○石川県薬物の濫用の防止に関する条例

平成二十六年十月六日

条例第三十八号

石川県薬物の濫用の防止に関する条例をここに公布する。

石川県薬物の濫用の防止に関する条例

目次

第一章 総則(第一条―第四条)

第二章 薬物の濫用の防止に関する基本的な施策(第五条―第八条)

第三章 薬物の規制(第九条―第二十一条)

第四章 石川県薬物審査会(第二十二条)

第五章 雑則(第二十三条)

第六章 罰則(第二十四条―第三十条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、薬物の濫用の防止に関し、県が実施する基本的な施策を定めるとともに、必要な規制を行うことにより、薬物の濫用から県民の健康と安全を守り、もって県民が安心して暮らすことができる健全な社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「薬物」とは、次に掲げる物をいう。

 大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第一条に規定する大麻

 せい❜❜剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)第二条第一項に規定する覚醒剤及び同条第五項に規定する覚醒剤原料

 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二条第一号に規定する麻薬、同条第四号に規定する麻薬原料植物及び同条第六号に規定する向精神薬

 あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)第三条第一号に規定するけし、同条第二号に規定するあへん及び同条第三号に規定するけしがら

 毒物及び劇物取締法施行令(昭和三十年政令第二百六十一号)第三十二条の二に規定するトルエン並びに酢酸エチル、トルエン又はメタノールを含有するシンナー(塗料の粘度を減少させるために使用される有機溶剤をいう。)、接着剤、塗料及び閉塞用又はシーリング用の充填料

 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第十五項に規定する指定薬物

 前各号に掲げるもののほか、中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。以下「幻覚等の作用」という。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物

2 この条例において「知事監視製品」とは、第九条第一項の規定により知事が指定するものをいう。

3 この条例において「知事指定薬物」とは、第十五条第一項の規定により知事が指定するものをいう。

(県の責務)

第三条 県は、薬物の濫用の防止に関する施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。

(県民の責務)

第四条 県民は、薬物の危険性に関する知識と理解を深め、薬物の濫用を防止するよう努めなければならない。

2 県民は、薬物の濫用の防止に関する県の施策に協力するよう努めなければならない。

第二章 薬物の濫用の防止に関する基本的な施策

(推進体制の整備)

第五条 県は、薬物の濫用の防止に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、必要な体制を整備するものとする。

(情報の収集等及び提供)

第六条 県は、薬物の濫用から県民の健康と安全を守るため、薬物の危険性に関し、情報の収集、整理等を行うとともに、県民に必要な情報を提供するものとする。

(教育及び啓発)

第七条 県は、県民が薬物の危険性に関する正確な知識に基づき行動することができるよう、教育及び啓発に努めるものとする。

(国等との連携等)

第八条 県は、薬物の濫用を防止するための施策の推進に当たって、国、他の地方公共団体及び薬物の濫用の防止を目的とする団体との連携及び協力を図るものとする。

第三章 薬物の規制

(知事監視製品の指定)

第九条 知事は、第二条第一項第七号に掲げる薬物を含有するおそれがある製品のうち、当該製品に関する次に掲げる情報を総合的に勘案して、吸入、摂取その他の方法(以下「吸入等の方法」という。)により身体に使用されるおそれがあるものを指定することができる。

 名称及び形状

 容器又は被包における表示

 販売場所及び販売方法

 広告(インターネットによるものを含む。)

 吸入等の方法により身体に使用したことを原因とする保健衛生上の危害の発生状況に関する情報であって、医療機関等から得たもの

 前各号に掲げるもののほか、吸入等の方法により身体に使用されるおそれがあるかどうかの判断に資する情報

2 前項の規定による指定は、知事監視製品を特定できる情報、指定の理由その他必要な事項を告示することによって行うものとする。

(知事監視製品の指定の失効)

第十条 前条第一項の規定による指定は、知事監視製品に、第二条第一項第一号から第六号までに掲げる薬物又は知事指定薬物に該当する薬物が含有されると認められるに至ったときは、その効力を失うものとする。

2 知事は、前項の規定により知事監視製品の指定がその効力を失ったときは、当該知事監視製品を特定できる情報、失効の理由、失効の日その他必要な事項を告示するものとする。

3 第二十七条から第三十条までの規定は、第一項の規定により知事監視製品の指定がその効力を失う前にした当該知事監視製品に係る行為についても、適用する。

(知事監視製品の指定の解除)

第十一条 知事は、知事監視製品について、吸入等の方法により身体に使用したとしても保健衛生上の危害が生じないことが証明された場合その他相当の理由がある場合は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除は、当該知事監視製品を特定できる情報、解除の理由その他必要な事項を告示することによって行うものとする。

(届出及び販売等の手続)

第十二条 知事監視製品を、県の区域内において、業として、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で所持しようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で所持する場所ごとに知事に届け出なければならない。

2 知事は、前項の規定による届出があったときは、当該届出をした者(以下「販売業者」という。)の氏名又は名称その他規則で定める事項を告示しなければならない。

3 販売業者は、知事監視製品を販売し、又は授与するときは、購入し、又は譲り受けようとする者に対し、当該知事監視製品を吸入等の方法により身体に使用してはならないことその他必要な事項を記載した規則で定める書面(以下「説明書」という。)を交付の上、その内容を説明しなければならない。

4 知事は、説明書の内容を確認するため、販売業者に対し、当該説明書の提出を求めることができる。

5 販売業者は、知事監視製品を購入し、又は譲り受けようとする者から次条第一項に規定する誓約書の提出を受けなければ、知事監視製品を販売し、又は授与してはならない。

6 販売業者は、知事監視製品を販売し、若しくは授与し、又は購入し、若しくは譲り受けたときは、その都度、規則で定める事項を書面に記載しておかなければならない。

7 販売業者は、知事監視製品を販売し、若しくは授与し、又は購入し、若しくは譲り受けた日から三年間、前項の書面及び次条第一項に規定する誓約書を保存しなければならない。

8 販売業者は、第一項の規定により届け出た事項を変更したときは、その日から十五日以内に、規則で定めるところにより、知事にその旨を届け出なければならない。

9 販売業者は、知事監視製品を販売しなくなったとき、授与しなくなったとき、又は販売若しくは授与の目的で所持しなくなったときは、その日から十五日以内に、規則で定めるところにより、知事にその旨を届け出なければならない。

10 知事は、前二項の規定による届出があったときは、当該届出をした販売業者の氏名又は名称その他規則で定める事項を告示しなければならない。

(販売業者からの購入等の手続等)

第十三条 販売業者から知事監視製品を購入し、又は譲り受けようとする者は、当該知事監視製品を吸入等の方法により身体に使用しない旨の誓約その他必要な事項を記載した規則で定める書面(以下「誓約書」という。)を当該販売業者に提出しなければならない。

2 前項の規定により誓約書を提出した者は、その内容を遵守しなければならない。

(販売業者以外の者からの購入等の手続等)

第十四条 販売業者以外の者から知事監視製品を購入し、又は譲り受けた者は、当該知事監視製品を県の区域内において所持したときは、直ちに、誓約書を知事に提出しなければならない。

2 前項の規定により誓約書を提出した者は、その内容を遵守しなければならない。

(知事指定薬物の指定)

第十五条 知事は、第二条第一項第七号に掲げる薬物のうち、県の区域内において現に濫用され、又は濫用されるおそれがあり、かつ、幻覚等の作用を有すると認められるものを指定することができる。

2 前項の規定による指定は、知事指定薬物の名称、指定の理由その他必要な事項を告示することによって行うものとする。

(知事指定薬物の指定の失効)

第十六条 前条第一項の規定による指定は、知事指定薬物が第二条第一項第一号から第六号までに掲げる薬物に該当するに至ったときは、その効力を失うものとする。

2 知事は、前項の規定により知事指定薬物の指定がその効力を失ったときは、当該知事指定薬物の名称、失効の理由、失効の日その他必要な事項を告示するものとする。

3 第二十四条から第二十八条までの規定は、第一項の規定により知事指定薬物の指定がその効力を失う前にした当該知事指定薬物に係る行為についても、適用する。

(販売等の禁止)

第十七条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、正当な理由がある場合として規則で定める場合は、この限りでない。

 知事指定薬物を製造し、又は栽培すること。

 知事指定薬物を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で所持すること。

 知事指定薬物を販売又は授与の目的で広告すること。

 知事指定薬物を所持し、購入し、譲り受け、又は使用すること(販売又は授与の目的で所持する場合を除く。)

 知事指定薬物を使用することを知って、そのための場所を提供し、又はあっせんすること。

(警告)

第十八条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、規則で定めるところにより、警告を発することができる。

 第十二条第一項又は第八項の規定に違反して届出をしなかった者

 第十二条第三項又は第五項の規定に違反して知事監視製品を販売し、又は授与した者

 第十二条第四項の規定による説明書の提出の求めに応じなかった者

 第十二条第六項の規定に違反して同項の書面に記載しなかった者

 第十二条第七項の規定に違反して同条第六項の書面及び誓約書を保存しなかった者

 第十三条第一項の規定に違反して誓約書を提出しなかった者

 第十三条第二項の規定に違反して誓約書の内容を遵守しなかった者

 第十四条第一項の規定に違反して誓約書を提出しなかった者

 第十四条第二項の規定に違反して誓約書の内容を遵守しなかった者

 前条第一号の規定に違反して知事指定薬物を製造し、又は栽培した者

十一 前条第二号の規定に違反して知事指定薬物を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で所持した者

十二 前条第三号の規定に違反して知事指定薬物を販売又は授与の目的で広告した者

十三 前条第四号の規定に違反して知事指定薬物を所持し、購入し、譲り受け、又は使用した者(販売又は授与の目的で所持した者を除く。)

十四 前条第五号の規定に違反して場所を提供し、又はあっせんした者

2 前項各号のいずれかに該当する者が、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者であるときは、その法人又は人に対しても、同項の規定による警告を発することができる。

(命令)

第十九条 知事は、前条第一項の規定による警告(同項第十号から第十三号までに係るものに限る。次項において同じ。)に従わない者に対し、知事指定薬物の製造、栽培、販売、授与、所持、広告、購入、譲受け若しくは使用の中止(以下「知事指定薬物の製造等の中止」という。)を命じ、又は相当の期限を定めて知事指定薬物の回収若しくは廃棄その他必要な措置をとることを命ずることができる。

2 知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、前条第一項第十号から第十三号までのいずれかに該当する者に対し、同項の規定による警告を発することなく、知事指定薬物の製造等の中止を命じ、又は相当の期限を定めて知事指定薬物の回収若しくは廃棄その他必要な措置をとることを命ずることができる。

 薬物の濫用から県民の健康と安全を守るため緊急を要する場合において、前条第一項の規定による警告を発するいとまがないとき。

 前条第一項第十号から第十三号までのいずれかに該当する者が、過去に同項の規定による警告を受けたことがあるとき。

(立入調査等)

第二十条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、知事指定薬物若しくは知事監視製品又はこれらに該当する疑いのある物(以下「知事指定薬物等」という。)を製造し、栽培し、販売し、授与し、所持し、若しくは広告し、若しくは第十七条第五号の場所を提供し、若しくはあっせんする者その他の関係者から必要な報告を求め、又は試験のため必要な最少分量に限り知事指定薬物等の提出を求めることができる。

2 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、前項に規定する者の店舗その他必要な場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を調査させ、又は関係者に質問させることができる。

3 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第二項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(石川県薬物審査会への諮問)

第二十一条 知事は、次に掲げる場合には、あらかじめ、石川県薬物審査会(次条第一項の石川県薬物審査会をいう。次項において同じ。)の意見を聴かなければならない。ただし、薬物の濫用から県民の健康と安全を守るため緊急を要する場合は、この限りでない。

 知事監視製品の指定をするとき。

 知事監視製品の指定を解除するとき。

 知事指定薬物の指定をするとき。

 知事指定薬物の製造等の中止その他必要な措置の命令をするとき。

2 知事は、前項ただし書の規定により石川県薬物審査会の意見を聴かないで同項各号の指定、指定の解除又は命令をしたときは、速やかに、その旨を石川県薬物審査会に報告しなければならない。

第四章 石川県薬物審査会

第二十二条 前条第一項各号に掲げる知事の諮問事項その他薬物の危険性に関する重要事項を調査審議するため、石川県薬物審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、委員五人以内で組織する。

3 委員は、法律又は薬物に関し優れた識見を有する者のうちから、知事が任命する。

4 委員の任期は、二年とし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

5 審査会に、会長を置き、委員の互選により選任する。

6 会長は、会務を総理し、審査会を代表する。

7 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。

8 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

9 審査会の行う調査審議の手続は、公開しない。

10 第二項から前項までに定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第五章 雑則

(委任)

第二十三条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第六章 罰則

第二十四条 第十九条第一項又は第二項の規定による命令(第十八条第一項第十号又は第十一号に係るものに限る。)に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 第十七条第一号又は第二号の規定に違反した者

 第十九条第一項又は第二項の規定による命令(第十八条第一項第十二号又は第十三号に係るものに限る。)に違反した者

第二十六条 第十七条第三号又は第四号の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第二十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 第二十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は提出の求めに応ぜず、若しくは虚偽の物件を提出した者

 第二十条第二項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

第二十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第二十四条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第二十九条 第十八条第一項の規定による警告(同項第一号から第五号までに係るものに限る。)に従わない者は、五万円以下の過料に処する。

第三十条 第十八条第一項の規定による警告(同項第六号から第九号までに係るものに限る。)に従わない者は、三万円以下の過料に処する。

附 則

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第十二条から第十四条まで、第十七条から第二十条まで及び第六章の規定は、この条例の公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。

2 この条例の施行の日から平成二十六年十一月二十四日までの間における第二条第一項第六号の規定の適用については、同号中「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」とあるのは「薬事法」と、「第二条第十五項」とあるのは「第二条第十四項」とする。

石川県薬物の濫用の防止に関する条例

平成26年10月6日 条例第38号

(平成26年11月6日施行)

体系情報
第3編の2 生/第3章
沿革情報
平成26年10月6日 条例第38号