○日野市福祉オンブズパーソン条例

平成12年9月29日

条例第41号

目次

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 申立ての手続及び処理(第10条―第16条)

第3章 実施機関の措置(第17条―第19条)

第4章 雑則(第20条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、保健福祉サービスの適用に係る市民の苦情を簡易迅速に処理するため設置する日野市福祉オンブズパーソンについて必要な事項を定めることにより、市民の権利及び利益を擁護し、もって公正で信頼される市政の推進に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 保健福祉サービス 保健及び福祉に関する各種のサービスの提供、金銭の給付、施設入所等の措置その他の事務をいう。

(2) 実施機関 保健福祉サービスを行う日野市の機関及び日野市が財政又は人的支援を継続的に行っている団体をいう。

(設置)

第3条 第1条の目的を達成するため、市長の附属機関として日野市福祉オンブズパーソン(以下「福祉オンブズパーソン」という。)を置く。

(組織等)

第4条 福祉オンブズパーソンの定数は2人とし、人権、福祉、法律等に関する優れた識見を有する者のうちから、市長が議会の同意を得て委嘱する。

2 福祉オンブズパーソンの任期は3年とし、1期に限り再任することができる。

3 福祉オンブズパーソンの報酬については、日野市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和38年条例第13号)に定めるところによる。

(兼職等の禁止)

第5条 福祉オンブズパーソンは、国会議員若しくは地方公共団体の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。

2 福祉オンブズパーソンは、市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。

3 前項に規定する市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員とは、主として、市に対して請負をし、又は市が経費を負担する事業につき市の長若しくは委員会若しくはこれらの委任を受けた者に対し請負をする者をいう。

(解嘱)

第6条 市長は、福祉オンブズパーソンが次の各号のいずれかに該当する場合には、議会の同意を得て、これを解嘱することができる。

(1) 健康上の理由により、職務の遂行ができないと認めるとき。

(2) 職務上の義務違反があると認めるとき。

(3) 前号のほか福祉オンブズパーソンとしてふさわしくない行為があると認めるとき。

(職務の内容)

第7条 福祉オンブズパーソンの職務は、次のとおりとする。

(1) 実施機関が行う保健福祉サービスに関する市民からの苦情の申立てについて調査すること。

(2) 実施機関以外の実施主体が行う保健福祉サービスに関する市民からの苦情の相談を受け付け、関係機関と連携し、問題解決への協力を求めること。

(3) 自己の発意に基づき、問題事案を取り上げて調査すること。

(4) 第1号又は前号の調査の結果、必要と認めるときは、実施機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告すること。

(5) 第1号又は第3号の調査の結果、問題が制度そのものに起因すると認めるときは、実施機関に対し当該制度の改善を求める意見の表明をすること。

(6) 勧告、意見の表明等の内容を公表すること。

(7) 申立ての処理状況等について、毎年度市長及び議会に報告すること。

(職務の執行)

第8条 福祉オンブズパーソンは、保健福祉サービスに関する市民の権利及び利益を擁護するため、公正かつ適正に職務を遂行しなければならない。

2 福祉オンブズパーソンは、それぞれ独立してその職務を行う。

3 前項の規定にかかわらず、前条第5号に規定する意見の表明は、福祉オンブズパーソンの合議による。

(秘密を守る義務)

第9条 福祉オンブズパーソンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また同様とする。

第2章 申立ての手続及び処理

(申立ての範囲)

第10条 この条例による苦情の申立て(以下「申立て」という。)をすることができる事項は、実施機関が行う保健福祉サービスの個別の適用に関するものとする。ただし、次の各号に掲げる事項は除く。

(1) 現に裁判所において係争中の事項又は既に裁判所において判決等の確定した事項

(2) 現に行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定による審査請求を行っている事項又は審査請求に対する裁決を経て確定している事項

(3) この条例に基づき、既に福祉オンブズパーソンによる苦情の処理が終了している事項

(平成27条例64・一部改正)

(申立ての資格)

第11条 この条例により申立てをすることができる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 現に保健福祉サービスの適用を受け、若しくは取り消され、又はその申請を却下された者(以下「本人」という。)

(2) 本人の配偶者又は3親等以内の親族

(3) 本人の成年後見人又は未成年後見人

(4) 本人と同居している者

(5) 前各号に掲げるもののほか、日野市規則(以下「規則」という。)

で定める者

(申立ての方法)

第12条 申立ては、福祉オンブズパーソンに対し規則で定める方法により行わなければならない。

(申立ての期間)

第13条 前条の申立ては、当該苦情に係る事実のあった日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。ただし、福祉オンブズパーソンが正当な理由があると認めるときは、この限りではない。

(調査権)

第14条 福祉オンブズパーソンは、申立て又は自己の発意に基づき、実施機関に対し関係書類若しくはその他の記録の提出及び事情の説明を求め、又は実地調査を行う等必要な調査を行うことができる。

2 福祉オンブズパーソンは、前項の規定により調査を行うときは、その旨を実施機関に通知しなければならない。

(調査結果の通知)

第15条 福祉オンブズパーソンは、申立てに対する調査結果を申立人に通知しなければならない。

(勧告又は意見の表明及びその報告)

第16条 福祉オンブズパーソンは、第14条第1項の調査に基づき、必要に応じて、実施機関に対し是正等の措置を講ずるように勧告し、また問題が制度そのものに起因すると認めるときは、実施機関に対し当該制度の改善を求める意見の表明をすることができる。

2 福祉オンブズパーソンは、前項の規定により勧告又は意見の表明をしたときは、実施機関に対し是正等の措置について報告を求めるものとする。

3 福祉オンブズパーソンは、第1項の規定により勧告若しくは意見の表明をしたとき又は第18条の規定による報告があったときは、その旨を申立人に速やかに通知しなければならない。

第3章 実施機関の措置

(実施機関の責務)

第17条 実施機関は、福祉オンブズパーソンが行う調査及び処理に積極的に協力しなければならない。

2 実施機関は、福祉オンブズパーソンから前条の規定による勧告又は意見の表明を受けたときは、これを尊重し誠実に対応しなければならない。

(是正措置)

第18条 実施機関は、第16条第1項の規定による勧告を受けた場合、勧告を受けた日の翌日から起算して60日以内に必要な是正等の措置を講ずるとともに、その旨を福祉オンブズパーソンに報告し、必要な是正等の措置を講ずることができない場合は、理由を付してその旨を福祉オンブズパーソンに報告しなければならない。

(制度の改善)

第19条 実施機関は、第16条第1項の規定による意見の表明を受けた場合、保健福祉サービスの制度を具体的に改善できるときはその旨を、できないときはその理由を付して速やかに福祉オンブズパーソンに報告しなければならない。

第4章 雑則

(委任)

第20条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成13年1月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の2年前の日から施行日の前日までの間にあった事実に係る苦情についても適用し、当該2年前の日前にあった事実に係る苦情については、適用しない。

(平成27年条例第64号)

この条例は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。

日野市福祉オンブズパーソン条例

平成12年9月29日 条例第41号

(平成28年4月1日施行)