○鹿児島大学病院医薬品等臨床試験取扱規則

平成20年9月1日

医歯病規則第12号

(趣旨)

第1条 この規則は、鹿児島大学病院(以下「本院」という。)における医薬品等の臨床試験(以下「治験」という。)の取扱いについて定めるものとする。

2 この規則に定めるもののほか、必要な事項は次に掲げる法令等の定めるところによる。

(1) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)

(2) 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)

(3) 医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成17年厚生労働省令第36号)

(4) 再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成26年厚生労働省令第89号)

(定義)

第2条 この規則において用いられる主な用語の意義は、次に定めるところによる。

(1) 治験

医薬品等の製造販売の承認又は承認事項の一部変更承認を申請する際に提出すべき資料の収集を目的とした臨床試験をいう。

(2) 治験薬等

前号に定める臨床試験に用いる被験薬、対照薬、被験機器、対照機器、被験製品及び対照製品をいう。

(3) 治験使用薬

被験薬並びに被験薬の有効性及び安全性の評価のために使用する薬物をいう。

(4) 治験使用機器

被験機器並びに被験機器の有効性及び安全性の評価のために使用する機械器具等をいう。

(5) 治験使用製品

被験製品並びに被験製品の有効性及び安全性の評価のために使用する加工細胞等をいう。

(6) 治験使用薬等

治験使用薬又は治験使用薬と成分が同一性を有すると認められる薬物、治験使用機器又は治験使用機器と構造及び原理が同一性を有すると認められる機械器具等、治験使用製品又は治験使用製品と構成細胞又は導入遺伝子が同一性を有すると認められる加工細胞等をいう。

(7) 治験責任医師

治験責任医師及び治験責任歯科医師をいい、診療センター及び中央診療施設等(以下「診療センター等」という。)の教授、准教授、講師又は助教(以下「教員」という。)並びに本院の診療従事許可を得た大学院医歯学総合研究科、医学部、歯学部及びヒトレトロウイルス学共同研究センター(以下「研究科等」という。)の教員で、実質的な当該治験実施の代表医師とする。

(8) 治験分担医師

治験業務の一部を分担する治験分担医師及び治験分担歯科医師をいい、診療センター等の教員及び医員若しくは本院の診療従事許可を得た研究科等の教員若しくは研究員又は大学院生で医師及び歯科医師のうちから治験責任医師が指名し、次条から第7条までの手続きを経て決定された者とする。ただし、大学院生を治験分担医師とする場合は、医籍・歯科医籍登録後4年以上の医師又は歯科医師で、治験責任医師が治験分担医師(大学院生)に関わる推薦書により推薦し、第4条に定める治験審査委員会にて審査・審議した後、病院長の承認を得なければならない。

(9) 治験調整医師

治験調整医師及び治験調整歯科医師をいい、診療センター等の教員又は本院の診療従事許可を得た研究科等の教員で、一の治験実施計画書に基づき複数の実施医療機関において治験を行う場合に、自ら治験を実施する者により治験実施計画書の解釈その他の治験の細目について調整する業務の委嘱を受ける者とする。

(10) 自ら治験を実施する者

自ら治験を実施する、又は自ら治験を実施しようとする診療センター等の教員又は本院の診療従事許可を得た研究科等の教員で、自ら治験を実施するために治験の準備、管理及び実施に責任を負い、治験責任医師となるべき者をいう。

(11) 企業主導治験

製薬企業等の依頼者(以下「治験依頼者」という。)による治験をいう。

(12) 医師主導治験

自ら治験を実施する者による治験をいう。

(13) 拡大治験

人道的見地から実施される治験をいう。

(申込み等)

第3条 治験依頼者は治験依頼書、自ら治験を実施する者は治験実施申請書を、関係法令に定める治験の審査に必要な資料(以下「審査資料」という。)とともに病院長に提出するものとする。

2 治験責任医師は、当該治験が関係法令に規定する治験の依頼の基準を満たしているかどうか、専門的な観点から十分な検討を行うとともに、通常の教育、研究及び診療に支障のないことを確認した上で、履歴書及び治験分担医師・治験協力者リストを病院長に提出するものとする。

(治験審査委員会)

第4条 病院長は、治験を行うことの適否その他の治験に関する事項を審査・審議するため、治験審査委員会(以下「委員会」という。)を置くものとする。

2 委員会の組織、運営等に関する必要事項は、別に定める。

(治験実施の適否の決定)

第5条 病院長は、第3条第1項及び第2項の関係書類を受理したときは、委員会に諮り、その審議結果に基づき、治験実施の適否の決定を行うものとする。

(治験実施の決定の通知)

第6条 病院長は、前条に基づき治験実施の適否を決定したときは、治験審査結果通知書により、企業主導治験においては治験責任医師及び治験依頼者、医師主導治験においては自ら治験を実施する者に通知するとともに、契約担当役に通知するものとする。

(変更申込み等)

第7条 企業主導治験においては治験依頼者及び治験責任医師、医師主導治験においては自ら治験を実施する者は、第5条に定める治験実施の適否の決定後、審査資料の一部を変更する場合は、治験に関する変更申請書に関係書類を添付し、病院長に提出するものとする。

2 病院長は、前号の関係書類を受理したときは、前2条の規定に準じて取り扱うものとする。

(治験の継続)

第8条 病院長は、実施中の治験が1年を越え継続して行われる場合の継続適否の決定については、治験実施状況報告書により、第5条に準じて取り扱うものとする。

2 病院長は、前項により継続の適否を決定したときは、第6条に準じて通知するものとする。

(病院長の指示、決定)

第9条 治験責任医師は、委員会の審議に基づく病院長の指示又は決定に従って治験を開始、継続又は中止するものとする。

(契約)

第10条 契約担当役は、第6条及び第8条第2項の通知を受けたときは、速やかに、企業主導治験においては受託研究契約書又は受託研究変更契約書により治験依頼者と契約を締結する。

(経費等の受託基準)

第11条 企業主導治験においては、契約締結に伴う経費の算定方法等の受託基準について、別に定めるものとする。

(治験の開始)

第12条 治験責任医師は、契約書に定められた治験期間の開始日以降に治験を開始するものとする。

(被験者の同意)

第13条 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者となるべき者を治験に参加させるときは、当該治験の内容等について十分な理解が得られるような説明を文書により行い、文書による同意を得るものとする。ただし、被験者が治験の内容等を理解することや同意の能力を欠くこと等により、同意を得ることが困難な場合は、家族又は親族等(以下「代諾者」という。)の同意を得るものとする。

2 説明文を読むことのできない被験者(前項のただし書き該当者を除く。)に対しては、公正な立会人を立ち会わせて説明の上、同意を得るものとする。

3 前2項に係る同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師並びに被験者、代諾者及び立会人が日付を記載し、署名するものとする。

4 被験者が説明文書を読むことができ、その内容を理解することはできるものの、疾病等の影響で自ら同意文書に署名し、日付を記入することができない場合には、同意に際して被験者となるべき者に代わって記入をしうる者(代筆者)として、代諾者と同等の者を要する。この場合には、被験者となるべき者に加え、代諾者と同等の者に対して、文書により説明され、被験者となるべき者が治験への参加に口頭で同意し、代諾者と同等の者が同意文書にその旨を代筆し、経緯及び被験者との関係を記入した上で、自らも署名し、日付を記入することとする。なお、代諾者と同等でない者が代筆者として同意文書に記入することがやむを得ない場合は、公正な立会人が立ち会い、その旨を同意文書に記録する。代筆者に加え、立会人も同意文書に日付を記載し、署名するものとする。

(同意文書の交付)

第14条 治験責任医師は、日付の記載、署名された同意文書を被験者又は代諾者に対し、治験参加以前に交付するものとする。

(治験使用薬等の管理)

第15条 治験使用薬等の管理責任は、病院長が負うものとする。

2 病院長は、治験使用薬等を適切に管理するため治験薬等管理者を置くものとする。

3 治験薬等管理者は、治験使用薬等の管理に関する手順書に従い治験使用薬等(本院が在庫として保管するものの中から使用するものを除く。)の管理を適切に行い、明確に記録するものとする。

4 治験使用薬等(本院が在庫として保管するものの中から使用するものを除く。)の保管は、薬剤部で行う。ただし、治験使用薬等の性格上、診療センター等の保管が望ましい場合は、治験責任医師は病院長に治験使用薬等の診療センター等管理要望書を提出し、承認を得た上で、診療センター等において保管できるものとする。

5 治験薬等管理者は、治験実施に当たり治験使用薬等を払い出す場合は、前条の同意文書交付の確認を必ず行うものとする。

(被験者に対する責務)

第16条 治験責任医師及び治験分担医師は、被験者に対し治験使用薬等の適正な使用方法を説明し、かつ、治験使用薬等が適正に使用されているかどうかの確認を行うものとする。

2 治験責任医師及び治験分担医師は、被験者が他の医師及び歯科医師の治療を受けている場合には、治療に係る投与中の医薬品等及び治験使用薬等の相互作用等による被験者の健康被害を防ぐため、被験者の同意の下に、被験者が治験に参加する旨及び治験に参加している旨を当該他の医師及び歯科医師に通知するものとする。

3 病院長及び治験責任医師は、被験者に生じた有害事象に対して適切な医療が提供されるよう、事前に必要な措置を講じておくものとする。

4 治験責任医師は、被験者に有害事象が生じ、治療の必要があると認めるときは、その旨を被験者に通知するものとする。

(治験実施計画書からの逸脱)

第17条 治験責任医師は、被験者の緊急の危険の回避及びその他医療上やむを得ない理由により治験実施計画書に従わなかった場合は、すべてこれを記録し、緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書を、企業主導治験においては病院長及び治験依頼者、医師主導治験においては病院長に提出するものとする。

2 病院長は、企業主導治験について前項の提出報告を受けた場合は、治験依頼者より緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する通知書を受理した後、委員会に諮るものとする。

(副作用の報告等)

第18条 治験責任医師は、治験の実施中被験者に重篤な有害事象が発生した場合、直ちに、重篤な有害事象に関する報告書等により、企業主導治験においては病院長及び治験依頼者、医師主導治験においては病院長、一の実施計画書に基づき共同で複数の実施医療機関において治験を実施する場合には他の実施医療機関の治験責任医師及び治験薬等提供者に報告するものとする。

2 病院長は、前項の報告を受けた場合は、当該治験の取扱いについて、委員会に意見を求めるものとする。

(治験の終了及び中止・中断の報告)

第19条 治験責任医師は、治験を終了又は中止・中断した場合、治験終了(中止・中断)報告書を病院長に速やかに提出するものとする。

2 病院長は、前項の報告を受けた場合は、治験終了(中止・中断)報告書により、企業主導治験においては委員会及び治験依頼者、医師主導治験においては委員会に通知するものとする。

(治験事務局)

第20条 病院長は、治験に関する業務を円滑に遂行するため、臨床研究管理センター治験管理部門内に治験事務局を設置し、治験審査委員会事務局を兼ねるものとする。

2 治験事務局に事務局長(以下「治験事務局長」という。)を置き、薬剤部長又は副薬剤部長をもって充てる。

3 治験事務局の業務等に関する必要事項は別に定める。

(記録等の保存)

第21条 本院において保存すべき治験の記録(文書を含む)の記録保存の管理責任は病院長が負うものとし、病院長は、次に掲げる者を治験に関する記録・文書等の記録保存責任者と定めることとする。

(1) 治験責任医師 診療に関する全ての記録及び同意文書、治験責任医師が保存すべき文書

(2) 治験事務局長 治験の受入れ、委員会に関する記録並びにこれらに係る文書

(3) 治験薬等管理者 治験使用薬等に関する記録

(4) 経営企画課長 治験薬等の契約に関する文書

2 前項各号の保存責任者は、当該被験薬等に係る製造販売の承認を受ける日、又は治験の中止若しくは終了後3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間保存するものとする。ただし、治験依頼者又は自ら治験を実施する者が長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験依頼者又は自ら治験を実施する者と協議するものとする。

(治験関係諸様式)

第22条 治験に係る諸様式については、別に定めるものとする。

この規則は、平成20年9月1日から施行し、平成20年4月1日から適用する。

この規則は、平成22年4月1日から施行する。

この規則は、平成22年7月6日から施行する。

この規則は、平成27年8月1日から施行する。

この規則は、平成28年10月1日から施行する。

この規則は、平成29年4月18日から施行し、平成29年4月1日から適用する。

この規則は、令和2年6月24日から施行し、令和2年5月1日から適用する。

この規則は、令和4年2月22日から施行する。

鹿児島大学病院医薬品等臨床試験取扱規則

平成20年9月1日 医歯病規則第12号

(令和4年2月22日施行)

体系情報
第1編 規則、細則/第4章 部/第10節 鹿児島大学病院/第2款 その他
沿革情報
平成20年9月1日 医歯病規則第12号
平成22年3月16日 医歯病規則第7号
平成22年7月6日 医歯病規則第12号
平成27年7月21日 医歯病規則第28号
平成28年9月23日 種別なし
平成29年4月18日 鹿大病規則第9号
令和2年6月24日 鹿大病規則第19号
令和4年2月22日 鹿大病規則第4号