○浜松市ユニバーサルデザイン条例

平成14年12月17日

浜松市条例第100号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 ユニバーサルデザインの推進に関する施策等(第7条―第11条)

第3章 ユニバーサルデザインに配慮した教育の推進(第12条―第14条)

第4章 すべての人が暮らしやすい生活環境の整備(第15条―第17条)

第5章 ユニバーサルデザイン審議会(第18条―第21条)

第6章 雑則(第22条)

附則

すべての人が個人として尊重され、安心、安全で快適な暮らしができることは、私たち浜松市民の願いです。

こうした社会を実現するためには、社会における様々な障壁(バリア)をなくすとともに、すべての人が差別されることなく、自らの意思で自由に行動し、あらゆる分野の活動に参加する機会を得ることができるよう、人づくりや環境づくりを進めていく必要があります。

私たちは、一人ひとりが思いやりの心をもって主体的に行動するとともに、市民、事業者及び市が協働して、ユニバーサルデザインによるまちづくりを推進することにより、思いやりの心が結ぶ優しいまちを実現し、これを世界へ広め、後世に引き継いでいくために、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、ユニバーサルデザインによるまちづくりを推進するため、その基本理念及び基本的な事項を定めるとともに、市民、事業者及び市のそれぞれの役割を明らかにすることによって、すべての人が安心、安全で快適に暮らすことができる社会を築くことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「ユニバーサルデザイン」とは、年齢、性別、身体能力、国籍等人々が持つ様々な特性や違いを超え、すべての人に配慮して心豊かな暮らしづくりを行っていこうとする考え方をいう。

(基本理念)

第3条 ユニバーサルデザインによるまちづくりは、すべての人がお互いの立場を理解し、尊重し合い、さらに市民、事業者及び市が協働して、思いやりの心が結ぶ優しいまちの実現を図ることを基本理念として推進されなければならない。

(市民の役割)

第4条 市民は、自らがまちづくりの主体であるという認識のもとに、ユニバーサルデザインへの理解を深め、共に支え合いながら自己の能力を発揮し、積極的にまちづくりの推進に努めるものとする。

2 市民は、施設を利用するときは、利用者が互いに安心、安全で快適に利用できるよう、一人ひとりが思いやりの心を持ち、行動するよう努めるものとする。

3 市民は、事業者及び市と連携し、市が実施するユニバーサルデザインによるまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、地域社会を支える一員として、ユニバーサルデザインへの理解を深め、主体的かつ積極的にまちづくりの推進に努めるものとする。

2 事業者は、年齢、性別、身体能力、国籍等に関係なく、市民が働くことのできる職場環境の確保及びその雇用の推進に努めるものとする。

3 事業者は、市民及び市と連携し、市が実施するユニバーサルデザインによるまちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市の役割)

第6条 市は、この条例の目的を達成するため、ユニバーサルデザインによるまちづくりに関する施策を策定し、及び実施するものとする。

2 市は、ユニバーサルデザインによるまちづくりを、市民及び事業者との協働により推進するものとする。

3 市は、施策の推進に当たって必要な予算上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第2章 ユニバーサルデザインの推進に関する施策等

(計画の策定)

第7条 市長は、ユニバーサルデザインによるまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画を策定する。

2 市長は、前項の計画を策定し、又は変更するに当たっては、広く市民及び浜松市ユニバーサルデザイン審議会の意見を聴くとともに、当該意見を反映させるよう努めなければならない。

3 市長は、第1項の計画を策定し、又は変更したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

(庁内体制)

第8条 市長は、ユニバーサルデザインによるまちづくりに関する施策について総合調整を行うとともに、これを実効性のあるものとするための庁内体制を確立するものとする。

(学術機関等との協力)

第9条 市は、ユニバーサルデザインによるまちづくりに関し、大学、研究所等の機関と協力して、調査、研究及び情報収集を行うものとする。

(国、県及び他の市町村との連携等)

第10条 市は、国、県及び他の市町村と連携し、及び協力して、ユニバーサルデザインによるまちづくりに取り組むものとする。

(広報及び情報提供)

第11条 市は、ユニバーサルデザインによるまちづくりに関し、市民及び事業者の理解を深めるよう広報に努めるとともに、必要な情報を提供するものとする。

第3章 ユニバーサルデザインに配慮した教育の推進

(学校教育における取組)

第12条 学校等の場において行われる教育(以下「学校教育」という。)に携わる者は、ユニバーサルデザインによるまちづくりを推進するためには教育が重要であることを認識し、個々の教育本来の目的を実現する過程において、ユニバーサルデザインに配慮した教育を行うよう努めるものとする。

2 市は、学校教育において、すべての人が互いに交流し合える機会を提供するものとする。

(社会教育における取組)

第13条 家庭及び職場その他社会において行われる教育(以下「社会教育」という。)に携わる者は、すべての人が生涯にわたりお互いの立場を理解し、思いやりの心を育むため、ユニバーサルデザインに配慮した教育を行うよう努めるものとする。

2 市は、社会教育において、すべての人が互いに交流し合える機会を提供するものとする。

(人材育成及び派遣)

第14条 市は、市民及び事業者と連携し、ユニバーサルデザインに関する専門的な知識又は技能を有する者(次項において「有識者等」という。)を育成するものとする。

2 市は、ユニバーサルデザインを推進する活動を行う者に対し、有識者等を派遣するものとする。

第4章 すべての人が暮らしやすい生活環境の整備

(公共施設等の整備)

第15条 市は、市が設置し、又は管理する建物、道路、公園等の公共施設及びこれらに附帯する工作物(以下「公共施設等」という。)の新築等(新築、新設、増築、改築及び用途の変更(施設の用途を変更して公共施設等とする場合を含む。)をいう。次項において同じ。)をしようとするときは、すべての人が安心、安全で快適に利用することができるようユニバーサルデザインに基づき整備するものとする。

2 市は、公共施設等の新築等をしようとするときは、あらかじめユニバーサルデザインの観点から利用者等の意見を聴くものとする。

(公共交通事業者等の努力)

第16条 一般の旅客の運送のための鉄道、自動車又は船舶等(以下「公共車両等」という。)を所有し、又は管理する者(以下「公共交通事業者等」という。)は、その運行に必要とし、かつ公共のために使用する施設及び工作物について、すべての人が安心、安全かつ円滑に利用することができるようユニバーサルデザインに基づく整備に努めるものとする。

2 公共交通事業者等は、ユニバーサルデザインに基づき公共車両等の整備に努めるものとする。

(施設の設置等をする者の努力)

第17条 施設を設置し、又は管理する者(前2条に規定するものを除く。)が新築等(新築、新設、増築、改築及び用途の変更をいう。)をしようとするときは、すべての人が安心、安全で快適に利用することができるようユニバーサルデザインに基づく整備に努めるものとする。

2 商品の製造等(製造、加工及び設計をいう。)をする者は、当該商品について、すべての人が安心、安全で快適に使用することができるようユニバーサルデザインに基づく製造等に努めるものとする。

3 サービスを提供する者は、当該サービスについて、すべての人が安心、安全で快適に利用することができるようユニバーサルデザインに基づく提供に努めるものとする。

第5章 ユニバーサルデザイン審議会

(設置)

第18条 市は、ユニバーサルデザインの推進に関する事項について調査審議するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、浜松市ユニバーサルデザイン審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(組織)

第19条 審議会は、委員10人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 市民

(2) 事業者

(3) 知識経験を有する者

(4) 学識経験を有する者

(平20条例30・一部改正)

(任期)

第20条 委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残りの期間とする。

(平31条例21・一部改正)

(会長及び副会長)

第21条 審議会に会長及び副会長を1人ずつ置く。

2 会長は、委員が相互に選出する。

3 副会長は、会長が指名する。

4 会長は、審議会を代表し、会の事務を取りまとめてこれを管理する。

5 副会長は、会長を補佐し、会長がその職務につけないときは、会長の職務を代理する。

第6章 雑則

(委任)

第22条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。

この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(平成20年3月21日浜松市条例第30号抄)

1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。

2 この条例の施行の際現に第3条から第5条まで、第7条、第9条、第10条及び第12条から第25条までの規定による改正前の(中略)、浜松市ユニバーサルデザイン条例、(中略)(以下これらを「旧条例」という。)の規定により在職する附属機関の委員は、その任期中に限り、なお従前の例により在職するものとする。

3 前項の場合においては、第3条から第5条まで、第7条、第9条、第10条及び第12条から第25条までの規定による改正後の(中略)、浜松市ユニバーサルデザイン条例、(中略)の規定は適用せず、旧条例の規定は、なおその効力を有する。

(平成31年3月15日浜松市条例第21号抄)

1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(1) 

(2) 第8条、第22条、第24条、第26条、第37条及び第38条並びに附則第3項の規定 平成31年9月1日

3 第8条、第22条、第24条、第26条、第37条及び第38条の規定による改正後の浜松市社会福祉審議会条例第3条第2項、浜松市情報公開・個人情報保護委員会条例第5条、浜松市ユニバーサルデザイン条例第20条、浜松市男女共同参画推進条例第19条、浜松市博物館条例第19条第3項及び浜松市文化財保護条例第47条第1項の規定は、附則第1項第2号に掲げる規定の施行の日以後に任命され、又は委嘱される委員の任期について適用し、同日前に任命され、又は委嘱された委員の任期については、なお従前の例による。

浜松市ユニバーサルデザイン条例

平成14年12月17日 条例第100号

(令和元年9月1日施行)