○半田市地域公共交通条例

平成二十八年五月十八日

条例第二十四号

地域公共交通は、市民の日常生活及び社会生活にとつて重要な社会基盤であり、地域のあり方や市民のライフスタイルをも左右するものである。

半田市においては、市民の自動車への依存の高まりや、持続可能な地域公共交通施策が未だ確立されていないことにより、地域公共交通の利用者が伸び悩んでいる。今後、人口減少や少子高齢化が進む中で地域公共交通の利用者がさらに減少し、バス路線廃止等が進めば、市民は必要不可欠な移動手段を失いかねない。

地域公共交通の利用を促進するためには、その利便性を向上させることが重要である。地域と中心市街地との間だけでなく、市民の生活圏を基に、地域と市民の利用頻度の高い施設との間を地域公共交通でつなぐことにより利便性が向上すれば、人と人との交流が活発な賑わいのあるまちを創ることができる。

また、地域公共交通の利用が増えることは、自動車に過度に依存することのないまちへと転換が進み、歩いて暮らせる健康で環境負荷の少ないまちの実現に寄与することにもなる。

このような豊かで活力に満ちた半田市を実現するため、市民は、地域公共交通を自ら考え創り上げる地域の財産ととらえ、一人ひとりが地域公共交通について理解し、能動的かつ継続的に関わり、積極的に利用していく必要がある。

よつて、ここに、市民をはじめとした地域公共交通に関わる全ての者が一体となり、将来にわたつて持続可能な地域公共交通が十分に機能を発揮するために、この条例を制定する。

(目的)

第一条 この条例は、本市における地域公共交通の基本理念及びその実現を図るため基本となる事項を定め、市長及び半田市議会(以下「議会」という。)の責務並びに市民及び自治区並びに事業者及び交通事業者の役割を明らかにすることにより、本市の持続可能な地域公共交通の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 地域公共交通 市民の日常生活若しくは社会生活における移動又は観光旅客その他の本市を来訪する者の移動のための交通手段として市域だけでなく市民の生活圏も考慮した区域の公共交通機関をいう。

 市民 市内に居住し、通学し、又は通勤する者をいう。

 自治区 市内における一定の区域に住所を有する者で形成された自治会組織をいう。

 事業者 市内において事業又は活動を行う法人その他の団体又は個人をいう。

 公共交通事業者 事業者のうち、次に掲げる者をいう。

 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による一般乗合旅客自動車運送事業者及び一般乗用旅客自動車運送事業者

 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)による鉄道事業者(旅客の運送を行うものに限る。)

(基本理念)

第三条 市長及び議会、市民及び自治区並びに事業者及び公共交通事業者は、地域公共交通の機能が将来にわたつて十分に発揮されるよう、地域の特性に応じた地域公共交通のネットワークの構築、良質な運送サービスの確保等を行うことにより、一体となつて、本市の地域公共交通に能動的かつ継続的に関わつていかなければならない。

(市長の責務)

第四条 市長は、第十条に規定する地域公共交通に関する基本施策(以下「基本施策」という。)を総合的かつ計画的に策定し、これを実施しなければならない。

2 市長は、基本施策を実施するに当たつては、議会、市民及び自治区、事業者及び公共交通事業者並びに周辺自治体に理解を求め、その協力を得られるよう努めなければならない。

3 市長は、市民に対し、地域公共交通を積極的に利用することについての意識の啓発を行うよう努めなければならない。

(議会の責務)

第五条 議会は、地域公共交通に関する活動に主体的に参加するとともに、市長と市民及び自治区とを結び、連携して基本施策の立案及び推進に協力しなければならない。

(市民及び自治区の役割)

第六条 市民及び自治区は、持続可能な地域公共交通を実現するための担い手の一員であることを自覚し、地域公共交通に対する理解を深めるよう努めるものとする。

2 市民及び自治区は、自動車の過度な利用を控え、地域公共交通を積極的に利用するよう努めるものとする。

3 市民及び自治区は、地域公共交通に関する活動に参画し、基本施策の推進に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第七条 事業者は、その従業員に対し、地域公共交通を積極的に利用することについての意識の啓発を行うよう努めるものとする。

2 事業者は、その事業活動、従業員の通勤等において、自動車の過度な利用を控え、地域公共交通を利用するよう配慮するものとする。

3 事業者は、基本施策の推進に協力するよう努めるものとする。

(公共交通事業者の役割)

第八条 公共交通事業者は、その運営する地域公共交通について利用状況を把握するとともに、市民及び自治区の意見を十分に聴き、その運営に反映させるよう努めるものとする。

2 公共交通事業者は、その社会的な役割を認識した上で、地域公共交通の利便性を向上させるとともに、市長、市民及び自治区並びに事業者に対し、地域公共交通の利用に関する情報の積極的な提供等により、その利用を促進するよう努めるものとする。

3 公共交通事業者は、基本施策の推進に協力するよう努めるものとする。

(地域公共交通会議の開催)

第九条 市長は、市民及び自治区並びに事業者及び公共交通事業者と持続可能な地域公共交通施策等を協議するため、道路運送法及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成十九年法律第五十九号)の規定に基づく会議として地域公共交通会議を主宰し、開催するものとする。

(地域公共交通に関する基本施策)

第十条 市長は、次に掲げる事項を地域公共交通に関する基本施策として推進するものとする。

 市民にとつて分かりやすく利用しやすい効率的な地域公共交通網の再編に関すること。

 地域公共交通の定時性(設定された発着時刻に従つて運行することをいう。)の確保及び速達性(目的地に到達するまでに要する時間を短縮することをいう。)の向上に関すること。

 市民及び事業者の参画を促すため、持続可能な地域公共交通の環境整備に関すること。

 各公共交通機関又は公共交通機関と自動車、自転車等との円滑な乗継ぎの確保に関すること。

 自動車を運転することができない市民が、地域内で日常生活及び社会生活を営むために必要となる移動手段の確保に関すること。

 自動車の過度な利用を控えること及び地域公共交通を積極的に利用することについての教育及び意識の啓発に関すること。

(市民等への支援)

第十一条 市長は、基本施策を推進するため、市民、自治区、事業者又は公共交通事業者に対し、必要な支援を行うものとする。

(国等への要請等)

第十二条 市長及び議会は、必要に応じ、国、県その他関係機関(以下「国等」という。)に対し、基本施策を推進するための要請又は提案を行うものとする。

(国等との連携)

第十三条 市は、基本施策を推進するために必要があると認めるときは、国等と連携を図るものとする。

(その他)

第十四条 この条例に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

半田市地域公共交通条例

平成28年5月18日 条例第24号

(平成28年5月18日施行)