○白山市子どもの権利に関する条例

平成18年12月21日

条例第41号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 人間として大切な子どもの権利(第6条―第9条)

第3章 基本的な施策(第10条―第16条)

第4章 子どもの権利を保障する仕組み(第17条―第19条)

附則

すべての子どもは、生まれながらにして夢と希望に満ちたかけがえのない存在です。家庭では、家族の愛情に包まれながら健やかに育ち、また、育ち・学びの施設や地域では、多くの人々に見守られながら感性豊かに自らの意思で生き生きと成長していくことができます。

子どもは、自分の考えや感じたことを自由に表現し、自ら参加することを通して、自分が大切にされていることを実感し、自分と同じように他の人も大切にしなければならないことを学びます。

大人には、子ども自身の成長する力を認め、子どもの思いを十分に受け止め、その成長を支えていく責任があります。そのために、愛情と理解を持って子どもに接し、子どもがより良く成長していけるよう、大人としての役割を自覚するよう努めます。

私たち白山市民は、霊峰白山から手取川、加賀平野、日本海に至る本市の豊かな自然や、優しさとたくましさと人情味あふれる地域性を大切にし、子どもの権利を保障することを通して、だれもが幸福に暮らせるまちづくりを目指します。

以上の考えの下、私たちは、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の理念に基づき、白山市の子どもの権利の保障を進めることを宣言し、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、白山市で育つ子どもの健やかな成長を願い、市及び市民等(市内で活動を行うすべての人をいいます。以下同じ。)の役割、人間として大切な子どもの権利、子どもの権利の保障並びに施策の推進について定めることにより、すべての子どもが幸福に暮らせるまちづくりを進めることを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において「子ども」とは、市内に居住又は通学若しくは通勤している18歳未満の人とこれに準ずる人をいいます。

2 この条例において「育ち・学びの施設」とは、児童福祉法(昭和22年法律第164号)に定める施設、学校教育法(昭和22年法律第26号)に定める学校、その他の施設のうち、子どもが育ち、学ぶことを目的として通学し、通所し、又は入所する施設をいいます。

(基本理念)

第3条 市及び市民等は、すべての子どもが幸福に暮らせるまちづくりを子どもと共に目指すため、子どもの権利を尊重し、その権利の保障に努めます。

2 子どもは、個人としてその権利が保障され、他の人の権利をも尊重する中で、健やかに育つことができます。

3 子どもは、その権利が保障される中で、豊かな人間性を養うとともに、自らを律し、社会の一員として役割を担うことができます。

(市の役割)

第4条 市は、基本理念に基づき、あらゆる施策を通じて子どもの権利の保障に努めるものとします。

2 市は、子どもの権利に対する市民の理解を深めるために、その広報に努めるものとします。

(市民等の役割)

第5条 市民等は、自らが子どもの成長に大きくかかわっていることを理解し、子どもの権利の保障と子どもが幸福に暮らせるまちづくりに努めるものとします。

2 保護者は、家庭が子どもの人格形成に大きな役割を果たしていることを深く理解し、子どもを育てることに最善を尽くすとともに、子どもの権利の保障に努めるものとします。

第2章 人間として大切な子どもの権利

(安心して生きる権利)

第6条 子どもは、健やかに安心して生きることができます。そのために、主として次のことが保障されます。

(1) 命が尊重され、守られること。

(2) 愛情と理解をもってはぐくまれること。

(3) 虐待、体罰その他のあらゆる形の暴力を受けず、また、放任されないこと。

(4) 健康に配慮がなされ、適切な医療が提供されること。

(5) あらゆる危険から身が守られること。

(守られる権利)

第7条 子どもは、個人として自分を守り、また、自分が守られることができます。そのために、主として次のことが保障されます。

(1) 権利の侵害から逃れられること。

(2) あらゆる形の差別を受けないこと。

(3) 個性が認められ、人格が尊重されること。

(4) プライバシーが守られ、誇りを傷つけられないこと。

(5) 子どもであることを理由に不当な扱いを受けないこと。

(より良く育つ権利)

第8条 子どもは、自分を豊かにし、自他共により良く育つことができます。そのために、主として次のことが保障されます。

(1) 遊ぶこと。

(2) 学ぶこと。

(3) 文化芸術、運動・スポーツ及び自然に親しむこと。

(4) 生活習慣を学び、成長に応じた主体性を身に付けること。

(5) 主体性がはぐくまれる居場所が確保されること。

(参加する権利)

第9条 子どもは、自ら社会に参加することができます。そのために、主として次のことが保障されます。

(1) 自分の意見や考えを表明し、尊重されること。

(2) 仲間を作り、自由に集うこと。

(3) 子どもとしての意見を生かされる機会があること。

(4) 助言、代弁などの支援を受けられること。

第3章 基本的な施策

(子どもが成長する環境の整備と保全)

第10条 市は、子どもの権利の保障が図られるよう、子どもが自ら育ち、遊び、学べる環境の整備や自然環境の保全に努めるものとします。

2 市は、前項の環境を整備し、又は保全するために、市民等、関係機関及び関係団体との調整を行うものとします。

(子育ての支援)

第11条 市は、保護者が子どもを育てるに当たり、必要に応じて支援を行うものとします。

2 市は、子ども自身が抱える問題及び子どもに関する相談に対し、速やかに対応するよう努めるものとします。

(育ち・学びの施設づくり)

第12条 育ち・学びの施設の設置者、管理者、職員等(以下「施設関係者」といいます。)は、育ち・学びの施設が子どもの豊かな人間性と多様な能力をはぐくむために重要な場であることを認識し、子どもの有する様々な権利が保障されるよう努めるものとします。

2 施設関係者は、子ども、保護者及び地域の市民等に対し、積極的に情報を公開し、その運営について意見を聴き、協力を受けるなど、開かれた育ち・学びの施設づくりの推進に努めるものとします。

(子どもの活動や市民活動の支援)

第13条 市は、子どもの自主的な活動及び市民等の子どもに関する活動を奨励し、支援するものとします。

(相互連携支援)

第14条 市は、子どもの権利を保障し、子どもが幸福に暮らせるまちづくりを進めるために、市民等、関係機関及び関係団体が相互に連携できるよう、積極的に支援するものとします。

(相談及び救済)

第15条 市は、権利の侵害を防ぐため、関係機関及び関係団体と連携を密にするとともに、権利の侵害が、子どもの心身に将来にわたる深刻な影響を及ぼすことを考慮し、だれもが安心して相談し、救済を求めることができるよう、虐待等の予防に努め、権利の侵害から子どもを救済する体制を整備します。

(子どもの社会参加)

第16条 市及び市民等は、子どもの社会参加の機会の確保に努めるものとします。

2 市は、子どもがまちづくり及び市の施策に意見表明できる制度として「白山市子ども会議」を設け、子どもの意見を施策に反映させるよう努めるものとします。

第4章 子どもの権利を保障する仕組み

(行動計画)

第17条 市は、市民等と連携し、子どもの権利に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、白山市子どもの権利に関する行動計画(以下「行動計画」といいます。)を策定します。

2 行動計画の内容は、次のとおりとします。

(1) 子どもの権利に関する学習の推進

(2) 保護者に対する子育て支援

(3) 子どもにかかわる施設における子どもの権利の保障

(4) 地域での子どもの自治的な活動の奨励支援

(5) 市、家庭、育ち・学びの施設及び地域の連携による子どもに関する施策の推進

(6) 子どもの権利に関する相談並びに権利の侵害に対する救済体制の整備

(7) まちづくりへの子どもの参加支援

(8) 前各号に掲げるもののほか、子どもの権利にかかわる施策

(権利委員会の設置)

第18条 市は、すべての子どもの権利を保障し、子どもが幸福に暮らせるまちづくりを進めるために、白山市子どもの権利委員会(以下「権利委員会」といいます。)を置き、総合的な推進体制の整備と充実に努めるものとします。

2 権利委員会は、次のことについて審議し、必要に応じて市に報告を求めます。

(1) 子どもの権利を保障する市の施策の実施に関すること。

(2) 子どもの権利の保障の状況に関すること。

(3) 行動計画策定に関すること。

3 権利委員会は、前項各号に掲げる事項について、必要があると認めたときは、市長その他の執行機関(以下「執行機関」と総称します。)に対し提言をすることができます。

4 執行機関は、権利委員会の提言を尊重し、必要な措置を講じるものとします。

(権利委員会の組織等)

第19条 権利委員会は、委員15人以内で組織します。

2 委員は、人権、教育、福祉、医療その他子どもの権利に関わる分野の学識経験者及び市民等のうちから、市長が委嘱します。

3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げません。委員が欠けた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。

4 委員は、職務上知り得た情報を漏らしてはいけません。その職を退いた後も同様です。

5 権利委員会に、会長及び副会長1人を置きます。

6 会長及び副会長は、委員の互選によって定めます。

7 会長は、会務を総理し、権利委員会を代表します。

8 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理します。

9 権利委員会は会長が招集し、会議の議長となります。

10 権利委員会は、委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができません。

11 権利委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによります。

12 その他権利委員会の運営に関して必要な事項は、会長が権利委員会に諮って定めます。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(白山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 白山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成17年白山市条例第53号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

白山市子どもの権利に関する条例

平成18年12月21日 条例第41号

(平成19年4月1日施行)