○岡山県食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する条例
平成十八年十二月二十六日
岡山県条例第七十九号
岡山県食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する条例をここに公布する。
岡山県食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する条例
目次
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 食の安全・安心の確保(第十条―第二十条)
第三章 食育の推進(第二十一条―第二十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、県民の生命及び健康に対する食の重要性にかんがみ、食品の安全性及び信頼性(以下「食の安全・安心」という。)の確保並びに食育の推進に関し、基本理念を定め、県、食品関連事業者等の責務及び県民の役割を明らかにするとともに、県の施策の基本的な事項等を定めることにより、食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に展開し、もって県民の健康で豊かな生活の実現に寄与することを目的とする。
一 食品 全ての飲食物(その原料又は材料として使用される農林水産物を含み、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品及び同条第二項に規定する医薬部外品を除く。)をいう。
二 食品等 食品並びに添加物(食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第四条第二項に規定する添加物をいう。)、器具(同条第四項に規定する器具をいう。)及び容器包装(同条第五項に規定する容器包装をいう。)をいう。
三 食品関連事業者 食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第八条第一項に規定する食品関連事業者をいう。
四 教育関係者等 食育基本法(平成十七年法律第六十三号)第十一条第一項に規定する教育関係者等をいう。
五 農林漁業者等 食育基本法第十一条第二項に規定する農林漁業者等をいう。
(平二六条例六六・一部改正)
(基本理念)
第三条 食の安全・安心の確保及び食育の推進は、県民の健康の保護及び増進並びに豊かな人間形成に資することが最も重要であるという基本的認識の下に、関係者の協働により行われなければならない。
2 食の安全・安心の確保は、食品等の生産から消費に至る一連の行程の各段階において、食品等による人の健康への悪影響を未然に防止する観点から、科学的知見に基づき適切に行われなければならない。
3 食の安全・安心の確保は、県及び食品関連事業者による食の安全・安心の確保に関する情報の積極的な公開並びに県、食品関連事業者及び県民による食の安全・安心の確保に関する情報の共有及び相互理解を図ることにより行われなければならない。
4 食の安全・安心の確保は、環境への負荷(人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。第十七条において同じ。)ができる限り低減されるよう配慮した上で行われなければならない。
5 食育の推進は、家庭、学校、保育所、地域その他のあらゆる場所において、食について考える機会を確保し、食をはぐくむ環境を整備することにより、県民が自らの食生活に関心を持ち、食を楽しみ、食に対する理解を深めるとともに、食に関する知識及び健全な食生活を実践するための技術を身に付けることを目指して行われなければならない。
6 食育の推進は、県、県民、食品関連事業者、教育関係者等、農林漁業者等その他の関係者すべての相互理解の下に、自発的意思を尊重しつつ、誰もが参加しやすい形で行われなければならない。
(県の責務)
第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、県民、食品関連事業者、教育関係者等、農林漁業者等その他関係機関との連携に努めるものとする。
3 県は、第一項の施策を地域の実情に応じて、策定し、及び効果的に実施するため、市町村との連携を図るものとする。
(食品関連事業者の責務)
第五条 食品関連事業者は、基本理念にのっとり、自らが食の安全・安心の確保について第一義的責任を有していることを認識し、安全で安心な食品を提供するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 食品関連事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、食育の推進に自ら努めるとともに、県が実施する食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(教育関係者等の責務)
第六条 教育関係者等は、基本理念にのっとり、食の安全・安心を確保するために必要な措置を講じ、食育の推進に自ら努めるとともに、県が実施する食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(農林漁業者等の責務)
第七条 農林漁業者等は、基本理念にのっとり、農林漁業に関する多様な体験の機会を積極的に提供し、教育関係者等と相互に連携して食育の推進に関する活動を行うよう努めるとともに、県が実施する食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(県民の役割)
第八条 県民は、基本理念にのっとり、食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する理解を深め、食に関する適切な判断力を養い、健全な食生活の実現に自ら努めるとともに、県が実施する食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する施策について意見を表明するよう努めることにより、食の安全・安心の確保及び食育の推進に積極的な役割を果たすものとする。
(財政上の措置)
第九条 県は、食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する施策を円滑に実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
第二章 食の安全・安心の確保
(食の安全・安心推進計画)
第十条 知事は、食の安全・安心の確保に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、岡山県食の安全・安心推進計画(以下この条において「計画」という。)を策定するものとする。
2 計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 食の安全・安心の確保に関する総合的な施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、食の安全・安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、計画を策定するに当たっては、県民、食品関連事業者、教育関係者等及び農林漁業者等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
4 知事は、計画を策定したときは、速やかに公表するものとする。
5 前二項の規定は、計画の変更について準用する。
(監視、指導等)
第十一条 県は、食の安全・安心を確保するため、食品等の生産から販売に至る一連の行程について、一貫した監視、指導、検査その他の必要な措置を講ずるものとする。
(体制の整備等)
第十二条 県は、食の安全・安心の確保に重大な影響を及ぼす事態を未然に防止し、及び当該事態に迅速かつ適切に対処するため、必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
(調査研究の実施等)
第十三条 県は、食の安全・安心を確保するため、必要な調査研究を行うとともに、その成果の普及啓発その他の必要な措置を講ずるものとする。
(情報の収集等)
第十四条 県は、食の安全・安心に関する最新の情報その他科学的知見に基づく情報の収集、整理、分析等を行い、県民及び食品関連事業者に対し、必要な情報の提供を行うものとする。
(情報及び意見の交換)
第十五条 県は、食の安全・安心の確保に関し、県民と食品関連事業者が相互に理解を深めるため、情報及び意見の交換の機会を提供するものとする。
2 食品関連事業者は、食の安全・安心を確保するため、県民に対し自らの事業活動に関する正確かつ適切な情報の提供に努めるものとする。
(適正な表示の確保等)
第十六条 県は、食品の適正な表示が確保されるよう関係法令の適切な運用を図るとともに、食品の表示に係る制度の普及啓発その他の必要な措置を講ずるものとする。
(安全で安心な農林水産物の供給)
第十七条 県は、安全で安心な農林水産物の安定的な供給のため、農林水産物の生産に係る履歴の記録及び管理が適切に実施されるとともに、環境への負荷の低減に配慮した生産方式が導入されるよう、技術の開発、その成果の普及その他の必要な措置を講ずるものとする。
第十八条 削除
(令三条例八)
(県民からの申出に対する調査等)
第十九条 知事は、食品等が人の健康に危害を及ぼし、又はそのおそれがあるとして、県民から適切な措置を講ずるよう申出があったときは、必要に応じ関係機関と連携して速やかに調査を行い、必要があると認めるときは、適切な措置を講ずるものとする。
(健康危害情報の公表)
第二十条 知事は、食品等による人の健康への危害を未然に防止し、又はその拡大を防止するため、次の各号のいずれかに該当するときは、県民に必要な情報を公表するものとする。
一 前条の調査の結果、当該食品等が人の健康に重大な危害を及ぼすと認められるとき。
二 関係法令の規定に違反し、人の健康に重大な危害を及ぼすと認められる食品等が流通しているとき(関係法令の規定により公表されたときを除く。)。
三 その他公表することが公益上必要であると認められるとき。
第三章 食育の推進
(食育推進計画)
第二十一条 知事は、食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、岡山県食育推進計画(以下この条において「計画」という。)を策定するものとする。
2 計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 食育の推進に関する総合的な施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
(食育推進活動の展開)
第二十二条 県は、食育の推進に当たっては、教育関係者等及び農林漁業者等と連携して、食育に関する専門的な知識を有する人材の育成及び活用を図るとともに、県民、食品関連事業者、教育関係者等、農林漁業者等、ボランティア等と連携して、地域の特色を生かした取組を促進するものとする。
2 県は、県民が食について考える機会を確保し、食に対する理解を深めることができるよう、健全な食生活の実践、地産地消(地域で生産された農林水産物を当該地域で消費することをいう。第二十四条において同じ。)の推進等に関する情報の提供を行うものとする。
3 県は、県民、食品関連事業者、教育関係者等、農林漁業者等、ボランティア等が行う食育の推進に関する活動が相互の連携により展開されるよう、情報及び意見の交換の機会を提供するものとする。
(家庭における食育の推進)
第二十三条 県は、食育において家庭が重要な役割を担っているとの認識の下に、家庭における健全な食習慣が確立されるよう、教育関係者等、農林漁業者等、ボランティア等と連携して、家族で参加する料理教室その他の食を楽しみながら食に関する理解を深める機会の提供等により、家庭における食育の推進を支援するものとする。
(子どもの食育の推進)
第二十四条 県は、県民が子どもの時から健全な食習慣と食を選択する力を自ら身に付けることができるよう、教育関係者等、農林漁業者等、ボランティア等と連携して、給食における地産地消の推進、食に関する様々な体験学習を行うこと等により、食育の推進を図るものとする。
(食文化の継承)
第二十五条 県は、県民が地域の伝統ある優れた食文化への理解を深め、これを継承していく活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
附則
附則(平成二六年条例第六六号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成二十六年十一月二十五日から施行する。
附則(令和三年条例第八号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和三年六月一日から施行する。
(岡山県食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する条例の一部改正に伴う経過措置)
2 この条例の施行の日前にされた第三条の規定による改正前の岡山県食の安全・安心の確保及び食育の推進に関する条例(以下「旧食の安全・安心確保条例」という。)第十八条第一項の規定による報告に関する同条第二項の規定による指導及び同条第三項の規定による報告については、なお従前の例による。