○石川県白山における火山災害による遭難の防止に関する条例
平成二十九年三月二十三日
条例第八号
石川県白山における火山災害による遭難の防止に関する条例をここに公布する。
石川県白山における火山災害による遭難の防止に関する条例
(目的)
第一条 この条例は、白山の活火山地区に登山しようとする者に対して登山の届出を義務付け、登山者による事前準備の徹底を促すこと等により、火山災害による遭難の防止を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において「白山の活火山地区」とは、白山の火口域から四キロメートル以内の地域をいう。
2 この条例において「火口域」とは、現に噴火が発生し、若しくは噴火が想定されている火口又は火口が出現し得る領域として知事が定める区域をいう。
3 この条例において「登山者」とは、白山の活火山地区に登山する者で次に掲げる者以外のものをいう。
一 白山の活火山地区において、遭難した者の捜索救助活動に従事する者
二 白山の活火山地区の区域内に所在する山小屋、登山者が登山している間に休憩又は休息を行う施設等の運営に従事する者
三 前二号に掲げる者のほか、白山の活火山地区において、公益性が高いと認められる業務で規則で定めるものに従事する者
4 この条例において「登山活動団体」とは、山岳への登山を目的に結成された団体その他の山岳遭難の防止に関する活動を行う者で知事が別に定めるものをいう。
2 県は、第六条第一項の規定による届出によって登山計画の内容を明らかにすることが、登山者による事前準備の徹底並びに登山者の安否確認及び捜索救助活動の迅速化に資するものであることについて、登山者に周知するよう努めなければならない。
(市町の責務)
第四条 活動火山対策特別措置法(昭和四十八年法律第六十一号)第三条第一項に規定する火山災害警戒地域をその区域に含む市町は、登山者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、登山者に関する情報を把握するよう努めなければならない。
(登山者の責務)
第五条 登山者は、登山が自己の責任で実施するものであることを認識し、白山の特性及び火山活動の状況を十分に把握した上で綿密な登山計画を作成するとともに、当該計画に基づいた装備品等を携帯して登山しなければならない。
2 登山者は、県、気象庁その他関係機関から提供される登山に関する情報について、その内容を十分に理解した上で登山しなければならない。
3 登山者は、気象状況、火山現象の状況その他の環境の変化の把握に努めるとともに、当該環境の変化に応じて安全に行動するよう努めなければならない。
(登山の届出)
第六条 登山者は、白山の活火山地区に登山しようとするときは、規則で定めるところにより、次に掲げる事項(以下この項において「届出事項」という。)を知事に届け出なければならない。この場合において、当該登山者が届出事項を規則で定める方法により登山活動団体又は岐阜県若しくは福井県にある行政機関に届け出たときは、知事に届け出たものとみなす。
一 登山者の住所、氏名、性別及び年齢
二 登山の期間及び行程
三 装備品、飲料水及び食糧の内容
四 緊急時における連絡先
五 携帯電話端末、無線設備その他の通信手段の保有状況
六 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の場合において、複数の登山者により構成される集団が同一の行程で登山するときは、当該集団を構成する登山者のうち一人の者がこれを代表して届け出ることができる。
(事務の委託)
第七条 知事は、前条の規定による届出の受理、当該届出に係る事実を確認するための措置その他の当該届出に係る事務の一部を知事が指定する者に委託することができる。
(過料)
第八条 第六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして白山の活火山地区(白山の火口域から二キロメートル以内の区域に限る。)に登山した者は、五万円以下の過料に処する。
(規則への委任)
第九条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(平成三十年九月規則第三十三号で、同三十年十二月一日から施行)