○恵庭市まちづくり基本条例

平成25年10月17日

条例第30号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 市民(第5条・第6条)

第3章 議会及び議員(第7条・第8条)

第4章 市長、執行機関及び職員(第9条―第11条)

第5章 協働のまちづくり(第12条―第16条)

第6章 情報の共有(第17条―第20条)

第7章 行政運営(第21条―第28条)

第8章 国、北海道及び他の市町村との連携(第29条)

第9章 条例の見直し(第30条)

附則

私たちは、澄んだ空気・きれいな水・美しい緑・広がる田園風景・豊かな食資源、そして交通の利便性、きめ細かな子育て支援・行き届いた読書環境・活発な文化やスポーツ活動など「恵まれた庭」の住みよい環境の中で、「ふるさとに誇りを持つ子どもたちを健やかに育てたい」「誰もが健康で安心して暮らしたい」「仲間がいて生きがいのある暮らしをしたい」と願っています。

そのためには、市民と市民がつながり、市民と行政がつながり、それぞれが果たすべき役割と責任を理解して、市民の手で花のまちを創ったように、自分のできることから積極的に取り組む活動を続けることが必要です。

私たちは、恵庭市民憲章の精神のもと、「花・水・緑 人が支え合う 生活都市 えにわ」が持続的に発展するよう、ここに恵庭市まちづくり基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、恵庭市のまちづくりにおける市民、議会、市長をはじめとする執行機関とその職員の役割、権利及び責務を明らかにし、協働のまちづくりに関する基本的事項を定めることにより、市民自治によるまちづくりの実現を図ることを目的とします。

(定義)

第2条 この条例で用いる用語の意味は、次のとおりとします。

(1) 市民 市内に住所を有する人、市内に通勤又は通学する人及び市内で活動する法人や団体又は個人をいいます。

(2) 市 市長及び執行機関(教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。)をいいます。

(3) まちづくり 施設整備ばかりでなく、愛情と温もりのある家庭、市民団体の自由活発な活動や町内会活動など地域における思いやりや支え合い、家庭や学校と地域が一体となった子育てなど、市民が快適で幸せに暮らすためのすべての活動をいいます。

(4) 協働 市民、議会、市などのまちづくりに関わるすべての人が、それぞれ対等の立場で協力し、責任を担い、共に考え、行動することをいいます。

(5) 参画 参加するだけでなく、方針の決定や企画に関わるなど、活動に主体的に加わることをいいます。

(6) コミュニティ 町内会などの地域コミュニティをはじめとする生活の場である地域社会を構成する人々の集まりや、共通の目的や関心によって結びついた人々の集まりをいいます。

(条例の位置づけ)

第3条 この条例は、本市におけるまちづくりの基本であり、まちづくりの推進に当たっては、この条例の趣旨を最大限尊重しなければなりません。

(まちづくりの基本原則)

第4条 まちづくりは、市民、議会及び市が協働して行います。

2 市民がまちづくりに参画する機会は、平等に保障されます。

3 まちづくりに関する情報は、市民、議会及び市が共有します。

第2章 市民

(市民の権利)

第5条 市民は、それぞれの自由な意思により、まちづくりに参画する権利を有します。

2 市民は、市が保有する情報を知る権利を有します。

(市民の役割)

第6条 市民は、互いに尊重し合い、協力してまちづくりに参加するよう努めるものとします。

第3章 議会及び議員

(議会の役割と責務)

第7条 議会は、市の重要事項の意思決定を行うとともに、市の事務の執行を監視し、けん制する役割を担います。

2 議会は、まちづくりの課題について調査研究を進め、政策形成及び立案機能の充実強化に努めなければなりません。

3 議会は、市民意見の把握と議会情報の提供による情報の共有を進め、市民の意思を反映するよう努めるものとします。

(議員の責務)

第8条 議員は、市民の信託に応え、公正かつ誠実に職務を遂行しなければなりません。

2 議員は、政策形成能力の研さんに努め、議会の意思決定に当たっては、議員としての倫理観と使命感を持って総合的な視点に立って判断しなければなりません。

第4章 市長、執行機関及び職員

(市長の責務)

第9条 市長は、本市の代表として、恵庭の魅力を発信し、市民の信託に応え、公正かつ誠実に市政を執行しなければなりません。

2 市長は、市政に関する自らの考えを市民に示すとともに、市民の意向の把握や市民との合意形成に努め、すべての市民のために市政を運営します。

3 市長は、政策の形成に当たっては、市民が意見を述べる場、市民が協議する場や提言を行う場などを設け、市民が参画できるよう努めなければなりません。

4 市長は、職員を指導監督し、行政課題に対処できる優れた人材の育成に努めるとともに、相互に連携できる効率的で効果的な組織運営を行わなければなりません。

(執行機関の責務)

第10条 執行機関は、その職務権限に基づき、自らの責任において所管する事務を公正かつ誠実に管理し、執行しなければなりません。

(職員の責務)

第11条 職員は、市民と共に考え、市民の気持ちに共感し、市民の視点に立って公正かつ誠実に職務を遂行しなければなりません。

2 職員は、職務の遂行に必要な技術や能力が向上するよう自己研さんに努め、管理職員は、その所属する職員を指導し、育成に努めなければなりません。

3 職員は、まちづくりに関する専門的な知識及び能力を十分に発揮し、自らも市民として積極的にまちづくりに参加するものとします。

第5章 協働のまちづくり

(市民参加の推進)

第12条 市は、まちづくりへの市民参加を推進し、市民がまちづくりに参加できる機会の充実に努めなければなりません。

(協働のまちづくり)

第13条 まちづくりは、市民、議会及び市がそれぞれの責任と主体性によって、対等の立場で相互に理解し、信頼関係のもと協働して行います。

2 市民、議会及び市は、市民が持つ豊かな社会経験、知識及び創造性を活用し、まちづくりを進めます。

3 市民、議会及び市は、市民が自発的に市民活動に取り組むことができる環境づくりに努めます。

(コミュニティ)

第14条 市民は、自由にコミュニティを形成し、活動することができます。

2 市民、議会及び市は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重します。

3 市は、コミュニティと協働でまちづくりを進めるため、コミュニティの形成及び活動を積極的に支援するものとします。

4 市は、まちづくりにおいて、地域コミュニティの果たす役割が特に重要であることを認識し、地域コミュニティとの協働を進めなければなりません。

(市民意見の公募)

第15条 市は、市民生活に直接影響を与える重要な政策の決定に当たっては、公聴会、市民説明会、パブリックコメントなど適切な意見公募の方法によって、事前に市民の意見を求めるものとします。

2 市は、市民から提出された意見を考慮して意思決定を行うとともに、提出された意見に対する考えを公表するものとします。

(住民投票)

第16条 市長は、市政に関する重要な事項について住民の意思を直接確認するため、住民投票の実施に関する条例で定めるところにより、住民投票を行うことができます。

2 市長及び市議会議員の選挙権を有する市民は、法令の定めるところにより、住民投票を実施するための条例の制定を市長に請求することができます。

3 議会及び市は、住民投票の結果を尊重しなければなりません。

第6章 情報の共有

(情報の共有)

第17条 市民、議会及び市は、まちづくりに必要な情報を相互に共有します。

2 市は、まちづくりに関する情報を適正に管理し、積極的に提供します。

(説明責任)

第18条 市は、まちづくりに関する情報を市民に分かりやすく説明しなければなりません。

(情報公開)

第19条 議会及び市は、市民の市政に対する知る権利を保障するため、公文書の公開その他の情報公開を行います。

(個人情報の保護)

第20条 議会及び市は、個人の権利利益を保護するため、個人情報を適正に取り扱わなければなりません。

第7章 行政運営

(総合計画)

第21条 市は、総合的かつ計画的な市政運営を図るため、基本構想及びこれを具体化するための計画(以下「総合計画」といいます。)を定めます。

2 市は、基本構想の策定に当たっては、議会の議決を経なければなりません。

3 市は、総合計画の策定に当たっては、市民の意見を反映させるため、関係する情報の提供に努めるとともに、広く市民の参加を求めるものとします。

4 市は、総合計画で定めた目標の達成状況など進行状況を管理し、市民に分かりやすく公表しなければなりません。

5 市は、財政計画など個別の計画を策定するときは、総合計画との整合性を確保するよう努めなければなりません。

(行政評価)

第22条 市は、効率的かつ効果的に事務を執行するため、行政評価を実施します。

2 市は、行政評価の結果を市民に分かりやすく公表するとともに、行政運営に反映させなければなりません。

(財政運営)

第23条 市は、財政の状況を的確に把握し、中長期的な見通しに立った健全な財政運営に努めなければなりません。

2 市長は、予算編成に当たっては、総合計画との整合性を確保し、行政評価の結果を踏まえ、財源の効率的かつ効果的な活用に努めなければなりません。

3 市長は、予算及び決算並びに財政状況に関する情報を市民に分かりやすく公表しなければなりません。

(組織運営)

第24条 市は、社会環境の変化や市民ニーズに的確に対応し、市民が利用しやすく機能的な組織の編成に努めなければなりません。

2 市の組織は、相互に連携を緊密にし、迅速かつ柔軟に業務を遂行しなければなりません。

(行政手続)

第25条 市は、行政処分、行政指導及び届出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正を確保し、市民の権利利益の保護に努めなければなりません。

(出資団体等)

第26条 市は、市が出資し、若しくは運営のための補助金を支出し、又は職員を派遣している法人その他の団体(以下「出資団体等」といいます。)に関する出資、補助及び職員派遣の状況を公表しなければなりません。

2 市は、出資団体等及び指定管理者が行う市に関連する業務について、業務の目的が達成されているか検証するとともに、必要な指導及び助言を行います。

(審議会等)

第27条 市は、まちづくりへの市民参加を進めるため、審議会などの附属機関及びこれに類する協議会等の組織(以下「審議会等」といいます。)に公募の委員を加えるよう努めるとともに、男女の比率、他の審議会等との重複などを考慮し、幅広く市民が参画できるよう配慮しなければなりません。

2 市は、審議会等が有効に機能するよう効率的で効果的な運営に努めるとともに、必要に応じて設置目的や役割などあり方の検討を行わなければなりません。

(安全で安心なまちづくり)

第28条 市は、市民が安全で安心して暮らすことができる地域社会を実現するため、防災や防犯、交通安全を推進し、地域における安全意識を高め、自主的な活動の促進及び生活環境の整備を図ります。

2 市は、市民の生命、身体及び財産を保護するため、災害などに備えて危機管理体制を整備するとともに、災害に強いまちづくりを推進します。

第8章 国、北海道及び他の市町村との連携

(国、北海道及び他の市町村との連携)

第29条 市は、国及び北海道と相互に協力し、連携してまちづくりを進めます。

2 市は、他の市町村と連携及び協力の関係を作り、共通する課題の解決を図ります。

第9章 条例の見直し

(条例の見直し)

第30条 市は、5年を超えない期間ごとに、この条例が社会情勢に適合しているものであるか検討を行い、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとします。

2 市は、前項の検討及び見直しを行うに当たっては、市民が参画する委員会を設置し、市民の意見を聴かなければなりません。

3 市は、第1項の検討及び見直しの結果を市民に分かりやすく公表しなければなりません。

この条例は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日から施行します。

(平成25年規則第32号で平成26年1月1日から施行)

恵庭市まちづくり基本条例

平成25年10月17日 条例第30号

(平成26年1月1日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 市制施行
沿革情報
平成25年10月17日 条例第30号