○鹿児島大学遺伝子組換え実験安全管理規則

平成16年4月1日

規則第106号

(目的)

第1条 この規則は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年6月18日法律第97号。以下「法」という。)及びこの法に関連した省令・告示(以下「省令等」という。)に基づき、鹿児島大学(以下「本学」という。)において、遺伝子組換え実験(以下「実験」という。)を計画し、実施する際に遵守すべき安全確保に関する必要な事項を定め、もって、実験の安全かつ適切な実施を図ることを目的とする。

2 実験の計画及び実施については、法、省令等又は他に別段の定めがあるもののほか、この規則の定めるところによる。

(学長の責務)

第2条 学長は、本学において行われる実験の計画及び実施並びにその安全確保に関する業務を総括する。

(管理学部等の長の責務)

第3条 実験に使用する施設(以下「実験施設」という。)を管理する各学部、各研究科、附属病院、機構又は機構の各センター、ヒトレトロウイルス学共同研究センター及び各学内共同教育研究施設(以下「管理学部等」という。)の長は、当該管理学部等における実験の計画及び実施並びに安全確保に関する業務を総括する。

(安全主任者)

第4条 管理学部等の長を補佐させるため、実験を実施する管理学部等ごとに遺伝子組換え実験安全主任者(以下「安全主任者」という。)1名又は2名を置く。

2 安全主任者は、法、省令等及びこの規則を熟知するとともに、生物災害に関する知識及び技術に習熟した者のうちから管理学部等の長の推薦に基づき学長が任命する。

3 安全主任者は、次に掲げる任務を行うものとする。

(1) 実験が法、省令等及びこの規則に従って適正に遂行されているか否か確認すること。

(2) 実験管理者に対し、安全確保に関する指導助言をすること。

(3) 実験計画の承認申請又は届出に当たり、あらかじめ内容を確認すること。

(4) その他必要な事項を実施すること。

(安全委員会)

第5条 国立大学法人鹿児島大学に、国立大学法人鹿児島大学遺伝子組換え実験安全委員会(以下「安全委員会」という。)を置く。

2 安全委員会は、学長の諮問に応じ次に掲げる事項を調査・審議するものとする。

(1) 実験に係る規則等の制定改廃に関すること。

(2) 実験計画の法、省令等及びこの規則に対する適合性に関する基本的事項

(3) 実験従事者に係る教育訓練及び健康管理に関する基本的事項

(4) 事故発生の際の必要な処置及び改善策に関する基本的事項

(5) その他重要な事項

3 安全委員会は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる事項に関し、学長に助言又は勧告することができる。

(安全委員会の組織等)

第6条 安全委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 管理学部等が指名する安全主任者

(2) 遺伝子組換え研究関係の教員 若干名

(3) 前2号以外の自然科学系の教員 若干名

(4) 人文・社会科学系の教員 1名

(5) 医師免許を有する教員 1名

(6) 研究推進部長

(7) その他学長が必要と認める者 若干名

2 委員(前項第1号及び第6号の委員を除く。)は、学長が任命する。

3 第1項第2号から第5号まで及び第7号の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員を生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 安全委員会に委員長を置き、委員の互選によって定める。

5 委員長は、安全委員会を招集し、その議長となる。

6 安全委員会の事務は、研究推進部研究協力課において処理する。

7 前各項に定めるもののほか、安全委員会の運営に関し必要な事項は、別に安全委員会で定める。

(地区委員会)

第7条 安全委員会の下、郡元・下荒田地区及び桜ヶ丘地区に、次に掲げる地区遺伝子組換え実験安全委員会(以下「地区委員会」という。)を置く。

(1) 郡元・下荒田地区遺伝子組換え実験安全委員会(以下「郡元・下荒田地区委員会」という。)

(2) 桜ヶ丘地区遺伝子組換え実験安全委員会(以下「桜ヶ丘地区委員会」という。)

2 地区委員会は、管理学部等の長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査・審議するものとする。

(1) 実験計画の法、省令等及びこの規則に対する適合性の審査に関すること。

(2) 実験従事者に係る教育訓練及び健康管理に関すること。

(3) 事故発生の際の必要な処置及び改善策に関すること。

(4) その他必要な事項

3 地区委員会は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる事項に関し、管理学部等の長に助言又は勧告することができる。

4 地区委員会は、実験管理者が実験を終了し、又は中止したときは、速やかに報告させるものとする。

5 地区委員会は、前項に定めるもののほか、実験管理者及び安全主任者に対し、必要に応じ報告を求めることができる。

6 地区委員会は、第2項について調査・審議したときは、その結果を管理学部等の長に報告するものとする。

(地区委員会の組織等)

第8条 地区委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 郡元・下荒田地区委員会

 安全主任者

 遺伝子組換え研究関係の教員 若干名

 及び以外の自然科学系の教員 若干名

 人文・社会科学系の教員 1名

 医師免許を有する教員 1名

 研究推進部長

 その他学長が必要と認める者 若干名

(2) 桜ヶ丘地区委員会

 安全主任者

 遺伝子組換え研究関係の教員 若干名

 及び以外の自然科学系の教員 若干名

 倫理を担当する教員 1名

 予防医学及び臨床医学を専攻する教員 各1名

 大学院医歯学総合研究科等事務部長

 その他学長が必要と認める者 若干名

2 委員(前項第1号のア及び並びに第2号のア及びの委員を除く。)は、学長が任命する。

3 前項に定める委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員を生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 地区委員会に委員長を置き、委員の互選によって定める。

5 委員長は、地区委員会を招集し、その議長となる。

6 地区委員会の事務は、郡元・下荒田地区委員会にあっては研究推進部研究協力課、桜ヶ丘地区委員会にあっては医歯学総合研究科等事務部総務課において処理する。

7 前各項に定めるもののほか、地区委員会の運営に関し必要な事項は、別に安全委員会が定める。

(実験管理者)

第9条 実験従事者中、個々の実験計画の進行について責任を負う者として実験管理者を置く。

2 実験管理者は、法、省令等及びこの規則を熟知するとともに、生物災害の発生を防止するための知識及び技術に習熟した者のうちから定めるものとする。

3 実験管理者は、次に掲げる任務を行うものとする。

(1) 実験計画の立案及び実施に際しては、法、省令等及びこの規則を遵守し、安全主任者との緊密な連絡の下に、実験全体の適切な管理・監督に当たること。

(2) 実験従事者に係る教育訓練を企画し、実施すること。

(3) その他必要な事項を実施すること。

4 実験管理者が疾病その他の事故により、その任務を行うことができないときは、実験管理者を交代又は実験を中止するものとする。

(実験従事者)

第10条 実験従事者は、実験の計画及び実施に当たっては、安全確保について十分に自覚し、必要な配慮をするとともに、あらかじめ、微生物に係る標準的な実験法並びに実験に特有な操作方法及び関連する技術に精通し、習熟していなければならない。

(実験の申請及び承認等)

第11条 実験管理者は、大臣確認実験及び機関承認実験を行うに当たって、実験計画を管理学部等の長に申請し、その承認を得なければならない。

2 前項の実験計画が動物実験又は病原体等実験に該当する場合は、それぞれ定められた規則に基づく申請を行い、実験開始前までにその承認を得なければならない。

3 前2項の規定は、実験計画を変更する場合において準用する。

4 管理学部等の長は、第1項の申請があったときは、地区委員会の審査を経て、その実験計画について承認を与えるか否かの決定を行うものとする。この場合において、管理学部等の長は、文部科学大臣の確認を必要とする実験計画については、あらかじめ、その確認を受けるものとする。

5 管理学部等の長は、前項の決定を行ったときは、速やかに実験管理者に通知するとともに、地区委員会を通して安全委員会に報告しなければならない。

6 管理学部等の長は、第7条第6項により調査・審議結果の報告を受けたときは、地区委員会を通して安全委員会に報告しなければならない。

(審査基準)

第12条 地区委員会が実験計画の安全性について審査する場合の基準は、法、省令等及びこの規則の定めるところによる。

(施設、設備の管理及び安全)

第13条 管理学部等の長は、実験施設、設備を、法、省令等に定める拡散防止措置の区分に従って設置し、その管理及び保全に努めなければならない。

2 実験管理者は、実験施設、設備について定期に、及び必要に応じて随時に点検を行い、法、省令等に定める拡散防止措置の区分に適合するように維持しなければならない。

(実験施設への立入り)

第14条 実験管理者は、実験施設への立入りについて、拡散防止措置の区分に応じて、法、省令等に定めるところにより制限又は禁止の措置を講じなければならない。

(実験に係る表示)

第15条 実験管理者は、当該実験の拡散防止措置の区分に応じて、法、省令等に定められた表示をしなければならない。

(実験試料の取扱い)

第16条 実験従事者は、実験開始前及び実験中において、実験に用いられる核酸供与体、宿主、ベクターに照らし、所要の生物学的封じ込めの条件を満たすものであることを確認するとともに、実験試料の取扱いに当たっては、法、省令等に定められた規定を遵守しなければならない。

(保管に当たって執るべき拡散防止措置)

第17条 遺伝子組換え生物等の保管に当たっては、法、省令等の定めるところにより、次の措置を講じなければならない。

(1) 遺伝子組換え生物等が漏出、逃亡その他拡散しない構造の容器に入れ、かつ、当該容器の見やすい箇所に、遺伝子組換え生物等である旨を表示すること。

(2) 前号の遺伝子組換え生物等を入れた容器は、所定の場所に保管するものとし、保管場所が冷蔵庫その他の保管のための設備である場合には、当該設備の見やすい箇所に、遺伝子組換え生物等を保管している旨を表示すること。

(運搬に当たって執るべき拡散防止措置)

第18条 遺伝子組換え生物等の運搬に当たっては、当該実験の拡散防止措置の区分に応じて、法、省令等の定めるところにより、次の措置を講じなければならない。

(1) 遺伝子組換え生物等が漏出、逃亡その他拡散しない構造の容器に入れること。

(2) 当該遺伝子組換え生物等の実験に当たって執るべき拡散防止措置が、P1レベル、P2レベル、LSCレベル、LS1レベル、P1Aレベル、P2Aレベル、特定飼育区画、P1Pレベル、P2Pレベル及び特定網室以外のものである場合にあっては、前号に規定する措置に加え、前号に規定する容器を、通常の運搬において事故等により当該容器が破損したとしても当該容器内の遺伝子組換え生物等が漏出、逃亡その他拡散しない構造の容器に入れること。

(3) 最も外側の容器(容器を包装する場合にあっては、当該包装)の見やすい箇所に取扱いに注意を要する旨を表示すること。

(実験の記録及び保管)

第19条 実験管理者は、実験の内容、譲渡等に際して提供した又は提供を受けた情報等を記録し、保管しなければならない。

(情報提供に関する措置)

第20条 遺伝子組換え生物等を譲渡し、又は提供し、若しくは委託して使用等させようとする場合は、使用等の区分に応じて、法、省令等において定められた情報の内容を提供しなければならない。

2 実験管理者は、前項の情報の提供を行った場合は、管理学部等の長に報告するものとする。

(輸出に関する措置)

第21条 遺伝子組換え生物等を輸出しようとする場合は、法、省令等の定めるところにより、必要な事項を表示して輸出しなければならない。

2 実験管理者は、前項の輸出を行った場合は、管理学部等の長に報告するものとする。

(教育訓練)

第22条 管理学部等の長及び実験管理者は、実験開始前に実験従事者に対し、法、省令等及びこの規則等を熟知させるとともに、次に掲げる教育訓練を行わなければならない。

(1) 危険度に応じた微生物安全取扱い技術

(2) 物理学的封じ込めに関する知識及び技術

(3) 生物学的封じ込めに関する知識及び技術

(4) 実施しようとする実験の危険度に関する知識

(5) 事故発生の場合の措置に関する知識(大量培養実験においては、遺伝子組換え生物等を含む培養液が漏出した場合における化学的処理による殺菌等の措置に特に配慮を払うこと。)

(健康管理)

第23条 管理学部等の長は、実験従事者に対し健康診断及びその他健康を確保するために、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 実験の開始前及び開始後1年を超えない期間ごとに健康診断を行うこと。ただし、当該健康診断は、本学における一般健康診断をもって代えることができる。

(2) 実験従事者が病原微生物を取り扱う場合には、実験開始前に予防治療の方策についてあらかじめ検討し、必要に応じ抗生物質、ワクチン、血清等の準備を行うこと。また、実験開始後6月を超えない期間ごとに特別定期健康診断を行うこと。

(3) P3レベル実験が行われる場合には、実験開始前に実験従事者の血清を採取し、実験完了後2年間はこれを保存すること。

(4) 実験室内感染が疑われる場合には、直ちに健康診断を行い、適切な措置を講ずること。

(5) 実験従事者が次のに該当するとき、又は同様の報告を受けたときは、直ちに調査するとともに、必要な措置を講ずること。

 遺伝子組換え生物等を誤って飲み込み、又は吸い込んだとき。

 遺伝子組換え生物等により皮膚が汚染されたとき。

 遺伝子組換え生物等により実験室及び実験区域が著しく汚染された場合に、その場に居合せたとき。

 健康に変調をきたした場合又は重症若しくは長期にわたる病気にかかったとき。

(緊急事態発生時の措置)

第24条 実験施設において、次の各号の一に掲げる事態が発生したときは、実験管理者又は実験従事者は、直ちにその旨を当該管理学部等の長及び安全主任者に通報するとともに、実験施設の使用禁止又は立入禁止その他の措置をとらなければならない。

(1) 地震、火災等の災害により、遺伝子組換え生物等によって実験施設が汚染され、又は遺伝子組換え生物等が実験施設から漏出し、若しくは漏出するおそれのあるとき。

(2) 遺伝子組換え生物等によって人体が汚染され、又は汚染されたおそれのあるとき。

2 前項の通報を受けた管理学部等の長及び安全主任者は、直ちに必要な措置をとるとともに、管理学部等の長にあってはこれを学長に報告しなければならない。

(雑則)

第25条 この規則に定めるもののほか、実験の実施に関し必要な事項は、学長が別に定める。

この規則は、平成16年4月1日から施行する。

この規則は、平成17年4月1日から施行する。

この規則は、平成18年4月1日から施行する。

この規則は、平成18年4月27日から施行し、平成18年4月1日から適用する。

この規則は、平成19年4月1日から施行する。

この規則は、平成23年6月28日から施行し、平成23年4月1日から適用する。ただし、改正後の第5条第4項の規定は、平成22年度までに承認された実験計画についても適用するものとする。

この規則は、平成27年6月30日から施行し、平成27年4月1日から適用する。

この規則は、平成28年4月1日から施行する。

この規則は、平成28年10月1日から施行する。

この規則は、平成29年4月1日から施行する。

この規則は、平成30年6月21日から施行する。

この規則は、平成31年4月1日から施行する。

この規則は、令和4年4月1日から施行する。

鹿児島大学遺伝子組換え実験安全管理規則

平成16年4月1日 規則第106号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第1編 規則、細則/第2章 全学規則/第6節 研究協力
沿革情報
平成16年4月1日 規則第106号
平成17年4月1日 規則第47号
平成18年3月29日 規則第38号
平成18年4月27日 規則第52号
平成19年3月23日 規則第41号
平成23年6月28日 規則第40号
平成27年6月30日 規則第88号
平成28年3月18日 規則第41号
平成28年9月23日 規則第68号
平成29年3月31日 規則第55号
平成30年6月21日 規則第55号
平成31年3月29日 規則第41号
令和4年2月17日 規則第5号