○石川県がん対策推進条例

平成二十八年三月二十五日

条例第三十号

石川県がん対策推進条例をここに公布する。

石川県がん対策推進条例

目次

第一章 総則(第一条―第八条)

第二章 がんの予防(第九条―第十二条)

第三章 がんの治療(第十三条―第十五条)

第四章 がんとの共生(第十六条―第十九条)

第五章 がん対策の推進(第二十条―第二十四条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、がんが県民の疾病による死亡の最大の原因となっている等がんが県民の生命及び健康にとって重大な問題となり、がん対策を加速する必要がある現状に鑑み、がん対策基本法(平成十八年法律第九十八号。以下「法」という。)の趣旨を踏まえ、がん対策に関し、県及び県民等の責務又は役割を明らかにするとともに、がんの予防、がんの治療及びがんとの共生(がん患者ががんと共に生きることをいう。)を中心とした施策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を総合的かつ計画的に推進し、もって県民が生涯にわたって安心して暮らすことのできる健康長寿社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 保健医療福祉関係者 がんの予防、がん検診、がんに係る医療(以下「がん医療」という。)又はがん患者に対する介護その他の福祉サービスに従事する者及びその実施機関をいう。

 患者団体 がん患者及びがん患者の家族(以下「がん患者等」という。)並びにそれらを支援する者により構成されるがん患者等を支援することを目的とする団体をいう。

 がん診療連携拠点病院等 専門的ながん医療の提供等を行う病院として、国又は県が指定したものをいう。

 緩和ケア がん患者等の身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活上の不安を緩和することを目的とする医療、看護、介護、相談その他の行為をいう。

(県の責務)

第三条 県は、国、市町、保健医療福祉関係者及び患者団体その他の関係団体と連携を図りつつ、地域の実情に応じたがん対策に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。

(市町の役割)

第四条 市町は、県、保健医療福祉関係者及び患者団体その他の関係団体と連携を図りつつ、その地域の実情に応じたがん対策の推進に努めるものとする。

(県民の役割)

第五条 県民は、がんに関する正しい知識を持ち、日常生活において自らがんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、がん検診を積極的に受診すること等により、がんを早期に発見し、速やかに治療を受けるよう努めるものとする。

2 県民は、がん患者等に対する理解を深め、互いに支え合うよう努めるものとする。

(医療保険者の役割)

第六条 医療保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第七条第二項に規定する保険者及び同法第四十八条に規定する後期高齢者医療広域連合をいう。)は、がんの予防及び早期発見を推進するよう努めるとともに、県及び市町が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(平二九条例一三・一部改正)

(保健医療福祉関係者の役割)

第七条 保健医療福祉関係者は、がんの予防、がん検診、がん医療及びがん患者に対する介護等を推進するために必要な知識や技能の向上に努めるとともに、がんに関する啓発及び知識の普及、精度の高いがん検診の実施、がん患者の意向を十分に尊重した良質かつ適切な医療の提供並びに介護その他の福祉サービスの提供に努めるものとする。

2 保健医療福祉関係者は、県及び市町が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第八条 事業者は、その雇用する従業員に対するがんの予防及びがん検診の受診等に関する啓発並びにがん検診を受診しやすい就業環境の整備に努めるものとする。

2 事業者は、その雇用する従業員ががんに患したときは、当該従業員が働きながら治療を受け、療養することができ、また、その雇用する従業員の家族ががんに罹患したときは、当該従業員が働きながらその家族を看護することができるよう必要な環境の整備に努めるものとする。

3 事業者は、県及び市町が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。

第二章 がんの予防

(がんの予防の推進)

第九条 県は、市町、保健医療福祉関係者及び患者団体その他の関係団体と連携して、がんの予防を推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。

 喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響等がんの予防に関する知識の普及啓発

 受動喫煙(健康増進法(平成十四年法律第百三号)第二十八条第三号に規定する受動喫煙をいう。)の防止のための学校、病院その他の多数の者が利用する施設における禁煙又は分煙の推進

 前二号に掲げるもののほか、がんの予防を推進するために必要な施策

(令二条例一五・一部改正)

(早期発見の推進)

第十条 県は、市町と連携して、がんの早期発見を推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。

 がんの早期発見の重要性に関する知識の普及啓発

 がん検診を受けやすい環境の整備の促進その他がん検診の受診率の向上を図るための施策

 がん検診に従事する者の資質の向上のための研修その他がん検診の質の向上を図るための施策

(がんに関する教育の推進)

第十一条 県は、保健医療福祉関係者及び患者団体との連携を図りつつ、子どもの発達段階を踏まえ、がんに関する正しい知識を持つための教育が行われるよう努めるものとする。

(女性に特有のがん対策の推進)

第十二条 県は、市町、保健医療福祉関係者及び患者団体その他の関係団体と連携して、女性に特有のがん対策を推進するため、検診を受けやすい環境の整備を図るとともに、がんの種類や年齢による特性を考慮した、がんの予防に関する知識の普及啓発その他必要な施策を講ずるものとする。

第三章 がんの治療

(がん医療の充実)

第十三条 県は、全てのがん患者がその居住する地域にかかわらず適切ながん医療を受けることができるよう、がん医療の充実を図るため、国及びがん診療連携拠点病院等と連携し、次に掲げる施策を講ずるものとする。

 がん診療連携拠点病院等の整備及び機能強化

 がん診療連携拠点病院等とその他の医療機関との連携協力体制の整備及び強化の促進

 がん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師、看護師その他の医療従事者の育成及び確保

 がん医療と歯科医療との連携による口くうケア(口腔の状態に起因する全身の感染症等を予防し、又は軽減するための処置をいう。)の推進

 前各号に掲げるもののほか、がん医療を充実するために必要な施策

(がん研究の推進)

第十四条 県は、国と連携して、がんの罹患及びがんによる死亡を減少させるため、がんの予防、先進的な医療の導入その他の研究の促進に必要な施策を推進するものとする。

(小児がん対策の推進)

第十五条 県は、小児がんに係る対策を推進するため、専門的な小児がん医療の提供等を行う医療機関その他関係機関と連携して、小児がん医療に関する情報の提供の推進、小児がん患者及びその家族に対する長期にわたる相談及び支援の体制の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。

第四章 がんとの共生

(医療機関における緩和ケアの充実)

第十六条 県は、医療機関における緩和ケアの充実を図るため、国及びがん診療連携拠点病院等と連携し、次に掲げる施策を講ずるものとする。

 がんと診断された時から、がん患者等の状況に応じた緩和ケアの提供を行う医療体制の整備の促進

 緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医師、看護師その他の医療関係者の育成及び確保

 緩和ケアに関する県民の正しい理解を深めるための啓発及び知識の普及

 前三号に掲げるもののほか、緩和ケアを充実するために必要な施策

(在宅医療等の推進)

第十七条 県は、がん患者等の意向を踏まえ、家庭又は住み慣れた地域で安心してがん医療を受けることができるよう、市町と連携して、次に掲げる施策を講ずるものとする。

 在宅における医療、緩和ケア、介護その他の福祉サービス(以下この条において「在宅医療等」という。)の提供を行う体制の整備の促進

 在宅医療等に関する専門的な知識及び技能を有する医師、看護師その他の医療関係者並びに介護福祉士その他の福祉関係者の育成及び確保

 前二号に掲げるもののほか、在宅医療等を推進するために必要な施策

(相談支援の体制の充実)

第十八条 県は、がん患者の療養生活の質の向上及びがん患者等の社会生活上の不安の緩和を図るため、次に掲げる施策を講ずるものとする。

 がん患者等に対する相談支援の体制の整備の促進

 患者団体が行うがん患者等を支援することを目的とする活動の促進に必要な施策

 ピアサポート(がん患者等に対するがん患者、がん経験者(がんに罹患した経験を有する者をいう。次条において同じ。)及びその家族による相談支援の取組をいう。)を推進していくために必要な研修等の施策

 前三号に掲げるもののほか、がん患者等に対する相談支援の体制を充実するために必要な施策

(就労の支援)

第十九条 県は、がん患者及びがん経験者が働き続けることができるよう、次に掲げる施策を講ずるものとする。

 がんの治療と就労との両立に関する理解を深めるための事業者、その従業員その他県民への啓発活動

 がん診療連携拠点病院等その他関係機関と連携した就労に関する相談支援体制の整備

 前二号に掲げるほか、がん患者等及びがん経験者の就労の支援のために必要な施策

第五章 がん対策の推進

(がんに関する情報の収集及び提供)

第二十条 県は、国と連携し、がんに関する情報を収集し、及び分析するとともに、県民に対し、がん医療及びがん患者の療養生活に関する情報その他のがんに関する正確かつ適切な情報を提供するものとする。

(がん登録の推進)

第二十一条 県は、医療関係団体等と連携して、効果的ながん対策の企画及び立案並びにがん医療の水準の向上に資するがん登録(がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)第二条第二項に規定するがん登録をいう。)の推進を図るため、医療機関に対する研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。

(県民運動の推進)

第二十二条 県は、がん対策が、市町、県民、医療保険者、保健医療福祉関係者及び事業者が相互に連携し、主体的に取り組む運動として推進されるよう努めるものとする。

(石川県がん対策推進計画)

第二十三条 県は、法第十二条第一項の規定により石川県がん対策推進計画(次項において「計画」という。)を策定し、又は変更するときは、この条例の趣旨を尊重するとともに、県民の意見が適切に反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

2 知事は、計画の進捗状況について議会に報告するとともに、これを公表するものとする。

(平二九条例一三・一部改正)

(財政上の措置等)

第二十四条 県は、がん対策に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

附 則

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 県は、この条例の施行の状況を勘案し、この条例の規定について検討を行い、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとする。

附 則(平成二十九年三月二十三日条例第十三号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(令和二年三月二十六日条例第十五号)

この条例は、令和二年四月一日から施行する。

石川県がん対策推進条例

平成28年3月25日 条例第30号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第3編の2 生/第4章 公衆衛生/第1節
沿革情報
平成28年3月25日 条例第30号
平成29年3月23日 条例第13号
令和2年3月26日 条例第15号