○神流町犯罪被害者等支援条例
令和4年12月16日
条例第34号
(目的)
第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)に基づき、犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、町、町民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等の支援を総合的かつ計画的に推進し、犯罪被害者等の権利利益の保護を図り、もって町民等が安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
(2) 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族(害を被った者が死亡した場合はその遺族をいう。)であって町内に住所を有するものをいう。
(3) 二次的被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に、他者の無理解又は配慮に欠ける言動、他者による偏見、差別、プライバシーの侵害又は誹謗中傷、報道機関等による過剰な取材等により犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、心身の不調、経済的な損失その他の被害をいう。
(4) 再被害 犯罪被害者等が当該犯罪等の加害者から犯罪等により再び受ける被害をいう。
(5) 犯罪被害者等の支援 犯罪被害者等が安心して暮らすことができるようにするためにその受けた被害を回復し、又は軽減する取組をいう。
(6) 町民等 町内に居住し、通勤し、又は通学している者をいう。
(7) 事業者 町の区域において事業活動を行う個人及び法人又はその他の団体をいう。
(8) 関係機関等 国、他の地方公共団体その他の関係機関及び犯罪被害者等の支援に関する活動を行う民間の団体をいう。
(基本理念)
第3条 犯罪被害者等の支援は、全ての犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されることを旨として行われなければならない。
2 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が受けた被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情を考慮し適切に行われるとともに、犯罪被害者等に係る個人情報の取扱いに留意して、二次的被害及び再被害(以下「二次的被害等」という。)が生ずることのないよう十分配慮して行われなければならない。
3 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が安心して暮らすことができるよう、必要な支援が途切れることなく提供されることを旨として行われなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、前条に規定する基本理念にのっとり、犯罪被害者等の支援に関する施策を策定し、実施するものとする。
2 町は、犯罪被害者等の支援のための施策が円滑に実施されるよう、関係機関等との連携及び協力に努めなければならない。
(町民等及び事業者の責務)
第5条 町民等及び事業者は、第3条に規定する基本理念にのっとり、犯罪被害者等の尊厳、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性についての理解を深め、二次的被害等が生ずることのないよう十分配慮するとともに、町及び関係機関等が実施する犯罪被害者等の支援に協力するよう努めなければならない。
(総合的支援体制の整備)
第6条 町は、犯罪被害者等の支援に関係する部局が関係機関等と連携し、相互に協力して適切な支援を行うため、総合相談窓口を設置するものとする。
(相談及び情報の提供等)
第7条 町は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるように、二次的被害等を含め犯罪被害者等が直面している様々な問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関等との支援に関する連絡調整を行うものとする。
(二次的被害等の防止)
第8条 町は、犯罪被害者等が二次的被害等を受けることがないよう、犯罪被害者等の個人情報、プライバシー及び名誉の保護に努めるとともに、警察等と協力して犯罪被害者等の安全の確保に努めるものとする。
2 町は、犯罪被害者等の再被害の防止及び安全の確保のため、一時保護及び施設入所による保護、保護施設の利用に関する情報の提供及びあっせん並びに防犯に係る指導その他の必要な施策を行う。
(経済的な支援)
第9条 町は、犯罪被害者等に対する経済的な支援を図るため、必要な施策を講ずるものとする。
(保健医療サービス及び福祉サービス)
第10条 町は、犯罪被害者等が心理的外傷その他犯罪等により心身に受けた影響からの早期の回復を図るため、その心身の状況等に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な支援を行うものとする。
(居住の安定のための施策)
第11条 町は、犯罪等、二次的被害又は再被害により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、町営住宅等(神流町町営住宅条例(平成15年神流町条例第148号)に規定する町営住宅等をいう。)の一時的な入居の決定その他の必要な支援を行うものとする。
(雇用の安定等のための施策)
第12条 町は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るとともに、職場における二次的被害等を防止するため、事業者が犯罪被害者等の置かれている状況について理解を深め、犯罪被害者等に配慮した職場環境の整備改善その他の犯罪被害者等の支援を推進できるよう、必要な施策を講ずるものとする。
(犯罪被害事実の収集)
第13条 町は、犯罪被害者等の支援を行うために必要と認める場合は、犯罪等により害を被った事実に係る個人情報を収集することができる。
(広報及び啓発)
第14条 町は、町民等及び事業者が犯罪被害者等の置かれている状況、二次的被害等の防止の重要性その他犯罪被害者等の支援に関する事項について理解を深めることができるよう、広報及び啓発を行うものとする。
(意見の反映)
第15条 町は、犯罪被害者等の支援に当たっては、犯罪被害者等その他町民等からの意見を聴き、施策に反映させるよう努めるものとする。
(支援を行わないことができる場合)
第16条 町は、犯罪被害者等が犯罪等を誘発したとき、又は犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められるときは、犯罪被害者等の支援を行わないことができる。
附則
この条例は、令和5年4月1日から施行する。