○神流町診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領
平成20年3月10日
告示第12号
神流町診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領(平成15年神流町訓令第25号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この告示は、国民健康保険及び老人保健等に係る診療報酬明細書、調剤報酬明細書及び訪問看護療養費明細書(以下「レセプト」という。)の開示請求又は開示依頼があった場合における取扱いに関し、その基本的事項を定め、もって個人のプライバシーの保護及び診療上の問題に係る取扱いに十分配慮をしつつ被保険者等へのサービスの一層の充実を図るとともに、神流町におけるレセプトの開示業務の円滑かつ適正な遂行に資することを目的とする。
(開示対象レセプトの範囲)
第2条 開示の対象は、原則として過去5年間分の国民健康保険及び老人保健等に係るレセプトとする。
(開示請求の取扱いの整理)
第3条 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号。以下「法」という。)においては個人情報は生存する個人に関する情報に限定されることから、被保険者又は被扶養者本人からの開示請求は、法に基づく開示請求として取り扱うこととし、遺族からの開示依頼については、サービスの一環として対応するものとする。
(開示請求又は開示依頼を行いうる者の範囲)
第4条 個人のプライバシーの保護を図る観点から、次に掲げる者からの依頼に限り開示に応じるものとする。
(1) 被保険者等
ア 被保険者又は被扶養者本人(被保険者であった者及び被扶養者であった者を含む。以下「被保険者等」という。)
イ 被保険者が未成年者又は成年被後見人の場合における法定代理人
ウ 被保険者本人が開示請求をすることにつき委任した代理人(任意代理人)
(2) 遺族等
ア 被保険者が死亡している場合にあっては、当該被保険者の父母、配偶者若しくは子又はこれらに準ずる者(以下「遺族」という。)
イ 遺族が未成年者又は成年被後見人の場合における法定代理人
ウ 遺族がレセプトの開示依頼をすることにつき委任した代理人(任意代理人)
(被保険者等からの開示業務の処理方法)
第5条 被保険者等からの開示業務の処理は、次のとおり行うものとする。
(1) 開示請求に係る書類の受付
開示請求の受付に当たっては、診療報酬明細書等開示請求書(本人用)(様式第1号。以下「請求書」という。)を提出させるものとする。この場合、当該開示請求を行う者(以下「請求者」という。)に対し、別紙1「診療報酬明細書等の開示請求をされる方へのお知らせ(本人用)」を必ず配布又は送付するとともに、次に掲げる事項を十分説明し、理解を求めるものとする。
ア 請求者の本人確認の必要性
イ 保険医療機関、特定承認保健医療機関及び指定訪問看護事業者(以下「保健医療機関等」という。)に対する事前確認の必要性
ウ 調剤報酬明細書については、開示請求があったことを事後的に調剤薬局にお知らせする旨
エ 本人の診療上支障が生ずると考えられる場合については開示できない旨
オ 開示請求のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
カ 診療内容に係る照会については対応できない旨
キ レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨
ク 交付の方法について
ケ 交付までの標準的な所要日数について
コ 開示請求に必要な書類について
サ 開示請求には手数料の支払いが必要である旨
シ 郵送による開示を希望する場合は送料がかかる旨
ス 部分開示又は不開示の決定の場合における被保険者への苦情の対応窓口について
(2) 請求者の本人確認方法
請求者の本人確認は、以下に掲げる書類(郵送による請求の場合は、その写し)の提出又は提示を求めて確認するものとする。なお、提示をもって確認した場合には、原則として提示された書類の写しをとるものとし、その際には、本人の了解を得るものとする。また、郵送により開示請求を行う場合は、次に掲げる書類の写しに加えてその者の住民票の写し(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)を提出させるものとする。
ア 被保険者による開示請求の場合
(ア) 健康保険組合が発行しているもの
健康保険被保険者証(遠隔地被保険者証を含む。) |
(イ) 行政機関が発行しているもの
運転免許証、社会保険庁が発行する健康保険被保険者証(遠隔地被保険者証、船員保険被保険者証及び船員保険被扶養者証を含む。)、国民健康保険被保険者証、共済組合員証、住民基本台帳カード(住所が記載されているものに限る。)、旅券(パスポート)、年金手帳(基礎年金番号通知書)、年金証書、共済年金証書、恩給証書等 |
イ 法定代理人からの開示請求の場合
法定代理人の本人確認は、アに掲げる書類で確認するほか、被保険者が未成年者又は成年被後見人であること及び請求者が当該被保険者の親権者若しくは未成年後見人又は成年後見人であることを次に掲げる書類のうち少なくとも一以上の書類(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)の提出又は提示を求めて確認するものとする。
(ア) 戸籍謄本(抄本)
(イ) 住民票
(ウ) 登記事項証明書
(エ) 家庭裁判所の証明書
(オ) その他法定代理人関係を確認し得る書類
ウ 任意代理人からの開示請求の場合
任意代理人の本人確認は、アに掲げる書類で確認するほか、次に掲げるいずれの書類(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)の提出を求め、当該被保険者からレセプトの開示請求に関する委任があることを確認するものとする。
(ア) 被保険者の署名・押印のあるレセプト開示請求に係る委任状
(イ) 委任状に押印された印の印鑑登録証明書
(3) 請求書の受理
請求書の受理に当たっては、請求者の本人確認及び請求書の各項目の記載に漏れ、誤りがないことの確認をすることとし、受理後、受付日付印を押印のうえ当該請求者へ請求書の控えを手渡す(郵送による請求の場合は送付する。)ものとする。
(4) 保険医療機関等への照会
レセプトの開示に当たっては、開示することによって本人が傷病名等を知ったとしても、被保険者等の診療上支障が生じないことを事前に保健医療機関等に対して確認するものとする。この確認に当たっては、診療報酬明細書等の開示について(照会)(様式第2号)に回答期限(発信日の翌日から起算して14日以内)を記入し、診療報酬明細書等の開示について(回答)(様式第3号)、開示請求のあったレセプトの写し(以下「コピーレセプト」という。)及び切手を貼付した返信用封筒を添えて、当該レセプトを発行した保険医療機関等(ただし、調剤報酬明細書については、当該調剤報酬明細書に記載された保健医療機関等)に対し、レセプト開示についての意見を照会するものとする。
また、当該レセプトの開示の適否については、当該保険医療機関等からの回答に基づき、次のとおり行うものとする。
(ア) 当該レセプトを開示することにより被保険者等の診療上支障が生じない場合は、開示とする。
(イ) 当該レセプトを開示することにより被保険者等の診療上支障が生じる部分がある場合は、当該部分を伏して開示する部分開示とする。
(ウ) 当該レセプトを開示することにより被保険者等の診療上支障が生じる場合には、不開示とする。
なお、部分開示又は不開示とすることができるのは、レセプトを開示することによって、患者本人に重大な心理的影響を与え、その後の治療効果等に悪影響を及ぼすおそれがある場合に限られるため、部分開示又は不開示との回答については、その理由も併せて記入を求めるとともに、開示が可能となる時期についてもできる限り記入してもらうよう努めるものとする。また、部分開示又は不開示の理由の記入が無い場合や回答期限が経過しても回答が無い場合については、当該保険医療機関等に対し電話等により回答の要請をするなど適切な対応を図るものとする。なお、当該調剤報酬明細書を開示する場合においては、当該調剤レセプトを発行した保険薬局に対し、調剤報酬明細書の開示について(お知らせ)(様式第4号)によりその旨を速やかに事後連絡するものとする。
(5) 開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等より、当該レセプトについて前号の回答があった場合にあっては、その回答を踏まえ、開示、部分開示又は不開示を決定するものとする。また、法定代理人又は任意代理人(以下「法定代理人等」という。)からの開示請求による場合は、原則として被保険者に対しレセプトの開示を行う旨の説明を行った後、法定代理人等に対して開示を行うものとする。なお、保険者において開示の取扱いとする場合(遺族等からの依頼を除く。)は、次のいずれかに該当する場合によるものとする。
ア 保険医療機関等に対し照会を行った際に示した回答期限内(発信日の翌日から起算して14日以内)に当該保険医療機関等から回答がなかった場合において、電話等により回答の要請をしても、なお回答が得られないとき(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。)。
イ 当該保険医療機関等の廃止等の事情により、保険医療機関等に対して前記アの照会を行うことができないとき。
ウ 照会の結果、送達不能で返戻された場合において、群馬県庁の担当課に確認しても、なお当該保険医療機関等の所在が確認できないとき。
エ 照会の結果、部分開示・不開示の理由が記載されていない場合において、理由の記載を要請しても、なお回答が得られないとき(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。)。
(6) 決定通知書の送付及び開示の実施方法等の申出
開示又は部分開示の決定を行ったときは、診療報酬明細書等開示決定通知書(様式第5号。以下「開示決定通知書」という。)により速やかに次の事項等について請求者に通知を行うものとする。
ア 求めることができる開示の実施方法
イ 窓口交付を実施することができる日時・場所(窓口交付を希望する場合には、窓口交付を実施することができる日時のうちから選択すべき旨)
ウ 郵送による交付を希望する場合の準備日数、送付に要する費用。この場合、親展扱いで郵送するものとする。また、開示決定通知書と併せて開示の実施方法等申出書(様式第6号。以下「実施方法等申出書」という。)を送付し、次の事項等についての記入を求めるものとする。
(ア) 求める開示の実施方法
(イ) 窓口交付を希望する場合の希望日時
なお、実施方法等申出書は、開示通知があった日から30日以内に提出するよう求め、期限内に実施方法等申出書の提出がない場合は、請求書に記載された方法により開示を実施するものとする。
(7) 開示又は部分開示の場合の開示の実施
ア 窓口交付を希望した場合
実施方法等申出書において窓口による交付を希望する請求者については、次のとおりの取扱いとする。
(ア) 交付を行う際の請求者本人であることの確認
先に請求者あて送付した、開示決定通知書の提示を求め、前記2号に準じて本人確認を行うものとする。ただし、受付時に本人確認の手段として提出された書類又は提示された書類の写しがある場合には、それにより、請求者本人であることの確認を行っても差し支えないものとする。
(イ) 開示の実施
開示の実施に当たっては、当該交付用コピーレセプト(1部に限る。)に保険者名及び開示日を押印し、交付すること。なお、交付の際は、受領者(請求者)から請求書の右下欄に署名を受けること。また、部分開示の決定を行った場合にあっては、当該不開示部分を伏したうえで開示するものとする。
(ウ) 開示用レセプトの保存
開示の実施方法等申出書に記載された開示の実施を希望する日から1箇月経過しても来所(連絡)がない場合は、交付用コピーレセプトを破棄して差し支えないものとする。
イ 郵送による交付を希望した場合
実施方法等申出書において郵送による交付を希望する請求書については、次のとおりの取扱いとするものとする。
(ア) 書類の確認
郵送による交付を希望した場合、実施方法申出書の他に送付に要する費用についての郵便切手が添付されているか確認し、添付のない場合は、提出を求めるものとする。
(イ) 請求者への連絡及び交付
交付用コピーレセプト(1部に限る。)に保険者名及び開示日を押印したものを添付のうえ、速やかに請求者に交付するものとする。なお、この場合、請求書の請求者欄の住所欄に記載された住所あてに親展扱いで送付するものとする。また、部分開示の決定を行った場合にあっては、当該不開示部分を伏したうえで開示するものとする。
(ウ) 返戻分の取扱い
送達不能で返戻された交付用コピーレセプトは、返戻された日から1箇月経過しても来所(連絡)がない場合は、交付用コピーレセプトを破棄して差し支えないものとする。
(8) 不開示の場合の取扱い
不開示の決定を行ったときは、診療報酬明細書等不開示決定通知書(様式第7号。以下「不開示決定通知書」という。)により速やかに請求者に通知するものとする。なお、この場合において、請求書の請求者欄の「住所」欄に記載された住所あてに送付するものとする。
(9) 部分開示・不開示の場合の理由等の記載について
部分開示・不開示の決定を行う場合については、その理由を決定通知書に記載するものとする。また、保健医療機関等から開示が可能となる時期が示されている場合には、その時期についても記載するものとする。
(10) 不存在の場合の取扱い
開示請求があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は不存在とし、不開示決定涌知書により速やかに請求者に通知するものとする。この場合において、不開示の理由の欄に、レセプトの存在が確認できない旨又は保存期間が経過したため既に破棄している旨を記入するものとする。なお、この場合、請求書の請求者欄の住所欄に記載された住所あてに送付するものとする。
(11) 再審査請求中又は返戻中のレセプトの取扱い
(12) 決定の期限
被保険者からの開示請求の場合は、請求書を受理してから30日以内に決定を行わなければならない。ただし、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、30日以内に限り、延長することができるものとする。この場合、請求者に診療報酬明細書等の開示決定等の期限延長について(様式第8号)によりその旨を通知するものとする。
(13) 「開示が可能となる時期」の到来時の取扱い
(14) 審査請求及び処分の取消しの訴え
部分開示又は不開示決定に対する苦情の適切かつ迅速な対応を行うに当たり、苦情への対応の窓口設置や苦情への対応の手順を定める等、必要な体制の整備に努めるものとする。
(遺族等からの開示依頼の場合)
第6条 遺族等からの開示業務の処理は、次のとおり行うものとする。
(1) 開示依頼に係る書類の受付
開示依頼の受付に当たっては、診療報酬明細書等開示依頼書(様式第9号。以下「依頼書」という。)を提出させるものとする。この場合、当該開示依頼を行う者(以下「依頼者」という。)に対し、別紙2「診療報酬明細書の開示依頼をされる方へのお知らせ(遺族用)」を必ず配付又は送付するとともに、次に掲げる事項を十分説明し、理解を求めるものとする。
ア 依頼者の本人確認の必要性
イ レセプトが医師の個人情報である場合において、保険医療機関等から開示について事前に同意が得られない場合は、原則として開示ができない旨
ウ レセプトが医師の個人情報である場合において、遺族から保険医療機関等に対する事前の照会について同意が得られていない場合は、不開示決定を行わざるをえない旨
エ レセプトを開示する場合については、遺族の同意が得られていれば、レセプトを開示したことを事後的に保険医療機関等に連絡する旨。また、保険医療機関等への連絡について遺族の同意が得られていない場合に、医師の個人情報に該当しないレセプトを開示した場合には、依頼者たる遺族の特定をしない形でレセプトを開示したことを保険医療機関等に連絡する旨
オ 被保険者の生前の意思及び名誉を傷つけるおそれがある場合については開示できない旨
カ 開示依頼のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
キ 診療内容に係る照会については対応できない旨
ク 交付の方法について
ケ 交付までの標準的な所要日数について
コ 開示依頼に必要な書類について
サ 開示依頼に手数料は徴収しない旨
シ レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨
また、依頼者には、次の事項について診療報酬明細書等開示依頼書に記入させること。
(ア) 保険医療機関等に開示についての意見を照会し、又は開示した旨を保険医療機関等に連絡することに同意するか否か
(イ) レセプトを開示することが、亡くなった患者の生前の意思や名誉との関係で問題があるか否か
(ウ) レセプトの開示を依頼するに当たって特別な理由がある場合はその理由
(2) 依頼者の本人確認方法
依頼者の本人確認方法については、次に掲げる書類(郵送による依頼の場合は、その写し)の提出又は提示を求めて確認するものとする。なお、提示をもって確認した場合には、原則として提示された書類の写しを取るものとし、その際には本人の了解を得るものとする。また、郵送により開示依頼を行う場合には、次に掲げる書類の写しに加えてその者の住民票の写し(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)を提出させるものとする。
ア 依頼者の本人確認方法
(ア) 健康保険組合が発行しているもの
健康保険被保険者証(遠隔地被保険者証を含む。) |
(イ) 行政機関が発行しているもの
運転免許証、社会保険庁が発行する健康保険被保険者証(遠隔地被保険者証、船員保険被保険者証及び船員保険被扶養者証を含む。)、国民健康保険被保険者証、共済組合員証、住民基本台帳カード(住所が記載されているものに限る。)、旅券(パスポート)、年金手帳(基礎年金番号通知書)、年金証書、共済年金証書、恩給証書等 |
イ 法定代理人からの開示依頼の場合
法定代理人の本人確認は、アに掲げる書類で確認するほか、遺族が未成年者又は成年被後見人であること及び依頼者が当該遺族の親権者若しくは未成年後見人又は成年後見人であることを次に掲げる書類のうち少なくとも1以上の書類(開示依頼をする日前30日以内に作成されたものに限る。)の提出、提示を求めて確認するものとする。
(ア) 戸籍謄本(抄本)
(イ) 住民票
(ウ) 登記事項証明書
(エ) 家庭裁判所の証明書
(オ) その他法定代理人関係を確認し得る書類
ウ 任意代理人からの開示請求の場合
任意代理人の本人確認は、アに掲げる書類で確認するほか、次に掲げるいずれの書類(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)の提出を求め、当該遺族からレセプトの開示請求に関する委任があることを確認するものとする。
(ア) 遺族の署名・押印のある委任状
(イ) 委任状に押印された印の印鑑登録証明書
エ 遺族と被保険者の関係の確認等
(ア) 戸籍謄本(抄本)
(イ) 住民票(除票)
(ウ) 死亡診断書
(3) 依頼書の受理
開示依頼書の受理に当たっては、依頼者の本人確認及び依頼書の各項目の記載に漏れ、誤りがないことを確認することとし、受理後、受付日付印を押印のうえ当該依頼者へ依頼書の控えを手渡す(郵送による開示依頼の場合は、送付する。)ものとする。
(4) 保険医療機関等への照会
レセプトが医師の個人情報となる場合については、遺族の同意が得られていれば、開示についての意見を事前に保険医療機関等に確認するものとする。この確認にあたっては、診療報酬明細書等の遺族への開示について(照会)(様式第10号)に回答期限(発信日の翌日から起算して14日以内)を記入し、診療報酬明細書等の遺族への開示について(回答)(様式第11号)、開示依頼のあったレセプトに係るレセプト情報管理システムから出力した開示用レセプト及び切手を貼付した返信用封筒を添えて、当該レセプトを発行した保険医療機関等(ただし、調剤報酬明細書については、当該調剤報酬明細書に記載された保険医療機関等)に対し、レセプト開示についての意見を照会するものとする。なお、当該レセプトを開示することに問題ない場合については「開示」、問題がある部分を伏して開示する場合については「部分開示」、問題がある場合については「不開示」と区分するものとする。また、部分開示又は不開示との回答については、その理由もあわせて記入を求めるものとする。なお、部分開示又は不開示の理由が被保険者の生前の意思や名誉との関係から問題があるという理由の場合は、その旨を確認できる書類の写しの添付を求めるものとする。また、部分開示又は不開示の理由の記入が無い場合や回答期限が経過しても回答が無い場合については、当該保険医療機関等に対し電話等により回答の要請をするなど適切な対応を図るものとする。
(5) 開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等より、当該レセプトについて、前号の回答があった場合にあっては、その回答を踏まえ、かつ、レセプトの開示を依頼するに当たっての特別な理由が存在する場合にはその内容も勘案して開示、部分開示、不開示を決定するものとする。また、法定代理人からの開示依頼による場合は、原則として遺族に対しレセプトの開示を行う旨の説明を行った後、法定代理人等に対して開示を行うものとする。なお、レセプトが医師の個人情報である場合においては、保険医療機関等に開示についての意見を照会することについて遺族の同意が得られていないときは、不開示の決定を行うものとし、また、レセプトが医師の個人情報でない場合には、開示の決定を行うものとすること。
(6) 開示又は部分開示の場合の連絡及び交付方法
ア 窓口交付を希望した場合
(ア) 依頼者への連絡
開示又は部分開示の決定を行ったときは、診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ(様式第12号。以下「お知らせ」という。)により速やかに依頼者に親展扱いで連絡するものとする。なお、当該お知らせを発送した日から1箇月経過して来所(連絡)がない場合は、交付用コピーレセプトを破棄して差し支えないものとする。
(イ) 交付を行う際の依頼者本人であることの確認
先に依頼者あて送付したお知らせの提示を求め、第2号に準じて本人確認を行うものとする。ただし、受付時に本人確認の手段として提出された書類又は提示された書類の写しがある場合には、それにより、依頼者本人であることの確認を行っても差し支えないものとする。
(ウ) 開示用レセプトの交付
交付用コピーレセプトの交付に当たっては、当該交付用コピーレセプト(1部に限る。)に保険者名及び開示日を押印し、交付するものとする。なお、交付の際は、受領者(依頼者)から依頼書の右下欄に署名を受けるものとする。
イ 郵送による交付を希望した場合
(ア) 依頼者への連絡及び交付
開示又は部分開示の決定を行ったときは、診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ(様式第13号)に保険者名及び開示日を押印した交付用コピーレセプト(1部に限る。)を添付のうえ、速やかに依頼者に交付するものとする。なお、この場合、依頼書の依頼者欄の住所欄に記載された住所あてに親展扱いで送付することとする。
(イ) 返戻分の取扱い
送達不能で返戻された交付用コピーレセプトは、返戻された日から1箇月経過しても来所(連絡)がない場合、破棄しても差し支えないものとする。
(7) 不開示の場合の取扱い
不開示の決定を行ったときは、診療報酬明細書等の不開示について(様式第14号)により速やかに依頼者に連絡するものとする。なお、この場合において、依頼書の依頼者欄の住所欄に記載された住所あてに送付することとする。
(8) 部分開示・不開示理由について
部分開示・不開示の決定を行う場合については、その理由を依頼者に通知するものとする。
(9) 不存在の場合の取扱い
開示依頼があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は「不存在」とし、診療報酬等の不開示について(様式第14号)により速やかに依頼者に連絡するものとする。この場合、不開示の理由の欄にレセプトの存在が確認できない旨又は保存期間が経過したために既に破棄している旨を記入するものとする。なお、この場合、依頼書の依頼者欄の住所欄に記載された住所あてに送付することとする。
(10) 再審査請求中又は返戻中のレセプト情報の取扱い
再審査請求中又は返戻中のレセプトについて開示依頼があった場合には、基本的には、戻ってきたレセプトについて開示等の決定をすることとするが、再審査請求又は返戻前のレセプトの開示依頼があった場合には、第4号により当該レセプトについて開示等の決定を行うものとする。
(11) 保険医療機関等への連絡
レセプトを開示した場合には、遺族の同意が得られていれば、保険医療機関等(調剤報酬明細書を開示する場合においては、保険薬局)に対し、診療報酬明細書等の開示について(お知らせ)(様式第15号)により、その旨を速やかに連絡するものとする。また、保険医療機関等への連絡について遺族の同意が得られていない場合に、医師の個人情報に該当しないレセプトを開示した場合には、依頼者たる遺族を特定しない形で、その旨を速やかに保険医療機関等に連絡するものとする。なお、第4号の回答が不開示である場合において、最終的に開示すると決定した場合は、保険医療機関等に対し、開示することとした理由を付記した上で、開示した旨の連絡をするものとする。
(12) 標準業務処理期間
遺族からの開示依頼の場合は、依頼書を受理してから開示等の連絡及び交付に至るまでの業務処理期間は、30日間とする。この期間を超える場合には、依頼者に診療報酬明細書等の開示について(遅延のお知らせ)(様式第16号)によりその旨を連絡し、理解を得るよう努めるものとする。
(関係書類の整理保管)
第8条 レセプト開示に係る一連の関係書類は、受付日ごとに整理し、保管するものとする。なお、関係書類の保存期間については5年とし、文書処理済(完結)となった年度の翌年度から起算するものであること。
(費用の負担)
第9条 レセプトの交付を受ける者は、コピーレセプトの作成に要する費用を負担しなければならない。
附則
この告示は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成24年6月28日告示第40号)
この告示は、平成24年7月9日から施行する。
附則(令和5年3月10日告示第10号)
この告示は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)附則第1条第7号に掲げる規定(同法第51条の規定に限る。)の施行の日から施行する。