○糸満市地下水保護管理条例

平成2年9月28日

条例第17号

(目的)

第1条 この条例は、糸満市の地下水が適正に保全され、水利用長期計画に基づき有効に利用されるように、その保護管理を図ることにより、糸満市の地下水資源の適正利用に寄与し、もって住民の福祉を増進することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 地下水 地下を流れ、又は地下に停滞し、地下水面を形成する水をいい、地下から自然に又は人為的に地表に流出する水を含むものとする。

(2) 公共的地下水利用施設 公共的な用途に供する地下水を採取するための井戸、湧水等の施設であって、第3条の糸満市地下水利用基本計画に定めたものをいう。

(3) 地下水保全区域 第3条で定めた糸満市地下水利用基本計画の遂行に必要な公共性の高い地下水流域等であって、同条第2項第4号及び第5号で定めた区域をいう。

(糸満市地下水利用基本計画)

第3条 市長は、糸満市の地下水の保全と有効利用を図るため、糸満市地下水利用基本計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。

2 基本計画には、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 地下水の現況

(2) 地下水利用用途ごとの需給見通し及び開発計画

(3) 公共的地下水利用施設(計画中のものを含む。以下同様とする。)

(4) 地下水保全区域(許可を要する区域)

(5) 地下水保全区域(届出を要する区域)

(6) 地下水の利用調整に関する基本方針

(7) 地下水の水質保全対策

3 市長は、基本計画を定めようとするときは、第2項第3号に定める公共的地下水利用施設の所有者(計画中のものにあっては、計画実施予定者。以下同様とする。)に対し、協議しなければならない。

4 市長は、基本計画を定めようとするときは、第14条で定める糸満市地下水審議会の意見をきかなければならない。

5 市長は、基本計画を定めたときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。

6 市長は、用水事情の変化等により必要があるときは、遅滞なく基本計画を変更しなければならない。

7 第3項から第5項までの規定は、基本計画の変更について準用する。

(許可及び届出)

第4条 地下水保全区域のうち許可を要する区域内において、新規の揚水設備により地下水を採取しようとする者又は地下水を採取する目的で地下掘削を行おうとする者は、市長の許可を受けなければならない。

2 地下水保全区域のうち届出を要する区域内において、新規の揚水設備により地下水を採取しようとする者又は地下水を採取する目的で地下掘削を行おうとする者は、市長に届け出なければならない。

3 人力若しくは畜力による揚水設備又は消防の用に供する地下水採取については、前2項の許可又は届出を要しない。

(監視区域)

第5条 地下水保全区域以外の区域については、市長は地下水に関する調査、開発の状況について監視を行う。

(変更の許可及び届出)

第6条 第4条第1項の許可を受けた者が、許可内容を変更しようとする場合、その変更の内容が次の各号のいずれかに該当するときは、市長の許可を受けなければならない。

(1) ポンプの能力、揚水能力が増える場合

(2) 採水期間が延びる場合

(3) 採水期間中の採水量が増える場合

2 変更の内容が前項各号のいずれにも該当しないとき(住所若しくは氏名に変更があったときを含む。)又は地下水採取を中止したときは、遅滞なく市長に届け出なければならない。

3 第4条第2項の届出をしたものが、届出の内容を変更(住所、氏名の変更及び地下水採取の中止を含む。)しようとするときは、遅滞なく市長に届け出なければならない。

(国・地方公共団体についての適用)

第7条 国の機関又は地方公共団体(以下「国等」という。)が行う行為については、当該国等の長と市長との協議が成立することをもって第4条第1項又は前条第1項の許可があったものとみなし、当該国等から市長へ通知することをもって第4条第2項又は前条第2項若しくは第3項の届出があったものとみなす。

(許可基準)

第8条 市長は、第4条第1項又は第6条第1項の許可の申請があった場合において、当該申請に係る地下水の採取が基本計画の遂行に支障をきたすと認めたときは、当該申請を許可してはならない。

2 市長は、第4条第1項又は第6条第1項の許可の申請があった場合、当該申請に係る地下水採取の地点と同一の地下水流域内にある公共的地下水利用施設の管理者に対し、あらかじめ協議しなければならない。

3 市長は、第4条第1項又は第6条第1項の許可の申請があった場合は、糸満市地下水審議会の意見をきかなければならない。

(許可の条件)

第9条 市長は、第4条第1項又は第6条第1項の許可について、条件を附することができる。

2 前項の条件は、基本計画の遂行及び許可に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものに限るものとし、当該地下水採取者に不当な義務を課すこととなるものであってはならない。

(許可の承継)

第10条 第4条第1項若しくは第2項又は第6条第1項第2項若しくは第3項の許可又は届出により地下水を採取している者から、その施設を譲り受け、又は借り受けて地下水を採取する者は、その許可又は届出に係る地下水採取者の地位を承継する。

2 第4条第1項若しくは第2項又は第6条第1項第2項若しくは第3項の許可又は届出により地下水を採取している者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、その許可又は届出に係る地下水採取者の地位を承継する。

3 前2項の規定により地下水採取者の地位を承継した者は、遅滞なくその旨を市長に届け出なければならない。

(許可の取消し等)

第11条 市長は、第4条第1項の許可を受けて地下水を採取している者が、第6条第1項の規定により許可を受けなければならない事項を許可を受けないで行ったとき又は第9条第1項の許可の条件に違反したときは、第4条第1項若しくは第6条第1項の許可を取り消し、又は1年以内の期間を定めて地下水を採取することを停止すべき旨を命ずることができる。

(緊急措置)

第12条 市長は、地下水の減少又は地下水の汚染により、地下水の保全を図るため緊急の必要があると認めるときは、地下水の採取者に対し、相当の期間を定めて地下水の採取を制限すべき旨を命ずることができる。

2 市長は、前項の地下水採取制限を行おうとするときは、糸満市地下水審議会の意見をきかなければならない。

3 市長は、第1項の措置を講じようとするときは、住民生活の正常な運営ができる限り妨げられないよう特に配慮するものとする。

(地下水汚染)

第13条 市長は、地下水の水質を悪化させるおそれのある行為について、原因者に対し、地下水の水質保全に必要な措置をとるように勧告することができる。

(審議機関)

第14条 この条例によりその権限に属させた事項及び市長の諮問に応じ地下水に関する重要事項を調査審議する機関として、糸満市地下水審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、前項に規定する事項に関し、市長に意見を申し出ることができる。

(審議会の組織)

第15条 審議会は、関係機関を代表する者、関係団体を代表する者及び地下水に関し学識経験を有する者のうちから市長が任命する委員12人以内をもって組織する。

2 委員は、非常勤とする。

(土地等への立入り)

第16条 市長は、この条例を施行するため、施設及びその運営状況を実地調査する必要があるときは、当該職員に他人の土地又は施設に立ち入らせることができる。

2 市長は、前項の規定により当該職員に他人の土地又は施設に立ち入らせようとするときは、立入の2日前までに、その旨を土地又は施設の占有者に通知しなければならない。

3 第1項の規定により他人の土地又は施設に立ち入る職員は、立入の際あらかじめその旨を土地又は施設の占有者に告げなければならない。

4 日の出前又は日没後においては、土地又は施設の占有者の承諾があった場合を除き、第1項の規定による立入をしてはならない。

5 第1項の規定により、他人の土地又は施設に立ち入る職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

6 市長は、第1項の立入によって損失が生じた場合は、損失を受けた者に対し、これを補償しなければならない。

7 土地又は施設の占有者は、正当な理由がなければ第1項の規定による立入を拒み、又は妨げてはならない。

(立入検査)

第17条 市長は、この条例を施行するために必要な限度において、当該職員に施設の設置の場所又は施設に立ち入り、施設その他の物件を検査させることができる。

2 前条第5項から同条第7項までの規定は、前項の立入検査に準用する。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のため認められたものと解釈してはならない。

(報告の徴収)

第18条 市長は、この条例を施行するため必要な限度において、地下水の採取者に対し、施設の構造、使用の状況、地下水採取量等に関し、報告させることができる。

(規則への委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第20条 次の各号の一に該当するものは、10万円以下の罰金に処する。

(1) 第4条第1項の許可を受けずに地下水を採取した者

(2) 第6条第1項の許可を受けずに、許可に係る地下水採取量以上の地下水を採取した者

(3) 第11条の規定による命令に違反した者

(4) 第12条第1項の規定による命令に違反した者

2 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の罰金に処する。

(1) 第4条第2項又は第6条第2項若しくは第3項及び第10条第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(2) 第16条第7項(第17条第2項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(3) 第18条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

1 この条例は、平成2年11月1日から施行する。

2 この条例を施行する前から地下水を採取している者又は地下水を採取する目的で地下掘削を行っている者は、平成3年3月31日までにその旨を市長に届け出ることにより、第4条第1項の許可又は同条第2項の届出があったものとみなす。

3 この条例の施行の日から基本計画公表の日までの期間については、別表に掲げる区域を地下水保全区域とみなし、運用していくものとする。

別表

地下水保全区域

1 許可を要する区域

大字名

小字名及び地番

字与座

上座原(1332~1470)、御神前原(1731~1819)

字大里

大里原(1~326)、前原の一部(328―1~366―2)、名島原(557~611―1)、伊田慶名原(1123~1283)、当畑慶原(1284~1447)、上原(1448~1658―2)、名利川原(1659~1751)

字真壁

真壁原(1~352)、前原(353~527)、仲間下原(1290~1499)、仲間前原(1500~1627)、大東原(1628―1~1713―2)、東原(1714―1~1822)、トモノ原(1823~1933―3)

字宇江城

前原(1~120)、西原(121~235―1)、南原(236~410)、東原(411~593)

字真栄平

真栄平原(1~244)、前原(245―1~364―3)、草積原(365―1~474)、西原(476~605―3)、後原(606~835)、和蘭門原(836―1~956)、東原(1602―1~1612、1615~1665―2)

字新垣

新垣原(1~168)、前原(336~443)、東原(444~578)、喜名原(579~696―3)、アブチラ原(697~829―2)、中原(830~949)、後原(951~1072―2)、上当原(1073~1144)、野山原(1145~1295)

字名城

前原(449―1~567)、真原(568―1~710)、謝名原(711~767―2)、兼久原(768~1003)

字小波蔵

中道原(1~168―2)、幸地原(169―1~252)、東原(253―1~288)、後原(289~357―2)、前原(358―1~440)、東当原(441―1~520)、上原(521~632)

字糸洲

前原(1~222)、奥原(223~316)、東原(317―1~432―2)

字南波平

波平原(1~122―4)、島前原(123―1~327)

字喜屋武

後原(2061~2182―2)、上後原(2183~2284)、下後原(2285~2452)

字福地

全域

字山城

東原(1~48)、山城原(49~175―1)、西原(176―1~258)、前原(259~350)

字伊原

全域

字米須

全域

字大度

内間原(1~128)、桃原(129~244―3)、平原(245~395)、津間原(396―1~484)、上間原(485~564)、西松当原(1092~1173)

2 届出を要する区域

大字名

小字名及び地番

字照屋

御嶽原(1~233)、内原(224~369―3)、西原(384~443―9)、前原(444―1~602―11)、伊皿原(603―1~739―7)、棚川原(803―1~937)、後原(938~1071)、宗地原(1072~1218)、山内原(1298―1~1415)、堂畑原(1416~1639―2)

字兼城

門原(1~338)、樋川原(664~759)、上原(760―1~893―5)、河面原(894~1036)、東原(1037~1116)、挾間原(1117~1180)

字座波

当原(1~334)、後原(335~517―1)、西原(518~600)、仙原(601~747―2)、前原(748―1~1036―2)、川之尾原(1037~1184)、古島原(1185~1303)

字賀数

賀数原(1~244―2)、大田原(331~363―3)、保喜良原(364~440―1)、後原(440―2~516―2)

字北波平

東原(1~170)

字武富

仲間田原(1~210)

字阿波根

西原(1~143―2)、儀保原(443~587)、橋口原(588―748)、真和志原(749~876―2)、赤水原(877―979)、前原(981~1117)、白川原(1118―1~1382)、赤武嶽原(1383~1505)

字潮平

潮平原(1~238)、上原(239~346―3)、東原(347~447)、前原(448~556)

字与座

前原(1~313―3)、大川原((314~492―3)、東原(1116~1331)、上原(1471~1730―4)

字大里

前原の一部(367―1~556)、古島原(1752―1~1180)、桃原(1881~2126―1)

字国吉

国吉原(1~312―2)、前原(313―1~450)、川田原(451~566)、東門原(567~655)、仲毛原(656~735)、安里門原(736―1~845―2)、東原(846―1~992)、寺原(993~1094―2)

字真栄里

真栄里原(1~126―2)、底原(127~240)、内間原(241~376―2)、萬謝原(377~532―5)、東江原(533~628)、長増原(629~843)、辻原(844―936―3)、後原(1269~1331)、アミヤ原(1362~1492)、兼久原(1493―1~1608)、ウテル原(1609~1844)、ヨナヨシ原(1845―1~1999)、ガタ原(2000―1~2058―3)、真謝原(2059~2183)、長竹原(2184~2230)、アラダイ原(2231~2313―2)

字真壁

相口原(1038~1151―3)、大川原(1152―1~1289)

字宇江城

大道原(594~764)

字真栄平

上原(957~1098)、高辻原(1123~1266)、出口原(1269~1535―1)、東原の一部(1536~1601、1613、1614)

字新垣

大根川原(169―1~335)

字伊敷

伊敷原(1~51―2)、前原(52~190)、東原(191~277)、後原(278~339)

字名城

名城原(1~266―2)、東原(267―1~302)、西原(303~448)

字糸洲

後原(433~558)、赤平原(559~612)

字喜屋武

喜屋武原(1~560)、大山原(561~600)、並里原(601~727)、平良原(728~822)、松原(823~946)、ハーナ原(947~1001)、具志川原(1002~1156―5)、フナスク原(1157~1249)、田代原(1250~1312―5)、ズラン原(1313~1384)、ウナ原(1385~1467―1)、桃原(1468~1576)、上原(1577~1622)、カネク原(1623~1731)、ジルマシ原(1732~1841)、カテラ原(1842~1912)、当真原(1913~1991)、大石原(1992~2060)

字束里

里東原(1~121)、金武原(122~245)、上里原(246―1~400)、波佐間原(401~476)、上兼本原(477~602)、下兼本原(603~754)、荒崎原(755~789)、束東原(790~849)、束辺名原(850―1~984―1)、束西原(985~1074)

字山城

阪当原(351~440)、北コブサ原(441~508)、南コブサ原(509~611)

字大度

西大森原(565―1~647)、東大森原(649―1~767)、松当原(768~942)、ハンタ原(943~1091)、東松当原(1174~1266)

字摩文仁

屋敷原(1~122―3)、石嶺原(123―1~344)、タナケナ原(345―1~427―2)、西潮花原(428~496)、ハンタ原(497―1~549―2)、ハンタ上原(550―1~666)、東潮花原(667~745)、ハガー原(746―1~943―2)、上タナケナ原(944―1~1125―2)

字糸満

全域

糸満市地下水保護管理条例

平成2年9月28日 条例第17号

(平成2年9月28日施行)