○日野市障害者生活・就労支援事業実施要綱
平成20年6月24日
制定
(目的)
第1条 この事業は、障害者の一般就労の機会の拡大を図るとともに、障害者が安心して働き続けられるよう、身近な地域において就労面と生活面の支援を一体的に提供することにより、障害者の一般就労を促進し、障害者の自立と社会参加の一層の促進に資することを目的とする。
(実施主体等)
第2条 この事業の実施主体は、日野市とする。ただし、社会福祉法人等であって、生活・就労支援事業を適切に運営することができると市長が認めるものに、事業の全部又は一部を委託することができる。
(支援対象者)
第3条 この事業の支援対象者は、市内在住のおおむね60歳未満の障害者(児)で、一般就労を希望する在宅の障害者(児)及び就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、小規模作業所等の福祉的就労をしている障害者(児)並びに企業・事業所等に在職している障害者(児)などとする。
(1) 就労面の支援として、次に掲げる支援を行う。
ア 職業相談
利用者、家族及び雇用者などからの就労全般に関する相談に応じる。
イ 就職準備支援
利用者の適正・力量を把握し、就労意欲や職業能力を高めるなど、就職に向けた支援を行う。
ウ 職場開拓
公共職業安定所への同行や独自の職場開拓などにより、利用者の求職活動を支援する。
エ 職場実習支援
職場実習に際して、通勤援助、実習先での職務分析及び実務援助のほか、雇用者等に利用者に対する理解を深め、職場環境の調整を行うなどの支援を行う。
オ 職場定着支援
就職時の労働契約の締結に当たっての支援をはじめ、利用者が安心して働き続けられるよう、一定期間、職場内で様々な支援を行うほか、職場でのトラブルを未然に予防し、解決するために、定期的に又は随時、訪問して、利用者、家族及び雇用者等に対し必要な助言や調整などを行う。
カ 離職時の調整及び離職後の支援
離職時の雇用者との調整及び諸手続のほか、離職後の生活設計などの相談に応じて、利用者の状況や希望に沿った支援を行う。
(2) 生活面の支援として、次に掲げる支援を行う。
ア 日常生活の支援
出勤準備、通勤、就業、休憩、食事など、利用者の日常生活のリズムの調整を図るとともに、利用者の健康管理や金銭管理等に関して相談・助言を行う。
イ 安心して職業生活を続けられるための支援
就職前及び就職後の利用者の不安や悩みを解消するためのカウンセリング、家族や職場の同僚との対人関係に関わる相談・調整のほか、単身生活を希望する者に対して、住まいの確保、年金等の申請、福祉サービス等の利用援助などの具体的な支援を行う。
ウ 豊かな社会生活を築くための支援
利用者の就業後の時間帯や休日等の過ごし方や金銭の使い方への助言を行うとともに、買い物、娯楽、趣味、スポーツ・文化、旅行、地域交流など多様な活動への利用者の参加を支援するほか、本人活動などの育成・支援を図る。
エ 将来設計や本人の自己決定支援
利用者が働きながら独立自活を目指したり、結婚、出産、育児などの将来設計を行う場合に相談に応じ、具体的な選択肢とともに、選択に当たり本人がなすべき準備や選択した結果に対する責任の取り方などについて説明した上で、利用者の自己選択・自己決定を支援する。
2 前項の支援のほか、就労希望者を掘り起こしていくとともに、企業側に対する障害者雇用へのアプローチを積極的に行い、福祉就労から一般就労への環境整備を進めていくために、次に掲げる支援を行う。
(1) 就労希望者の積極的な掘り起こし
障害者の特性、状況を踏まえつつ、障害者の就労面における可能性、適性を見極め、福祉施設等から就労を希望する障害者の掘り起こしを行う。
(2) 一般就労への働きかけや意識改革
授産施設等福祉施設へ出向き、施設経営者、職員、家族、利用者本人に対して、一般就労に対する意識づけ、意識改革などの専門的支援を行う。
(3) 障害者雇用に取り組む企業への支援
企業に対する障害者雇用へのアプローチ・新規開拓、障害者雇用に対する不安解消、雇用後の継続的な助言・支援等を行う。
(職員配置等)
第5条 事業実施者は、この事業を効果的かつ効率的に運営するため、次の各号に規定する職員を配置する。
(1) 前条第1項の支援を行う者として、主として就労面の支援を担当する就労支援コーディネーターと、主として生活面の支援を担当する生活支援コーディネーターを各1名以上配置し、相互に連携して利用者等の支援に当たるものとする。なお、少なくとも3名を常勤とし、うち1名を事業を統括する責任者とする。
(2) 前条第2項の支援を行う者として、地域開拓促進コーディネーターを、就労支援、生活支援コーディネーターとは別に1名以上配置し、相互に連携して利用者の支援に当たるものとする。
2 事業実施者は、次に定めるコーディネーターを選任する。
(1) 就労支援コーディネーター及び生活支援コーディネーターについては、特定の資格を有することを要しないが、障害者の就労支援と生活支援に関する相当の知識や経験を持つ者を持って充てるものとする。
(2) 地域開拓促進コーディネーターについては、特定の資格を有することを要しないが、障害者の障害特性、支援方法等について一定の知識経験を有している者で、企業の障害者雇用経験者など、障害者の一般就労に関する実績、経験を有している者をもって充てるものとする。
3 コーディネーターの責務については、次の各号に定めるものとする。
(1) コーディネーターは、利用者及びその家族のプライバシーの尊重に十分に配慮するとともに、支援業務を遂行する過程で知り得た情報については、漏らしてはならない。また、関係者及び関係機関との信頼関係を失うことのないよう、情報は常に慎重を期して取り扱わなくてはならない。
(2) コーディネーターは、利用者本人や関係者及び関係機関から収集した情報を踏まえ、利用者等の合意を得ながら、個別支援計画を作成するものとする。また、利用者等への支援を行った場合は、具体的な支援内容や利用者等の状況などについて記録し、保管するものとする。
(3) コーディネーターは、この事業の果たすべき役割の重要性にかんがみ、各種の研修会や他の職種の者との交流など、あらゆる機会をとらえて支援技術の向上を図るための自己研さんに努めるものとする。
(事業実施上の留意事項)
第6条 事業実施者は、利用者等の支援の経過等について記録し、保管するものとする。
2 事業実施者は、この事業に係る経理と他の事業に係る経理とを明確に区分するものとする。
3 事業実施者は、この事業が効果的かつ円滑に行われるよう、関係機関等と相互の情報交換や連携を図るものとする。
(秘密保持義務)
第7条 コーディネーター若しくはこの事業の実施に係る職員又はこれらの職にあった者は、この事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(事業の委託)
第8条 市長は、第2条ただし書の規定により事業を委託したときは、当該委託を受けたもの(以下「事業受託者」という。)と緊密な連携を図り、事業の円滑な実施に努めるものとする。
2 市長は、事業受託者の意見を十分に尊重するとともに、公的な保健福祉サービス等の提供に努めるものとする。
3 市長は、事業受託者に対し、年1回以上、定期的に相談・支援の内容等の事業実施状況の報告を求めるとともに、必要に応じて事業実施状況について調査を行うものとする。
また、調査の結果、事業が適切に運営されていないことが認められる場合には、事業の委託契約を解除することができる。
(その他)
第9条 この要綱に定めるもののほか、この事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。
付 則
この要綱は、平成20年7月1日から施行する。
付 則(平成23年4月1日)
この要綱は、平成23年4月1日から施行する。