○枚方市公害防止条例
平成25年12月9日
条例第67号
枚方市公害防止条例(昭和46年枚方市条例第38号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 水質の保全に関する規制(第3条―第6条)
第3章 指定事業所に関する規制(第7条―第15条)
第4章 地下水の採取に関する規制(第16条―第29条)
第5章 その他の規制及び公害の防止に関する施策(第30条―第36条)
第6章 雑則(第37条―第41条)
第7章 罰則(第42条―第46条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、枚方市環境基本条例(平成10年枚方市条例第1号)の理念にのっとり、公害の防止に関し、市の施策を定め、これを推進するとともに、公害の防止のための規制を行い、もって市民が健康で快適な生活を営むことができる良好な環境の確保を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
第2章 水質の保全に関する規制
(排出水の排出の制限)
第3条 工場又は事業場から公共用水域(水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第1項に規定する公共用水域をいう。以下同じ。)に排出される水(法律又は大阪府の条例に規定する工場又は事業場であって規則で定めるものから排出される水を除く。以下「排出水」という。)を排出する者は、その汚染状態が当該工場又は事業場の排水口(排出水を排出する場所をいう。以下同じ。)において規則で定める排水基準(排出水に含まれる有害物質(カドミウムその他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として規則で定めるものをいう。以下同じ。)の量について、有害物質の種類ごとに定める許容限度をいう。以下同じ。)に適合しない排出水を排出してはならない。
(措置命令等)
第4条 市長は、排出水を排出する者が、その汚染状態が当該工場又は事業場の排水口において排水基準に適合しない排出水を排出するおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めてその事態を除去するために必要な措置を講ずべきことを命じ、又は排出水の排出の一時停止を命ずることができる。
(有害物質を含む水の浸透の制限)
第5条 工場又は事業場を設置している者は、有害物質を含むものとして規則で定める要件に該当する水(規則で定める法律又は大阪府の条例に規定する水を除く。以下「有害物質を含む水」という。)を地下に浸透させてはならない。
(措置命令等)
第6条 市長は、前条に規定する者が、有害物質を含む水を地下に浸透させるおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めてその事態を除去するために必要な措置を講ずべきことを命じ、又は有害物質を含む水の地下への浸透の停止を命ずることができる。
第3章 指定事業所に関する規制
(事前協議)
第7条 公害の防止のための規制が必要な工場又は事業場であって規則で定めるもの(以下「指定事業所」という。)を設置しようとする者は、市長が公害の防止のために必要があると認めるときは、次条の規定による届出をする前に、規則で定めるところにより、市長と協議しなければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、代表者の氏名
(2) 指定事業所の名称及び所在地
(3) 指定事業所の業種
(4) 指定事業所の敷地の状況
(5) 指定事業所の用水及び排水の系統並びに排出水の汚染状態及び量
(6) 定格出力が3.7キロワット以上の原動機を用いる施設(規則で定める法律又は大阪府の条例に規定する施設を除く。)の種類、数、構造、配置及び使用の方法
(7) 指定事業所において製造し、使用し、又は処理する有害物質の種類、用途、保管場所並びに搬入及び搬出の系統
(8) 公害の防止の方法
(9) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
(1) 指定事業所(法律又は大阪府の条例に規定する施設であって規則で定めるものを設置する指定事業所を除く。)において発生する騒音が騒音基準(騒音規制法(昭和43年法律第98号)第4条第1項の規定により市長が定める規制基準をいう。)に適合しないことにより、その指定事業所の周辺の生活環境が損なわれる場合
(2) 排出水の汚染状態が指定事業所の排水口において排水基準に適合しない場合
(3) 指定事業所から有害物質を含む水を地下に浸透させる場合
(操業の開始の届出等)
第13条 指定事業所設置者は、指定事業所の操業を開始したときは、その開始の日から15日以内に規則で定めるところによりその旨を市長に届け出て、第8条の規定による届出に係る事項について検査を受けなければならない。
(氏名の変更等の届出)
第14条 指定事業所設置者は、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該変更等の日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(2) 指定事業所(有害物質を製造し、使用し、又は処理するものに限る。)において公共下水道(下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第3号に規定する公共下水道をいう。)の使用を開始した場合(規則で定める届出をしなければならない場合を除く。)
(3) 指定事業所(法律又は大阪府の条例に規定する施設であって規則で定めるものを設置する指定事業所を除く。)において有害物質の製造、使用又は処理を廃止した場合
(4) 指定事業所を廃止した場合
(承継)
第15条 指定事業所設置者から指定事業所を譲り受け、又は借り受けた者は、その指定事業所設置者の地位を承継する。
2 指定事業所設置者について相続、合併又は分割(指定事業所を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割によりその指定事業所を承継した法人は、その指定事業所設置者の地位を承継する。
3 前2項の規定により指定事業所設置者の地位を承継した者は、その承継があった日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
第4章 地下水の採取に関する規制
(構造上の基準の遵守義務)
第16条 揚水施設(動力を用いて地下水(温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項に規定する温泉を除く。以下同じ。)を採取するための施設であって、揚水機の吐出口の断面積(吐出口が2以上ある場合にあっては、その断面積の合計。以下同じ。)が6平方センチメートルを超えるもの(河川法(昭和39年法律第167号)が適用され、又は準用される河川の河川区域内のものを除く。)をいう。以下同じ。)であって、地下水の農業用、修景用若しくは非常用としての利用又は地下水の水質の保全のためにのみ使用するもの以外の揚水施設(以下「指定揚水施設」という。)により地下水を採取する者は、別表に定める指定揚水施設の構造上の基準(以下「構造上の基準」という。)を遵守しなければならない。
(改善命令等)
第17条 市長は、指定揚水施設の構造が構造上の基準に適合しないと認めるときは、前条に規定する者に対し、期限を定めて指定揚水施設の構造の改善を命じ、又は指定揚水施設による地下水の採取の一時停止を命ずることができる。
(設置の届出)
第18条 揚水施設を設置して地下水を採取しようとする者は、揚水施設ごとに、規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、代表者の氏名
(2) 揚水施設の設置場所
(3) 揚水施設の構造
(4) 揚水施設の使用の方法
(5) 水量測定器の種類
(6) 地下水の採取の目的
(7) 地下水の計画採取量
(8) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
2 揚水施設設置者は、揚水施設による地下水の採取を開始したときは、その開始の日から15日以内に規則で定めるところによりその旨を市長に届け出て、第18条の規定による届出に係る事項について検査を受けなければならない。
(氏名の変更等の届出)
第23条 揚水施設設置者は、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該変更等の日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(2) 揚水施設による地下水の採取を廃止した場合
(承継)
第24条 揚水施設設置者から揚水施設を譲り受け、又は借り受けた者は、その揚水施設設置者の地位を承継する。
2 揚水施設設置者について相続、合併又は分割(揚水施設を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割によりその揚水施設を承継した法人は、その揚水施設設置者の地位を承継する。
3 前2項の規定により揚水施設設置者の地位を承継した者は、その承継があった日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(採取量の測定等)
第25条 指定揚水施設に係る揚水施設設置者は、規則で定めるところにより、水量測定器により指定揚水施設に係る地下水の採取量を、水位計により地下水の水位を測定し、その結果を記録し、及びこれを市長に報告しなければならない。
(市等の責務)
第26条 市、市民及び事業者は、地下水の涵養の促進に努めなければならない。
(採取する者の責務)
第27条 動力を用いて地下水を採取するための施設を設置している者は、地盤の沈下を防止するために、採取した地下水を適正かつ合理的に使用することにより、地下水の採取量の削減に努めなければならない。
(採取量の削減命令等)
第28条 市長は、地下水の水位の著しい低下により地盤の沈下が生じ、又は生ずるおそれがある場合は、市長が指定する区域に存する指定揚水施設に係る揚水施設設置者(市長が指定する量の地下水を採取する者に限る。)に対し、期間を定めて、指定揚水施設に係る地下水の採取量を削減すべきことを命じ、又は指定揚水施設による地下水の採取の一時停止を命ずることができる。
(採取量の削減勧告)
第29条 市長は、地下水の水位の著しい低下により地盤の沈下が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、市長が指定する区域に存する動力を用いて地下水を採取するための施設を設置している者(前条に規定する命令の対象となる者を除く。)に対し、期間を定めて、地下水の採取量を削減すべきことを勧告することができる。
第5章 その他の規制及び公害の防止に関する施策
(事故時の措置)
第30条 工場又は事業場を設置している者は、その工場又は事業場において、故障、破損その他の事故が発生し、公害の原因となる物質の排出等があったことにより人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれがある場合は、直ちに、その事故について適切な応急の措置を講じ、かつ、その事故を速やかに復旧しなければならない。
(公害防止協定の締結)
第31条 工場又は事業場を設置している者(設置しようとする者を含む。第35条において同じ。)は、市長が公害の防止のために必要があると認めるときは、市と公害防止協定を締結するよう努めるものとする。
(小規模事業者に対する助言等)
第32条 市長は、小規模事業者が行う公害の防止のための施設の整備等について、技術的な助言その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(苦情の処理)
第33条 市長は、公害に関する苦情について、迅速かつ適正な処理に努めるものとする。
(市民による措置要請)
第34条 市民は、公害が発生し、又は発生するおそれがあるときは、市長に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
(特に必要がある場合の措置要請)
第35条 市長は、この条例に定めがある場合のほか、特に必要があると認めるときは、工場又は事業場を設置している者に対し、公害の防止のために必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
(予想外の公害に係る措置要請)
第36条 市長は、この条例の予想しない物質、作用等により生じた大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下又は悪臭が人の健康又は生活環境に著しい影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある場合において、特別の措置を講ずる必要があると認めるときは、その事態を発生させた者に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
第6章 雑則
(報告及び検査)
第37条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、工場若しくは事業場若しくは揚水施設を設置している者に対し、工場若しくは事業場の施設若しくは揚水施設の状況その他必要な事項の報告を求め、又はその職員に、工場若しくは事業場、揚水施設の設置場所等に立ち入り、工場若しくは事業場の施設、揚水施設その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、その公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び証拠の提出の機会を与えるため、意見の聴取の手続を行わなければならない。
(審議会への諮問)
第39条 市長は、次の各号に掲げる事項について、法律又は大阪府の条例に規定する事項であって当該各号に掲げる事項に相当するものと異なる基準等を定めようとするときは、あらかじめ、枚方市環境審議会(枚方市環境基本条例第26条第1項に規定する審議会をいう。)の意見を聴かなければならない。当該基準等を変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
(1) 排水基準
(2) 有害物質を含む水の要件
(3) 構造上の基準
(4) 前3号に掲げるもののほか、公害の防止に関する重要事項
(委任)
第40条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(経過措置)
第41条 この条例の規定に基づき規則を制定し、又は改廃する場合においては、その規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第7章 罰則
第45条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。
3 この条例の施行の際、現に指定事業所を設置している者(設置の工事をしている者を含む。以下同じ。)(旧条例第20条第1項の規定による許可を受けている者に限る。)は、指定事業所設置者とみなす。
(1) 新条例第18条の規定による届出に係る工事(代替となる指定揚水施設の工事に限る。)
(2) 新条例第19条第1項の規定による届出に係る工事
8 この条例の施行の際、現に揚水施設を設置している者(旧条例第49条第1項ただし書の規定による許可を受けている者に限る。)は、揚水施設設置者とみなす。
11 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
別表(第16条関係)
地域 | ストレーナーの上端の位置 | 揚水機の吐出口の断面積 |
一般国道170号以西の地域 | 地表面下180メートル以深 | 46平方センチメートル以下 |
一般国道170号以西及び大阪府道交野久御山線以東の地域以外の地域 | ― | 55平方センチメートル以下 |