○入植者並びに増反者等の選定要綱

昭和二十八年三月二十八日

告示第二百九十六号

入植者並びに増反者等の選定要綱を、次のように定める。

入植者並びに増反者等の選定要綱

一 方針

入植者並びに増反者の選定は、開拓事業遂行の基礎となるものであり、又地区内入植者の生活上必要で欠くことのできない業務に従事する個人、及び農業協同組合等の団体で土地等の売渡を受ける者の選定も、開拓地の建設経営上重要な要素となるものであるから、これらの選定は、厳正に行うものとする。

二 要領

(一) 選定の対象

選定の対象は、入植者、増反者、地区内入植者の生活上必要で欠くことのできない業務に従事する個人、及び農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号。以下「法」という。)第六十四条但書の農地協同組合等の団体(以下「団体」という。)とする。

1 入植者

入植者とは、自作農となるため、開拓地(註)に移住し、主として当該地区内の土地について耕作の事業に従事する者、又は移住はしないがその地区内の土地についてのみ耕作の事業を行う者をいう。

註 「開拓地」とは、国が開拓用地として取得し、開拓事業に着手することになつた地区をいう。

2 増反者

増反者とは、開拓地の近傍において現に耕作の事業を行う者であつて、農業経営の改善を図るため、当該地区において耕作面積の拡張を行うものをいう。

3 地区内で農業を営む入植者の生活上必要で欠くことができない業務に従事する個人、右の個人とは、開拓地区内において入植者のために、保健、営農指導、農機具の製作修理等に従事する医師、獣医師、保健婦、営農指導員、鍛冶職等をいう。

4 団体

団体とは、農業協同組合、土地改良区、又は市町村その他の地方公共団体をいう。

(二) 選定の基準

入植者並びに増反者等の選定に当つては、次の各事項を勘案して行うものとするが、特に開拓事業が健全な自作農の育成を目途とするものであるか、その世帯員の労力を基幹として、自ら耕作の事業に専念する所謂自作農として農業に精進する見込のある個人であるよう留意しなければならない。但し、法第四十四条第一項第一号又は第三号の規定によつて買収された農地の耕作者で農業に精進する見込のある者に対しては、その農地の買収につき、適正と認められる離作料が支払われた場合を除き、これに代るべき土地として次の基にかかわらず、優先的に入植者又は増反者として取り扱うよう処置する。

なお、法第四十四条第一項第一号の規定によつて、採草放牧地が買収された場合、その利用者に対しても、法第五十九条の代地が与えられない場合については、右に準じて取り扱うことができる。

1 入植者の場合

イ 開拓に対する熱意があるかどうか。

ロ 満二十歳以上で健康状態が開拓に耐え得るかどうか、なお、この場合医師の診断書の提出を求める。

ハ 世帯構成が特に開拓に耐えるかどうか。

ニ 農業に対する経験があるかどうか。

ホ 協調性及び協同心があるかどうか。

ヘ 入植の際必要な資金資材を携行し得るかどうか。

卜 開拓地に移住しない者については、その住居が開拓地の近傍にあつて開拓に従事するに支障がないかどうか。

チ その他必要な事項

2 増反者の場合

イ 開拓の熱意があるかどうか。

ロ 世帯構成が開拓に耐え得るかどうか。

ハ 既耕作地の集散状況及び増反地迄の耕作距離等農業経営の現状から見て増反せしめることが適当であるかどうか。

ニ 協調性及び協同心があるかどうか。

ホ 現に耕作している面積と増反予定面積との合計が、少くとも法第三条第二項第五号の面積(三反歩)以上となるかどうか。

ヘ その他必要な事項

3 地区内入植者の生活上必要で欠くことのできない業務に従事する個人の場合

イ 開拓地において、その業務を遂行する熱意があるかどうか。

ロ 開拓地における生活に耐え得るかどうか。

ハ 当該開拓地に定住する見込があるかどうか。

ニ 協調性及び協同心があるかどうか。

ホ その他必要な事項

4 団体の場合

イ 当該開拓地の建設経営上最も適当であるかどうか。

ロ 管理の能力があるかどうか。

ハ その他必要な事項

(三) 選定方法

知事は、法第六十二条第三項の規定に基づいて公示した地区について、買受予約申込書(入植又は増反願書)の提出を受けた場合は、これを審査し、所要の調査及び面接を行い、選定調書(別紙様式)を作成し、開拓審議会入植者選定部会の意見をきき、適当と思われる者については、売渡予約書(入植又は増反許可書)を交付する。ただし、入植者並びに増反者以外の者(前項3の個人及び4の団体)の選定については、知事が入植者選定部会の意見を聞いてこれを行う。この場合において、知事が必要と認める場合には入植者の意向をも聞くものとする。

なお、右の団体の場合は、売渡予約書を交付する前に、別に定める承認申請要領に基いて、農林水産大臣の承認を受けなければならない。

1 募集

知事は、当該地区の土地配分計画に基づいてその所在予定売渡口数(入植戸数及び増反戸数等)及び、予定売渡面積を県公報に公示して、当該地区の入植増反を希望する者を募集する。

2 買受予約申込書(入植又は増反願書)の提出

前項の公示があつた場合、当該地区に入植増反を希望する者は、別紙様式の買受予約申込書正副二通を、その者の住所地を管轄する市町村長を経由して知事あてに提出する。

なお、買受予約申込書は、公示の日から起算して三十日以内に、右の市町村長に到達しなければならない。

3 買受予約申込書(入植又は増反願書)の進達

市町村長が買受予約申込書の提出を受けた場合は、直ちに市町村農業委員会の意見を聞いて検討の上その記載事項について記載上の過失がある場合はこれを訂正させる外、故意に事実に相違したことを記載している場合は、その旨を副申の上、買受予約申込書を知事に進達する。

4 選定調書の作成

知事は、市町村長から買受予約申込書の進達を受けた場合、これを審査し、所要の調査及び面接を行い、選定調書を作成し「開拓審議会入植者選定部会」の意見をきいて、適当と認められる者を選定する。

5 売渡予約書(入植又は増反許可書)の交付

知事は、前項によつて入植者その他について適当と認められる者を選定した場合は、別紙様式の売渡予約書を住所地を、管轄する市町村長を経由して、速かにその者にその謄本を当該地区の属する市町村の農業委員会にそれぞれ交付する。

なお、増反者に対して売渡予約書を交付する際その者に対して売り渡すことを相当とする予定面積を、右の農業委員会に連絡する。

(四) 売渡予約書(入植又は増反許可書)の交付を受けた者の処置知事は、売渡予約書を交付した場合は、その者に速かに、買受申込書をその土地等の属する市町村の農業委員会に提出させ、直ちに開拓に着手させなければならない。

なお、この場合において土地等の売渡迄相当の期間があると予想されるときは、法第六十八条の規定に基く一時使用をさせるよう処置する。

1 知事は、一時使用を許可することが必要であると認める場合は、売渡予約書を交付する際、予め一時使用の申込をするよう指導する。

2 知事は、一時使用を許可するに当つては、現地につき、市町村農業委員会の意向を勘案し、土地配分計画に基いて、一時使用させる場所をあらかじめ決定する。

3 知事は、一時使用を許可した場合は、速かに、この旨を当該土地等の属する市町村農業委員会に通知するとともに所定の助成を開始する。

(五) 交付した売渡予約書(入植又は増反許可書)の取消

売渡予約書は、法第七十一条の検査の終了まで所持するものとし、(紛失した場合は再発行する。)この間にあつて耕作の事業に従事することを中止する旨を申し出た者に対しては知事は、売渡予約書(売渡済の場合には売渡の取消を行うと共に)を返納させることとし、又左に掲げる場合において知事が取り消すことを相当と認めるときは、その者に通知して売渡予約書の返納を命じ、又通知することが困難なときは告示して、取り消すことができる。

1 耕作する意志がないため、一時使用の申込をしない場合

2 一時使用の許可があつた後において、特別な事情がないのに耕作の事業に従事することを中止し、開拓に対する熱意を失い、健全なる自作農になる見込がない場合

3 土地等の買受の申込をしない場合

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入植者並びに増反者等の選定要綱

昭和28年3月28日 告示第296号

(昭和53年9月26日施行)