○可児市無料低額宿泊所設置等指導要綱
平成23年3月31日
訓令甲第5号
(目的)
第1条 この訓令は、無料低額宿泊所の設置及び管理運営を行う者(以下「事業者」という。)に対して、無料低額宿泊所の設置計画に係る事前協議、近隣住民等への説明その他必要な事項について指導を行うことにより、無料低額宿泊所の設置等に伴う近隣住民等との紛争の未然の防止を図り、もって良好な生活環境の維持及び向上に資することを目的とする。
(1) 無料低額宿泊所 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条第3項第8号に規定する事業(以下「事業」という。)の用に供する施設をいう。ただし、国及び地方公共団体が設置するものを除く。
(2) 近隣住民等 無料低額宿泊所の周辺の居住者若しくは当該居住者で組織する可児市市民参画と協働のまちづくり条例(平成16年可児市条例第1号)第2条第8号に規定する地域コミュニティ団体、周辺の事業所等若しくは当該事業所等に勤務する者その他当該無料低額宿泊所の設置が自ら若しくは地域の生活環境に影響を与えるおそれがあると主張する個人又は団体をいう。
(周辺の生活環境への配慮等に関する指導)
第3条 市長は、事業者が無料低額宿泊所の周辺の生活環境に与える影響に十分配慮し、及び近隣住民等に対しては誠意をもって事業の内容を説明し、これまで維持されてきた良好な近隣関係を損なうことのないよう当該事業者に指導するものとする。
(事業等への配慮等に関する指導)
第4条 近隣住民等が事業の社会的意義を認識し、及び無料低額宿泊所の利用者の福祉の向上に配慮するとともに、事業者から第7条第1項の規定による説明の申出があったときは、できる限りこれに応じるよう、市長は、当該近隣住民等に指導するものとする。
(事前相談に関する指導)
第5条 市長は、事業者が無料低額宿泊所の設置を計画しようとするときは、次条第1項の規定による事前届出をしようとする日の30日前までに、当該設置計画のうち当該無料低額宿泊所の位置、規模等の計画について、市長に相談をするよう当該事業者に指導するものとする。
2 市長は、事業者が前項に規定する相談をしようとするときは、候補地域の生活環境及び学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条に規定する児童福祉施設、社会教育法(昭和24年法律第207号)第2条に規定する社会教育に係る施設その他これらに類する施設の位置、規模等をあらかじめ把握しておくよう当該事業者に指導するものとする。
3 市長は、事業者が無料低額宿泊所の位置、規模等の計画を決定しようとするときは、第1項に規定する相談の内容並びに当該無料低額宿泊所の設置及び管理運営に関して近隣住民等の理解が得られる見込みを考慮した上でその決定を行うよう当該事業者に指導するものとする。
(1) 建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項の規定による確認(以下「建築確認」という。)を受けなければならない建築物の建築等を伴う設置 建築確認の申請をしようとする日の3箇月前の日
(2) 前号に規定するもの以外の設置 事業を開始しようとする日の3箇月前の日
2 市長は、事業者が前項の事前届出書を提出するときは、次に掲げる書類を添付するよう当該事業者に指導するものとする。
(1) 事業者の定款又は団体の概要が示されているもの
(2) 事業計画書及び収支予算書
(3) 事業の代表者及び施設長の履歴書並びに施設職員名簿
(4) 無料低額宿泊所の入居規約及び入居契約書の様式
(5) 予定施設の案内図、平面図、立面図等
(近隣住民等への説明に関する指導)
第7条 市長は、前条第1項に規定する協議が終了した後、事業者が直ちに無料低額宿泊所の設置の趣旨、設備、人員配置、管理運営の形態その他の計画及び周辺の生活環境に与える影響に関する事項について説明会の開催等の方法により近隣住民等に説明をし、その理解を得るよう当該事業者に指導するものとする。
2 市長は、事業者が前項に規定する説明を行った後であっても、近隣住民等から説明の申出があったときは、その都度説明を行うよう当該事業者に指導するものとする。また、事業者が事業を開始した後も同様とする。
2 市長は、事業者の近隣住民等への説明の経緯、近隣住民等と締結した協定の内容、無料低額宿泊所の設置場所の周辺地域の状況、無料低額宿泊所が周辺の生活環境に与える影響等を総合的に勘案して、前項の協定書の締結をするものとする。
(管理運営に関する指導)
第10条 市長は、次の各号に掲げる基準により無料低額宿泊所の管理運営を行うよう事業者に指導するものとする。
(1) 無料低額宿泊所の利用者は、本市の区域内に生活の本拠のある者に限ること。ただし、やむを得ず本市の区域外に生活の本拠のある者に無料低額宿泊所を利用させるときは、あらかじめ市長と協議し、当該利用者が生活の本拠のあったところへ帰住出来る見込みのある者に限ること。
(2) 利用者(生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第2項に規定する要保護者及び同法に規定する保護の開始又は変更の申請をしている者に限る。)の処遇に関し、同法第19条第4項に規定する保護の実施機関の指示があるときは、これに従うこと。
(3) 利用者の入居に当たっては、保証人を求めないこと。
(4) 1の居室は、1の世帯に利用させること。
(5) 事業者は、利用者を利用開始の日から3箇月以内に自立させること。利用者が3箇月以内に自立に至らない場合、事業者は、利用者が生活の本拠のあったところにおいて居宅生活が出来るよう支援すること。
(6) 利用者ごとに自立支援等指導連絡簿を備え、市長の求めに応じ提出すること。
(7) 利用者から費用を徴収するに当たっては、あらかじめ入居契約書により利用者の同意を得るとともに、次に掲げる事項を遵守すること。
ア 居室使用料は、無料又は近隣の同種の住宅の賃料水準に比べて低額であること。
イ 敷金及び礼金による負担を求めないこと。
ウ 食費を徴収する場合は、徴収した食費に見合った内容の食事を提供すること。
エ 光熱水費及び日用品費を徴収する場合は、実費相当の負担を求めること。
オ 建物維持管理費、生活支援費その他入所に必要な費用等を徴収する場合は、実費相当の負担を求めること。
(8) 利用者のプライバシーを尊重した事業運営に努めること。
(9) 利用者及び近隣住民等からの苦情に対しては、適切な解決に努めること。
(10) 原則として、利用者に毎日入浴をさせることができる体制を整備すること。
(11) 利用者の健康管理に留意するとともに、無料低額宿泊所内の衛生管理に努めること。
(12) 無料低額宿泊所に施設長を置くこと。この場合において、施設長は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又は社会福祉事業に2年以上従事した者若しくはこれと同等以上の能力を有していると認められる者とすること。
(13) 無料低額宿泊所の職員は、原則として、社会福祉主事の資格を有する者とすること。
(14) 事業経営の透明性を確保するため、利用者から徴収した費用に係る領収書、入居契約書等を保管するとともに、無料低額宿泊所の収支等に関する帳簿類を整備すること。
(15) 職員の処遇の向上に努めること。
(16) 利用者名簿を整備すること。
(17) 消防計画を作成し、定期的に避難訓練を実施すること。
(18) 常に地域住民との相互理解に努めること。
(19) 無料低額宿泊所の設備面に関する基準は、岐阜県の「社会福祉法第2条第3項第8号に規定する宿泊所の運営・届出に関する指針」の基準を遵守すること。
(20) 無料低額宿泊所の設備の改修等は、必要最小限のものとすること。
(事業開始の時期に関する指導)
第11条 市長は、第9条第1項に規定する市長との協定書を締結するまでは、事業を開始しないよう事業者に指導するものとする。
附 則
この訓令は、平成23年3月31日から施行する。
附 則(令和3年訓令甲第38号)
1 この訓令は、令和4年1月1日から施行する。
2 この訓令の施行の際、現にある様式については、当分の間、所要の調整を加えて使用することができるものとする。