○岡山県福祉のまちづくり条例

平成十二年一月四日

岡山県条例第一号

岡山県福祉のまちづくり条例をここに公布する。

岡山県福祉のまちづくり条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第七条)

第二章 福祉のまちづくりに関する施策(第八条―第十四条)

第三章 施設整備

第一節 生活関連施設(第十五条―第十八条)

第二節 特定生活関連施設(第十九条―第二十六条)

第三節 交通環境等(第二十七条―第三十条)

第四章 雑則(第三十一条―第三十三条)

附則

すべての人が個性と人権を尊重され、あらゆる活動へ主体的に参加し、社会からのサービスを平等に享受し、豊かな人間性のつながりの中で快適にいきいきと生活することができる社会が、私たちの目指す社会である。

こうした社会を実現するためには、高齢者、障害者等の活動を阻むさまざまな障壁を取り除き、誰もが自らの意思で自由に行動し、安全かつ快適に生活することができる住みよい福祉のまちづくりを進める必要がある。

私たちは、お互いを大切にする心を育み、県民総参加の下に、県、市町村、県民及び事業者が互いに力を合わせ、それぞれの役割を積極的に果たし、一体となって福祉のまちづくりを進めることを決意し、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、福祉のまちづくりに関し、県、市町村、県民及び事業者の責務又は役割を明らかにし、県の施策の基本となる事項を定めるとともに、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できる生活関連施設等の整備のための措置について必要な事項を定めることにより、福祉のまちづくりの総合的な推進を図り、もって県民の福祉の増進に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 高齢者、障害者等 高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児を連れた者その他日常生活又は社会生活において身体の機能上の制限を受ける者をいう。

 事業者 経済、社会、文化その他の分野において事業活動を行う者をいう。

 生活関連施設 病院、店舗、集会場、ホテル、学校、官公庁舎、公共交通機関の施設、道路、公園その他の不特定かつ多数の者が利用する施設及びこれに準ずる施設で規則で定めるものをいう。

 特定生活関連施設 生活関連施設のうち高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるように特に整備を促進することが必要な施設として規則で定めるものをいう。

 公共車両等 一般旅客の用に供する鉄道及び軌道の車両、自動車その他の機器で規則で定めるものをいう。

(県の責務)

第三条 県は、福祉のまちづくりに関する施策を総合的に推進する責務を有する。

2 県は、自ら設置し、又は管理する生活関連施設等を高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするものとする。

(市町村の役割)

第四条 市町村は、県の推進する施策と連携しながら、当該市町村の実状に応じた福祉のまちづくりに関する施策を計画的に推進するものとする。

2 市町村は、自ら設置し、又は管理する生活関連施設等を高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするものとする。

(県民の役割)

第五条 県民は、福祉のまちづくりに関し理解を深め、自主的に福祉のまちづくりに関する活動に取り組み、県又は市町村が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するものとする。

2 県民は、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるように整備された生活関連施設等について、その機能の妨げとなる行為をしてはならない。

(事業者の役割)

第六条 事業者は、その事業活動が地域社会と密接な関係にあることを自覚し、自主的に福祉のまちづくりに関する活動に取り組み、県又は市町村が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するものとする。

2 事業者は、自ら設置し、又は管理する生活関連施設等を高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするものとする。

(推進体制)

第七条 県、市町村、県民及び事業者は、福祉のまちづくりについての責務又は役割を認識し、相互に連携して、その推進に努めるものとする。

2 県は、市町村、県民及び事業者と一体となって福祉のまちづくりを推進するための体制を整備するものとする。

第二章 福祉のまちづくりに関する施策

(施策の基本方針)

第八条 県は、次に掲げる基本方針に基づき、福祉のまちづくりに関する施策を計画的に推進するものとする。

 すべての県民が高齢者、障害者等への理解を深め、思いやりのある心をもって自主的に福祉のまちづくりに関する活動に取り組むように意識の高揚を図ること。

 高齢者、障害者等を含むすべての県民が安全かつ快適な生活に必要な情報を円滑に利用できるように施設、設備その他の諸条件を整備すること。

 高齢者、障害者等を含むすべての県民が安全かつ円滑に利用できるように生活関連施設等を整備すること。

(啓発活動)

第九条 県は、県民及び事業者が福祉のまちづくりに関し理解を深め、その自主的な取組が図られるように、市町村と連携し、広報その他の啓発活動を行うものとする。

(情報提供等)

第十条 県は、福祉のまちづくりに関する情報を収集し、市町村、県民及び事業者に提供するものとする。

2 県は、市町村、県民及び事業者が行う福祉のまちづくりに関し、その求めに応じ必要な助言を行うものとする。

3 県は、高齢者、障害者等が円滑に情報を利用し、及びその意思を表示できるようにコミュニケーションの手段の確保を図るものとする。

(教育及び学習機会の提供)

第十一条 県は、児童、生徒等が高齢者、障害者等への理解を深め、思いやりのある心を育むために必要な教育を行うものとする。

2 県は、県民が高齢者、障害者等への理解を深め、福祉のまちづくりに関する活動に取り組むことができるように学習の機会を提供するものとする。

(ボランティア活動)

第十二条 県は、福祉のまちづくりに関するボランティア活動を促進するため、県民及び事業者に対する情報の提供、人材の養成等を行うものとする。

(財政上の措置)

第十三条 県は、福祉のまちづくりを推進するため、必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとする。

(取組状況)

第十四条 県は、毎年、福祉のまちづくりに関する取組の状況を明らかにするものとする。

第三章 施設整備

第一節 生活関連施設

(整備基準)

第十五条 知事は、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするため、生活関連施設の構造及び設備の整備について必要な基準(以下「整備基準」という。)を定めるものとする。

2 整備基準は、生活関連施設の種類に応じ、規則で定める。

(整備基準への適合)

第十六条 生活関連施設を設置し、又は管理する者(以下「生活関連施設の設置者等」という。)は、当該生活関連施設を整備基準に適合させるように努めるものとする。

(整備基準適合の表示)

第十七条 生活関連施設の設置者等は、当該生活関連施設の構造及び設備が整備基準に適合しているときは、規則で定めるところにより、高齢者、障害者等に分かりやすく表示するように努めるものとする。

(機能の維持)

第十八条 生活関連施設の設置者等は、当該生活関連施設の構造及び設備が整備基準に適合しているときは、当該適合箇所の機能を維持するように努めるものとする。

第二節 特定生活関連施設

(新築等の届出)

第十九条 次に掲げる行為(以下「特定生活関連施設の新築等」という。)をしようとする者は、規則で定めるところにより、その内容についてあらかじめ知事に届け出なければならない。ただし、規則で定める施設に係る特定生活関連施設の新築等については、この限りでない。

 特定生活関連施設の新築若しくは新設、増築若しくは増設又は改築

 特定生活関連施設の用途の変更(当該用途の変更により特定生活関連施設に該当しないこととなる場合を除く。)

 特定生活関連施設の建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十四号に規定する大規模の修繕又は同条第十五号に規定する大規模の模様替

 施設の用途の変更(当該用途の変更により特定生活関連施設に該当することとなる場合に限る。)

2 前項の規定による届出を行った者で当該届出に係る事項の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするものは、規則で定めるところにより、その内容についてあらかじめ知事に届け出なければならない。

3 前二項の規定による届出を行った者で当該特定生活関連施設の新築等の工事を完了したものは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。

(新築等の協議)

第二十条 規則で定める規模以上の建築物に係る特定生活関連施設の新築等をしようとする者は、規則で定めるところにより、その内容についてあらかじめ知事に協議しなければならない。

2 前項の規定による協議を行った者で当該協議に係る事項の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするものは、規則で定めるところにより、その内容についてあらかじめ知事に協議しなければならない。

3 前条第三項の規定は、前二項の規定による協議を行った者で当該特定生活関連施設の新築等の工事を完了したものについて準用する。

4 前三項の場合においては、前条各項の規定による届出を要しない。

(高齢者、障害者等の意見)

第二十一条 特定生活関連施設の新築等をしようとする者は、当該特定生活関連施設の新築等に当たり、高齢者、障害者等の意見を聴くように努めるものとする。

(指導及び助言)

第二十二条 知事は、第十九条又は第二十条の規定による届出又は協議があった場合において、当該届出又は協議に係る特定生活関連施設が整備基準に適合しないと認めるときは、当該届出又は協議を行った者に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。

(適合状況の報告)

第二十三条 知事は、特定生活関連施設を設置し、又は管理する者(次項において「特定生活関連施設の設置者等」という。)に対し、規則で定めるところにより、当該特定生活関連施設の整備基準への適合状況について報告を求めることができる。

2 知事は、前項の規定による報告に係る特定生活関連施設が整備基準に適合していないと認めるときは、当該特定生活関連施設の設置者等に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。

(勧告)

第二十四条 知事は、次に掲げる者に対し、必要な措置を講ずるように勧告することができる。

 第十九条又は第二十条の規定による届出又は協議を行わないで工事に着手した者

 第十九条又は第二十条の規定による届出又は協議の内容と異なる工事を行った者

 前条第一項の規定により求められた報告を正当な理由なく行わない者

 第二十二条又は前条第二項の規定による指導及び助言に正当な理由なく従わない者

(公表)

第二十五条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該勧告を受けた者の氏名その他の規則で定める事項を公表することができる。

2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該勧告を受けた者に意見を述べる機会を与えなければならない。

(立入り調査)

第二十六条 知事は、第二十二条から前条までの規定の施行に必要な限度において、その職員に特定生活関連施設に立ち入り、整備基準への適合状況を調査させることができる。

2 前項の規定により立入り調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

第三節 交通環境等

(交通環境の整備)

第二十七条 県、市町村、公共車両等を所有し又は管理する者(次条において「公共交通事業者」という。)及び生活関連施設の設置者等は、相互に連携して、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるように建築物、道路等を整備することにより、これらの者が移動しやすい交通環境の整備に努めるものとする。

(公共車両等)

第二十八条 公共交通事業者は、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるように公共車両等の整備に努めるものとする。

2 知事は、必要と認めるときは、公共交通事業者に対し、公共車両等の整備状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

3 知事は、必要と認めるときは、前項の規定による報告を行った公共交通事業者に対し、指導及び助言を行うことができる。

(公共工作物)

第二十九条 信号機、公衆電話ボックスその他の公共の用に供する工作物で規則で定めるものを設置し、又は管理する者は、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにその整備に努めるものとする。

(住宅等)

第三十条 住宅又は宅地を供給する事業を行う者は、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにその整備に努めるものとする。

第四章 雑則

(国等に関する特例)

第三十一条 国、県、市町村その他規則で定める者については、前章第二節(第二十一条を除く。)並びに第二十八条第二項及び第三項の規定は、適用しない。

2 知事は、国、市町村その他規則で定める者に対して、特定生活関連施設及び公共車両等の整備について必要な措置を講ずるように要請することができる。

(市町村条例との関係)

第三十二条 市町村がこの条例と同じ目的の条例を有すると知事が認めるときは、当該市町村の区域については、前章の規定は、適用しない。

(規則への委任)

第三十三条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、第三章及び第四章(第三十三条を除く。)の規定は、平成十三年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 第三章の規定の施行の際現にその工事に着手している特定生活関連施設の新築等については、第十九条から第二十二条までの規定は、適用しない。

岡山県福祉のまちづくり条例

平成12年1月4日 条例第1号

(平成12年1月4日施行)

体系情報
第8編 生/第1章
沿革情報
平成12年1月4日 条例第1号