○富士見市いじめ防止条例
平成27年3月27日
条例第14号
私たちのまち富士見市は、昭和41年9月、全国初の宣言である「富士見町人間尊重宣言」を制定しました。この宣言にうたわれている「自分を大切にするとともに他人を尊重しよう」という言葉は、富士見市のまちづくりにおける基本精神です。
私たちは、この精神に則り、子どもが互いを尊重し、思いやり、健やかに成長することを願うものであり、子どもの心身を深く傷つけるいじめを許すことはできません。
そのために、私たちは、いじめの防止等にその力を結集し、子どもが安心して学び、人とつながり、伸び伸びと成長できる豊かな環境を整えなければなりません。
私たちは、ここに、いじめのない、子どもの笑顔あふれる富士見市を実現するため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)に基づくいじめの防止等のための対策に関し基本理念を定め、市、市立学校、市立学校の教職員及び保護者の責務並びに子ども及び市民等の役割を明らかにするとともに、いじめの防止等に関する基本的事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的に推進することを目的とする。
(1) いじめ 子どもに対して、当該子どもが在籍する学校に在籍している等当該子どもと一定の人間関係にある他の子どもが行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものをいう。
(2) いじめの防止等 いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。
(3) 子ども 次号に規定する学校に在籍する児童及び生徒をいう。
(4) 学校 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。
(5) 市立学校 富士見市立学校設置条例(昭和43年条例第31号)に規定する小学校、中学校及び特別支援学校をいう。
(6) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子どもを現に監護するものをいう。
(7) 市民等 市内に居住し、在勤し、又は在学する者並びに市内で事業活動を行う個人、企業及び団体をいう。
(8) 関係機関等 警察、児童相談所その他子どものいじめの問題に関係する機関及び団体をいう。
(9) 重大事態 次のいずれかに該当するに至った事態をいう。
ア いじめにより市立学校に在籍する子どもの生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認められること。
イ いじめにより市立学校に在籍する子どもが相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められること。
(平28条例9・一部改正)
(基本理念)
第3条 いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての子どもに関わる問題であることに鑑み、子どもが尊重し合い、安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。
2 いじめの防止等のための対策は、全ての子どもがいじめを行わず、及び他の子どもに対して行われるいじめを認識しながら、これを放置することがないようにするため、いじめを絶対に許さないという決意の下、子どもが主体的にいじめの問題を克服することができる力の育成を目指して行われなければならない。
3 いじめの防止等のための対策は、いじめを受けた子どもの生命及び心身の保護を何よりも優先するものとし、市、市立学校、保護者、市民等及び関係機関等が連携し、いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、市立学校、保護者、市民等及び関係機関等と連携し、いじめの防止等のための対策を策定し、及び実施しなければならない。
(市立学校及び市立学校の教職員の責務)
第5条 市立学校及び市立学校の教職員は、当該学校に在籍する子どもの保護者、市民等及び関係機関等と連携を図りつつ、いじめの防止及び早期発見に取り組まなければならない。
2 市立学校及び市立学校の教職員は、当該学校に在籍する子どもがいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処しなければならない。
3 市立学校及び市立学校の教職員は、当該学校に在籍する子ども及びその保護者が安心して相談することができる環境を整えなければならない。
(保護者の責務)
第6条 保護者は、子どもの教育に第一義的な責任があることを認識し、子どもに対し、いじめは許されない行為であることを理解させるよう努めなければならない。
2 保護者は、子どもがいじめを受けていると思われるときは、適切にいじめから保護しなければならない。
3 保護者は、市、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための対策に協力するよう努めなければならない。
(子どもの役割)
第7条 子どもは、互いの違いを認め、思いやり、及び支え合うよう努めるものとする。
(市民等の役割)
第8条 市民等は、地域において子どもに対する見守り、声かけ等を行い、子どもが安心して過ごすことができる環境づくりに努めるものとする。
2 市民等は、いじめを発見した場合又はいじめの疑いがあると認めた場合には、市、学校又は関係機関等に情報を提供するよう努めるものとする。
3 市民等は、市、学校又は関係機関等が行ういじめの防止等のための対策に協力するよう努めるものとする。
(財政上の措置)
第9条 市は、いじめの防止等のための対策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(いじめ防止基本方針の策定等)
第10条 市は、法第12条の規定により、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「いじめ防止基本方針」という。)を定めるものとする。
2 市は、いじめ防止基本方針の策定又は見直しを行ったときは、これを公表するものとする。
(学校いじめ防止基本方針の策定等)
第11条 市立学校は、法第13条の規定により、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針(以下「学校いじめ防止基本方針」という。)を定めるものとする。
2 市立学校は、学校いじめ防止基本方針の策定又は見直しを行ったときは、これを公表するものとする。
(富士見市いじめ問題対策連絡協議会等)
第12条 市は、法第14条第1項の規定により、いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、富士見市いじめ問題対策連絡協議会(以下「連絡協議会」という。)を置く。
2 前項に定めるもののほか、連絡協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に条例で定める。
3 前2項の規定を踏まえ、富士見市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、連絡協議会との円滑な連携の下に、いじめ防止基本方針に基づく市におけるいじめ防止等のための対策を実効的に行うため、法第14条第3項の規定により、富士見市いじめのない学校づくり委員会(以下「学校づくり委員会」という。)を置く。
4 前項に定めるもののほか、学校づくり委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(重大事態への対処)
第13条 教育委員会又は市立学校は、重大事態が発生した場合には、当該重大事態に対処するとともに、当該重大事態に係る事実関係を明らかにするため、教育委員会が調査を行う場合にあっては学校づくり委員会において、市立学校が調査を行う場合にあっては法第22条の規定により設置された組織において調査を行うものとする。
2 前項の規定による調査が行われたときは、その結果を、教育委員会が行った場合にあっては市長に、市立学校が行った場合にあっては教育委員会を通じて市長に報告するものとする。
(富士見市いじめ調査委員会)
第14条 市長は、前条第2項の報告を受けた場合における当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生防止のため、法第30条第2項の規定により、富士見市いじめ調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置く。
2 前項に定めるもののほか、調査委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(調査の結果報告)
第15条 市長は、前条第1項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。
(調査の結果を踏まえた措置等)
第16条 市長及び教育委員会は、第14条第1項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生防止のために必要な措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月25日条例第9号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。