○第4次日野市基本構想

平成13年3月26日

議決

目次

1章 市民との協働による基本構想・基本計画策定にあたって

1―1 基本構想・基本計画の意義と役割

(1) 基本構想・基本計画策定の意義

(2) 基本構想・基本計画策定の役割

(3) 基本構想・基本計画の位置付け

1―2 日野の新しいまちづくりに向けて

(1) 新たな時代潮流

(2) これからの日野のまちづくり

2章 将来都市像及びまちづくりの目標

2―1 日野のまちづくりとは

(1) 日野のまちづくり計画の3つの原則

(2) 市民と行政の参画・連携・協働による新世紀プランづくり

2―2 将来都市像―3つの目標と10の柱

(1) 将来都市像―3つの目標

(2) 将来都市像を実現するための10の柱

2―3 まちづくりの10の柱

(1) 参画と協働のまちづくり

(2) 日野人ひのびと・日野文化を育てるまちづくり

(3) ふれあいのあるまちづくり

(4) 対等の立場で心のかようまちづくり

(5) だれもが健やかでいられるまちづくり

(6) 住みやすいまちづくり

(7) 気軽に出かけられるまちづくり

(8) 自然と人が共生するまちづくり

(9) 安全で安心なまちづくり

(10) 個性と魅力と活気のあるまちづくり

3章 基本構想・基本計画の推進に向けて

3―1 庁内体制づくり

3―2 市民行動計画の策定

1章 市民との協働による基本構想・基本計画策定にあたって

1―1 基本構想・基本計画の意義と役割

(1) 基本構想・基本計画策定の意義

この基本構想・基本計画「日野いいプラン2010」は、日野市がこれからの10年間、どのような都市を目指し、どのような仕事をしていくのかという、市全体のまちづくりのシナリオとなるものです。

そして、その実現に向けて、市民と行政が一体となって参画、連携、協働のもとに総合的で、計画的なまちづくりを進めるために策定するものです。これは、市政運営の基本的で重要な指針であるとともに、市民の諸活動のよりどころとなるものです。

(2) 基本構想・基本計画策定の役割

① 個別計画の集合から総合計画へ

今までの各部局での個別事業計画(施策)を寄せ集めた計画では集合計画でしかありません。

これまでの行政運営は、多かれ少なかれ各部局の個別施策を中心に進められてきた傾向にあります。いわゆる縦割り行政というものです。

21世紀の日野のまちづくりにあたっては、市民のニーズをもとに身近な地域のまちづくりに焦点を当て、互いに有機的に結びつき相乗効果を生むようを総合的、横断的な視点と組み立てが必要であり、そうした行政展開を進めていきます。

② 市民と行政との協働で

これまでの市民参加は、市民の意向を聞き、行政側でまとめたり、あるいは、行政側での企画提案に対してその内容を問う方法でありました。

まちづくりの主役は市民です。行政側も市民と話し合い、ともに地域の問題の共有化を図る姿勢が必要です。

行政と市民、市民と市民、関係各課の連携と協働によるまちづくりを進めるための計画となります。

(3) 基本構想・基本計画の位置付け

日野いいプラン2010は、新時代におけるまちづくりのシナリオを描いた「基本構想」とその基本構想を実現するための基本的施策を明らかにした「基本計画」によって構成されています。

また、この計画は、行政運営の基本的指針であると同時に市民の諸活動の行動指針としての役割を備えている「市民行動計画指針」としての性格を併せ持っています。そして、市民、企業などの役割も明確にし、市民と行政との協働によるまちづくりの指針を示しています。

① 基本構想・基本計画の計画期間

計画期間は、平成13年度(2001年度)から平成22年度(2010年度)までの10カ年とします。

② 基本構想・基本計画の想定人口

日野市の人口は、首都東京の成長とともに増え続けてきました。しかし、現在は人口増の地域、人口減の地域の両側面を持ちながら全体として人口は微増しています。

日野の基本構想・基本計画においては、18万5千人都市を目指して、市民と行政との協働で創りあげていくことを枠組みとします。

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1-2 日野の新しいまちづくりに向けて

(1) 新たな時代潮流

私たちのまちは、今、時代の大きな新しい流れに直面しています。

日野市は、平成7年(1995年)に第3次基本構想・基本計画を策定し、将来都市像を「緑と文化の市民都市」と定め、「生きる喜びを創り出す健康と福祉のまち」「豊かな人間性を育てる教育と文化のまち」「自然と調和する安全・快適なまち」「活気ある産業と豊かな生活のまち」そして「参加と連帯でつくる市民自治のまち」の5本の柱のもとにまちづくりの展開を図ってきました。

しかし、そうした取り組みにもかかわらず、昭和40年代の人口急増とバブル経済期における市街地の拡大に伴う道路、公園等の都市基盤整備の立ち遅れや環境問題の発生、さらにはバブル経済崩壊後の経済活力の低迷に伴う市財政状況の悪化等、今なおまちづくりの課題の解決がないまま推移してきています。

一方で、少子化・高齢化の進行、国際化や高度情報化の進展、地球規模での環境問題の深刻化や阪神・淡路大震災、地方分権の新しい動向等、私たちを取り巻く状況は、大きく変動し続けています。また、これを背景として私たち自身の生活やその舞台となる都市のあり方(持続可能なまちづくり)や生活の価値観とライフスタイルの多様化、男女平等参画社会、福祉・教育施策の多様化なども今大きく変わりつつあります。

こうした市を取り巻く社会経済状況の動きは、私たちに多くの課題を投げかけるとともに、これまでの日野市の課題も含めて、次のような新たな視点でのまちづくりに取り組まなければいけないという認識を深めさせています。

①―地方分権の推進(広域行政・合併を含めて)

②―持続可能なまちづくり(コンパクトシティを目指す)

③―地球環境共生時代(自然とのかかわり方の見直し)

④―少子化、高齢化社会

⑤―価値観とライフスタイル・市民ニーズの多様化

⑥―高度情報化時代

⑦―男女平等参画社会

⑧―規制緩和への取り組み

(2) これからの日野のまちづくり

バブル経済とその崩壊は、私たちに経済的な効率性に偏った価値観の見直しと市政運営の転換を迫っています。何よりも快適な生活環境の形成と定住の促進を図り、いつまでも住み続けられ、そして住みたくなるような「いい」まちとして発展していくことが望まれており、そうしたまちづくりのための計画指針と堅実な行財政運営が大切であることを改めて教えてくれています。

そうしたことから、これからの日野のまちづくりは、環境に配慮したくらしと生活の営み、すべての市民が共感する豊かで質の高い都市社会の実現を目指すものです。そこで、次のような行政課題に適切に対応しながら、市民と行政の参画・連携・協働のもとで着実なまちづくりを進めていきます。

①―「参画・協働のまちづくり」のしくみづくり

②―健全な財政運営

③―総合的視点と各課連携による行政運営

④―地方分権の推進

⑤―特色ある開かれた学校づくり

⑥―地域コミュニティづくり

⑦―地域ぐるみの福祉・保健・医療体制づくり

⑧―少子化、高齢化への適切な対応

⑨―資源循環型、環境共生型まちづくり

⑩―計画的な市街化のコントロール

⑪―地域資源の再評価と再構築

⑫―IT(情報技術)産業や地場産業の支援

2章 将来都市像及びまちづくりの目標

2―1 日野のまちづくりとは

(1) 日野のまちづくり計画の3つの原則

本市の基本構想・基本計画は、これまでの都市課題と、新たな時代潮流への対応を踏まえ、特に地方分権の新しい動向の中での、新しい計画づくりとそれに基づく市政運営の必要性の認識のもとに、次のまちづくりの3つの原則を踏まえて、計画づくりとその展開を図っていこうとするものです。

・つくる過程を大切にした「できごと」としての計画であること

・市民と行政との協働による行動計画であること

・総合的視点と連携の視点に立った計画であること

① つくる過程を大切にした「できごと」としての計画であること

まちづくりとは何か、行政は何をし、市民は何をするのかなどをともに考えていく場として、日野いいプラン2010の計画づくりを位置付けてきました。市民や市職員が計画をまとめあげるだけでなく、つくる過程を大切にした計画づくりそのものを1つの協働の「できごと」として考えています。この過程を大切にした取り組みや体験こそが今後のまちづくりへの実践につながり、大きな意味があると考えています。

まちづくりの主役は市民です。市民、行政がともに地域の問題の共有化を図る姿勢が必要です。行政側も市民と話し合い、市民の側も個人として要望を出すだけでなく、私人の枠を越え、地域や市全体の問題を考える公共的な立場からの主張、提案をしていくことが求められます。

② 市民と行政との協働による行動計画であること

市民と行政とがそれぞれの立場を踏まえながら、新しい協働関係をつくり、経験を積み重ねていくことにより、市民と行政との協働、市民と市民との協力、関係各課の連携によるまちづくりを進めていきます。

③ 総合的視点と連携の視点に立った計画であること

21世紀の日野のまちづくりにあたっては、身近な地域のまちづくりに焦点を当てました。例えば、福祉・医療と地域コミュニティ、生涯学習・地域文化と地域教育、まちづくり・福祉・景観と防災のつながりのように、互いに有機的に結びつき相乗効果を生むような総合的、横断的な視点と組み立てが必要であり、こうした行政展開を進めていきます。

(2) 市民と行政の参画・連携・協働による新世紀プランづくり

日野いいプラン2010の素案をまとめるにあたっては次の図にあるように「市民対話集会」(市民、小・中学生)や「市民アンケート調査」を行い、広く市民の皆さんからの声をいただきました。その上で、公募による市民と市職員の約200人からなる「市民ワーキングチーム」を発足させ、市民同士での話し合いを重ねるとともに、市の各部長による主要事項説明会や対話集会を行いながら、「市民提案」をまとめてきました。そして、この市民提案をもとに市職員との検討・調整を進めながら、日野市の置かれている状況や課題等を市民と行政で共有化するよう図ってきました。さらに、各部長からなる「調整チーム」との話し合いを重ね、市民と行政のまちづくりの指針となる基本構想・基本計画をともにつくりあげてきています。

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●分科会の視点

安心分科会

・多様なあり方、生き方を尊重するまち

・前向きに生きようとする市民を応援するまち

・新しい地域コミュニティをつくるまち

・もしもの時の安心を提供するまち

・環境にやさしいまちづくりに取り組むまち

活力分科会

・誇れるまち、魅力あるまち、人が集うまち

ふれあい分科会

・「人」と「人」、「人」と「もの」のふれあいを通して「見る・聞く」から「知り・考え・話し合う」を進める

うるおい分科会

・だれもがうるおいを感じられるまち

(自然、人とのふれあい、生涯現役、文化の香り、思いやり、市民参画)

スリム分科会

・スリムで無駄なく、地球と人にやさしいまちづくり

・子どもたちに借金を残さないために、効率よく質を落とさない行政運営

・自分でできることは自分でやろう

未来分科会

・未来に目を向け、自ら働きかけ、責任を持つまち

2―2 将来都市像―3つの目標と10の柱

(1) 将来都市像―3つの目標

新世紀における本市の将来都市像とそれを実現するための3つの目標を次のように定め、新たなまちづくりを展開していきます。

将来都市像

ともに創りあげる

住みいい・ここちいい・いきいきのまち 日野

日野いいプラン2010は、日野が「いい」まちであり、計画がすべての日野市民、行政にとって「いいプラン」であることを表しています。

「いいプラン」とは、将来都市像「住みいい・ここちいい・いきいきのまち 日野」を実現するための計画を総称したものです。

また、「ともに創りあげるまち」として、市民、行政、企業等あらゆる層の人々がともに協力し、創意工夫のもとに、日野市のまちづくりを進めていくことを位置付け、参画と連携と協働のいわゆるパートナーシップのまちづくりの精神を表しています。

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3つの目標

<住みいいまち>

住みいいまちとしての日野は、まず、住み続けられるまちとして良好な住環境づくりを目指します。地形条件等を踏まえながら、地域ごとの特性を生かし、個性があり住みやすい、いわゆる住みいいまちを目指しています。

<ここちいいまち>

ここちいいまちとしての日野は、子ども、障害者、高齢者などすべての市民がわけへだてなく、互いの人権を尊重しつつ、地域の中で互いに助け合い、敬い、ふれあい、そしてすべての市民が対等の立場で、心のかようここちいい関係をつくることができるまちを目指しています。

<いきいきのまち>

いきいきとしたまちとしての日野は、健全な市財政を確立し、すべての人が政策形成に参画でき、市民意見が行政運営に反映されるしくみのあるまちづくりを目指しています。そして、日野の人々がいきいきとして、また日野の地域が「いきいき・にぎわい・魅力」のあるまちを目指しています。

(2) 将来都市像を実現するための10の柱

本市の将来都市像を実現するために、3つの目標のもとで、まちづくりの10の柱を市民と行政の参画、連携、協働のもとで、総合的かつ計画的に推進していきます。

日野いいプラン2010 3つの目標とまちづくりの10の柱

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2―3 まちづくりの10の柱

日野いいプラン2010 10の施策大綱

(1) 参画と協働のまちづくり

すべての市民が政策形成や計画策定への参画ができる機会の拡大を図ります。そして、その成果が行政運営に反映されるしくみを整え、協働のまちづくりを進めるとともに、市民にわかりやすい、開かれた市政を推進します。

また、地方分権や規制緩和への対応を図り、市民本位の行政運営を推進するため、健全な市財政の確立と行財政改革大綱の推進はもちろん、十分な情報の公開を進め、市民への説明責任を果たすとともに、行政評価システムをもとにした行政の簡素化、効率化を進めていきます。

① 参画・協働のまちづくりを進めよう

地方分権の新しい動向を踏まえ、市民の自主と協働に基づくまちづくりを進めるために、市民参画のもと日野いいプラン2010施策の推進体制を確立します。さらに、市政への市民参画を推進するための環境整備を行っていきます。

② 市民本位の行政運営を進めよう

地方分権を推進するとともに、市民にわかりやすく、開かれた市政を目指して、行政評価システム等の導入を図ります。

また、行政の効率化と市民の利便性の向上を図るとともに、健全な市財政確立に向けた諸施策を展開し、市民参画に基づく市民本位の行財政を運営していきます。

③ 議会に関心を持とう

市民参画によるまちづくりの成果が、確実に行政に反映されるためにも、議会への関心を深めるとともに、議会と市民との交流や懇談等の場を議会とともに考えていきます。

(2) 日野人ひのびと・日野文化を育てるまちづくり

この計画を推進していくための最大のポイントは、その実施主体である「人」にあります。しかし、この人材はすぐに準備できるものではなく、地道な活動に基づく長い時間をかけて育てられるものです。

そこで、これからの日野のまちづくりを進めていくことに夢を持つ人材を市民、行政の協働により子どもから高齢者まで含め育てていきます。

また、これからの人材は、自らの個性を十分に発揮していくことはもちろん、広く国際的な視野も備えていく必要があり、それを実現するためのグローバルな視点に立ったまちづくりを進めます。

① 日野人ひのびとを育てよう

体系的な生涯学習の機会と場の充実を図り、子どもから高齢者まで市民の誰もが、自己実現を達成するさまざまな活動を保障していきます。そのために、生涯学習センター等を整備し、生涯学習の拠点づくりを進めていきます。また、日野のまちづくりを推進していくための人材を育てるため、生涯学習の諸活動の支援を積極的に進めていきます。

② グローバルな社会をつくろう

社会のグローバル化の進展に対応した市政を推進します。市民団体などの交流や参画を通じて、異文化の理解を深め、市民や外国人にも生活しやすい地域社会や、くらしやすい環境づくりを進めていきます。

③ 日野文化を築こう

市民が創り、育んできた日野文化をさらに発展させます。また、日野の地域文化おこしや新たな日野文化づくりを進めていきます。

④ 心豊かなひのっ子を育てよう

子どもが豊かな人間性やたくましい心身を備え、社会的、国際的な感覚を高められるように、家庭、地域、学校が連携、協働して、変化する社会にふさわしい学校づくりを進めていきます。また、ゆとりある教育環境づくりと開かれた教育行政を推進し、心豊かなひのっ子を育てていきます。

(3) ふれあいのあるまちづくり

ふれあいのあるまちづくりには、地域のコミュニティづくりが不可欠であり、地域コミュニティの再生・構築が必要です。そのための地域の交流の場(施設)づくりと、市民が地域のことを考え活動するしくみづくりとその活性化を進めていきます。

① 心のふれあうコミュニティづくりを進めよう

心のふれあいと、人と人との支えあいのある地域社会を目指して、地域における交流を進めていきます。また、防災や環境、教育や福祉など地域社会における相互支援機能の強化を図ります。そのため、地域ごとにその特性を生かしたコミュニティセンターを体系的に整備し、有効活用を図り、地域からのまちづくりの展開と諸活動の活性化を進めていきます。

② 地域の交流の場づくりを進めよう

家庭、地域、学校の連携と協働により、子どもの生活と活動に対応した良好な地域社会づくりを進めていきます。子どもたちが地域社会のなかで、さまざまな体験やふれあいを積み重ね、心豊かに育つように、子どもの自主性・主体性を生かした子どもの居場所づくりに取り組みます。また、学校を地域の拠点として位置付けながら、子どもたちの育成に地域社会も責任を持った体制づくりを進めていきます。

(4) 対等の立場で心のかようまちづくり

高齢者、障害者、子どもなどすべての人が人権を尊重される地域社会を築いていきます。

男女平等参画社会をつくるために、男女平等の意識をつくり、男女が平等に職場、家庭、地域のあらゆる場で活動できる社会を築いていきます。

また、市民と行政が地域の中でそれぞれの役割分担のもとに、心のかよう地域ぐるみでの福祉のまちづくりを進めていきます。

① 人権尊重のまちづくりを進めよう

世界平和の視点を取り入れた市政の推進を図るとともに、すべての人々が差別や偏見のないように、人権の尊重される施策を進めていきます。

② 男女がいきいきと活動できるまちづくりを進めよう

これまでの固定的な性別による役割分担の考え方にとらわれることなく、あらゆる分野において、男女がともに参画・協働する地域社会づくりを目指します。さらに、男女平等と性の尊重の意識づくりを図り、男女それぞれの個性と能力を十分に発揮して、いきいきと活動できるまちづくりを進めていきます。

③ 地域ぐるみの福祉のまちづくりを進めよう

子どもや高齢者、障害をもつ人をはじめ、すべての人々が家庭や住み慣れた地域の中でくらし続けられることが望まれています。そのため、それぞれの対象者に合ったきめ細かなサービスが総合的に提供できるシステムづくりを進め、保健医療との連携のもとでの福祉行政の展開を推進します。

また、高齢者が元気に自立したくらしができ、そして、地域社会を支える一員としての役割を果たしていけるように、生きがいを感じられる場、働く場の確保などの環境整備を進めていきます。

(5) だれもが健やかでいられるまちづくり

いつまでも健康でいられるために、地域の中に散策路、ジョギングコース、スポーツ広場などの健康増進の場づくりを進めるとともに、病気の予防と健康づくりの地域コミュニティ活動を推進します。

また、心身ともに健康な生活を送るため、予防、早期治療に向けた、健康診断・相談等を充実し、保健医療体制の整備・充実を図ります。

① 健康づくりを促進しよう

市民一人ひとりの健康づくりのために、「自分の健康は自分で守る」という意識のもと、生涯を通じた心と体の総合的な健康づくりを進めていきます。

② いざ!というときのための保健医療体制づくりを進めよう

心身ともに健康な生活を送るために、病気の予防や早期発見、早期治療、リハビリテーションなど、市民それぞれのニーズに対応した健康診断や相談事業を拡充し、保健医療体制の整備を進めていきます。

(6) 住みやすいまちづくり

住みやすく、そして将来にわたり住み続けられる定住都市としての良好な住環境づくりを、身近な生活環境の安全確保の視点も含め進めます。日野の特徴でもある地形条件等を踏まえ、地域ごとの特性を生かしながら個性ある住みやすいまちづくりを進めていきます。

また、区画整理事業についても、時代の状況に応じた事業の展開を図っていきます。

① 住みやすい住環境づくりを進めよう

地域の特性を十分に生かして、それぞれの地域の計画的なまちづくりを推進するとともに、ライフステージ・ライフスタイルに応じた住まいづくりを支援します。また、居住環境上、防災安全上、特に改善を要する地域での重点的なまちづくりを進めていきます。さらに、身近な生活環境についても適切な安全確保に努めていきます。

② 段階的に区画整理を進めよう

現在進められている区画整理事業地区においては、それら各地区の事業状況を考慮し、その整備方針等についての見直しを行うなど、柔軟で段階的な事業を進めていきます。

(7) 気軽に出かけられるまちづくり

丘陵地や坂道など、日野の地形特性を踏まえ、誰もが気軽に外出でき、社会で活動できるための環境整備を推進します。特に、外に気軽に出かけられるよう、バス路線や道路の改善を図ります。

① 人にやさしいみちづくりを進めよう

市の地形条件等の特性に配慮しながら、子どもや高齢者、障害者をはじめ、すべての人にやさしい道路環境づくりを進めていきます。特に、高齢者や障害をもつ人への配慮をした道路、駅、公共施設のバリアフリー化を進め、気軽に外出できるような移動空間と移動手段の改善を進めていきます。

② 便利な交通システムをつくろう

各駅及び公共施設等に便利に移動できるよう、「いつでも、どこでも、だれでも」が利用しやすい交通システムづくりを進めます。

(8) 自然と人が共生するまちづくり

地球規模での環境問題の視点に立ち、環境共生時代への対応としてごみ対策や、水、空気などの地域環境、省資源、省エネルギー対策のまちづくりを環境基本計画の具体化により進めていきます。

また、日野の農業振興も含めての水辺とみどりの豊かなまちづくり、自然と人が共生するまちづくりを進めていきます。

① 循環型まちづくりを進めよう

かけがえのない地球を守っていくためにも、限りある資源を有効に利用できる資源循環型社会への転換と環境共生のまちづくりを進めていくことが必要です。環境問題は、人々のくらしと密接な関係があることを認識し、市民・企業・行政がそれぞれの立場に応じた役割と責任を果たしていくことが大切です。

特に、ごみ問題においては、それぞれの役割分担のもと、ごみの発生抑制や減量化、再利用、資源化などを協力して推進し、「ごみゼロ社会」を目指します。

② 水辺とみどりの豊かなまちづくりを進めよう

水辺やみどりは、人々の心に安らぎとうるおいをもたらす貴重な環境資源です。日野の地勢、地形がつくる水辺・みどりを次の世代へと引き継ぐとともに、それらを活用した豊かなまちづくりを進めていきます。

③ 農あるまちづくりを進めよう

年々減少の一途にある日野の農地ですが、環境共生都市として農地には大きな役割があります。環境学習や体験の場など都市農業・農地の多面的な価値を見出しながら市民との交流を広げ、農業者を支援し、農地を次世代に残す、農あるまちづくりを推進します。

(9) 安全で安心なまちづくり

平成7年(1995年)に起きた阪神・淡路大震災は、私たちに都市における災害について多くのことを語りかけています。

そこで、これまでの教訓を踏まえ、災害発生に備えた、安全な都市、地域づくりを進めていきます。また、防犯対策についても地域ぐるみで対応していくことが必要となります。

また、快適な生活を営む都市空間として公園を安全面も含め特徴あるものとして整備していきます。

① 安全で安心なまちづくりを進めよう

災害に強いまちづくりを目指して、市街地の安全性の確保や水害対策を進めるとともに、市民防災体制づくりを進めていきます。また、犯罪のないまちづくりを目指して、地域ぐるみの防犯対策の推進を図るとともに、交通安全対策を推進し、安心して歩いてくらせるまちづくりを進めていきます。

② 快適で魅力ある広場づくりを進めよう

住みよい住環境づくりには、安全、安心はもとより快適さと、うるおいが必要となります。そのために、公園、広場の計画的配置を進めるとともに、地域特性を生かした特徴ある公園広場づくりを市民参画のもとで進めていきます。

また、地域の地形等を踏まえ、日野の風景づくりを進め、地域の魅力を創出していきます。

(10) 個性と魅力と活気のあるまちづくり

これからのまちづくりを考えていく上でのキーワードとして「いきいきとした」「活力ある」があげられます。ここでは、このまちの元気さについて、産業振興の視点から位置付けるとともに、「計画的な土地利用の推進」を大局的な都市政策の視点から盛り込んでいます。

そこで、駅前を中心とした商業拠点づくり、日野市の根幹である農業、そして工業の支援などについて、土地利用の視点からも位置付けていきます。また観光については、単にモノとしての日野ブランドだけでなく、自然と文化をもとにした地域特性、いわゆる「日野らしさ」についても位置付けます。

① 地域特性を生かした個性あるまちづくりを進めよう

市民が安心して快適にくらし、住み続けられるように、都市の地形条件や環境負荷等に配慮した、都市基盤施設の整備や土地利用の適正な誘導を図り、持続可能なまちづくりを目指します。

② 魅力とにぎわいのある拠点づくりを進めよう

都市の魅力として、くらしの場であるとともに、経済、文化活動が活発に行われるにぎわいのある拠点ということがあげられます。広域的な都市のつながりを考慮しつつも、市内の三大駅を中心にそれぞれの地域特性を生かし、市民参画のもとで、バリアフリーに配慮した、魅力とにぎわいの拠点づくりを進めていきます。

③ 働く場のあるまちづくりを進めよう

地域にふさわしい活力のある産業づくりを目指し、工業、商業振興の支援を図るとともに、地場産業の育成を進め、働く場の確保に努めていきます。

また、日野の農業については、農業基本条例のもとに、都市農業への市民の深い理解を得ながら、積極的に保全し育成していきます。

さらに、日野の産業、文化、観光、歴史条件等の連携をもとにした、日野ブランドの開発を進め、新しい日野の魅力「日野らしさ」づくりを進めていきます。

3章 基本構想・基本計画の推進に向けて

将来都市像「ともに創りあげる住みいい・ここちいい・いきいきのまち日野」の実現に向け、10の柱に沿った取り組みを推進していくため、市民と行政の参画・連携・協働のもとに、基本計画及び市民行動計画指針の策定を図り、具体的な施策展開の道筋を明らかにしていきます。

3―1 庁内体制づくり

基本計画及び市民行動計画指針のもとに、具体的なまちづくりの施策展開を推進するにあたっては、市民意見が行政運営に反映され、市民と行政とがともに話し合いのできるしくみを整え、協働のまちづくりを進めていきます。また、庁内体制としては、市民との信頼と協働の関係をつくるためにも、施策の総合的な視点のもとでの横断的な組み立てや各課の連携など、進行管理体制を確立していきます。

3―2 市民行動計画の策定

参画・連携・協働のまちづくりを進めていくため、市民行動計画指針のもとに策定される市民行動計画において、市民・企業・行政の役割分担を明確にしながら、それぞれ主体的に活動を推進していく環境づくりを整えていきます。

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第4次日野市基本構想

平成13年3月26日 議決

(平成13年3月26日施行)

体系情報
第1編 規/第3章 基本構想・基本条例
沿革情報
平成13年3月26日 議決