○日野市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等指導監査実施要綱
令和2年4月1日
制定
(趣旨)
第1条 この要綱は、子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号。以下「支援法」という。)及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)の規定に基づき、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業者並びに特定子ども・子育て支援施設等(以下「施設等」という。)に対して、日野市(以下「市」という。)が実施する指導及び監査(以下「指導監査」という。)について、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において使用する用語の意義は、支援法及び児童福祉法で定める用語の例による。
(指導監査の目的)
第3条 指導監査は、支援法、児童福祉法その他の法令(以下「関係法令」という。)に照らし、日野市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例(平成26年条例第13号)及び日野市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例(平成26年条例第14号)等の適合状況について、個別的に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、施設等の適正な運営及びサービスの質の確保並びに利用者支援の向上を図ることを目的とする。
(指導監査の実施方針)
第4条 市長は、指導監査を重点的かつ効果的に行うため、重点項目等を掲げる実施方針を毎年度、別に定めるものとする。
(関係書類の提出)
第5条 市長は、指導監査の実施に当たっては、施設等から指導に必要な関係書類の提出を求めることができる。
(指導監査基準)
第6条 市長は、指導監査に係る項目、関係法令等及び評価事項等を集約した指導監査基準(以下「市の基準」という。)を別に定める。
2 市の基準における評価区分は、別表に掲げる区分とする。
(指導の基本方針)
第7条 指導は、支援法第33条に定める特定教育・保育施設の設置者、支援法第45条に定める特定地域型保育事業者及び支援法第58条の3に定める特定子ども・子育て支援提供者の責務、市の基準及び施設型給付費等の請求等に関する事項について周知徹底させるとともに過誤、不正の防止を図ることを目的として実施するものとする。
(指導形態)
第8条 指導の形態は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 集団指導
(2) 訪問指導
(3) 実地指導
(指導の選定基準)
第9条 指導は、全ての施設等を対象とするが、重点的かつ効率的な指導を行う観点から、次の各号に掲げる選定基準により実施するものとする。
(1) 集団指導
ア 新たに確認を受けた施設等については、概ね1年以内に全てを対象として実施する。
イ アの集団指導を受けた施設等については、その後の制度の改正、施設型給付費等の請求の実態、過去の事例等に基づき必要と考えられる内容が生じたときに、当該指導すべき内容に応じて、対象となる施設等を選定して実施する。
(2) 訪問指導
施設等からの相談や運営状況に応じて、対象となる施設等を選定して実施する。
(3) 実地指導
ア 施設等の市の基準等の遵守状況、集団指導の状況、東京都が行う認可等の事務の状況等を勘案して定期的かつ計画的に実施する。
イ 実地指導の結果、指摘事項に係る改善状況に問題がある等により引き続き指導等が必要と認められる施設等については、翌年度において実施することができる。
ウ その他、特に実地指導が必要と認められる施設等を対象に実施する。
(指導の実施)
第10条 指導の実施方法は、次のとおりとする。
(1) 集団指導
ア 集団指導の対象となる施設等を決定したときは、あらかじめ集団指導の日時、場所、予定されている指導内容等を当該施設等に通知する。
イ 集団指導は、市の基準等、施設型給付費等の請求の方法、制度改正の内容及び過去の指導事例等に基づく指導内容等について、一定の場所に集めて講習会等の方法により行う。
(2) 訪問指導
ア 訪問指導の対象となる施設等を決定したときは、あらかじめ訪問指導の目的、日時及び場所等を当該施設等に通知し、又は通知せずに実施する。
イ 訪問指導は、市の基準等の遵守状況や施設型給付費等の請求状況等について確認するため、施設等に訪問し助言、指導及び運営面の相談等を行う。
(3) 実地指導
ア 実地指導の対象となる施設等を決定したときは、あらかじめ実地指導の根拠規定、目的、日時、場所、出席者及び準備すべき書類等を文書により当該施設等に通知する。ただし、施設等の運営等に問題が発生した場合又は当該通知を行うことで問題が発生するおそれがあると認められる場合は、上記によらず実地指導の開始時に文書を提示する等の方法により通知することができる。
イ 実地指導は、市の基準等の遵守状況を確認するために必要となる関係書類の閲覧及び関係者との面談等により行う。なお、必要に応じて、あらかじめ指導事項を限定して定め、短時間で実施することができるものとする。
ウ 実施体制は、原則として係長級以上の職にある者を長とする職員2名以上で実地指導班を編成する。実地指導の効果を高めるために、必要に応じて、関係行政機関職員又は当該施設等に関係する者に対し、実地指導への立会いを求め、又は必要事項の調査、照会を行うことができる。
エ 実地指導結果の講評は、実地指導終了後、当該施設等の設置者及び施設長等に対して、指導事項票を用いて行い、改善の必要な事項等を口頭で指示する。ただし、法令解釈等で疑義が生じた場合などは、現地での講評を行わず、関係者を招致して行うことができる。
オ 実地指導担当職員は、実地指導終了後、直ちにその結果について綿密に検討し、問題点のある場合はそのことを明確にした上で、検討結果に基づき実地指導結果を当該施設等の設置者に文書で通知する。この場合、市の基準における評価区分に照らして文書指摘事項が認められるときは、問題点及び改善方法等を具体的に通知する。なお、実地指導をより効果的なものとするため、実地指導結果通知は、実地指導終了後速やかに行う。
カ 実地指導結果通知における文書指摘事項については、施設等の設置者に対し、当該実地指導結果通知の到達日から原則として30日以内に改善状況報告書の提出を求め、その改善内容を書面により確認するほか、必要に応じ、現地で確認する。
(監査への変更)
第11条 市長は、実地指導中に次の各号のいずれかに該当する状況を確認した場合は、直ちに監査を行うものとする。
(1) 著しい市の基準等の違反が確認され、当該施設等を利用する小学校就学前子どもの生命又は身体の安全に危害を及ぼすおそれがあると判断した場合
(2) 施設型給付費等の請求に不正又は著しい不当が認められる場合
(3) 正当な理由がなく実地指導を拒否した場合
(4) 前条第3号カの規定により提出を求めた改善状況報告書の内容から、施設等の設置者が指摘した事項を改善する意思がない又は改善することを怠っていると認める場合
(監査の基本方針)
第12条 監査は、施設等について、第15条に規定する行政上の措置に相当する違反の疑いがあると認められる場合又は施設型給付費等の請求について不正若しくは著しい不当(以下「違反疑義等」という。)が疑われる場合において、事実関係を的確に把握し、公正かつ適正な措置をとることを目的として実施するものとする。
(監査の選定基準)
第13条 監査は、次の各号に掲げる情報を踏まえて違反疑義等の確認について特に必要があると認める場合に行うものとする。
(1) 通報・苦情・相談等に基づく情報(具体的な違反疑義等が把握でき、又は違反が疑われる蓋然性がある場合に限る。)
(2) 施設型給付費等の請求データ等の分析から特異傾向を示す施設等に係る情報
(3) 実地指導において確認した違反疑義等に関する情報
(4) 死亡事故等の重大事故の発生又は児童の生命・心身・財産への重大な被害が生じるおそれに関する情報
(5) 意図的な隠ぺい等の悪質な不正が疑われる情報
(監査の実施)
第14条 監査の実施方法は、次のとおりとする。
(1) 監査の対象となる施設等を決定したときは、あらかじめ監査の根拠規定、目的、日時、場所、出席者及び準備すべき書類等を文書により当該施設等に通知する。ただし、施設等の運営等に問題が発生した場合又は当該通知を行うことで問題が発生するおそれがあると認められる場合は、上記によらず監査の開始時に文書を提示する等の方法により通知することができる。
(2) 前条に規定する監査の選定基準を踏まえ、施設等に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、出頭を求め、又は市の職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該施設等、事務所その他当該施設等の事業に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他物件の検査を行う。
(3) 原則として係長級以上の職にある者を長とする職員3名以上で監査班を編成する。監査の目的・効果をその都度勘案し、問題の重要性や緊急性等の状況に応じ、重点的又は改善が図られるまで継続的に実施する。
(4) 監査結果の講評は、監査終了後、当該施設等の設置者及び施設長等に対して、指導事項票を用いて行い、改善の必要な事項等を口頭で指示する。ただし、法令解釈等で疑義が生じた場合などは、現地での講評を行わず、関係者を招致して行うことができる。
(5) 監査担当職員は、監査終了後、直ちにその結果について綿密に検討し、問題点のある場合はそのことを明確にした上で、検討結果に基づき支援法に定める行政上の措置には至らない軽微な改善を要すると認められた事項については、監査結果を当該施設等の設置者に文書で通知する。この場合、市の基準における評価区分に照らして文書指摘事項が認められるときは、問題点及び改善方法等を具体的に通知する。なお、監査をより効果的なものとするため、監査結果通知は、監査終了後速やかに行う。
(6) 監査結果通知における文書指摘事項については、施設等の設置者に対し、当該監査結果通知の到達日から原則として30日以内に改善状況報告書の提出を求め、その改善内容を書面により確認するほか、必要に応じ、現地で確認する。
(行政上の措置)
第15条 市長は、施設等に違反疑義等が認められたときは、次の各号に定めるところにより行政上の措置を行うものとする。
(1) 勧告
施設等の設置者等に支援法第39条第1項各号、第51条第1項各号及び第58条の9第1項各号に定める基準違反等が認められた場合、当該施設等の設置者等に対し、期限を定めて、文書により基準の遵守等を行うべきことを勧告することができる。当該施設等の設置者等は、勧告を受けた場合は、期限内に文書により改善状況報告書を提出するものとする。
(2) 命令
施設等の設置者等が正当な理由がなくその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該施設等の設置者等に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命令することができる。なお、命令を行った場合には、その旨を公示するとともに、遅滞なく、その旨を都知事に通知しなければならない。当該施設等の設置者等は、命令を受けた場合は、期限内に改善状況報告書を提出するものとする。
(3) 確認の取消し等
第1号に規定する基準違反等の内容が、支援法第40条第1項各号、第52条第1項各号及び第58条の10第1項各号のいずれかに該当する場合においては、当該施設等に係る確認を取消し、又は期間を定めてその確認の全部若しくは一部の効力を停止(以下「確認の取消し等」という。)することができる。なお、確認の取消し等をしたときは、遅滞なく、当該施設等の設置者等の名称等を都知事に届け出るとともに、これを公示しなければならない。
(聴聞・弁明の機会の付与)
第16条 市長は、監査の結果、当該施設等の設置者等に対して、命令又は確認の取消し等の処分(以下「取消処分等」という。)を行おうとするときは、監査後、取消処分等の予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項各号の規定に基づき、聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならない(同条第2項各号のいずれかに該当する場合を除く。)。
(不正利得の徴収)
第17条 市長は、勧告、命令又は確認の取消し等を行った場合において、当該取消し等の基礎となった事実が支援法第12条に定める偽りその他不正の手段により施設型給付費等を受けた場合に該当すると認めるときは、施設型給付費等の全部又は一部について、同条第1項の規定に基づく不正利得の徴収(以下「返還金」という。)として徴収を行う。
2 前条に加え、命令又は確認の取消し等を行った施設等について不正利得の徴収として返還金の徴収を求める際には、原則として、支援法第12条第2項の規定により、当該施設等に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせるものとする。
(東京都及び関係行政機関との連携)
第18条 市長は、東京都及び関係行政機関と指導監査に関する必要な連携を行う。
2 市長は、指導監査に関する情報については、東京都及び関係行政機関に対して、必要な情報提供を行うこととする。
(指導監査情報の公開)
第19条 市長は、指導監査に関する情報について、個人情報など法令等により非開示とされる場合を除き、公開に努めるものとする。
2 指導監査結果及び改善状況については、今後の事業者指導等に支障があると認める場合を除き、原則として市ホームページへ掲載し、市民へ広く情報提供を行うこととする。
(その他)
第20条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。
付則
この要綱は、令和2年4月1日から施行する。
付則(令和6年4月1日)
1 この要綱は、令和6年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
2 この要綱による改正後の日野市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等指導監査実施要綱第10条第3号及び第14条第6号の規定については、施行日以後に発送した実地指導結果通知について適用し、施行日前に発送した実地指導結果通知については、なお従前の例による。
別表 評価区分(第6条、第10条、第14条関係)
評価区分 | 指導形態 | |
C | 文書指摘 | 福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合(軽微な違反の場合を除く。)は、原則として「文書指摘」とする。 ただし、改善中の場合、特別な事情により改善が遅延している場合等は「口頭指導」とすることができる。 |
B | 口頭指導 | 福祉関係法令以外の関係法令又はその他の通達等に違反する場合は、原則として「口頭指導」とする。 ただし、管理運営上支障が大きいと認められる場合又は正当な理由なく改善を怠っている場合は「文書指摘」とする。 なお、福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合であっても、軽微な違反の場合に限り「口頭指導」とすることができる。 |
A | 助言指導 | 法令及び通達等のいずれにも適合する場合は、水準向上のための「助言指導」を行う。 |