○日野市がん対策推進基本条例
平成24年9月28日
条例第37号
がんは、二人に一人が侵される、国民病といわれています。
日野市は、この状況を深く認識し、がんに打ち勝つためのあらゆる方策を市民みんなで考え、取り組む市として、まずは、がんの予防を第一として、市民のがんに対する意識を高め、さらに、子どもたちへのがんに関する教育の重要性を強く認識し、がんに関する学習を積極的に進めるよう努力します。
また、人口の高齢化とともに、がん罹患者の数、死亡者の数は今後とも増えていくことが見込まれると同時に、医療技術の進歩により社会復帰を果たす方や、長期の療養生活を送る方も増えていくことが見込まれています。
がん患者及びその家族の持つ情報量や経済力によって受けられる治療や療養生活に格差が生じないよう努めなければなりません。
日野市は、がん患者及びその家族が安心して適切な治療と療養生活を送ることができるよう、市全体で支える環境を整えていきます。
がんを予防する。がんと立ち向かう。
そのための第一歩として、がんに負けない社会を実現するための理念、「日野市がん対策推進基本条例」を制定するものです。
(目的)
第1条 この条例は、がんに負けない社会の実現に向けた市のがん対策の基本事項を定めることにより、がん対策の総合的な施策の推進に資することを目的とする。
(市の責務)
第2条 市は、がん対策に関し、がんに関する正しい知識の普及啓発及び予防に実効性のある施策の実施に努めるとともに、保健医療関係者並びにがん患者及びその家族と連携を図りながら、必要な施策を実施するよう努めるものとする。
(市民の役割)
第3条 市民は、がんに関する正しい知識を持ち、喫煙、食生活、運動及び生活習慣の改善等、がん予防に努めるとともに、市が行うがん予防・検診事業に積極的に参加し、がんの早期発見・早期治療に努めるものとする。
(保健医療関係者の役割)
第4条 保健医療関係者は、市が実施するがん対策に関する施策に協力し、がん予防に努めるとともに、適切ながん医療を提供できるよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第5条 事業者は、従業員に対するがん対策に関する啓発活動及びがん検診受診率の向上に努めるとともに、がんに罹患した従業員及びその家族等に対して、公的な生活支援策等に関する適切な情報提供に努めるものとする。
(国・都等との連携)
第6条 市は、国、東京都、保健医療関係者等との連携を図りながら、市の特性を生かしたがん対策を推進するものとする。
(がんの予防及び早期発見の推進)
第7条 市は、食生活、運動及び生活習慣の改善並びに喫煙率の削減等、健康対策を進める。
2 市は、がん検診受診率向上のための施策を推進し、がんの早期発見・早期治療に努めるとともに、女性に特有のがん等、性別及び年齢に応じたがんに対する効果的な施策の実施に努めるものとする。
(地域医療連携の推進・在宅医療の体制整備)
第8条 市は、保健医療関係者、介護事業者等と連携し、がん患者及びその家族が居宅等において、適切ながん治療を受けることができる環境整備に努めるとともに、がん患者と保健医療関係者、介護事業者が相互に連携できる体制の整備に努めるものとする。
(緩和ケアの推進)
第9条 市は、保健医療関係者、関係団体と連携を図り、がんの発見段階から適切な緩和ケアを提供できるよう環境整備に努めるものとする。
(がん患者及びその家族への支援)
第10条 市は、がん患者及びその家族の精神的・経済的不安軽減のための情報提供、相談体制及び情報交換の場の確保等、環境整備に努めるものとする。
(がんに関する教育等の推進)
第11条 市及び教育委員会は、学校その他の教育機関及び保健医療関係者、がん対策推進関係者、がん体験者等との連携を図り、児童及び生徒に対しては、がんについての理解及びがん(生活習慣病)予防のための教育を、市民に対しては、がんに関する正しい知識の普及啓発を推進するものとする。
(地域がん登録の推進)
第12条 市は、がん対策及び医療の向上に資するため、東京都地域がん登録事業実施要綱に基づく地域がん登録を推進する。
2 市は、地域がん登録を推進するに当たり、がん患者の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずるものとする。
(がん対策推進基本計画の策定)
第13条 市は、がん対策に関する計画について、国及び東京都の計画との整合性を図りながら、健康増進法(平成14年法律第103号)に基づく市の健康増進計画において定めるものとする。
付則
1 この条例は、平成24年11月1日から施行する。
2 この条例の施行後、がん対策の推進状況を勘案し、必要があると認める場合には、所要の検討のうえ、必要な措置を講ずるものとする。