○ふるさと石川の地場産業を担い地域経済を支える中小企業の振興に関する条例

平成二十七年三月二十三日

条例第十九号

ふるさと石川の地場産業を担い地域経済を支える中小企業の振興に関する条例をここに公布する。

ふるさと石川の地場産業を担い地域経済を支える中小企業の振興に関する条例

本県の中小企業は、小規模企業がその大半を占め、多くの雇用の機会を創出し、地場産業を支え本県の経済の基盤をなすとともに、地域社会の担い手として、県民生活の向上に大きく寄与するなど重要な役割を果たしてきた。

本県の地場産業の特徴は、機械、繊維、食品及び情報通信産業に代表される高い技術力を有するものづくり産業の集積をはじめ、藩政期からの長い歴史と伝統に培われた伝統的工芸品産業や新鮮な山や海の幸、湯量豊富な温泉及び豊かな自然に育まれた観光産業の集積であり、それを支えてきたのは中小企業である。また、県内の各地域における県民生活を支えるとともに商業の基盤をなすのも中小企業である。

しかしながら、経済活動の国際化及び情報化の進展による企業間の競争の激化、消費者の需要の多様化、人口減少及び少子高齢社会の到来による国内市場の縮小などにより、本県の中小企業は厳しい経営環境に直面しており、とりわけ規模が小さく経営基盤の弱い小規模企業は特に厳しい状況にある。

このような中、本県では、これまで数次にわたり産業の振興に関する指針を策定し、これを踏まえて中小企業の振興施策を講じてきたところであるが、北陸新幹線が金沢まで開業するという千ざい一遇の好機をかし、本県の経済の健全な発展及び県民生活の更なる向上を図るため、私たちは、今、改めて中小企業の果たす役割と重要性について認識を共有し、中小企業者の成長に向けた意欲的で創造的な取組及び小規模企業者の事業の持続的な発展に向けた取組について県を挙げて支援していく必要がある。

ここに、小規模企業を含めた中小企業の振興について、基本理念を明らかにするとともに、その方向性を示し、必要な施策を総合的に推進していくどころとするため、この条例を制定する。

(目的)

第一条 この条例は、小規模企業を含めた中小企業の振興について、基本理念を定め、及び県の責務や中小企業の事業活動と関係がある者の役割等を明らかにするとともに、中小企業の振興に関する基本的な施策の方向性を定めることにより、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進し、もって本県の経済の健全な発展及び県民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 中小企業者 中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第一項に規定する中小企業者であって、県内に事務所又は事業所(以下「事務所等」という。)を有するものをいう。

 小規模企業者 中小企業基本法第二条第五項に規定する小規模企業者であって、県内に事務所等を有するものをいう。

 中小企業支援団体 商工会議所、商工会、商工会連合会、中小企業団体中央会その他の中小企業に対する支援を行う団体であって、県内に事務所等を有するものをいう。

 金融機関 銀行、信用金庫、信用協同組合その他の金融に関する業務を行う事業者であって、県内に本店、支店その他の営業所を有するものをいう。

 大企業者 中小企業者以外の会社であって、県内に事務所等を有するもの(金融機関を除く。)をいう。

 大学等 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学及び高等専門学校並びに研究機関であって、県内に事務所等を有するものをいう。

 労働団体 労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体であって、県内に事務所等を有するものをいう。

(基本理念)

第三条 中小企業の振興は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

 中小企業者の成長及び持続的な発展に向けた経営の改善及び向上を図るための創意工夫及び自主的な取組が促進されること。

 県、市町、中小企業者、中小企業支援団体、金融機関、大企業者、大学等、労働団体、県民その他中小企業の事業活動と関係がある者が相互に連携し、及び協力して推進されること。

 ものづくり産業(製造業その他の工業製品の設計、製造又は修理と密接に関連する事業活動を行う業種に係る産業をいう。)、伝統的工芸品産業及び観光産業の集積その他の本県の地場産業の強みを活かすとともに、多様な地域資源(農林水産物、天然資源、観光資源、技術、人材その他の中小企業の事業活動に活用することができる地域における有用な資源をいう。以下同じ。)の積極的な活用が図られること。

(県の責務)

第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、県が策定する産業の振興に関する指針を踏まえ、中小企業の振興に関する総合的な施策を積極的に講ずる責務を有する。

2 県は、中小企業の振興に関する施策を講ずるに当たっては、主導的な役割を果たし、市町、中小企業者、中小企業支援団体、金融機関、大企業者、大学等、労働団体、県民その他中小企業の事業活動と関係がある者と連携し、及び協力して取り組むものとする。

3 県は、工事の発注並びに物品及び役務の調達に当たっては、予算の適正な執行及び品質の確保に留意しつつ、中小企業者の受注機会の確保に努めるものとする。

(基本的な施策の方向性)

第五条 県は、基本理念にのっとり、次の各号に掲げる基本的な方向性に基づき、中小企業の振興に関する施策を講ずるものとする。

 中小企業者の技術開発並びに新たな商品及び役務の提供の促進を図ること。

 中小企業者の販路開拓の促進を図ること。

 中小企業者の国際的視点に立った事業展開の促進を図ること。

 中小企業者の創業及び新たな事業分野への進出の促進を図ること。

 多様な地域資源の活用その他の本県の特性を活かした中小企業者の事業活動の促進を図ること。

 中小企業者の事業活動の振興に資する企業立地の促進を図ること。

 経営革新、事業承継、資金供給の円滑化その他の中小企業者の経営基盤の強化を図ること。

 中小企業者の事業活動を担う人材の育成及び確保を図ること。

 産学金官の連携(県、市町、中小企業者、中小企業支援団体、金融機関、大企業者、大学等その他中小企業の事業活動と関係がある者が相互に連携を図りながら協力することをいう。)、異業種を含めた企業間の連携及び事業の共同化並びに知的財産の活用の促進を図ること。

 中小企業支援団体の活動、その活動を担う人材の育成及び確保への支援その他中小企業者がその事業活動への総合的な支援を受けることができる体制の整備を図ること。

十一 前各号に掲げるもののほか、中小企業の振興のために必要な施策を推進すること。

(小規模企業の重要性を踏まえた措置)

第六条 県は、前条各号に掲げる施策を講ずるに当たっては、小規模企業が本県の中小企業の大半を占め、地域経済の活性化並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に資する事業活動を通じて自立的で個性豊かな地域社会の形成に貢献していることを踏まえ、小規模企業者の事業の持続的な発展を図るため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(中小企業者の努力)

第七条 中小企業者は、基本理念にのっとり、経済社会情勢の変化に対応してその事業の成長及び持続的な発展を図るため、自主的にその経営の改善及び向上に努めるものとする。

2 中小企業者は、基本理念にのっとり、地域における雇用機会の創出並びに労働環境の整備及び労働者の福祉の向上に努めるとともに、その事業活動を通じて地域の振興に寄与するよう努めるものとする。

(中小企業支援団体等の役割)

第八条 中小企業支援団体は、基本理念にのっとり、その事業活動を通じて、中小企業者が成長及び持続的な発展に向けた経営の改善及び向上を図るために行う取組に対して積極的な支援を行うとともに、県が講ずる中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 金融機関は、基本理念にのっとり、中小企業者の資金需要に対する適切な対応並びに経営の改善及び向上に協力するよう努めるものとする。

3 大企業者は、基本理念にのっとり、その事業活動における中小企業の重要性について理解を深めるとともに、中小企業との連携及び協力に努めるものとする。

4 大学等は、基本理念にのっとり、産業の振興に資する人材の育成に努めるとともに、中小企業者との共同研究、中小企業者の技術の向上その他必要な協力に努めるものとする。

5 労働団体は、基本理念にのっとり、中小企業者が行う地域における雇用機会の創出並びに労働環境の整備及び労働者の福祉の向上に協力するよう努めるものとする。

(県民の理解及び協力)

第九条 県民は、基本理念にのっとり、中小企業の振興が、経済の健全な発展、雇用機会の創出及び県民生活の向上に寄与することについての理解を深めるとともに、県産品の利活用等を通じて、中小企業の健全な発展に協力するよう努めるものとする。

(市町に対する協力)

第十条 県は、市町が中小企業の振興に関する施策を講じようとするときは、情報の提供、助言その他必要な協力を行うものとする。

(財政上の措置)

第十一条 県は、中小企業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

ふるさと石川の地場産業を担い地域経済を支える中小企業の振興に関する条例

平成27年3月23日 条例第19号

(平成27年3月23日施行)