○可児市子どものいじめの防止に関する条例

平成24年10月3日

条例第23号

子どもは、それぞれがかけがえのない存在であり、一人の人間として心も体も大切にされなければなりません。

子どもの心や体に深刻な被害をもたらすいじめは、子どもの権利を侵害するものです。このようないじめを防止し、次代を担う子どもが健やかに成長することができる環境を実現することは、社会全体で取り組むべき重要課題です。この考えに立ち、ここに、いじめの防止についての基本理念を明らかにしてその方向性を示し、いじめの防止のための施策を総合的に推進していくため、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、子どもに対するいじめの防止に係る基本理念及び責務を明らかにするとともに、いじめの防止及び解決を図るための基本となる事項を定めることにより、子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくることを目的とします。

(用語の定義)

第2条 この条例において使用する用語は、次の各号に掲げる用語の意義によります。

(1) いじめ 子どもと一定の人間関係のある他の子どもが行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものをいいます。

(2) 子ども 小学生、中学生及び高校生並びにこれらに準ずる者をいいます。

(3) 市立学校 可児市小学校及び中学校の設置等に関する条例(昭和39年可児町条例第9号)第1条に規定する小学校及び中学校をいいます。

(4) その他の学校 市内の小学校、中学校及び高等学校で、前号に規定する市立学校以外のものをいいます。

(5) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の子どもを現に監護する者をいいます。

(6) 市民 市内に居住する者又は市内に通勤し、若しくは通学する者をいいます。

(7) 事業者 市内において事業活動を行う個人及び団体をいいます。

(8) 関係機関等 子ども相談センター、警察署その他子どものいじめの問題の対応に関係する機関及び団体をいいます。

(基本理念)

第3条 市、市立学校、その他の学校、保護者、市民、事業者及び関係機関等は、子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境を実現するため、それぞれの責務を自覚し、主体的かつ相互に連携して、いじめの防止に取り組まなければなりません。

2 子どもは、人との豊かな人間関係を築き、互いに相手を尊重しなければなりません。

(市の責務)

第4条 市は、子どものいじめの防止及び解決を図るために必要な施策を講じなければなりません。

(市立学校の責務)

第5条 市立学校は、子どものいじめの防止に取り組むとともに、いじめを把握した場合は、その解決に向け速やかに対策を講じなければなりません。

(保護者の責務)

第6条 保護者は、いじめを正しく認識するとともに、子どもに対し、いじめは許されない行為であることを説明し、これを充分に理解させるよう努めなければなりません。

(市民及び事業者の責務)

第7条 市民及び事業者は、地域において子どもに対する見守り、声かけ等を行い、子どもが安心して過ごすことができる環境をつくるよう努めなければなりません。

2 市民及び事業者は、いじめを発見したときは、速やかに市、市立学校、その他の学校又は関係機関等に情報を提供するよう努めなければなりません。

3 市民及び事業者は、いじめに関する通報、相談等に関係したときは、その際に知り得た秘密を第三者に漏らしてはいけません。

(いじめ問題対策連絡協議会)

第8条 市は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)第14条第1項の規定により可児市いじめ問題対策連絡協議会(以下「協議会」という。)を設置します。

2 協議会の構成員及び協議会の会議に出席した者は、職務上知り得た秘密を漏らしてはいけません。その職を退いた後も同様とします。

3 協議会の構成員その他運営に必要な事項は規則で定めます。

(啓発及び教育)

第9条 市は、いじめを正しく理解してもらうため、市民に対して、いじめに関する必要な啓発及び教育を行います。

2 市立学校は、子どもがいじめをなくすために主体的な行動をとることができるよう、子どもに対して、人権に関する教育を行います。

(支援)

第10条 市は、子ども、保護者及び市立学校が行ういじめの防止及び解決に向けた取り組みを支援するために必要な体制を整えます。

2 市立学校は、子どもがより良い人間関係を構築することができるよう、それを支援するために必要な取り組みを行います。

(通報、相談等)

第11条 市は、いじめを早期に発見し対応するために、効果的な通報及び相談の体制を整えます。

2 市立学校は、いじめを早期に発見し対応するために、子どもの状況を把握するとともに、子どもが安心して相談することができるような取り組みを行います。

(いじめ防止専門委員会の設置)

第12条 市長は、通報、相談等を受けたいじめについて、専門家による客観的な立場からの調査、調整等を行うため、可児市いじめ防止専門委員会(以下「委員会」という。)を設置します。

(委員会の所掌事務等)

第13条 委員会は、いじめに関する市長の諮問に応ずるほか、通報又は相談のあったいじめについて、その解決を図るために必要な調査、審査、審議又は関係者との調整を行います。

2 市長は、法第28条第1項の規定による調査に並行して行う調査及び法第30条第2項の規定による調査を、委員会に行わせることができます。

3 市長は、いじめの解決を図るために必要があると認めるときは、関係者に対する助言又は支援を委員会に行わせることができます。

4 委員会は、前3項に規定する事項を行うために必要があると認めるときは、関係者に対して資料の提出、説明その他必要な協力を求めることができます。

(委員会の組織等)

第14条 委員会の委員(以下「委員」という。)は、5人以内とします。

2 委員は、子どもの権利、発達及び心理に理解があり豊かな経験を有する者から市長が委嘱します。

3 市長は、前条第2項に規定する調査において必要と認めるときは、第1項に規定する人数を超えて調査が必要な事案ごとに3人以内を委員に委嘱することができます。

4 委員の任期は2年とします。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間を任期とします。

5 第3項の規定により委嘱する委員の任期は、前項の規定にかかわらず、当該委員の委嘱に係る事案の調査が終了するまでの期間とします。

6 委員は再任することができます。

7 市長は、委員が心身の故障のため職務を行うことができないと認める場合、委員に職務上の義務違反その他委員としてふさわしくない行為があったと認める場合は、その職を解くものとします。

8 委員は、前条に基づく調査、調整等に係る関係者と直接の人間関係又は利害関係を有するときは、当該調査、調整等に加わることができません。

9 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはいけません。その職を退いた後も同様とします。

(是正要請)

第15条 市長は、委員会の調査、調整等の結果を受け、必要があると認めるときは関係者に対して是正要請をします。

2 是正要請を受けた者は、これを尊重し、必要な措置をとるように努めるとともに、当該是正要請に係る対応状況を市長に報告するものとします。

3 市長は、是正要請をしたときは、その後の経過の確認を行い、その結果を委員会に報告します。

(委員会への協力)

第16条 市立学校、保護者、市民、事業者及び関係機関等は、委員会の活動に協力するものとします。

(その他の学校等への協力要請)

第17条 市長は、その他の学校の設置者又はその設置する学校に対して、第5条第9条第2項第10条第2項第11条第2項及び第16条の市立学校に係る規定について、実施するよう協力を求めることができます。

(活動状況等の報告及び公表)

第18条 委員会は、毎年の活動状況等を市長に報告します。

2 市長は、前項の規定による報告の内容を市民に公表します。

3 市長は、必要と認めるときは、是正要請及びその対応状況の内容を公表することができます。

(いじめ重大事態調査委員会の設置)

第19条 教育委員会は、法第28条第1項に規定する重大事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、可児市教育委員会いじめ重大事態調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置します。

(調査委員会の所掌事務等)

第20条 調査委員会は、教育委員会の諮問に応じ、重大事態に係る事実関係を明確にするための調査、審査、審議若しくは関係者との調整又は再発防止にかかる提言(以下「調査等」という。)を行います。

2 教育委員会は、いじめの解決を図るために必要があると認めるときは、関係者に対する助言又は支援を調査委員会に行わせることができます。

3 調査委員会は、調査等を行うために必要があると認めるときは、関係者に対して資料の提出、説明その他必要な協力を求めることができます。

(調査委員会の組織等)

第21条 調査委員会の委員(以下「調査委員会委員」という。)は、6人以内とします。

2 調査委員会委員は、次に掲げる者のうちから教育委員会が委嘱します。

(1) 弁護士

(2) 医療、心理又は福祉に関する知識及び経験を有する者

(3) 学識経験者

(4) その他教育委員会が必要と認める者

3 教育委員会は、複数の重大事態の発生その他必要と認める場合は、第1項に規定する人数を超えて調査等が必要な事案ごとに、3人以内を調査委員会委員に委嘱することができます。

4 調査委員会は、重大事態の内容、児童生徒の現況等を勘案して適当と認めるときは、調査等が必要な事案ごとに、調査委員会委員のうちから指名するものに調査等を行わせることができるものとします。

5 第14条第4項から第9項までの規定は、調査委員会委員について準用します。この場合において、「委員」とあるのは「調査委員会委員」と、「市長」とあるのは「教育委員会」と、同条第5項中「第3項」とあるのは「第21条第3項」と、同条第8項中「前条に基づく調査、調整等」とあるのは「重大事態」と、「当該調査、調整等」とあるのは「当該重大事態の調査等」と読み替えるものとします。

(調査委員会への協力)

第22条 市立学校、保護者、市民、事業者及び関係機関等は、調査委員会の活動に協力するものとします。

(いじめに関する情報の提供)

第23条 市長及び教育委員会又は市立学校は、いじめの防止及び解決を図るために必要と認める場合に限り、その保有するいじめに関する情報を相互に提供し、及び共有することができるものとします。

2 前項の規定により提供し、及び共有するいじめに関する情報は、必要最小限のものでなければなりません。

(委任)

第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市及び教育委員会の規則で定めます。

附 則

この条例は、公布の日から施行します。

附 則(平成25年条例第30号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(令和2年条例第32号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例の施行の日以後、最初に委嘱される可児市教育委員会いじめ重大事態調査委員会の委員の任期は、改正後の可児市子どものいじめの防止に関する条例第21条第5項において準用する第14条第4項の規定にかかわらず、令和5年3月31日までとする。

可児市子どものいじめの防止に関する条例

平成24年10月3日 条例第23号

(令和2年9月28日施行)

体系情報
第8編 生/第3章 市民生活/第1節 印鑑・住民
沿革情報
平成24年10月3日 条例第23号
平成25年12月20日 条例第30号
令和2年9月28日 条例第32号