○養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例

平成二十四年十二月二十七日

条例第四十四号

養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例をここに公布する。

養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例

(趣旨)

第一条 この条例は、老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号。以下「法」という。)第十七条第一項の規定により、同法第二十条の四に規定する養護老人ホーム(以下「養護老人ホーム」という。)の設備及び運営に関する基準を定めるものとする。

(基本方針)

第二条 養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画(以下「処遇計画」という。)に基づき、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立って処遇を行うように努めなければならない。

3 養護老人ホームは、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇に努めるとともに、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

4 養護老人ホームは、入所者の人権の擁護、入所者に対する虐待の防止等のため、責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、職員に対し研修を実施する等の措置を講ずるよう努めなければならない。

(構造設備の一般原則)

第三条 養護老人ホームの配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等入所者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。

(設備の専用)

第四条 養護老人ホームの設備は、専ら当該養護老人ホームの用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がないと認められるときは、この限りでない。

(職員の資格要件)

第五条 養護老人ホームの施設長は、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第十九条第一項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業に二年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。

2 養護老人ホームの生活相談員は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。

(職員の専従)

第六条 養護老人ホームの職員は、専ら当該養護老人ホームの職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がないと認められるときは、この限りでない。

(運営規程)

第七条 養護老人ホームは、施設の運営に関する次に掲げる重要事項を定めた規程を定めておかなければならない。

 施設の目的及び運営の方針

 職員の職種、数及び職務の内容

 入所定員

 入所者の処遇の内容

 施設の利用に当たっての留意事項

 非常災害対策

 その他施設の運営に関する重要事項

(非常災害対策)

第八条 養護老人ホームは、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者の特性、当該養護老人ホームの周辺地域の環境等を踏まえ、火災、地震、津波、風水害等の非常災害の種類に応じて、当該非常災害が発生した場合における入所者の安全の確保のための体制、避難の方法等を定めた計画(以下「施設防災計画」という。)を策定し、定期的に職員に周知しなければならない。

3 養護老人ホームは、施設防災計画に基づき、非常災害時における関係機関との連絡調整及び連携並びに入所者の避難誘導を円滑に行うための体制を整備し、定期的に、当該体制について職員及び入所者に周知するとともに、避難訓練、救出訓練その他必要な訓練を行わなければならない。

4 養護老人ホームは、前項の訓練の結果に基づき、施設防災計画の検証を行い、必要に応じて施設防災計画の見直しを行うものとする。

(記録の整備)

第九条 養護老人ホームは、設備、職員及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者の処遇の状況に関する次に掲げる記録を整備し、その完結の日から五年間保存しなければならない。

 入所者の処遇に関する計画

 入所者に行った具体的な処遇の内容等の記録

(規模)

第十条 養護老人ホームは、二十人以上(特別養護老人ホームに併設する場合にあっては、十人以上)の人員を入所させることができる規模を有しなければならない。

(設備)

第十一条 養護老人ホームの建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。次項において同じ。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。同項において同じ。)又は準耐火建築物(同条第九号の三に規定する準耐火建築物をいう。同項において同じ。)でなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、木造かつ平屋建の養護老人ホームの建物で規則で定める要件を満たすものについて、知事が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いた上で火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めるときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しないものとする。

3 養護老人ホームには、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該養護老人ホームの効果的な運営が見込まれる場合であって、入所者の処遇に支障がないと認められるときは、当該各号に掲げる設備のいずれかを設けないことができる。

 居室

 静養室

 食堂

 集会室

 浴室

 洗面所

 便所

 医務室

 調理室

 宿直室

十一 職員室

十二 面談室

十三 洗濯室又は洗濯場

十四 汚物処理室

十五 霊安室

十六 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 前項各号に掲げる設備の設置等に関する基準は、規則で定める。

(職員)

第十二条 養護老人ホームには、次に掲げる職員を置かなければならない。ただし、入所定員が五十人未満の場合(併設する特別養護老人ホームの栄養士との連携を図ることにより当該養護老人ホームの効果的な運営が見込まれる場合で入所者の処遇に支障がないと認められるときに限る。)にあっては第六号の栄養士、調理業務の全部を委託する場合にあっては第七号の調理員を置かないことができる。

 施設長

 医師

 生活相談員

 支援員

 看護師又は准看護師

 栄養士

 調理員その他職員

2 前項各号に掲げる職員の配置等に関する基準は、規則で定める。

(入退所)

第十三条 養護老人ホームは、入所予定者の入所に際しては、その者の心身の状況、生活歴、病歴等の把握に努めなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて常に配慮しなければならない。

3 養護老人ホームは、その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、その者及びその家族の希望、その者が退所後に置かれることとなる生活環境等を勘案し、その者の円滑な退所のたあに必要な援助に努めなければならない。

4 養護老人ホームは、入所者の退所に際しては、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

5 養護老人ホームは、入所者の退所後も、必要に応じ、当該入所者及びその家族等に対する相談援助を行うとともに、適切な援助に努めなければならない。

(処遇計画)

第十四条 処遇計画は、養護老人ホームの生活相談員が、入所者の心身の状況、その置かれている環境、その者及びその家族の希望等を勘案し、他の職員と協議の上、作成しなければならない。

2 処遇計画については、入所者の処遇の状況等を勘案し、必要な見直しを行わなければならない。

(処遇の方針)

第十五条 養護老人ホームは、入所者について、その者が有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように、その心身の状況等に応じて、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を適切に行わなければならない。

2 入所者の処遇は、処遇計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して、行われなければならない。

3 養護老人ホームの職員は、入所者の処遇に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、入所者又はその家族に対し、処遇上必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

4 養護老人ホームは、入所者の処遇に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。

5 養護老人ホームは、身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。

6 養護老人ホームは、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を三月に一回以上開催するとともに、その結果について、支援員その他の従業者に周知徹底を図ること。

 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

 支援員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

(平三〇条例五・一部改正)

(食事)

第十六条 養護老人ホームは、栄養並びに入所者の心身の状況及び好を考慮した食事を、適切な時間に提供しなければならない。

(生活相談等)

第十七条 養護老人ホームは、常に入所者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応ずるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者に対し、処遇計画に基づき、自立した日常生活を営むために必要な指導及び訓練その他の援助を行わなければならない。

3 養護老人ホームは、要介護認定(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第十九条第一項に規定する要介護認定をいう。)の申請等、入所者が日常生活を営むために必要な行政機関等に対する手続について、その者又はその家族が行うことが困難である場合には、その者の意思を踏まえて速やかに必要な支援を行わなければならない。

4 養護老人ホームは、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

5 養護老人ホームは、入所者の外出の機会を確保するよう努めなければならない。

6 養護老人ホームは、入所者に対し、退所後の地域における生活を念頭に置きながら、自立的な生活に必要な援助を適切に行わなければならない。

7 養護老人ホームは、一週間に二回以上、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。

8 養護老人ホームは、教養娯楽設備等を備えるほか、適宜レクリエーション行事を行わなければならない。

(居宅サービス等の利用)

第十八条 養護老人ホームは、入所者が要介護状態等(介護保険法第二条第一項に規定する要介護状態等をいう。)となった場合には、その心身の状況、置かれている環境等に応じ、適切に居宅サービス等(同法第二十三条に規定する居宅サービス等をいう。)を受けることができるよう、必要な措置を講じなければならない。

(健康管理)

第十九条 養護老人ホームは、入所者について、その入所時及び毎年二回以上定期に健康診断を行わなければならない。

(施設長の責務)

第二十条 養護老人ホームの施設長は、養護老人ホームの職員の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。

2 養護老人ホームの施設長は、職員に第七条から第九条まで、第十三条から前条まで及び次条から第二十八条までの規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。

(生活相談員等の責務)

第二十一条 養護老人ホームの生活相談員は、処遇計画の作成及び処遇計画に沿った支援を行うために必要な調整のほか、規則で定める業務を行わなければならない。

2 前項に規定するもののほか、養護老人ホームの生活相談員及び支援員の業務については、規則で定める。

(勤務体制の確保等)

第二十二条 養護老人ホームは、入所者に対し、適切な処遇を行うことができるよう、職員の勤務の体制を定めなければならない。

2 前項の職員の勤務の体制を定めるに当たっては、入所者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視した処遇に配慮しなければならない。

3 養護老人ホームは、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。

(衛生管理等)

第二十三条 養護老人ホームは、入所者の使用する食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなければならない。

2 養護老人ホームは、当該養護老人ホームにおいて感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、規則で定める措置を講じなければならない。

(協力病院等)

第二十四条 養護老人ホームは、入院治療を必要とする入所者のために、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。

2 養護老人ホームは、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。

(秘密保持等)

第二十五条 養護老人ホームの職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

2 養護老人ホームは、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

(苦情処理)

第二十六条 養護老人ホームは、その行った処遇に関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口の設置等必要な措置を講じなければならない。

2 養護老人ホームは、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。

3 養護老人ホームは、その行った処遇に関し、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

4 養護老人ホームは、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。

5 養護老人ホームは、社会福祉法第八十三条に規定する運営適正化委員会が行う同法第八十五条第一項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。

(地域との連携協力等)

第二十七条 養護老人ホームは、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携協力その他地域との交流を図らなければならない。

2 養護老人ホームは、その運営に当たっては、その処遇に関する入所者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。

(事故の発生防止及び発生時の対応)

第二十八条 養護老人ホームは、事故の発生又はその再発を防止するため、規則で定める措置を講じなければならない。

2 養護老人ホームは、入所者に対する処遇により事故が発生した場合は、速やかに、市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。

3 養護老人ホームは、前項の事故の状況及び事故に際してとった処置について記録しなければならない。

4 養護老人ホームは、入所者に対する処遇により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。

(規則への委任)

第二十九条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

1 この条例は、平成二十五年四月一日から施行する。

2 昭和六十二年三月九日前に設置された養護老人ホームでこの条例の施行の際現に存するものについては、第十一条第三項本文(第十四号に係る部分に限る。)の規定は、当分の間、適用しない。

附 則(平成三十年二月二十一日条例第五号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成三十年四月一日から施行する。

養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例

平成24年12月27日 条例第44号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第3編 生/第5章 老人福祉
沿革情報
平成24年12月27日 条例第44号
平成30年2月21日 条例第5号