○羽島市まちづくり基本条例

平成28年3月22日

条例第2号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 まちづくりの担い手の権利、役割及び責務(第6条―第11条)

第3章 市民参画と協働(第12条―第18条)

第4章 情報の共有(第19条―第20条)

第5章 市政運営(第21条―第24条)

第6章 条例の見直し(第25条)

附則

わたしたちのまち羽島市は、先人たちの英知と不断の努力によって築かれた木曽・長良の水の恵みと、美濃平野の豊かな自然を源とし、多彩な伝統と文化を育んできました。また、この地域は、かつては美濃路が通り、現代では東海道新幹線岐阜羽島駅と名神高速道路岐阜羽島インターチェンジを併せ持つ交通要衝の地として、新たな交流が生まれてきた魅力あるまちです。

わたしたちは、羽島市民であることに誇りを持ち、次代を担う子どもたちが夢と希望を抱き健やかに成長できるまちとして、後世に引き継いでいかなければなりません。

しかし今日、地方分権の推進や少子高齢化・人口減少社会の本格化、価値観の多様化等により、わたしたちをとりまく社会環境は大きく変化しています。これら時代の変化に対応し、地域の個性と限りある資源を活かしたまちづくりを進めるためには、市民一人ひとりが、自ら考え行動し積極的にまちづくりに参画していくとともに、市民同士あるいは市民と議会と市長等が、それぞれの特性や役割を互いに理解し合いながら、対話と協力を重ねていくことが大切です。

わたしたちは、市民主体の協働によるまちづくりという理念を共有し、誰もが暮らしやすく、世代を超えて心の通うまちを創造するため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、まちづくりに関する基本理念及び基本原則を定め、市民の権利と市民、議会及び市長等の役割と責務を明らかにし、市民自らがまちづくりに参画し協働することによって、市民を主体としたまちづくりの実現を図ることを目的とします。

(条例の尊重)

第2条 他の条例、規則等の制定及び改廃にあたっては、この条例の趣旨を尊重しなければなりません。

(定義)

第3条 この条例において使用する用語の意義は、次のとおりとします。

(1) 市民 市内に居住、通学若しくは通勤する個人又は市内において事業若しくは活動を行う個人、法人その他団体をいいます。

(2) 市長等 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。

(3) まちづくり より良い羽島市を実現するために行う活動をいいます。

(4) 参画 参加するだけでなく、方針の決定及び企画に関わるなど、主体的に活動に加わることをいいます。

(5) 協働 市民、議会及び市長等が共通の目的に向かい、それぞれの特性を理解し役割を認識したうえで、お互いに対等な立場として尊重し、補足し合いながら協力することをいいます。

(6) 地域コミュニティ 自治会等、地縁によってつながりを持ち、自らの地域に関わりながら活動を行う人々の集まりをいいます。

(基本理念)

第4条 まちづくりは、市民が主体となり、市民、議会及び市長等が協働して行うものとします。

(基本原則)

第5条 市民、議会及び市長等は、次に掲げる事項を基本原則としてまちづくりを推進します。

(1) 市民参画の原則 市民はまちづくりに主体的に関わるように努め、議会及び市長等は市民の自主性を尊重し、その参画の機会を保障すること。

(2) 協働の原則 相互理解による信頼関係の構築に努め、協働してまちづくりを進めること。

(3) 情報共有の原則 まちづくりに関する情報を互いに提供し合い、共有すること。

第2章 まちづくりの担い手の権利、役割及び責務

(市民の権利)

第6条 市民は、自らの意思により、まちづくりに参画することができます。

2 市民は、まちづくりに関する情報を知ることができます。

(市民の役割及び責務)

第7条 市民は、まちづくりの主体であることを自覚し、自ら進んでまちづくりに参画するよう努めます。

2 市民は、まちづくりに参画するにあたり、お互いに多様な価値観を認め合いながら、地域全体や次世代のことも考慮し、自らの発言及び行動に責任を持つよう努めます。

3 自主的に公益性のある活動を行う団体は、それぞれの特性を活かした活動を実施するとともに、その活動が広く社会に理解されるよう努めます。

(地域コミュニティの役割及び責務)

第8条 地域コミュニティは、自らの地域の特性を活かした個性豊かで住み良いまちづくりに努めます。

(議会の役割及び責務)

第9条 議会は、選挙で選ばれた代表者が構成する議決機関として、この条例の基本理念及び基本原則に基づいた意思決定に取り組みます。

2 議会は、市民の意見を広く求め、まちづくりに反映させるよう努めます。

3 議会は、常に市民の視点に立ち、市民に開かれた議会運営を目指します。

(市長等の役割及び責務)

第10条 市長は、市民の信託に応え、市政の代表者としてこの条例の基本理念及び基本原則に基づいた市政運営に努めます。

2 市長は、課題に適切に対応するため、横断的な連携が図られるよう効率的な組織体制を整備します。

3 市長等は、所管する事務の企画立案、実施、効果及び評価について、市民に対し分かりやすい説明に努めます。

(職員の役割及び責務)

第11条 職員は、市民全体のために働く者としての自覚を持ち、法令等を遵守し、公正かつ誠実に職務を遂行します。

2 職員は、地域活動を担う一員であることを自覚し、地域課題の把握及び解決に努めるとともに、自らも地域のまちづくり等に参画し、協働によるまちづくりの推進に努めます。

3 職員は、職務の遂行に必要な知識の習得及び能力の向上に努めます。

第3章 市民参画と協働

(市民参画の推進)

第12条 市民、議会及び市長等は、市民参画によるまちづくりの推進に努めます。

2 議会及び市長等は、市民がまちづくりに参画できる機会を確保するため、その環境の整備に努めます。

3 議会及び市長等は、市民参画に関する制度の周知を図り、市民の意識を高めるよう努めます。

(協働の推進)

第13条 市民、議会及び市長等は、相互の役割と責務を認め合いながら、協力、連携してまちづくりに取り組むよう努めます。

2 議会及び市長等は、市民が持つ豊かな社会経験、知識及び創造性を活かし、まちづくりを進めます。

(地域コミュニティ活動への関わり)

第14条 市民は、地域コミュニティへ参画し、自らの地域の課題解決や共通の目標達成に向けて行動するよう努めます。

2 市長等は、地域コミュニティ活動の自主性を尊重するとともに、その活動の促進を支援します。

3 市長等は、市民と連携し、協働によるまちづくりを担う人材の育成に努めます。

(審議会等)

第15条 市長等は、地方自治法(昭和22年法律第67号)の規定に基づく附属機関として設置される審議会等(以下「審議会等」といいます。)の委員を選任する場合、市民の多様な意見が反映されるよう、男女の比率等を考慮した適正な構成に努めます。

2 市長等は、審議会等の委員の一部に公募による市民を含めるよう努めます。

(会議の公開)

第16条 市長等は、法令等に特別な定めがある場合を除き、原則として、審議会等の会議を公開します。

(パブリックコメント)

第17条 市長等は、重要な政策等の立案過程において、別に定めるところにより、事前にその案を公表し、広く市民の意見を求めます。

2 市長等は、市民から提出された意見を考慮し、政策等についての意思決定を行うとともに、提出された意見のあらましとその意見に対する市の考え方を公表します。

(住民投票)

第18条 市長は、市政に関する重要な事項について広く市民の意思を把握するため、必要に応じて住民投票を実施することができます。

2 住民投票の実施に関し必要な事項については、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。

3 市民、議会及び市長等は、住民投票の結果を尊重します。

第4章 情報の共有

(情報の共有及び公開)

第19条 市長等は、まちづくりに関する情報が共有の財産であるとの認識に立ち、これを市民に積極的に提供します。

2 市長等は、別に条例で定めるところにより、公文書の公開を行います。

(個人情報の保護)

第20条 市長等は、市民の権利及び利益を保護するため、別に条例で定めるところにより、個人情報の収集、利用、提供、管理等を適正に行います。

第5章 市政運営

(行政手続)

第21条 市長等は、市政運営の公正の確保と透明性の向上を図るため、別に条例で定めるところにより、適正な処分、行政指導及び届出に関する手続を行います。

(計画的な市政運営)

第22条 市長等は、総合的で計画的な市政運営を行うため、基本構想及びその実現を図るための計画(以下「総合計画」といいます。)を定めます。

2 市長等は、総合計画の策定や見直しにあたっては、進捗状況等を確認し、その検証結果を踏まえるとともに、広く市民参画の機会を設けます。

(危機管理)

第23条 市長等は、自然災害、重大な事故等の様々な緊急事態に備え、機動的な危機管理体制の確立に努めるとともに、災害等の発生時には、市民、議会及び関係機関と相互に連携を図り、協力して対応します。

2 地域コミュニティは、日頃から防災訓練等を行い、自らの地域における防災体制を整えるとともに、災害等の発生時には、自らの地域の中で互いに助け合うよう努めます。

3 市民は、日頃から災害等の発生に備えるとともに、災害等の発生時には、自らの安全を確保し、命を守るよう努めます。

(国、県及び民間企業等との連携)

第24条 市長等は、共通する課題に対して、国、県、他の自治体等との連携と協力により、その解決に努めます。

2 市長等は、課題に対して必要に応じ、民間企業、大学及び研究機関等との連携と協力により、その解決に努めます。

第6章 条例の見直し

(条例の見直し)

第25条 市長は、5年を超えない期間ごとに、この条例の検証を行い、その結果に基づいて必要な見直しを行います。

この条例は、平成28年4月1日から施行します。

(令和2年12月28日条例第36号)

この条例は、令和3年4月1日から施行します。

羽島市まちづくり基本条例

平成28年3月22日 条例第2号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第1編 規/第1章
沿革情報
平成28年3月22日 条例第2号
令和2年12月28日 条例第36号
令和4年12月23日 条例第31号