○可児市環境基本条例

平成11年9月29日

条例第17号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 豊かで快適な環境の保全及び創出に関する基本的施策等(第7条―第17条)

第3章 推進体制の整備(第18条―第20条)

第4章 環境審議会(第21条・第22条)

第5章 雑則(第23条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境基本法(平成5年法律第91号。以下「法」という。)及び岐阜県環境基本条例(平成7年岐阜県条例第9号)の趣旨を踏まえ、豊かで快適な環境の保全及び創出について基本的な考え方を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策の基本的な事項を定め、これに基づく施策を総合的かつ計画的に推進することにより、現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営むことができるようにすることを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において「豊かで快適な環境」とは、きれいな大気及び水、多様な自然並びに歴史的又は文化的遺産に恵まれた香り高い文化、良好な景観等の環境をいい、かつ、市民が住みよさ及び心の豊かさを感じることができる環境をいいます。

2 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動によって環境に与える影響であって、環境を保全する上での支障の原因となるおそれがあるものをいいます。

3 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化若しくはオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に関する環境の保全をいいます。

4 この条例において「公害」とは、環境を保全する上での支障となるもののうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接に関係のある財産並びに動植物及びその生育環境を含みます。)に関係する被害が生ずることをいいます。

(基本理念)

第3条 豊かで快適な環境の保全及び創出は、市、市民及び事業者の主体的な参加の下に、次に掲げる事項を基本的な考え方として、環境への負荷の少ない持続的に発展することができる社会が構築されることを目的として行われなければなりません。

(1) 環境の保全につながるライフスタイルが当たり前となる市民文化を、市、市民及び事業者みんなで創ります。

(2) 自然及び歴史的遺産、文化的遺産等市の固有の環境と共生していきます。

(3) 世代及び立場を越えて環境に対する思い又は願いを共有し、子どもたち及び将来の市民に継承していきます。

(4) 自ら行動し、及び他の地域と連携することにより、地球環境の保全を進めます。

(5) 環境を正しく知り、理解することにより、豊かで快適な環境の保全及び創出のために行動し、並びにその行動の輪を広めていきます。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念に従い、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策を総合的かつ計画的に実施する責務があります。

2 市は、市の施策を策定し、及び実施するときは、基本理念に従い、環境への負荷の低減並びに豊かで快適な環境の保全及び創出に積極的に取り組まなければなりません。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念に従い、その日常生活の中で、自らの行動が環境を損なうことのないようにするとともに、廃棄物の減量、省エネルギー等環境への負荷の低減に積極的に努めなければなりません。

2 市民は、豊かで快適な環境の保全及び創出に自主的に取り組むよう努めるとともに、市が実施する豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策に積極的に協力する責務があります。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に従い、物の製造、加工又は販売その他の事業活動(以下「事業活動」という。)を行うに当たっては、その事業活動による公害の発生を防止するとともに、自然環境を適正に保全するために必要な措置をとる責務があります。

2 事業者は、事業活動を行うに当たっては、その事業活動に関係する製品その他の物が廃棄物となった場合に、その適正な処理が図られることとなるよう必要な措置をとる責務があります。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、事業活動を行うに当たっては、その事業活動に関係する製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に努めるとともに、再生資源その他の環境への負荷の低減につながる原材料、役務等を利用するよう努めなければなりません。

4 前3項に定めるもののほか、事業者は、豊かで快適な環境の保全及び創出に自主的に取り組むとともに、市が実施する豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策に積極的に協力する責務があります。

第2章 豊かで快適な環境の保全及び創出に関する基本的施策等

(環境基本計画)

第7条 市長は、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、可児市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めます。

2 環境基本計画は、豊かで快適な環境の保全及び創出についての目標、施策その他必要な事項について定めます。

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ市民の意見を反映するための必要な措置をとるとともに、第21条の規定により設置する可児市環境審議会の意見を聴かなければなりません。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければなりません。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用します。

(環境基本計画との整合)

第8条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図らなければなりません。

(環境影響評価の推進)

第9条 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たり、あらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進します。

(環境を保全する上での支障を防止するための規制等)

第10条 市は、環境を保全する上での支障を防止するため、次に掲げる行為について、必要な指導、助言、規制等の措置をとります。

(1) 公害の原因となる行為

(2) 自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為

(3) 前2号に掲げるもののほか、人の健康又は生活環境に支障を及ぼすおそれがある行為

(監視、測定等)

第11条 市は、環境の状況を的確に把握するとともに、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定等の体制の整備に努めます。

(経済的負担を伴う措置)

第12条 市は、環境への負荷を少なくするために必要であると認めるときは、十分な事前調査及び研究を行った上で、市民及び事業者に対して適正な経済的負担を伴う措置をとることができます。

(資源の循環的利用等の促進)

第13条 市は、環境への負荷を少なくするため、市民及び事業者による廃棄物の減量や資源の循環的利用、エネルギーの有効利用等が促進されるよう必要な措置をとります。

2 市は、環境への負荷を少なくするため、市の施設の建設及び維持管理その他事業の実施に当たって、廃棄物の減量、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用等に積極的に努めます。

(教育及び学習の振興等)

第14条 市は、市民及び事業者が豊かで快適な環境の保全及び創出についての理解を深めるとともに、これらの者が豊かで快適な環境の保全及び創出のための自発的な活動(以下「自発的な活動」という。)を行う意欲が増進されるようにするため、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する教育及び学習の振興その他の必要な措置をとります。

(自発的な活動への支援)

第15条 市は、市民、事業者及びこれらの者が構成する団体が行う自発的な活動が促進されるよう必要な支援をします。

(環境に関する情報の提供)

第16条 市は、第14条の教育及び学習の振興等並びに前条の自発的な活動の促進のために、環境に関する必要な情報を適切に提供するよう努めます。

(年次報告書)

第17条 市長は、市の環境の現状、豊かで快適な環境の保全及び創出に関し行った施策等について年次報告書を作成し、これを公表します。

第3章 推進体制の整備

(推進体制の整備)

第18条 市は、市民及び事業者と協働して、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、必要な体制の整備に努めます。

(財政上の措置)

第19条 市は、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する施策を効果的かつ継続的に推進するため、必要な財政上の措置をとるよう努めます。

(広域的連携)

第20条 市は、豊かで快適な環境の保全及び創出について広域的な取組を必要とする施策に関して、国、他の地方公共団体、民間団体等と協力してその推進に努めます。

第4章 環境審議会

(設置)

第21条 法第44条の規定に基づき、可児市環境審議会(以下「審議会」という。)を設置します。

2 審議会が所掌する事項は次のとおりとします。

(1) 市長の諮問に応じ、豊かで快適な環境の保全及び創出に関する基本的な事項及び重要な事項を調査又は審議すること。

(2) 環境基本計画に関し、第7条第3項に規定する意見を述べること。

3 審議会は、前項各号に掲げるもののほか、環境の保全についての意見を市長に述べることができます。

(組織)

第22条 審議会は、20人以内の委員で組織します。

2 審議会の委員は、次の者の中から、市長が委嘱します。

(1) 学識経験者

(2) 関係行政機関の職員

(3) 市民

(4) 事業者

3 審議会の委員の任期は2年とし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とします。

4 委員は、再任されることができます。

第5章 雑則

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定めます。

1 この条例は、公布の日から施行します。

2 可児市環境保全審議会設置条例(昭和47年可児町条例第1号)は、廃止します。

3 この条例の施行の際現に旧可児市環境保全審議会設置条例の規定により環境保全審議会委員に委嘱されている者は、第22条第2項の規定により委嘱された委員とみなします。

4 前項の場合において、当該委員の任期については、第22条第3項の規定にかかわらず、平成13年3月31日までとします。

可児市環境基本条例

平成11年9月29日 条例第17号

(平成11年9月29日施行)