○日野市中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例
平成7年12月28日
条例第27号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 紛争の予防(第5条―第7条)
第3章 紛争の調整(第8条―第11条)
第4章 日野市建築紛争調停委員会(第12条)
第5章 雑則(第13条―第17条)
付則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び紛争の調整に関し必要な事項を定め、良好な近隣関係の保持と、地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とする。
(1) 中高層建築物 次に掲げる建築物をいう。
ア 高さが10メートルを超える建築物
イ 第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域内の軒の高さが7メートルを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物
(2) 紛争 中高層建築物の建築に伴って生ずる日照、通風及び採光の阻害、風害、電波障害等並びに工事中の騒音、振動等の周辺の生活環境に及ぼす影響に関する関係住民と建築主との間の紛争をいう。
(3) 建築主 中高層建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらず自ら工事を行う者及びその代理人をいう。
(4) 隣接地住民 次に掲げる者をいう。
ア 中高層建築物の各部分から、その部分の高さの2倍の水平距離の範囲内に居住する者
イ 敷地境界線から10メートルの水平距離の範囲内に居住する者及びその範囲内に建築物又は土地を所有する権利を有する者
(5) 周辺住民 中高層建築物の建築に伴って電波障害の影響を著しく受けると認められる者をいう。
(6) 関係住民 隣接地住民及び周辺住民をいう。
(市長の責務)
第3条 市長は、紛争を未然に防止するよう努めるとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。
(当事者の責務)
第4条 建築主は、紛争を未然に防止するため、中高層建築物の建築を計画するに当たっては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。
2 建築主及び関係住民は、紛争が生じたときは相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって、自主的に解決するよう努めなければならない。
第2章 紛争の予防
(標識の設置等)
第5条 建築主は、中高層建築物を建築しようとするときは、関係住民に建築に係る計画の周知を図るため、当該建築敷地の見やすい場所に規則で定めるところにより標識を設置しなければならない。
2 建築主は、前項の規定により標識を設置したときは、速やかにその旨を規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。
(説明会等の開催)
第6条 建築主は、中高層建築物を建築しようとするときは、建築に係る計画の内容について、説明会その他の方法により隣接地住民に説明しなければならない。ただし、規則で定める事由に該当するときは、この限りでない。
2 建築主は、周辺住民から説明会等の開催の申出があったときは、説明会その他の方法により説明をしなければならない。
(報告)
第7条 建築主は、前条の規定により行った説明会等の内容を規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。
第3章 紛争の調整
(あっせん)
第8条 市長は、建築主と関係住民の双方から紛争の調整の申出があったときは、あっせんを行う。
2 市長は、前項の規定にかかわらず、建築主又は関係住民の一方から調整の申出があった場合において、相当な理由があると認めるときは、あっせんを行うことができる。
3 市長は、当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めなければならない。
(あっせんの打切り)
第9条 市長は、当該紛争について、あっせんによっては解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。
(調停)
第10条 市長は、前条の規定によりあっせんを打ち切った場合において、必要があると認めるときは、当事者に対し、調停に移行するよう勧告することができる。
2 市長は、前項に規定する勧告をした場合において、当事者の双方がその勧告を受諾したときは、調停を行う。
4 市長は、調停を行うに当たって必要があると認めるときは、調停案を作成し、当事者に対し、期間を定めてその受諾を勧告することができる。
5 市長は、調停を行うに当たっては、日野市建築紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)の意見を聴かなければならない。
(調停の打切り)
第11条 市長は、当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。
2 前条第4項の規定による勧告が行われた場合において、定められた期間内に当事者の双方から受諾する旨の申出がないときは、当該調停は打ち切られたものとみなす。
第4章 日野市建築紛争調停委員会
(調停委員会)
第12条 市長の附属機関として調停委員会を置く。
2 調停委員会は、第10条第5項の規定による市長の意見の求めに応じ、必要な調査審議を行い意見を述べるとともに、市長の諮問に応じて、紛争の予防と調停に関する重要事項について調査審議する。
3 調停委員会は、法律、建築又は環境の分野に関し優れた知識及び経験を有する者のうちから市長が委嘱する委員3人以内をもって組織する。
4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 調停委員会に会長を置き、委員の互選により定める。
6 会長は、会務を総理し、調停委員会を代表する。
7 調停委員会は、市長が招集する。
第5章 雑則
(出頭)
第13条 市長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者の出頭を求め、その意見を聴くことができる。
(関係図書の提出)
第14条 市長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者に対し、関係図書の提出を求めることができる。
(工事着手の延期等)
第15条 市長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、建築主に対して、期間を定めて工事の着手の延期又は工事の停止を要請することができる。
付則
1 この条例は、平成8年4月1日から施行する。
2 この条例の施行の際、現に都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(平成4年法律第82号。以下「改正法」という。)第1条の規定による改正前の都市計画法第2章の規定により定められている都市計画区域内の用途地域に関する第2条の規定の適用については、平成5年6月25日から起算して3年を経過する日(その日前に改正法第1条の規定による改正後の都市計画法第2章の規定により、当該都市計画区域について用途地域に関する都市計画が決定されたときは、当該都市計画の決定に係る都市計画法第20条第1項の規定による告示があった日)までの間は、同条中「第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域」とあるのは「第一種住居専用地域」とする。