにより、附近の静穏を害する行為をし、又はさせてはならない。
(自動車の使用者等の義務)
第36条 自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)の使用者その他当該自動車の装置の整備について責任を有する者又は自動車の運転をする者は、当該自動車から発生する排出ガス(自動車の運行に伴い発生する一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、鉛化合物その他人の健康、又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質をいう。以下同じ。)の量及び騒音の大きさの低減を図るため、必要な整備を行ない、又は適正な運転をしなければならない。
2 自動車の販売及び整備を業とする者は、自動車から発生する排出ガスの量及び騒音の大きさの低減を図るとともに、測定又は検査した結果を当該自動車を購入しようとする者、又は整備を依頼した者に告知するように努めなければならない。
(畜舎等の管理)
第37条 畜舎又は家きん舎(以下「畜舎等」という。)を設置する者は、畜舎等その他付帯施設を整備するとともに、常に衛生的な管理を行ない、汚物、汚水等の処理にあたっては、水質の汚濁、悪臭等の公害及び病害虫を発生させないよう適切な措置を講じなければならない。
(燃焼不適物の燃焼制限)
第38条 何人も、ゴム、皮革、合成樹脂、廃油、廃酸等の燃焼に伴って著しくばい煙及び有害ガス若しくは悪臭等を発生する物質を屋外で多量に燃焼してはならない。ただし、規則で定める場合にあってはこの限りでない。
(薬剤の使用の制限)
第39条 農作物、森林及び農林産物を害する動植物の防除に用いる薬剤を使用する者は、その使用基準及び処理の方法を遵守しなければならない。
2 前項に規定する薬剤を航空機(航空法(昭和27年法律第231号)第2条第1項に規定する航空機をいう。)から散布する者は、あらかじめ規則に定めるところにより薬剤の散布の計画を市長に届け出るとともに、水質の汚濁、土壌の汚染等の公害を発生させないように適切な措置を講じなければならない。
(建設工事の制限)
第40条 屋外での塗装(動力を用いる吹付け塗装をいう。)作業、又は建設工事その他の作業を行なう者は、その作業により発生する粉じん、騒音、振動又は悪臭等の公害の防止について適切な措置を講じなければならない。
第4章 削除
第43条から第49条まで 削除
第5章 雑則
(立入検査)
第50条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、関係職員に工場等その他の場所に立ち入り、施設及び関係帳簿類その他の物件を検査させ、又は関係人に対する指示を行なわせることができる。
2 前項の規定により立ち入り検査を行なう職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(報告の徴収)
第51条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、工場等の設置者等に対し、公害の防止に関する状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
(この条例の予想しない公害等に対する特別措置)
第52条 市長は、この条例の予想しない物質、作用等によって生じた公害若しくは事業活動その他人為的活動に伴って生じた環境上の障害により、人の健康若しくは生活環境に著しい影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある場合において特別の措置を講ずる必要があると認めるときは、その事態を発生させた者に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずるように要請することができる。
(規則への委任)
第53条 この条例の施行に関し、必要な事項は規則で定める。
第6章 罰則
(罰則)
第54条 次の各号の一に該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
(1) 第24条の規定による命令に違反した者
第54条の2 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1) 第33条の規定による報告を怠った者
(2) 第42条の規定による命令に違反した者
第56条 次の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(1) 第21条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第25条第1項の規定に違反した者
(3) 第50条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
(4) 第51条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者
附則
(昭和49年規則第14号で昭和49年6月25日から施行)
(公害対策審議会条例の廃止)
2 恵庭市公害対策審議会条例(昭和47年条例第23号。以下「旧条例」という。)は、この条例の公布の日をもって廃止する。
附則(平成4年6月23日条例第23号)
1 この条例は、平成4年7月1日から施行する。
2 この条例の施行の日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(平成9年12月30日条例第21号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第25条の規定及び次項の規定は、平成10年6月1日から施行する。