おいしい狭山茶大好き条例

○おいしい狭山茶さやまちゃ大好き条例じょうれい

令和4年9月28日

条例第16号

入間市は、狭山茶さやまちゃの「誕生たんじょうの地」であり、最大の「主産地」です。

入間市にとって狭山茶さやまちゃは、入間市の自然環境かんきょうと先人たちの努力の上に成り立つ重要な特産物であるとともに、その味と香り、茶のある暮くらし、茶畑の広がる風景は、市民の誇ほこりとなっています。市内の至いたる所に茶畑や茶工場、茶販売店はんばいてんがあり、茶業は、入間市の主要産業のひとつとして地域経済ちいきけいざいの中で大きな役割やくわりを担になっています。

市では、狭山茶さやまちゃを始めとした幅広はばひろい茶に関する調査ちょうさ研究を行い、研究成果を生かした講座こうざや展示てんじをしています。学校教育では、茶摘つみや盆点前ぼんてまえなどの「狭山茶さやまちゃとふれあう教育」を地域ちいきの教育力を生かして推進すいしんしています。このように子どもから大人まで狭山茶さやまちゃや茶文化について学ぶ機会を多くつくっていることが、入間市の大きな特色となっています。

狭山茶さやまちゃ産地は、全国の主要茶産地の中では北方に位置し、温暖おんだんな地域ちいきに比くらべ茶摘つみができる回数も限かぎられ、全国的に見れば生産量は少ない状況じょうきょうです。しかし、寒さに耐たえるために茶の葉がじっくり育ち、香りや味がよいといわれており、流通の少なさから希少価値かちが高いといえます。

近年、日常的にちじょうてきに急須きゅうすで茶を淹いれて飲む人は少なくなってきており、茶業の状況じょうきょうは厳きびしく、市内の茶業者は減少傾向げんしょうけいこうにあります。その一方で、意欲的いよくてきに狭山茶さやまちゃの生産や新しい商品開発に取り組む茶業者がいます。また、若わかい世代にも、おいしい狭山茶さやまちゃと茶のある文化を残していきたいと活動する市民がいます。そして、多くの市民が茶畑と狭山茶さやまちゃを入間市の魅力みりょくとして大切に思っていることは、市民意識調査いしきちょうさに表れています。

ここに、みんなで、市民が魅力みりょくと感じる狭山茶さやまちゃの振興しんこうを図はかり、茶文化を後世へつないでいくため、この条例じょうれいを制定せいていします。

(目的)

第1条じょう　この条例じょうれいは、茶業及および茶文化の振興しんこうを図はかり、茶畑の風景や狭山茶さやまちゃのある暮くらしを後世へつないでいくことを目的とします。

(定義ていぎ)

第2条じょう　茶業とは、茶の栽培さいばい、製造せいぞう又または販売はんばいをすることをいいます。

2　茶業者とは、入間市内で狭山茶さやまちゃの栽培さいばい、製造せいぞう又または販売はんばいを業とする者のことをいいます。

3　狭山茶さやまちゃとは、狭山丘陵さやまきゅうりょうとその周囲しゅういに広がる武蔵野台地むさしのだいちを中心として、埼玉県及および埼玉県に隣接りんせつする東京都西部地域ちいきにおいて生産された茶をいいます。

(茶業者の役割やくわり)

第3条じょう　茶業者は、茶業及および茶文化の振興しんこうを図はかる取組を主体的に進めます。

(市民の役割やくわり)

第4条じょう　市民は、一日一杯いっぱいの狭山茶さやまちゃを飲むなど狭山茶さやまちゃのある生活を心がけます。

(市の役割やくわり)

第5条じょう　市は、狭山茶さやまちゃについて調査ちょうさ研究し、その歴史れきし、文化及および魅力みりょくを広く伝えていきます。

2　市は、茶畑の風景を守るため、茶業が魅力みりょくある産業として持続するよう生産環境かんきょうの向上を図はかり、製茶技術せいちゃぎじゅつの継承けいしょうを支援しえんします。

3　市は、茶業者による主体的な取組を支援しえんするとともに、茶業者と協力して茶文化振興しんこう及および狭山茶さやまちゃの消費促進しょうひそくしんや販路拡大はんろかくだいを図はかります。

(みんなの役割やくわり)

第6条じょう　茶業者、市民及および市は、狭山茶さやまちゃをみんなで盛もり上げていきます。

(狭山茶さやまちゃの日)

第7条じょう　狭山茶さやまちゃに親しみ、狭山茶さやまちゃを再認識さいにんしきするため、狭山茶さやまちゃの日ひを定めます。

2　狭山茶さやまちゃの日は、6月の第1日曜日とします。

附則ふそく

この条例じょうれいは、令和4年10月1日から施行しこうする。