○鹿児島大学病院看護師特定行為研修センター看護師特定行為研修生受入規則
令和3年11月17日
鹿大病規則第10号
鹿児島大学病院看護師特定行為研修センター看護師特定行為研修生受入規則(平成28年医歯病規則第14号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この規則は、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号。以下「法」という。)第37条の2第2項第1号の規定に基づく特定行為(以下「特定行為」という。)及び同項第4号の規定に基づく特定行為研修(以下「特定行為研修」という。)を実施する鹿児島大学病院看護師特定行為研修センター(以下「看護師特定行為研修センター」という。)における看護師特定行為研修生(以下「特定行為研修生」という。)の受入に関し、必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 鹿児島大学病院(以下「本院」という。)は、高度実践的看護臨床教育を通して地域医療の質向上に貢献し、特に医療資源の少ない離島・へき地でも安全で安心な医療を提供できる人材を育成することを目指すとともに、特定行為研修を通して特定行為を実践する看護師としての社会的責任と役割を自覚し、新たな医療の発展に寄与することのできる人材を育成する。
(開講する特定行為研修)
第3条 本院は、前条に定める目的を達成するため、特定行為研修として、区分別特定行為研修、領域別特定行為研修及び急性期コースを開講する。
2 区分別特定行為研修における区分別科目の名称及び定員は、次のとおりとする。
(1) 感染に係る薬剤投与関連 5名
(2) 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 5名
3 領域別特定行為研修における領域別パッケージの名称及び定員は、次のとおりとする。
(1) 在宅・慢性期領域パッケージ 5名
(2) 外科術後病棟管理領域パッケージ 5名
(3) 術中麻酔管理領域パッケージ 5名
急性期コース 5名
(研修期間)
第4条 特定行為研修の研修期間は、原則として1年とする。ただし、やむを得ない事情で研修期間に特定行為研修を修了できない者については、看護師特定行為研修センター特定行為研修管理委員会(以下「管理委員会」という。)の議を経て研修期間を延長することができる。
(出願資格)
第5条 本院の特定行為研修を出願できる者は、次の要件を全て満たしている者とする。
(1) 日本国内における看護師免許を有していること。
(2) 看護師免許取得後、通算5年以上の実務経験を有している者又は管理委員会において、出願資格の個別審査により看護師免許取得後、通算5年以上の実務経験を有している者と同等以上の経験があると認めた者であること。
(3) 原則として、所属施設において特定行為の実践・協力が得られ、所属長の推薦書を添付できること。
(4) 今後、特定行為を通じて、医療の発展と社会貢献に寄与する意欲があること。
2 前項第2号の個別審査に関し必要な事項は、別に定める。
(出願)
第6条 本院の特定行為研修を志願する者は、次の書類を添えて病院長に出願するものとする。なお、特定行為研修を志願する者は、共通科目のみの出願はできない。
(2) 履歴書 (様式2)
(3) 志願理由書 (様式3)
(4) 推薦書 (様式4) *所属施設がない場合は不要
(5) 看護師免許証 (写し)
(選考)
第7条 特定行為研修生は、書類審査、筆記試験及び面接により選考し、管理委員会の議を経て、病院長が決定する。
(既修得科目の履修免除)
第9条 本院の特定行為研修を志願する者が、本院又は他機関で既に修了した看護師特定行為研修の共通科目及び区分別科目並びに特定行為(以下「既修得科目」という。)について、履修免除の申請を行った場合は、当該科目の履修を免除することができる。
3 既修得科目の履修免除の申請があった場合は、管理委員会において、既修得科目の履修免除の可否を認定する。
4 第1項の規定に関わらず、認定看護師又は専門看護師研修等で既に修了した共通科目及び区分別科目並びに特定行為については、証明できる履修の状況に応じて履修時間を免除する場合がある。
(研修方法等及び指示の遵守)
第10条 特定行為研修生は、誓約書(様式8)を提出した上で特定行為研修責任者及び指導者の指示に従い研修を行うものとする。
2 特定行為研修生は、鹿児島大学が定める諸規則を遵守しなければならない。
(成績の評価及び修了認定)
第11条 成績評価は、優(90点以上)、良(90点未満80点以上)、可(80点未満60点以上)、不可(60点未満)で評し、優、良及び可を合格とする。
2 特定行為研修の共通科目を全て履修し、かつ、筆記試験及び観察評価において合格した上で、許可された区分別科目又は領域別パッケージを全て履修し、かつ、筆記試験、実技試験及び実習の観察評価に合格した者は、管理委員会において修了判定の議を経て、特定行為研修修了を認定する。ただし、やむを得ない事情で研修期間内に特定行為研修を修了できない者については、管理委員会の議を経て、修了判定の延期又は再度修了判定をすることができる。
(追試験)
第12条 やむを得ない事情により筆記試験又は実技試験を受けられなかった者に対して、追試験を行うことができる。
2 追試験を申請する者は、看護師特定行為研修追試験申請書(様式9)を研修責任者を経て、看護師特定行為研修センター長に提出し許可を得なければならない。
(再試験)
第13条 試験の結果、不合格者に対して、再試験を行うことができる。
2 再試験を申請する者は、看護師特定行為研修再試験申請書(様式10)を研修責任者を経て、看護師特定行為研修センター長に提出のうえ、管理委員会の議を経て、研修期間を超えて再試験を受けることができる。
(受講審査料及び研修受講料等の納入)
第15条 特定行為研修を志願する者は、出願時までに別表2に定める受講審査料を納入しなければならない。
2 特定行為研修の受講を許可された者は、別表2に定める許可された区分別特定行為研修、領域別特定行為研修又は急性期コースに係る研修受講料を指定期日までに納入しなければならない。
5 既納の受講審査料及び研修受講料等の返還については、鹿児島大学における授業料その他の費用に関する規則(平成16年規則第118号)第23条第1項第4号及び第2項の規定を準用する。
(本院に在籍する看護師の研修受講料の徴収猶予)
第16条 第15条第2項の規定にかかわらず、本院に在籍する看護師が、区分別特定行為研修を受講する場合、領域別特定行為研修の外科術後病棟管理領域パッケージ若しくは術中麻酔管理領域パッケージを受講する場合、又は急性期コースを受講する場合は、受講許可された区分別特定行為研修、領域別パッケージ又は急性期コースに係る研修受講料の徴収を一定期間猶予するものとする。
2 前項の規定に関し必要な事項は別に定める。
(研修中の事故等)
第17条 特定行為研修中の事故等については、本院及び協力施設の定めるところにより取り扱うものとする。
(損害賠償等)
第18条 特定行為研修生が、本人の故意又は過失により、医療過誤を生じさせた場合、又は施設・設備等を損傷させた場合は、損害賠償等の責任を負うものとする。
(事務)
第20条 特定行為研修に関する事務は、看護師特定行為研修センター及び総務課において処理するものとする。
(その他)
第21条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は病院長が別に定める。
附則
1 この規則は、令和3年12月1日から施行する。
2 この規則の施行の際に現に特定行為研修生である者については、なお従前の例による。
附則
この規則は、令和4年4月1日から施行する。
附則
1 この規則は、令和5年7月19日から施行する。
2 この規則の施行の際に、現に特定行為研修生である者については、なお従前の例による。
別表第1(第3条第5項関係)
(区分別特定行為研修)
共通科目 | 時間数 |
250 |
区分別科目及び特定行為の名称 | 時間数 |
(1) 感染に係る薬剤投与関連 ・感染兆候がある者に対する薬剤の臨時の投与 | 31 |
(2) 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 ・インスリンの投与量の調整 | 18 |
(領域別特定行為研修)
共通科目 | 時間数 |
250 |
領域別パッケージ、特定行為区分及び特定行為の名称 | 時間数 |
(1) 在宅・慢性期領域パッケージ | 72 |
ア 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 ・気管カニューレの交換 | 11 |
イ ろう孔管理関連 ・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 | 19 |
ウ 創傷管理関連 ・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 | 29 |
エ 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 ・脱水症状に対する輸液による補正 | 13 |
(2) 外科術後病棟管理領域パッケージ | 150 |
ア 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 | 12 |
イ 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 | 20 |
ウ 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 ・気管カニューレの交換 | 11 |
エ 胸腔ドレーン管理関連 ・低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更 ・胸腔ドレーンの抜去 | 16 |
オ 腹腔ドレーン管理関連 ・腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜去を含む) | 10 |
カ 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 ・中心静脈カテーテルの抜去 | 9 |
キ 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 ・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 | 11 |
ク 創部ドレーン管理関連 ・創部ドレーンの抜去 | 7 |
ケ 動脈血液ガス分析関連 ・直接動脈穿刺法による採血 | 12 |
コ 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 | 13 |
サ 術後疼痛管理関連 ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 | 10 |
シ 循環動態に係る薬剤投与関連 ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 | 19 |
(3) 術中麻酔管理領域パッケージ | 87 |
ア 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 | 12 |
イ 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸器からの離脱 | 20 |
ウ 動脈血液ガス分析関連 ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 | 18 |
エ 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 ・脱水症状に対する輸液による補正 | 13 |
オ 術後疼痛管理関連 ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 | 10 |
カ 循環動態に係る薬剤投与関連 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 | 14 |
(急性期コース)
共通科目 | 時間数 |
250 |
急性期コース | ||
基本 | 術中麻酔管理領域パッケージ | 87 |
組合せ可能な区分別科目及び特定行為 | ア 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | |
・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 | 6 | |
・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 | 6 | |
イ 循環動態に係る薬剤投与関連 | ||
・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 | 4 | |
・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 | 4 | |
・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 | 4 | |
・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 | 4 | |
ウ 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 | ||
・中心静脈カテーテルの抜去 | 9 | |
エ 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理) | ||
・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 | 11 |
別表2(第15条第1項、第2項及び第4項関係)
特定行為研修に係る経費(消費税を含む。)
(受講審査料)
受講審査料 | 10,000円 |
(区分別特定行為研修)
共通科目研修受講料 | 426,800円 |
区分別科目受講料 | |
(1) 感染に係る薬剤投与関連 | 99,000円 |
(2) 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | 82,500円 |
(領域別特定行為研修)
領域別パッケージ受講料 | |
(1) 在宅・慢性期領域パッケージ (共通科目含む) | 767,800円 |
(2) 外科術後病棟管理領域パッケージ (共通科目含む) | 982,300円 |
(3) 術中麻酔管理領域パッケージ (共通科目含む) | 839,300円 |
(急性期コース)
急性期コース受講料 | ||
基本 | 術中麻酔管理領域パッケージ (共通科目含む) | 839,300円 |
組合せ可能な区分別科目及び特定行為 | ア 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 | 56,100円 |
イ 循環動態に係る薬剤投与関連 ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 ・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 ・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 | 82,500円 | |
ウ 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 ・中心静脈カテーテルの抜去 | 69,300円 | |
エ 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理) ・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 | 82,500円 |
(再試験料)
再試験料(1区分につき) | 3,100円 |
別表3(第15条第3項関係)
既修得科目履修免除者の免除額(消費税を含む。)
(区分別特定行為研修)
共通科目研修受講料 | 426,800円 |
(領域別特定行為研修)
共通科目研修受講料 | 426,800円 |
領域別特定行為研修受講料 | |
(1) 在宅・慢性期領域パッケージ | |
ア 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | 45,100円 |
イ ろう孔管理関連 | 89,100円 |
ウ 創傷管理関連 | 145,200円 |
エ 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 61,600円 |
(2) 外科術後病棟管理領域パッケージ | |
ア 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | 41,800円 |
イ 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 (注) | 79,200円 |
・侵襲的陽圧換気の設定の変更 | (51,700円) |
・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 | (51,700円) |
ウ 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | 37,400円 |
エ 胸腔ドレーン管理関連(注) | 60,500円 |
・低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更 | (41,800円) |
・胸腔ドレーンの抜去 | (41,800円) |
オ 腹腔ドレーン管理関連 | 37,400円 |
カ 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 | 33,000円 |
キ 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 | 37,400円 |
ク 創部ドレーン管理関連 | 23,100円 |
ケ 動脈血液ガス分析関連 | 41,800円 |
コ 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 51,700円 |
サ 術後疼痛管理関連 | 37,400円 |
シ 循環動態に係る薬剤投与関連(注) | 74,800円 |
・持続点滴中のカテコラミン投与量の調整 | (56,100円) |
・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 | (56,100円) |
(3) 術中麻酔管理領域パッケージ | |
ア 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | 52,800円 |
イ 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 (注) | 100,100円 |
・侵襲的陽圧換気の設定の変更 | (64,900円) |
・人工呼吸器からの離脱 | (64,900円) |
ウ 動脈血液ガス分析関連(注) | 77,000円 |
・直接動脈穿刺法による採血 | (52,800円) |
・橈骨動脈ラインの確保 | (52,800円) |
エ 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 64,900円 |
オ 術後疼痛管理関連 | 47,300円 |
カ 循環動態に係る薬剤投与関連 | 70,400円 |
※注 それぞれの特定行為区分において、個別の特定行為について履修免除を許可した場合、( )の額を免除する。
(急性期コース)
共通科目研修受講料 | 426,800円 |
急性期コース | ||
基本 | 術中麻酔管理領域パッケージ | 領域別特定行為研修の術中麻酔管理領域パッケージに準ずる。 |
組合せ可能な区分別科目及び特定行為 | ア 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | |
・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 | 28,050円 | |
・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 | 28,050円 | |
イ 循環動態に係る薬剤投与関連 | ||
・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 | 20,625円 | |
・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 | 20,625円 | |
・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 | 20,625円 | |
・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 | 20,625円 |