○加賀市自然環境保全条例
平成17年10月1日
条例第150号
(目的)
第1条 この条例は、本市における健全で恵み豊かな自然環境が市民の健康で文化的な生活を確保する上で欠くことのできないものであることにかんがみ、自然環境の保全及び動植物の保護(以下「自然環境の保全等」という。)を推進することにより、広く市民がその恵沢を享受するとともに、将来の市民に継承できるようにし、もって現在及び将来にわたって、人と自然との共生を確保することを目的とする。
(基礎調査)
第2条 市長は、自然、緑地、動植物等に関する調査その他自然環境の保全等のために講ずべき施策の策定に必要な基礎調査を行うものとする。
(財政上の措置)
第3条 市長は、自然環境の保全等に資するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(保護地区及び保護動植物の指定)
第4条 市長は、良好な自然環境を保全するために次に掲げる区分により保護すべき地区及び動植物を指定することができる。
(1) 自然緑地保護地区 山地、丘陵地、河川等の自然を残すために保護することが必要な地区
(2) 動植物保護地区 保護動植物の生息地(渡来地及び繁殖地を含む。)又は生育地であって、その維持又は繁殖を図るために保護することが必要な地区
(3) 保護動植物 野生の動植物であって、その維持又は繁殖を図るために保護することが必要なもの
2 市長は、前項の自然緑地保護地区及び動植物保護地区(以下これらを「保護地区」という。)並びに保護動植物の指定をしようとするときは、加賀市自然環境審査会の意見を聴かなければならない。
(指定を除く区域及び動植物)
第5条 前条に規定する保護地区には、次に掲げる区域は、含まれないものとする。
(1) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第29条第1項の規定により指定された特別保護地区の区域
(2) 自然環境保全法(昭和47年法律第85号)第14条第1項の規定により指定された原生自然環境保全地域の区域及び同法第22条第1項の規定により指定された自然環境保全地域の区域
(3) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第1号に規定する自然公園の区域
(4) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)第37条第1項の規定により指定された管理地区の区域
(5) ふるさと石川の環境を守り育てる条例(平成16年石川県条例第16号)第118条第1項の規定により指定された石川県自然環境保全地域の区域
(保護地区及び保護動植物の指定の告示等)
第6条 市長は、第4条第1項の規定により保護地区及び保護動植物を指定しようとするときは、あらかじめその旨を告示し、その案を告示の日から30日間公衆の縦覧に供しなければならない。
3 市長は、前項の規定により縦覧に供された案について異議がある旨の意見書の提出があったとき、又は当該指定に関して広く意見を聴く必要があると認めたときは、公聴会を開催するものとする。
4 市長は、保護地区及び保護動植物を指定するときは、その旨、その区域又は種目その他の規則で定める事項を告示しなければならない。
5 保護地区及び保護動植物の指定は、前項の規定による告示によりその効力を生ずる。
6 市民は、保護地区として指定を受けるべき土地又は保護動植物として指定を受けるべき動植物があると認めるときは、その指定について市長に申し出ることができる。この場合において、市長は、申出をした者に対して、その申出に対する措置を通知しなければならない。
(標識の設置)
第7条 市長は、保護地区を指定したときは、当該区域内にその旨を表示した標識を設置しなければならない。
2 保護地区に係る土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り前項の規定による標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
3 何人も、第1項の規定により設置された標識を汚損し、又は市長の承認を得ないで移転し、若しくは除去してはならない。
(指定の解除等)
第8条 市長は、公益上の理由があると認めるときは、保護地区及び保護動植物の指定を解除し、又は保護地区の区域を変更することができる。
(保護地区内における行為の届出等)
第9条 保護地区内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ市長にその旨を届け出なければならない。
(1) 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
(2) 宅地を造成し、土地を開墾し、又はその土地の形質を変更すること。
(3) 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
(4) 水面を埋め立て、又は干拓すること。
(5) 木竹を伐採すること。
(6) 前各号に掲げるもののほか、自然環境の保全等に影響を及ぼすおそれがあるとして市長があらかじめ指定した行為
2 市長は、前項の規定による届出があった場合において、当該保護地区の指定の目的を達成するため必要があると認めるときは、その届出をした者に対して、届出があった日から起算して30日以内に、その届出に係る行為を禁止し、又は計画の変更等必要な措置をとるべきことを指導し、若しくは勧告することができる。
6 次に掲げる行為については、第1項の規定は、適用しない。
(1) 非常災害時の応急措置として行う行為
(2) 通常の管理行為
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める行為
2 市長は、前項の規定による届出があった場合において、当該保護地区の指定の目的を達成するため必要があると認めるときは、その届出をした者に対して、必要な措置をとるべきことを指導し、又は勧告することができる。
2 市長は、第9条第1項の規定による届出をした者が、当該届出の内容と異なる行為をしたと認めるときは、当該行為の中止を命じ、又は必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(適用除外)
第16条 次に掲げる行為については、前3条の規定は、適用しない。
(1) 非常災害時の応急措置として行う行為
(2) 国又は地方公共団体が行う行為
(動植物保護地区内における行為の制限)
第17条 何人も、動植物保護地区内においては、市長の許可を受けなければ、保護動植物の捕獲、採取、殺傷又は損傷をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
(1) 非常災害時の応急措置としてする場合
(2) 通常の管理行為としてする場合
(3) 国又は地方公共団体がする場合
(立入調査)
第18条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、職員に保護地区内の土地に立ち入り、当該土地若しくは当該土地にある物件又は当該地区内において行われている行為の状況の調査をさせることができる。
2 前項の規定により当該職員が立ち入るときは、その身分を証する証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 保護地区に係る土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り第1項の規定による調査を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。
(審査会の設置等)
第19条 市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を審査するため、加賀市自然環境審査会(以下「審査会」という。)を置く。
(1) 保護地区及び保護動植物の指定に関する事項
(2) 保護地区内の土地の買取りに関する事項
(審査会の組織)
第20条 審査会は、委員5人以内をもって組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 前号に掲げる者のほか、市長が特に必要と認める者
(審査会の委員の任期)
第21条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(委任)
第22条 前3条に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(自然環境監視員)
第23条 市長は、自然環境の保全等のために必要な監視を行わせるため、自然環境監視員を置くことができる。
2 自然環境監視員に関し必要な事項は、規則で定める。
(土地等の買取り)
第24条 市長は、保護地区内の土地で、自然環境の保全等を図るため特に必要があると認めるときは、これを買い取ることができる。
(違反行為の公表)
第25条 市長は、第11条の規定による命令に違反している者があるときは、その違反の事実及び違反者の氏名を公表することができる。
(委任)
第26条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第27条 第11条の規定による命令に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
第28条 第17条の規定に違反した者は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する。
第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
(2) 第18条第3項の規定に違反した者
(両罰規定)
第30条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、合併前の山中町の区域においては、平成18年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の加賀市自然環境保全条例(平成13年加賀市条例第31号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。
3 施行日以降、最初に委嘱された審査会の委員の任期は、第21条の規定にかかわらず、平成20年3月31日までとする。
附則(平成27年3月24日条例第27号)
この条例は、平成27年5月29日から施行する。
附則(令和7年3月17日条例第1号)抄
(施行期日)
第1条 この条例は、刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号。以下「刑法等一部改正法」という。)及び刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和4年法律第68号。以下「整理等法」という。)の施行の日から施行する。
(罰則の適用等に関する経過措置)
第2条 この条例の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。
2 この条例の施行後にした行為に対して、他の条例の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ、又は改正前若しくは廃止前の条例の規定の例によることとされる罰則を適用する場合において、当該罰則に定める刑に刑法等一部改正法第2条の規定による改正前の刑法(明治40年法律第45号。以下この項において「旧刑法」という。)第12条に規定する懲役(以下「懲役」という。)(有期のものに限る。以下この項において同じ。)、旧刑法第13条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)(有期のものに限る。以下この項において同じ。)又は旧刑法第16条に規定する拘留(以下「旧拘留」という。)が含まれるときは、当該刑のうち懲役又は禁錮はそれぞれその刑と長期及び短期を同じくする有期拘禁刑と、旧拘留は長期及び短期を同じくする拘留とする。
(人の資格に関する経過措置)
第3条 拘禁刑又は拘留に処せられた者に係る他の条例の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ、又は改正前若しくは廃止前の条例の規定の例によることとされる人の資格に関する法令の規定の適用については、無期拘禁刑に処せられた者は無期禁錮に処せられた者と、有期拘禁刑に処せられた者は刑期を同じくする有期禁錮に処せられた者と、拘留に処せられた者は刑期を同じくする旧拘留に処せられた者とみなす。