○鹿児島大学大学院医歯学総合研究科エックス線障害予防規程

令和3年3月3日

医歯研規則第4号

(趣旨)

第1条 この規程は、鹿児島大学放射線安全管理規則(平成16年規則第105号。以下「安全管理規則」という。)第4条第2項の規定に基づき、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科(以下「本研究科」という。)における教育及び研究に関するエックス線発生装置の使用及び取扱いを規制することにより、これによるエックス線障害を防止し、安全の確保を図ることを目的とし、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、「エックス線発生装置」とは、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)に規定するエックス線を発生させる装置(以下「エックス線装置」という。)をいう。

2 この規程において、「取扱者」とは、エックス線装置の使用及び取扱いに従事する者をいう。

3 この規程において「管理区域」とは、外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域をいう。

(エックス線装置、使用室及び管理区域)

第3条 本研究科で使用するエックス線装置の種類及び使用室並びに管理区域は、別表第1のとおりとする。

(組織)

第4条 本研究科におけるエックス線障害の防止に関する業務は、研究科長が総括する。

2 研究科長は、前項の職務を遂行するに当たって、第6条に定めるエックス線作業主任者の意見を尊重しなければならない。

3 本研究科におけるエックス線障害の防止に関する安全管理組織は、別図のとおりとする。

(放射線障害防止委員会)

第5条 本研究科にエックス線障害の予防に関し必要な事項を審議するため、放射線障害防止委員会(以下「防止委員会」という。)を置く。

2 防止委員会に関し必要な事項は、別に定める。

(エックス線作業主任者等)

第6条 本研究科に、エックス線障害の発生防止について指導監督を行わせるため、エックス線作業主任者(以下「主任者」という。)を置く。

2 主任者は、主任者となる資格を有する者のうちから研究科長が推薦し、学長が任命するものとする。

3 主任者は、次に掲げる業務を行う。

(1) 予防規程の制定及び改廃への参画

(2) エックス線障害防止上重要な計画作成への参画

(3) 法令に基づく申請、届出及び報告の審査

(4) 立入検査等の立会い

(5) 異常及び事故の原因調査への参画

(6) 使用状況、施設、帳簿、書類等の監査

(7) 研究科長に対する意見の具申

(8) 関係者への助言、勧告及び指示

(9) 防止委員会開催の要求

(10) その他エックス線障害防止に関する事項

4 研究科長が必要と認めるときは、主任者のほかに、主任者となる資格を有する者の中から、エックス線作業副主任者(以下「副主任者」という。)若干名を置くことができる。

5 副主任者は、主任者の職務を補佐し、主任者が出張、疾病その他やむを得ない事由によりその職務を行うことができないときは、その期間中その職務を代行するものとする。

6 主任者及び副主任者の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

7 前項の主任者及び副主任者に欠員を生じた場合の補欠の任期は、前任者の残任期間とする。

(放射線健康管理医)

第7条 取扱者の健康診断及び保健指導を行うため、放射線健康管理医を置く。

2 放射線健康管理医は、総合研究科長が指名し、学長が任命する。

3 放射線健康管理医は、次に掲げる業務を行う。

(1) 健康診断の実施についての指導

(2) 健康管理の記録の作成についての指導

(3) 健康教育その他職員の健康の保持増進を図るための措置についての指導

(4) 職員の健康障害の原因の調査及び再発防止措置についての指導

(5) 前各号に掲げるもののほか、職員の健康管理に関する業務で医学に関する専門的知識を必要とするもの

(エックス線装置管理責任者)

第8条 研究科長は、エックス線障害の発生を防止するため、エックス線装置管理責任者(以下「エックス線管理責任者」という。)を各エックス線装置ごとに任命しなければならない。

2 エックス線管理責任者は、エックス線装置の使用に当たってエックス線障害防止のために必要な措置をとるとともに、主任者がエックス線障害防止のために行う指示等を、指導教員等を通じて、取扱者に遵守するよう徹底させなければならない。

3 エックス線管理責任者は、次の標識を掲示しなければならない。

(1) エックス線装置使用室の入口に、エックス線装置を設置する室であることを表示する標識及びエックス線装置の種類を示す標識

(2) エックス線装置又はその付近の場所に、エックス線装置の定格出力を明記した標識

(3) エックス線装置表面又はしゃへい装置表面に管理区域を明示する標識

4 エックス線管理責任者は、エックス線装置に電力が供給されている場合にその旨を警報する装置をエックス線装置使用室の入口に設けなければならない。

(放射線健康管理責任者)

第9条 取扱者の健康管理に関する職務を統括するため、放射線健康管理責任者(以下「健康管理責任者」という。)を置く。

2 健康管理責任者には、総務課長を充てるものとする。

(放射線健康管理担当者)

第10条 取扱者の健康管理に関する業務を円滑に処理するため、放射線健康管理担当者(以下「健康管理担当者」という。)を置く。

2 健康管理担当者には、総務課人事係長を充てるものとする。

3 健康管理担当者は、次に掲げる業務を行う。

(1) 第19条に定める教育訓練の実施に関すること

(2) 健康診断の実施に関すること

(3) 健康診断結果の本人への交付に関すること

(4) 登録者名簿の作成に関すること

(5) 期間ごとの被ばく管理と本人への交付に関すること

(6) 健康管理責任者への報告に関すること

(エックス線装置使用施設管理責任者)

第11条 エックス線装置使用室の維持及び管理に関する職務を統括するため、エックス線装置使用施設管理責任者(以下「施設管理責任者」という。)を置く。

2 施設管理責任者には、病院施設管理課長を充てるものとする。

(エックス線装置使用施設管理担当者)

第12条 エックス線装置使用室の維持及び管理に関する業務を円滑に処理するため、エックス線装置使用施設管理担当者(以下「施設管理担当者」という。)を置く。

2 施設管理担当者には、病院施設管理課建築係長、設備係長及び保全係長を充てるものとする。

3 施設管理担当者は、次に掲げる業務を行う。

(1) 施設環境の維持管理

 自主点検の実施に関すること

 管理区域境界のしゃへい物の破損等及び施設内外の異常箇所の措置に関すること

 点検結果の記帳に関すること

 施設管理責任者への報告に関すること

(2) 電気設備の維持管理

 自主点検の実施に関すること

 電気系統に関する点検及び異常箇所の措置に関すること

 点検結果の記帳に関すること

 施設管理責任者への報告に関すること

(取扱者の登録)

第13条 取扱者は、エックス線管理責任者の承認を受け、取扱者名簿に登録されなければならない。学生の取扱者は、指導教員とエックス線管理責任者の承認を受け、取扱者名簿に登録されなければならない。

2 エックス線管理責任者は、取扱者名簿を主任者を経て研究科長に提出しなければならない。

3 登録の有効期限は、登録をした年度内とする。

(取扱者の遵守事項)

第14条 取扱者は、エックス線装置の使用に当たって、備付けの使用簿にあらかじめ使用目的、使用条件、取扱者名等を記載するとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) エックス線装置の取扱いに熟知していること

(2) エックス線装置使用室内でエックス線装置を使用する場合には、放射線測定器を装着すること

(3) エックス線障害の発生の防止に努めること

(4) 異常が生じたときは、直ちにエックス線管理責任者に報告すること

(注意事項の掲示)

第15条 エックス線管理責任者は、エックス線装置の取扱いに関する注意事項を設置場所近くの目のつきやすい場所に掲示しなければならない。

(維持管理及び自主点検)

第16条 エックス線管理責任者は、エックス線装置使用室の適正な維持及び管理を図るため、別表第2に掲げる項目についてエックス線装置を定期的に点検するとともに、別表第3に定める項目に従い、年1回以上の自主点検を行わなければならない。

2 エックス線管理責任者は、前項の点検の結果、異常を認めたときは、施設管理責任者に報告するとともに、修理等の必要な措置を講じなければならない。

3 エックス線管理責任者は、前2項の結果を取りまとめ、主任者を経由して研究科長に報告しなければならない。

(エックス線装置の設置、移転、変更及び廃棄)

第17条 エックス線装置を設置、移転、変更及び廃棄する場合は、その30日前までに主任者及び施設管理責任者に届けなければならない。

2 エックス線装置の移転に伴い、エックス線管理責任者を変更する場合は、速やかに主任者及び施設管理責任者に届けなければならない。

(緊急時の措置)

第18条 エックス線管理責任者及び取扱者は、エックス線装置に異常が生じエックス線障害が発生したとき又は発生のおそれがあるときには、直ちに電源を切る等の適切な措置を講じるとともに、研究科長及び主任者に通報しなければならない。

2 研究科長は、取扱者が実効線量限度又は等価線量限度を超えて被ばくした場合、速やかに医師の診察又は処置を受けさせなければならない。

3 研究科長は、第1項の通報を受けた場合には、その状況を判断し、必要に応じて警察署又は消防署に通報するとともに、文部科学省その他関係機関への届出に必要な書類を遅滞なく学長に提出しなければならない。

4 主任者は、第1項による通報を受けた場合は、健康管理担当者を通じて、直ちに防止委員会等関係者に報告しなければならない。

5 研究科長は、あらかじめエックス線装置使用室の所在場所を所轄の警察署及び消防署に通知し、事故対策等について協議しておかなければならない。

(測定)

第19条 エックス線管理責任者は、エックス線障害のおそれのある場所の線量当量率の測定及びエックス線装置使用室に立ち入る取扱者の被ばく線量の測定を主任者の監督のもとに行わなければならない。

2 主任者は、前項の場所の測定結果を評価し、記録するとともに、エックス線装置使用室内の見やすい場所に掲示することによって、取扱者に周知させなければならない。

3 取扱者の被ばくによる線量の測定は、外部被ばくによる線量について行わなければならない。

4 研究科長は、前項の測定結果の記録、算定した実効線量及び等価線量の記録を記録のつど対象者に対しその写しを交付しなければならない。

(教育訓練)

第20条 研究科長は、取扱者に対し、エックス線障害を防止するために必要な教育及び訓練(以下「教育訓練」という。)を施さなければならない。

2 教育訓練の実施項目は、次に掲げるとおりとする。

(1) 放射線の人体に与える影響

(2) エックス線装置の安全取扱い

(3) エックス線障害の防止に関する関係法令

(4) 予防規程

3 取扱者は、教育訓練を、初めてエックス線装置使用室に立ち入る前又は取扱いを開始する前、及びエックス線装置使用室に立ち入った後又は取扱いを開始した後にあっては1年を超えない期間毎に受けなければならない。

4 前項の規定にかかわらず、第2項に掲げる項目について十分な知識及び技能を有すると研究科長が認める者に対しては、その理由を付して記録することにより教育訓練を省略することができる。

5 研究科長は、必要に応じ一時立入者に対してエックス線障害の発生を防止するために必要な教育を実施しなければならない。

(健康診断)

第21条 取扱者は、安全管理規則第20条の規定により実施される健康診断を受けなければならない。

2 研究科長は、前項の結果を記録の上、永久に保存するとともに、その写しを本人に交付しなければならない。

3 研究科長は、エックス線障害を受けた者及び健康診断の結果、医師が異常又はそのおそれのあると認めた者については、安全管理規則第12条に規定する放射線健康管理医と協議の上、主任者及び防止委員会に報告し、エックス線装置使用室への立入禁止、作業時間の短縮等必要な措置を講じなければならない。

(記録等)

第22条 エックス線管理責任者は、次に掲げる事項について記録を作成し研究科長に報告しなければならない。

(1) 第18条第1項の規定によるエックス線障害のおそれのある場所の線量当量率の測定結果及びエックス線装置使用室に立ち入る取扱者の被ばく線量の測定結果並びにこれに基づいて算定した実効線量及び等価線量並びに年度の実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は年度ごとの累積実効線量

(2) 第17条第2項の規定により医師の診察又は処置を受けた取扱者の実効線量及び等価線量

(3) エックス線装置の使用又は検査に従事した者の作業内容等

2 エックス線管理責任者は、前項の記録帳簿を各年度の初めに開設し、当該年度の終了の日に閉鎖しなければならない。

3 前項の規定により閉鎖した記録帳簿は、主任者の監査を受けなければならない。ただし、取扱者の被ばく線量の測定結果については、そのつど主任者の監査を受けなければならない。

4 研究科長は、第18条第1項の規定に基づき線量を測定された取扱者に、第1項第1号の記録の写しをその都度本人に交付しなければならない。

(保存)

第23条 研究科長は、第20条の健康診断の結果の記録を永久に保存しなければならない。

2 前条の記録帳簿のうち取扱者の被ばく線量の測定結果については、永久に保存し、その他については5年間保存しなければならない。

(雑則)

第24条 この規程の実施に関し必要な事項については、防止委員会の議を経て、研究科長が別に定める。

この規程は、令和3年4月1日から施行する。

別表第1(第3条関係)

規程第3条に規定するエックス線装置の種類

種類


使用場所

管理区域

医療用エックス線装置

日立メディコ製

全身用X線CT診断装置 ECLOS

医歯学総合研究科棟2

1階 法医学分野CT室

CT室

エックス線回折装置

Rigaku社製

UltimaⅣ

医歯学総合研究科棟1

5階 歯科生体材料学分野第5研究室

防X線カバー壁面

エックス線照射装置

日立メディコ製

MBR―1505R

医歯学総合研究科棟1

4階 顎顔面放射線学分野第5研究室

しゃへい装置表面

汎基礎研究用軟エックス線撮影装置

SOFTEX社製

SOFTEX CSM―2型

医歯学総合研究科棟1

6階 口腔病理解析学分野第3研究室

撮影装置表面

エックス線照射装置

BRUKER社製

SKYSCAN 1174

医歯学総合研究科棟1

8階 共同利用研究室機能構造系(歯系)分室実験室1

撮影装置内部

別表第2(第16条関係)

規程第16条第1項に規定するエックス線装置の検査

装置

検査の項目

エックス線装置

1 次に掲げる部分の異常又は損傷の有無

(1) エックス線管装置及び加速管装置

(2) 高電圧発生装置・エックス線制御装置及びエックス線管装置附属器具

(3) ゴニオメータ装置

(4) カメラ装置

2 防護措置の適否

3 エックス線装置室の適否

4 漏えい放射線の有無及びその線量又は線量当量率

別表第3(第16条関係)

規程第16条第1項に規定する自主点検項目

区分

点検項目

実施者

施設の位置等

1 位置

2 地崩れのおそれ

3 浸水のおそれ

4 周囲の状況

エックス線管理責任者

施設管理責任者

主要構造部等

1 構造及び材料

同上

しゃへい

1 構造及び材料

2 しゃへい物の状況

3 線量

エックス線管理責任者

管理区域

1 区画及び閉鎖設備

2 床壁等の構造・表面仕上げ

3 線量

4 標識

エックス線管理責任者

施設管理責任者

別図(第4条関係)

規程第4条第3項に規定する安全管理組織

画像

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科エックス線障害予防規程

令和3年3月3日 医歯研規則第4号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第1編 規則、細則/第5章 大学院/第6節 医歯学総合研究科
沿革情報
令和3年3月3日 医歯研規則第4号