○可児市議会基本条例

平成24年12月26日

条例第40号

地方分権の進展により、地方自治体の自己責任及び自己決定の範囲が拡大され、議会が果たすべき責任及び役割がさらに求められている。

こうした中で、議会が、市民福祉の向上及び地域社会の活力ある発展を目指し活動していくためには、主権者である市民から直接選挙で選ばれ、その意思を代表する議事機関であることを認識し、これまで以上にその責務を果たすことが求められている。

そのために可児市議会は、市民参加の推進及び情報公開を積極的に進め、議員間討議を重視し、その結果を、監視、評価及び政策立案に活用し、課題を解決していかなければならない。

よって、可児市議会は、市民の信頼に応え、活力あふれる議会活動を実践していくことを決意し、議会及び議員の活動原則の基礎となる最高規範として、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、市民に信頼され、活力ある議会を構築するために必要な基本理念を明確にするため、議会及び議員の使命、活動原則その他議会の運営に関する基本事項を定め、議会が市民の負託に応え、もって公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住し、通勤し、通学する個人又は市内で活動する団体をいう。

(2) 市長等 市長及び執行機関の職員をいう。

(3) 委員会 可児市議会委員会条例(昭和58年可児市条例第12号)に定める常任委員会、特別委員会及び議会運営委員会をいう。

(4) 会議等 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第102条に定める定例会及び臨時会(以下「本会議」という。)並びに委員会及び法第100条第12項の規定により会議規則で定める協議又は調整を行うための場をいう。

(議会の使命及び活動原則)

第3条 議会は合議制の特性を生かし、民意を代表する議員の議会活動を通じて、市民の多様な意見を集約し、市政に適切に反映させることを使命とする。

2 議会は、前項の使命を果たすために、次に掲げる原則に基づき、活動しなければならない。

(1) 公正及び透明性を確保し、市民に対して開かれた分かりやすい議会運営を行うこと。

(2) 市長等による市政運営が適切に行われているかを監視し、評価すること。

(3) 市民の多様な意見を的確に把握し、これを市政に反映させるために必要な政策提言、政策立案等を行うこと。

(4) 市民の意思を尊重するため、市民参加の機会拡充に努め、情報公開を行うとともに、議会の議決及び運営に対して、その経緯及び理由を説明する責任を果たすこと。

3 議会は、専門的知見の活用並びに政策提言等に必要な研修及び視察の実施により、議会の機能強化に努めなければならない。

(調査機関の設置)

第3条の2 議会は、議会活動に関する審査及び調査のため必要があると認めるときは、調査機関を置くことができる。

(災害時の議会対応)

第3条の3 議会は、災害時においても、議会機能を的確に維持しなければならない。

2 議会は、災害時の議会の行動基準等に関し、可児市議会業務継続計画を定めるものとする。

(議員の使命及び活動原則)

第4条 議員は、直接選挙で選ばれた公職として、常に市政の課題を把握し、公益性の見地から、市全体を見据え、市民の多様な意見を市政に反映させることを使命とする。

2 議員は、前項の使命を果たすために、次に掲げる原則に基づき、活動しなければならない。

(1) 議会が、言論の府であること及び合議制の機関であることを十分認識し、議員間相互の自由闊達な討議を尊重すること。

(2) 自己の能力を高める不断の研さんにより資質の向上を図り、市民の代表としてふさわしい活動をすること。

(3) 議会の構成員として、市民福祉の向上を目指して活動すること。

(4) 議会活動について市民に対する説明責任を果たすこと。

(議長及び副議長の所信表明)

第4条の2 議会を代表する議長及び副議長の選出については、立候補制とし、公開の場でそれぞれ所信を表明する機会を設け、その選出の過程を市民に明らかにしなければならない。

(会派)

第5条 議員は、議会活動を行うために会派を結成することができる。

2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成する。

3 会派は、政策の立案、提言等に関し、必要に応じて会派間で調整を行い合意形成に努めなければならない。

(市民参加及び市民との連携)

第6条 議会は、議会の活動に関する情報公開を行うとともに、市民に対する説明責任を十分果たさなければならない。

2 議会は、人事案件、政策形成過程等の案件を除き、原則として会議等を公開しなければならない。

3 議会は、参考人制度及び公聴会制度を活用して、市民の専門的、政策的識見等を求めるとともに、多様な広報広聴手段を活用し、市民の声を積極的に聴取するよう努めなければならない。

4 議会は、請願及び陳情を市民による政策提言と位置付け、その審議においては、必要に応じて当該請願及び陳情をした者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

5 議会は、議案に対する各議員の表決の結果を公表しなければならない。

6 議会は、すべての議員の参加の下、議会報告会を毎年開催することとし、市民の意見を議会運営の改善、政策提言等に反映させるよう努めなければならない。

7 議会は、地域課題懇談会を開催し、市民の意見を議会運営の改善、政策提言等に反映させるよう努めなければならない。

(市長との関係)

第7条 議会は、二元代表制に係る市長との立場及び権能の違いを踏まえ、緊張ある関係を構築し、事務執行の監視及び評価を次のように行うものとする。

(1) 市長の事務執行が適正かつ公平性及び効率性をもって行われているかを監視し、必要があると認めるときは、適切な措置を講ずるよう求めること。

(2) 市長の事務執行の効果及び成果について適切な評価を行うこと。

(議決事件の拡大)

第8条 議会は、法第96条第2項の規定に基づき、法に定めるもののほか、必要な事項を議決事件として追加することができる。

2 議会は、議決事件を追加し、又は削除する場合は、その理由及び根拠を明確にしなければならない。

(議論の充実)

第9条 議会の会議等における質疑応答は、論点及び争点を明確にするものとする。

2 市長等は、会議等において議員の質疑、質問、政策提言、議員提出議案等に対して、反問することができる。

3 議会は、市長が提案する施策等について、必要に応じ、市長に対してその政策形成過程の説明を求めることができる。

4 議会は、予算及び決算の審議にあたっては、市長に対し、施策別又は事業別の説明資料の提出を求めることができる。

(委員会の適切な運営)

第10条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、委員会の適切な運営を図らなければならない。

(常任委員会の活動)

第11条 常任委員会は、所管事務調査及び政策提案を積極的に実施し、その機能を十分発揮しなければならない。

2 常任委員会を代表する議員は、本会議において議長の許可を得て所管事務に関する質問をすることができる。

3 常任委員会は、その審査過程を市民との懇談会等で説明するよう努めなければならない。

4 常任委員会の改選が行われるときは、所管事務調査及び政策提案の内容を取りまとめ、次の常任委員会へ引き継がなければならない。

(自由討議の充実)

第12条 議長及び委員長は、議会が議員による討論の場であることを認識し、議員相互の討議を中心とした運営に努めなければならない。

2 議会は、本会議及び委員会において、議案、請願又は陳情について審議し、結論を出す場合は、議員相互において十分な議論を尽くして合意形成に努めるとともに、その結果について市民に対して説明責任を果たさなければならない。

(政務活動費)

第13条 法第100条第14項に定める政務活動費は、会派又は会派に属さない議員に交付する。

2 政務活動費の交付を受けた会派又は会派に属さない議員は、第4条に規定する議員の使命及び活動原則に基づき、これを適正に使用し、その透明性を確保しなければならない。

(議員研修の充実強化)

第14条 議員は、次のとおり研修の充実に努めなければならない。

(1) 議員の資質の向上を図るため、議員研修を充実すること。

(2) 学識経験を有する者と積極的に議員研修会を開催するとともに、当該研修会に市民の参加を促すこと。

(政治倫理)

第15条 議員は、市民の代表者としてその倫理性を自覚し、良心及び責任感を持って、議員の品位を保持し、見識を高めなければならない。

2 政治倫理に関し必要な事項は別に定める。

(議員定数)

第16条 議員定数は、第3条に規定する議会の使命及び活動原則に基づき、議会の機能を果たすために必要な数とすることを基本とし、これを別に定める。

2 委員会又は議員は、議員定数を改正しようとするときは、議員定数の基準等明確な改正理由を示すものとする。

(議員報酬)

第17条 議員報酬は、行政改革の視点だけでなく、市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を考慮し、これを別に定める。

2 委員会又は議員は、議員報酬を改正しようとするときは、議員報酬の基準等明確な改正理由を示すものとする。

(議会広報の充実)

第18条 議会は、次のとおり議会広報の充実に努めなければならない。

(1) 広報紙等を利用して、議会の活動について市民に対し、わかりやすく周知すること。

(2) 多様な広報手段を活用し、より多くの市民が議会及び市政に関心を持つよう議会広報活動等を行うこと。

(議会予算の確保)

第19条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を充実させるため、必要な予算の確保に努めなければならない。

(議会事務局の体制整備)

第20条 法第138条第2項の規定に基づき、議会に事務局(以下「事務局」という。)を置く。

2 事務局は、議会活動に必要とされる行政情報の提供に努めなければならない。

3 議会は、議員の資質の向上を図り、議会運営を円滑かつ効率的に進めるため、事務局の調査機能及び法務機能の充実強化並びに組織体制の整備を図るよう努めなければならない。

(議会図書室)

第21条 議会は、議会図書室を適正に管理し、運営するとともに、その機能の強化に努めなければならない。

(最高規範)

第22条 この条例は、議会の最高規範であり、議会はこの条例の趣旨に反する議会に関する他の条例、規則等を制定してはならない。

2 議会は、議員にこの条例の理念を理解させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例に関する研修を行わなければならない。

3 議会及び議員は、この条例及び議会に関する他の条例、規則等を遵守して議会を運営しなければならない。

(見直し手続)

第23条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかについて検証を行うものとする。

2 議会は、前項の検証の結果、議会に関する条例、規則等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講ずるものとする。

附 則

1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。

2 可児市議会事務局設置条例(昭和46年可児町条例第27号)は、廃止する。

附 則(平成29年条例第1号)

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

附 則(平成29年条例第25号)

この条例は、公布の日から施行する。

可児市議会基本条例

平成24年12月26日 条例第40号

(平成29年8月10日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成24年12月26日 条例第40号
平成29年3月24日 条例第1号
平成29年8月10日 条例第25号